2023年4月7日更新

【2023最新】死ぬまでに見ておきたいカルト映画37選!おすすめ名作TOP5も紹介

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カルト映画とは?

「カルト映画」とは広く解釈すると、シネコンで上映するには不気味すぎる映画のことです。1970年代ごろから深夜上映で広まっていきました。 ミニシアターは年々減ってきていますがそれでもまだ根強い人気があり、少数派の観客の興味をかき立てているのです。大手の会社は手を出せないような映画をあえて上映する文化が、映画業界を豊かにしてきました。

評価の高いおすすめカルト映画は?

カルト映画の多くは、ホラーの要素を含んでいます。ホラー映画の金字塔とされる『悪魔のいけにえ』はカルト映画としても高い人気を誇っており、ホラー好きにおすすめ。 『ムカデ人間』『ピンク・フラミンゴ』などのように、道徳的にアウトな作品もカルト映画としては人気を獲得することが多いです。

【初心者向け】熱狂的人気を誇るカルト映画TOP5

まずはカルト映画初心者のためのおすすめ作品を5つ紹介しましょう。どれも一部のファンから長年熱狂的に支持されていますが、数あるカルト映画のなかでも比較的ライトで、世間的にも有名な作品です。 入門編として、これらの作品を観てみてください。

1位 『ロッキー・ホラー・ショー』 不気味な館でくり広げられる、狂乱の宴を描くミュージカル
2位 『キューブ』 死の罠が張りめぐらされた立方体から脱出しろ!一瞬も気が抜けないサスペンス・ホラー
3位 『ミッドサマー』 人里離れた美しい村の不気味な儀式を描くホラー映画
4位 『PERFECT BLUE』 日本初のR指定アニメ映画!現実と妄想が交錯する狂気の世界
5位 『悪魔のいけにえ』 リアルな殺人描写に注目!ホラー映画の金字塔

【洋画編】カルト映画のおすすめ32選!有名ホラーからB級作品まで

ここからは、洋画のカルト映画おすすめ32作品を紹介しましょう。大ヒットを記録した有名なホラー映画から、タイトルから明らかにB級映画だとわかる作品まで、新旧の名作を選出しました。 気になる作品をチェックして、ぜひお気に入りを見つけてください!

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1.『ムカデ人間』(2011年)

『ムカデ人間』
©︎ IFC FILMS/zetaimage

2010年に公開され、世界中で話題を呼んだ『ムカデ人間』は、オランダのトム・シックス監督によるホラー映画です。 かつて結合双生児の分離手術で名医として知られていた、ドイツ人のヨーゼフ・ハイター博士。彼はこれまで行ってきた分離手術とは反対に、人間の口と肛門をつなげて「ムカデ人間」をつくる願望を抱いていました。 そんなあるとき、車で移動中タイヤがパンクしてしまった旅行客のアメリカ人女性2人が、博士の家に助けを求めてやってきます。彼はなにも知らない2人を快く迎え入れ、自ら捕らえてきた日本人男性カツローを加えて、ムカデ人間制作に乗り出すのでした。 あまりにも突飛で下品な内容のため、日本では当初DVD発売のみの予定でしたが、口コミで話題になり劇場公開されました。2011年に続編の『ムカデ人間2』、2015年には『ムカデ人間3』が公開されましたが、ストーリー上のつながりはありません。

2.『キューブ』(1997年)

『キューブ』(1997年)
© Trimark/Photofest/Zeta Image

立方体で構成され、罠が仕掛けられた謎の迷宮に突然放り込まれた男女6人の脱出劇を描く『キューブ』。誰がなんの目的で自分たちを閉じ込めたのかもわからないまま、彼らは死のトラップが張り巡らされた立方体からの脱出を試みますが……。 カナダのヴィンチェンゾ・ナタリ監督によるワンセットもので、出演する俳優は7人という超低予算で制作された本作。いつどこでなにが起こるかわからない緊張感のなかで物語が進んでいきます。仕掛けられたバラエティ豊かなトラップの数々、なんとか罠を避ける法則を見つけようとする頭脳戦が非常にスリリング。 公開以降、本作のあまりの人気に、似たようなタイトルの便乗作品が数多く出回りました。

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3.『悪魔のいけにえ』(1974年)

『悪魔のいけにえ』レザーフェイス、ガンナー・ハンセン
©Bryanston Distributing Company/P/zetaimage

テキサス州に帰省した5人の男女が、連続殺人鬼レザーフェイスに襲われ次々と殺害されていく様子を描いたホラー映画の金字塔。トビー・フーパー監督の商業映画デビュー作で、リアルな殺人の描写やストーリー展開が高く評価されています。また映像の芸術性の高さから、マスターフィルムはニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久保存されることになりました。 1973年8月。テキサス州では墓荒らしや異常な殺人事件が多発していました。そんななか、サリー、フランクリン、ジェリー、カーク、パムの5人は、帰省がてら家族の墓の無事を確かめに行くことに。しかし彼らを待っていたのは、レザーフェイスを含むソーヤー一家の魔の手だったのです。 のちに3作の続編が製作され、人気シリーズとなりました。2018年には本作の前日譚『レザーフェイス−悪魔のいけにえ』も公開されています。

4.『イレイザーヘッド』(1977年)

イレイザーヘッド 4Kデジタル復元版
(C)1977 David Lynch-All RightReserved.

『イレイザーヘッド』は、鬼才デヴィット・リンチが自己資金と5年の歳月を投じて製作した監督デビュー作です。 消しゴムのような髪型から「イレイザーヘッド」と呼ばれるヘンリーは、あるとき恋人から身体が不自由な赤ん坊を産んだことを告白され、彼女と結婚することにします。しかし、子供の普通ではない姿に耐えきれなくなった彼女は家を出てしまい、ヘンリーは1人で子育てをすることに。やがて彼は悪夢のようなできごとに見舞われ、正気を失っていきます。 不気味なモノクロ映像でつづられる、難解で理解不能なストーリーでリンチの作風が全開の本作。日本では1981年に公開されました。

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5.『マルコヴィッチの穴』(2000年)

『マルコヴィッチの穴』(1999年)
© PROPAGANDA FILMS/All Star Picture Library/Zeta Image

新聞の求人欄を見て、マンハッタンのオフィスビルの7と1/2階にある小さな会社に就職した人形師のクレイグ。ある日彼は書類整理の仕事中、偶然壁に小さなドアがあるのを見つけます。それはなんと、個性派俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中につづく穴でした。彼は上司のマキシンとともに、この穴を使って商売を始めますが、そのことがクレイグと妻ロッテの人生を狂わせていきます。 のちに『アダプテーション』(2002年)や『her/世界でひとつの彼女』(2013年)などで知られるようになるスパイク・ジョーンズ監督の長編デビュー作。脚本は『エターナル・サンシャイン』(2005年)や『脳内ニューヨーク』(2009年)のチャーリー・カウフマンが担当しています。 奇抜な設定と難解な内容で人気を集める本作は、ブラッド・ピットやウィノナ・ライダーらがカメオ出演していることにも注目です。

6.『ミッドサマー』(2020年)

『ミッドサマー』
© 2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

2018年のホラー映画『へレディタリー/継承』で、世界中を恐怖のどん底に陥れたアリ・アスター監督の長編2作目。 家族を亡くし精神的に不安定になっていたダニーは、恋人で大学院生のクリスチャンの調査旅行について行くことにします。行き先はスウェーデンからの留学生ペレの故郷である、人里離れたホルガ村。90年に1度しか開催されないという夏至祭で、彼女たちを待ち受けていたのは、予想もしない悪夢でした。 暗い場面の多い普通のホラー映画とは対象的に、白夜の北欧を舞台とする本作では、明るい場所で恐ろしいことが次々と起こります。華やかな映像とは裏腹に不気味な物語が展開され、そのギャップに魅せられてしまいます。

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7.『マジカル・ガール』(2014年)

『マジカル・ガール』(2014年)
© Courtesy of the San Francisco Film Society./Photofest/Zeta Image

日本のテレビアニメ「魔法少女ユキコ」にあこがれる白血病の少女とその父親の行動が、思わぬ事態を巻き起こす様を描いた、2014年のスペイン映画です。予想不可能な展開や、独特のブラックユーモアが話題を呼び、サンセバスチャン国際映画祭でグランプリと観客賞を受賞するなど、高い評価を得ました。 監督は本作が長編映画デビューとなったカルロス・ベルムト。『バスルーム 裸の2日間』(2011年)のホセ・サクリスタンや、『フリア よみがえり少女』(2012年)のバルバラ・レニーらが出演しています。 長山洋子のデビュー曲『春はSA・RA・SA・RA』が劇中および予告編に使用され、スペイン映画らしい展開とのギャップが、なんとも不思議な雰囲気を醸し出しています。

8.『スクリーム』(1996年)

『スクリーム4』ゴーストフェイス
© Dimension Films/Photofest/zetaimage

本作が公開されたのは1996年。お決まりの展開になりがちなスプラッター映画は既に飽きられつつあった時代です。クレイヴン監督は、この観客の「慣れ」と「飽き」を逆手に取りました。 まずは登場人物に先の展開を予測させ、「お決まりの展開」をバカにさせることで観客を混乱させます。そしてときには意外な、時にはベタな展開で、登場人物たちがバタバタと殺されていくのです。 お決まりのパターンという「常識」を叩き壊される、あるいは分かっていても結局逃れられないという理不尽さは、本作独特のスリルを生み出しています。もちろん、監督はそこまで計算していたでしょう。 ストーリーの全体像としてはかなりギャグに寄っているのですが、そこで起こる事件の1つ1つはかなり残酷。このギャップが本作の特徴です。皮肉に見えてしっかりと原点に回帰している作品といえるでしょう。

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9.『ウィッカーマン』(1973年)

『ウィッカーマン』(1973年)
© British Lion Films/Photofest/Zeta Image

「ウィッカーマン」とはキリスト教以前の異教の地で生け贄となる家畜や人間を燃やす祭儀の名称で、それに使用される巨大な人型の檻のことでもあります。 スコットランドの警察官、ニール・ハウイーは、行方不明になった少女ローワンの足取りを求めて、サマーアイルという孤島にやって来ます。そこの住民はキリスト教徒ではなく、古いドルイド教を信仰している異教徒でした。 ローワンが島民たちによって人身御供として殺されたのではないかと疑ったハウイーは、単身で捜査を続けます。ところが、そこには恐るべき陰謀が……。 2006年にニコラス・ケイジ主演でリメイクされましたが、オリジナルの恐怖やスリルには到底およびません。

10.『エルム街の悪夢』(1984年)

『エルム街の悪夢』ロバート・イングランド
© NEW LINE CINEMA/zetaimege

ホラー映画の悪役はときに人気者になります。『エルム街の悪夢』のフレディは、とてつもなく恐ろしいキャラクターでありながら評価が高く、『13日の金曜日』のジェイソンと対決するなど、多方面に進出しています。フィギュア化もされており、造形の面でも愛されているようです。 本作の恐ろしいところは事件が夢のなかで起きるということ。夢の世界はすべてフレディの思うがまま、手の打ちようがありません。単に凶暴だとか不死身だとかというのとは次元が違います。物語の終盤でフレディの弱点が解き明かされ、彼を倒す計画が立てられますが……。 随所に笑いどころが仕込まれているのもホラー映画の定石ですが、クレイヴン監督はそれらを自然に取り込み、怖いと思いつつ最後まで見てしまう作品に仕上がっています。

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11.『燃えよNINJA』(1981年)

『燃えよNINJA』(1981年)
© MGM HOME ENTERTAINMENT / ROGER ROBLES/All Star Picture Library/Zeta Image

『燃えよNINJA』は、ショー・コスギの出世作で、全米で忍者ブームを巻き起こしたキャノンの忍者映画第1作目です。 舞台はフィリピンのマニラ。伊賀の里で免許皆伝を受けたアメリカ人忍者コールは、かつての戦友の土地を奪おうとする悪徳業者と戦うことになります。 オープニングのアクションシーンには、本作のB級感があふれています。フランコ・ネロ演じるコールの武闘家としての説得力は、コメディ映画『ビバリーヒルズ・ニンジャ』(1997年)のクリス・ファーレイと同じ程度ですが、たった1人で赤い忍者の軍団をやっつけてしまうのです。 日本人から見ればトンデモな忍者像になっていますが、それでも本作のヒットが当時アメリカでの日本ブームの追い風になったことは間違いありません。

12.『ロッキー・ホラー・ショー』(1976年)

ティム・カリー、リチャード・オブライエン、パトリシア・クイン、ネル・キャンベル『ロッキー・ホラー・ショー』
© 20th Century Fox - All Rights Reserved

ロック・ミュージカルのカルト映画として名高い一作。原作はリチャード・オブライエンの舞台劇で、本人も出演しています。 古いホラー映画をオマージュした本作のストーリーは、古城に迷い込んだ若いカップルが、そこで乱痴気騒ぎをしていた異形の人々に翻弄されるというもの。ヒロインのジャネットを演じたのは、当時デビューしたばかりのスーザン・サランドン。古城の主人であるフランクン・フルターは、のちに『IT』(1990年)のペニーワイズ役でも知られることになるティム・カリーが演じています。 ゲイ、バイセクシュアル、女装趣味といった当時アブノーマルとされていたキャラクターが登場するのも特徴。映画館での上映時には、今でもキャラクターのコスプレをしたファンたちで埋め尽くされる、まさにカルト的人気を誇る作品です。

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13.『デッドリー・フレンド』(1986年)

『デッドリー・フレンド』(1986年)
© WARNER BROS/All Star Picture Library/Zeta Image

ホラー映画にしばしば登場するマッドサイエンティスト。1986年公開の『デッドリー・フレンド』でマッドサイエンティストとなるのは15才の少年です。 機会いじりが趣味で小型ロボット「ビービー」を創りだすほどの頭脳の持ち主であるポールは、まさに小さな科学者。隣人の少女サマンサに恋をするなど甘酸っぱい流れから一転、不幸な事故によりビービーは破壊され、サマンサは虐待により死亡してしまいます。 そこでポール少年はひらめきます。残されたビービーの基盤とサマンサの亡骸を組み合わせて双方を復活させることにしたのです。はじめは指すら自由に動かせなかったサマンサでしたが……。 自由に動けるようになるほど人間性を失っていくサマンサとそれを見つめるポールがなんとも切ない。しかし、そんな切なさは吹っ飛ぶほどのエグい展開がすぐ後に控えています。

14.『壁の中に誰かがいる』(1991年)

『壁の中に誰かがいる』(1991年)
© UNIVERSAL/All Star Picture Library/Zeta Image

「親の心子知らず」。大人になればその有り難みがわかるとはいえ、子供の頃には意味もなく怒っているだけにしか見えなかったりするものです。 ただし、本作に登場する夫婦と思しき男女は完全にイカレているかもしれません。子供が欲しかったという理由で少年少女をさらって監禁、虐待しているのです。本人たちの中ではそれが正しいと思っているので余計に恐ろしいです。 彼らを倒すのはスラム育ちの少年フール。本作では彼と恐ろしい偽の両親の対決が、少年らしく全く手加減がないのがポイント。エグさではイカれた夫婦に負けていません。最終的には被害者たちの助けも借り……。 コミカルでスピード感溢れるアクションと、ホラー映画としては珍しい大団円に近いエンディング。公開は1991年ですが、いま観ても新鮮さを味わえます。

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15.『サランドラ』(1977年)

『サランドラ』(1977年)
© Vanguard/Photofest/Zeta Image

『サランドラ』は、「田舎街の外れの荒野で車が故障し、殺戮者に襲われる」という定番の展開ですが、ちょっと変わっているのは殺戮者が「家族」あるいは「部族」単位で行動していることでしょう。この設定のおかげで、彼らに妙な人間臭さが生まれています。これを良しとするかどうかで評価が別れる映画かもしれません。 とはいえ、圧倒的な殺戮者が所帯持ち、しかもいきなり大げんかを始めるという展開はなかなか見られません。2006年に公開されたリメイク作品『ヒルズ・オブ・アイズ』と比べてみるのもおもしろいでしょう。

16.『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』(1992年)

『ハードボイルド/新・男たちの挽歌』(1992年)
© MILESTONE PICTURES/All Star Picture Library/Zeta Image

デジタルでインチキのできる時代になり、キャラクターたちは日常的に重力に逆らい、素晴らしいスタントが実際に行われなくても、ワンテイクで撮影することができるようになりました。 『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』ではジョン・ウー監督の特徴である、熟練したバレエのような殺戮シーンを見ることができます。キャラクターたちは空中を飛び、片目の手下が煙の中からスローモーションで現れ、誰もが2丁の拳銃を同時に撃つのです。 もともと本作に台本はなく、チョウ・ユンファ演じる警察官テキーラが、ギャングの密輸業者を追うアクションシーンが連続して撮影されました。数々の銃撃戦を経て、最終的に悪人が密輸した武器を隠している病院で突拍子もないフィナーレを迎えます。

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17.『ザ・チルド』(1985年)

治療あるいは蘇生の術がない人を凍結状態で保存する「コールドスリープ」。SF好きなら1度は耳にしたことのある技術でしょう。現代では解決できない問題を「未来の技術」が解決してくれることに賭けるわけで、いわば希望が根拠となっているとも言えます。 コールドスリープが実用化された近未来。人々の期待に反し、蘇生に成功した者は居ません。ところがマイルズだけは違いました。機械の故障によって期せずして蘇ってしまった彼に、周囲の人々は歓迎します。しかし、それは果たして彼自身なのでしょうか?彼の振る舞いは人々を失望させ、恐怖に陥れます。彼は何を思い、周囲の人々はどう受け止めたのか……。 未来はそんなに都合のいいものなのだろうか?1985年公開の『ザ・チルド』はそういった疑問や不安をはっきりと見せつけます。全体的な構成はB級臭漂うホラーかもしれませんが、なぜか心に棘を残す。そんな作品です。

18.『フランケンフッカー』(1990年)

『フランケンフッカー』(1990年)
© Shapiro-Glickenhaus Entertainment/Photofest/Zeta Image

『バスケット・ケース2』の撮影で予算が足りなくなってしまったフランク・ヘネンロッター監督は、現場でミーティングをして1963年の映画『死なない頭脳』からの引用で『フランケンフッカー』のあらすじを作り、90年代に復活させました。 主人公のニュージャージー電力に勤める男は、パワーアップし、コントロールの効かなくなった芝刈り機で愛する人を失ってしまいます。ジェームス・ロリンツ演じる主人公のジェフリー・フランケンは“趣味で外科的なことをしていた”ので、研究室に彼女の遺体を隠し、首を切断して新しい体を探しに行きました。 彼はタイムズスクエアで新しい女性の材料になる売春婦を物色しており、そのシーンはヘネンロッターの『バスケット・ケース』(1982年)と同じように、ニューヨークの嫌な部分を浮き彫りにしています。

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19.『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年)

『ファントム・オブ・パラダイス』ウィリアム・フィンレイ
© BBC/zetaimage

本作もロック・ミュージカルとして名高く、いわゆる名画座で『ロッキー・ホラー・ショー』と併映されることが多かった作品。監督はブライアン・デ・パルマです。 内容は『オペラ座の怪人』を下敷きにしたもので、ロックの殿堂「パラダイス」に出没する怪人(ファントム)が主人公。音楽はカーペンターズの『愛のプレリュード』などの作曲で有名なポール・ウィリアムズで、ロカビリー風、ビーチ・ボーイズ風、ハード・ロック風、カントリー風など様々な楽曲を提供しています。 ポール・ウィリアムズは悪魔と契約したプロデューサー役で出演もしており、『サスペリア』(1977年)のジェシカ・ハーパーがヒロイン役です。 日本にも近田春夫や手塚眞など、この映画に影響を受けたアーティストは多く、SFアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』のコスチュームは、明らかに本作でファントムが着る衣裳にインスパイアされています。

20.『鮮血の美学』(1972年)

『鮮血の美学』(1972年)
© LOBSTER ENTERPRISES/All Star Picture Library/Zeta Image

スプラッターホラーにチェーンソーといえば『13日の金曜日』でおなじみのジェイソンを思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、ホラー映画においてチェーンソーが凶器として活躍したのはもっと早く、1972年の『鮮血の美学』がその元祖だというのはご存知でしょうか。 弄ばれたあげく無残に殺された娘。殺人者が腹を満たすために忍び込んだのは、なんと被害者の両親の家だった!というところから血みどろの惨劇が始まります。 チェーンソーの使い手は被害者の父親であり、復讐に燃える殺戮者でもあるコリンウッド氏。計画的殺人ではないため、ガレージに転がっていたチェーンソーを持ち出したという設定ですが、そのリアリティが恐ろしいです。

21.『TNT ジャクソン』(1974年)

『TNT ジャクソン』(1975年)
© New World Pictures/Photofest/Zeta Image

元プレイメイトのジーン・ベルが、女優パム・グリアの代わりに出演し、フィリピンで撮影したアクション映画で、黒人のステレオタイプな描写が多くあります。ベル演じるダイアナは、ストリートで育った賢く若い女性で、香港で行方不明の兄弟を探す間、5分ごとに戦いに巻き込まれます。 彼女のアクションシーンはとても笑えるものになってしまっていますが、「B級映画の帝王」と呼ばれるロジャー・コーマンがプロデュースし、『グレムリン』(1984年)などのディック・ミラーを共同脚本に迎えたとなれば、カルト映画としてはそれだけでお墨付き。 信じられないような戦闘シーンやいきいきとした会話がこの映画を観るべきものにしています。

22.『妖怪巨大女』(1958年)

『妖怪巨大女』(1958年)
© WARNER HOME/All Star Picture Library/Zeta Image

“奇妙で巨大なもの”が現れたとき、相続人のナンシー・アーチャーは叫びながら夫がいる家へと走りました。夫のハリーは彼女に近付き二度も彼女の財産を盗もうとしていていましたが、そのとき彼女の巨大な手が彼の目に入ります。 “驚くべき発達”を促すという放射線を浴びたとき、ナンシーの立場はさらに悪くなったので、彼女は屋根を吹き飛ばし、町中を暴れ回りました。銃弾が彼女に当たったのは明白でしたが、彼女は倒れず、ハリーを見つけ、彼とその愛人をぐちゃぐちゃに潰します。 監督のネイザン・ジュランは、“ネイザン・ハーツ”という偽名をプログラムに載せましたが、説得力はありませんでした。ナンシーを演じたアリソン・ヘイズは代表作でも良さを活かせていない場合が多いですが、この映画ではとても良いです。どんなものかこっそり見てください。きっと楽しめると思います。

23.『SFヘルスラッシャー』(1987年)

『SFヘルスラッシャー』(1987年)
© Anchor Bay Entertainment/Photofest/Zeta Image

生殖能力を持った男性が死に絶え、人類が絶滅の危機に直面した近未来。荒野に住むカエルのミュータントは人間の女性を次々と誘拐し、身代金をせしめていました。そんななか、主人公サムは夢にまで見た任務につきます。それはカエルのミュータントに監禁されている美しい女性たちを見つけて解放し、妊娠させることでした。 サムはトラブルを避けるため、爆弾付きの鉄のパンツを履き任務に出発します。 下ネタ満載のおバカSFコメディで、これぞB級映画といった作品です。しかしカエルのミュータントは、のちにティム・バートン監督の『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(2001年)でメイクアップを手掛けることになるスティーブ・ワンによる本格的なものになっています。

24.『コフィン・ジョーのお前の魂いただくぜ!!!』(1964年)

本作で脚本家/監督のジョゼ・モジカ・マリンズが演じたコフィン・ジョーは、ブラジルで最初のホラー・アイコンです。 彼は髭を生やし、黒い服を着た墓掘り人で、トップハットとケープを身につけ、ひとつの願いを叶えようとしていました。それは彼の“血の国”を守り続けること。彼は子供を産めなかった妻を殺害。そして自分に後継者を授けてくれる女性を探します。 60年代初頭にモノクロで撮影されたこの作品は、驚くほどきわどい内容です。マリンズは少ない予算で、商業的にも芸術的にも前衛的な作品を作りました。 60年代に続編3作が公開された本シリーズですが、1978年 に製作された最終章『コフィン・ジョーの狂った心で夢を見てるんだよ!!!』は、2008年まで公開されませんでした。

25.『The Room』(2003年)

『The Room』(2003年)
© Chloe Productions/TPW Films/Photofest/Zeta Image

サンフランシスコで恋人のリサと暮らす銀行員のジョニーは、公私ともに順風満帆な生活を送っていました。しかし彼との関係に退屈していたリサは、ジョニーの親友マークを誘惑します。彼女の態度の変化に気づいたジョニーは、疑心暗鬼に陥り、人生を狂わせていきます。 トミー・ウィゾー(ワイゾーとも)が脚本、監督、主演を務めた本作は、支離滅裂な脚本、演出や演技のひどさから「空前の駄作」とされながらも、その欠点が笑いとなり、カルト的人気を獲得した恋愛映画です。 日本では、2020年のイベント「未体験ゾーンの映画たち2020」でクロージング作品として上映されました。 2017年に公開されたジェームズ・フランコ主演の映画『ディザスター・アーティスト』は、本作の舞台裏を描いた作品です。

26.『トロル2/悪魔の森』(1992年)

Troll
©Empire Pictures/Photofest/Zeta Image

1986年のホラーファンタジー『トロル』の続編として製作された『トロル2/悪魔の森』は、前作を上回る荒唐無稽ぶりでカルト映画として人気を獲得しています。 あるとき田舎の村に旅行に出かけたウェイツ一家。しかし彼らが訪れた村はなんとトロルの住処でした。当然、村に来たよそ者はトロルの餌食になる運命です。ただしこのトロルたちはベジタリアンで、そのままでは人間を食べることができません。そこで彼らは人間に魔法のかかった食べ物を食べさせ、植物に変えてから食べるのでした。 絶体絶命の一家を救おうと奮闘するのは、祖父の霊。しかし彼の姿はその息子にしか見えず、どんなに説明してもほかの家族には信じてもらえません。はたして彼らはトロルから逃げることはできるのでしょうか。

27.『バーバレラ』(1968年)

『バーバレラ』(1967年)
© Paramount/Photofest/Zeta Image

本作はフランスのSFコミックを原作としています。メガホンをとったのは、『血とバラ』(1960年)などのロジェ・ヴァディム。 舞台は遠い未来で、地球大統領から命令を受けたエージェント、バーバレラ(ジェーン・フォンダ)が、様々なエロチックな冒険をするという内容です。セックス拷問機が登場してバーバレラを苛むなど、クスリと笑ってしまいます。 バーバレラが着るセクシーなコスチュームや、ゴージャスな美術は非常にオシャレでキッチュなものばかり。ロック・バンドのデュラン・デュランの名前は、本作の登場人物からとられました。

28.『ピンク・フラミンゴ』(1973年)

『ピンク・フラミンゴ』
©Fine Line Features/Photofest/zetaimage

過激で下品なユーモアで、悪趣味映画の巨匠として知られるジョン・ウォーターズによる『ピンク・フラミンゴ』は、「史上最低の悪趣味映画」として彼のキャリアのなかでも、もっとも有名で人気のあるカルト映画です。 巨漢のドラァグクイーン、ディヴァインはバブス・ジョンソンという偽名で一癖も二癖もある母、息子、娘の4人でボルチモア郊外のトレーラーハウスに暮らしていました。あるときタブロイド紙がディヴァインを「世界で最も下品な人間」と評したことから、「我らこそが“世界で最も下品な人間”」と主張するマーブル一家が乗り込んできます。 そして「世界で最も下品な人間」の称号をかけたとんでもない勝負が始まるのでした。 衝撃シーンの連続で、カルト映画の金字塔として知られる作品です。

29.『ティングラー/背筋に潜む恐怖』(1959年)

『ティングラー/背筋に潜む恐怖』(1959年)
© COLUMBIA/All Star Picture Library/Zeta Image

恐怖について研究する科学者のウォーレンは、あるとき人間の脊椎でうごめく虫・ティングラーが人に恐怖を与えていることを発見します。またティングラーの弱点は人間の悲鳴であることも判明。彼は恐怖で死亡してしまった女性の脊椎からその虫を取り出すことに成功しますが、虫は劇場内に逃亡してしまいます。 観客は、死にたくなければ悲鳴を上げつづけなければいけません。 本作は「パーセプトゥ」方式というギミック上映で、劇中の展開に合わせて、座席が電気でビリビリする仕組みが取り入れられました。まさに4DX上映の元祖ともいえる作品で、「体験する映画」として知られています。

30.『チキン・オブ・ザ・デッド 悪魔の毒々バリューセット』(2008年)

『チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット』(2008年)
© TROMA ENTERTAINMENT/All Star Picture Library/Zeta Image

アメリカン・インディペンデント映画の巨人として知られるロディ・カウフマンによる『チキン・オブ・ザ・デッド/悪魔の毒々バリューセット』は、全米公開時のオープニング週末興行成績が『アイアンマン』に次ぐスクリーン・アベレージを記録した、まさかの大ヒット作です。 あるとき米ニュージャージー郊外で、ネイティブ・アメリカンの墓地跡にフライドチキンのチェーン店がオープンします。しかし食材のチキンには呪いがかけられており、それを食べた人々は次々とゾンビや巨大なチキンモンスターに変身し、暴れはじめました。 地獄と化した店内に居合わせた童貞の清掃員とレズビアンのガールフレンド、自爆テロが趣味の過激派従業員は、生き残るため歌って踊りながら壮絶な戦いをくり広げます。 過激な下ネタ満載のゾンビ・ミュージカル・コメディです。

31.『スタークラッシュ』(1979年)

『スタークラッシュ』(1979年)
© NEW WORLD PICTURES/All Star Picture Library/Zeta Image

「B級映画の帝王」ロジャー・コーマンの制作会社ニューワールド・ピクチャーズによる『スタークラッシュ』は、「スター・ウォーズ」の影響を受けたSFコメディ。 善と悪の帝国が争いをくり広げる銀河を舞台に、お尋ね者の女海賊ステラの活躍が描かれます。彼女とその相棒アクトンは善の皇帝から、悪の帝王ザース伯爵の秘密基地を見つけて破壊せよとの命を受けます。アマゾネスや巨大な像との対決を経て、ステラは任務を遂行することがでいるのでしょうか。 『ナイトライダー』で知られるデヴィッド・ハッセルホフや、『サウンド・オブ・ミュージック』などのクリストファー・プラマーも出演しています。

32.『プラン9・フロム・アウタースペース』(1959)

『プラン9・フロム・アウタースペース』(1959年)
© Photofest/Zeta Image

「史上最低の映画監督」として知られるエド・ウッドによる『プラン9・フロム・アウタースペース』は、公開当時は見向きもされませんでしたが、のちに深夜時間帯にくり返しテレビ放送され、カルト映画として人気を獲得しました。 あるとき、アメリカ各地でUFOが目撃されるようになります。そこには軍拡競争によって自滅の道をたどる人類に警告するため、外宇宙からやってきた宇宙人が乗っていました。宇宙人はアメリカ政府に接触しようとしますが、彼らの平和的メッセージが理解できなかった軍はついに彼らを攻撃。宇宙人は仕方なく死者を蘇らせて人間を驚かせ、地球を征服する「第9計画」を実行することにします。 あまりのひどさに愛おしくなってくる、エド・ウッドの代表作にして史上最低映画の金字塔です。

【邦画編】カルト映画のおすすめ5選

邦画にもカルト映画は多くあります。ここではその一部である5作品を紹介しましょう。 海外でも評価の高いアニメ映画やあの有名怪獣映画シリーズの異色作など、ぜひ観てみてほしい作品を選出してみました。

1.『太陽を盗んだ男』(1979年)

冴えない中学校の理科教師・城戸は、原子力発電所に侵入してプルトニウムを強奪。自宅で悪戦苦闘しながら原爆の製造に成功します。ダミーの原爆で日本政府を脅迫した彼は警察に電話をかけ、かつてバスジャック事件に巻き込まれたときに知り合った山下警部を交渉相手に指名しました。 その後、明確な思想を持たない城戸は「ナイター中継の延長」や「ローリング・ストーンズの日本公演」など、行きあたりばったりの要求をつづけますが……。 沢田研二が城戸を演じ、彼を追う山下警部を菅原文太が熱演した本作は、大がかりなカーアクションやゲリラ的なロケ撮影、重くシリアスな内容でカルト的な人気を獲得しています。

2.『PERFECT BLUE』(1998年)

パーフェクトブルー
©︎Photofest/zetaimage

のちに監督した映画『千年女優』(2002年)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003年)、『パプリカ』(2006年)やテレビアニメ『妄想代理人』のどれもが高い評価を受けながら、2010年に逝去した今敏の長編デビュー作。 アイドルの霧越未麻は、突如グループを脱退し女優に転身することに。しかし彼女は、アイドル時代には考えられなかった過激な仕事に戸惑います。そんななか、未麻の関係者を狙った連続殺人事件が発生。さらにネット上には彼女の名を騙ってブログを更新する人物が現れ、未麻は精神的に追い詰められていきます。 竹内義和の小説『パーフェクト・ブルー 完全変態』を原作とした本作は、「本当の自分とは?」というテーマを強く打ち出した作品になっています。

3.『AKIRA』(1988年)

『AKIRA』(1988)
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海外でも高い評価を受けているアニメ映画『AKIRA』は、漫画家で原作者の大友克洋が自らメガホンをとり映画化した作品です。 第三次世界大戦の勃発から31年が過ぎた2019年のネオ東京。翌年にオリンピック開催を控え、街は活気を取り戻しつつありました。ある夜、閉鎖された高速道路でバイクを走らせていた不良少年の金田と鉄雄は、26号と呼ばれる奇妙な男と出会います。彼は軍と対立するゲリラによって「アキラ」という軍事機密と間違えられてラボから連れ出されたのでした。 そこへ彼を追ってきた軍が現れ、26号と接触し負傷した鉄雄が連れ去られてしまいます。金田は彼を助け出そうと奮闘しますが……。 近未来の東京を舞台に超能力者や不良少年、軍隊の戦いが描かれる本作の製作にはは、3年の期間と総製作費は10億円が費やされました。ハイクオリティな映像で、国内外に多大な影響を与えた伝説的アニメ映画です。

4.『ゴジラ対ヘドラ』(1971年)

『ゴジラ対ヘドラ』(1971年)
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1971年に公開された「ゴジラ」シリーズ第11作目『ゴジラ対ヘドラ』は、円谷英二の死後はじめて作られたゴジラ映画であり、シリーズの再出発となった作品で、シリーズのなかでもかなりの異色作となっています。 公害が社会問題となっていた時代、ヘドロで汚染された駿河湾でオタマジャクシのような謎の生物が発見されます。息子の研とともに調査にやってきた海洋生物学者の矢野は衝撃を受けますが、ゴジラが大好きな研はこの生物を「ヘドラ」と名付け、ゴジラが倒しにやってくると言います。 やがてヘドラはタンカーを沈めながら上陸。工場の煙を吸っているとそこにゴジラも現れ、対決が始まります。 テレビの台頭によって映画産業が停滞していた当時、本作はこれまでにない低予算で制作されました。また公害を怪獣として取り上げ、後年になってから社会風刺映画としても評価が高まった作品でもあります。

5.『狂い咲きサンダーロード』(1980年)

『狂い咲きサンダーロード』は、『爆裂都市 BURST CITY』(1982年)や『逆噴射家族』(1984年)などの監督、石井聰亙(現・石井岳龍)が卒業制作として撮った自主製作映画です。大学生の作った映画であるにもかかわらず全国で公開され、カルト的人気を博しました。 小林稔侍が出演していたり、泉谷しげるやPANTA&HALの楽曲が使用されているなど、卒業制作としてはかなり豪華。 ストーリーは近未来の架空都市、サンダーロードで繰り広げられる暴走族同士の抗争が描かれます。内容的に『マッドマックス』(1979年)に酷似していますが、製作は本作が微妙に先なのです。

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