2016年10月14日更新 9,870view

オープニングが最高にイケている映画20選【人は第一印象の三秒で評価する】

2時間以上もの長さを誇る映画でも、最も印象に残りやすいのはやはり冒頭。最初の数秒でどれだけ視聴者を引き付けることができるか…多くの映画製作者が葛藤と試行錯誤を重ねてきましたが、今回はそんな中で生まれた一生忘れられない強烈なオープニングを持つ映画を紹介します。

1.セルジオ・レオーネの神業オープニング

『ウエスタン』を見たことのある人なら、このオープニングのシーンはきっと頭に残っているはず。そのペース感が素晴らしいのは言うまでもありませんが、注目すべき点は他にもあります。

まず、様々なショットの使い分け。近距離で大きく写したクローズアップは、メインの登場人物を紹介し、中距離のショットは物事が起こる場所の設定を詳しく、でも静かに描写します。そして遠くから全景を見回すカメラで、私たちは列車の到着を知るのです。

また音の使い方も脱帽モノ。エンニオ・モリコーネは作曲だけでなく、自然音の使い方にも長けています。会話がないこのシーンでは、ハエの羽音や水滴の落ちる音、風車のきしみが緊張感を出しています。

ウエスタン

顔に何度も止まる苛立たしいハエは、全く計画されたものではなく、撮影中にアクシデントで入り込んだものをそのまま生かしたそうです。

そして長い積み上げの後に待っているのは、激しくテンポの速い戦闘シーン。セルジオ・レオーネが得意にする手法です。

2.そういうことだったのか…!

クリストファー・ノーランは型破りで非直線的にストーリーを語るのがとても上手い監督です。しかし彼の作品の中で最も際立っているのは『メメント』でしょう。ノーラン監督がこのシーンに使用したのは、なんとカットなし逆再生!

しかも最初は全く自然に見えるので、視聴者はこれが逆再生であることに気づきません。少しずつ色あせていくこの写真に気を取られていると、シーンは一気に加速。男が人を殺しその写真を撮ったということが分かります。シンプルではありますが、驚きに溢れ、これから始まる映画全体の雰囲気にも見事にマッチしています。

メメント

逆再生にすることによって徐々に色薄れていく写真は、主人公の記憶が長く持たないことを暗示しているのです。

映画の鍵となるポラロイド写真を最初に見せた点も実に見事。ストーリーの最後の部分を映画のはじめに見せる語りの手法も素晴らしいものです。

3.映画の撮り方を変えた!影響力の強いオープニング

『セブン』と言えばラストにかけてのシーンが最も有名ですが、オープニングシーンにもぜひ注目してみてください。あの電子的な不気味な音楽、断片的に現れる強烈な映像、超クローズアップの多様、そして震えるカメラ…。『セブン』以降、ほとんどのホラー映画がこのような撮影方法を真似るようになりました。BBCの大人気ドラマ『シャーロック』もここから着想を得ています。

ここで描かれているのは、以後ジョン・ドウとして知られることとなる猟奇殺人鬼が、彼が行う7つの殺人の準備をしているところ。なんだか、見てはいけないところを見てしまったような、自分も共犯になったような、まるで彼の殺人準備を手伝ったような不快な気持ちに襲われます。

se7en

デイヴィッド・フィンチャーは高質なオープニングクレジットを作ることで有名ですが、中でも『セブン』は格段に上出来です。そしてすごいのは、オープニングで作り上げた世界観を一度も壊すことなく、ラストのシーンまで継承していることでしょう。

4.あの人気キャラクターはここから生まれた!

ピンク・パンサーと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、あのピンク色のヒョウのキャラクターでしょう。しかしもともと「ピンク・パンサー」とはとあるダイヤモンドを指していました。『ピンクの豹』のオープニングで登場したキャラクターが、映画とは別に有名になり、独自のシリーズを持つようになったのです。

その人気の理由は高度なアニメーション、ダイヤモンドをキャラクター化するという斬新さ、そしてヘンリー・マンシーニ作曲のあの象徴的な音楽にあります。

映画のオープニングに登場したに過ぎなかったピンク・パンサーは、今では独自のテレビシリーズ、映画、そしてグッズを持つようになったのです。

5.映画史に残る長回し

映画史に詳しい人なら『黒い罠』のオープニングシーンをこのリストに加えることを忘れはしないでしょう。オーソン・ウェルズ監督のこの名作のオープニングは、なんと4分近くの長回し。とても複雑で野心的です。

その7分全体が、まるでヒッチコックの短編映画のよう。はじめに時限爆弾が設置され最後に爆発します。さらにこのシーンを可能にしたのは、恐ろしく複雑で計算し尽くされたカメラワークです。ほんの少しのミスも許されません。

こんなショットを作るには、才能だけでなく、映画技術史に貢献しようという強い意志も必要。オーソン・ウェルズはまさにそのような人でした。今では多くの監督の卵たちがこのシーンを研究しています。

6.シンプリシティの美学

複雑な長回しも、CGをふんだんに使ったのクリエイティブなオープニングもいいですが、時には限りなくシンプルであるのが良い時もあります。マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』はまさに、シンプリシティの美学を体現した名オープニングです。

ピエトロ・マスカーニ作曲のオペラの音楽にのせて、ロバート・デ・ニーロ演じるボクサー、ジェイク・ラモッタが試合前にウォーミングアップする姿が、スローモーションで描かれます。

素晴らしい映画の中で特に素晴らしい荘厳なシーンです。映像の美しさはまさにため息モノ。これだけシンプルでありながら、必要なことは全て語られています。

7.全てはここから始まった!

印象的なオープニングと言えば、何と言っても「007」シリーズ。その全てはここから始まりました。時代を重ねてどんどん派手になってはいますが、セクシーな女性のダンス、といったモチーフは変わっていません。

『007は殺しの番号 ドクターノオ』のタイトルはたとえば最近の『007/スペクター』のようにポルノチックなものではありません。現代的で洗練されたスタイルにこそ普遍性があります。

Dr.No

あの忘れられないテーマ音楽と銃口からボンドが視聴者に向かって発砲するスタイルを生み出した『ドクター・ノオ』は、そのシンプリさとオリジナリティから、史上最高の007オープニングと言えるでしょう。

8.銃弾のように言葉が飛び出す、飛び出す!

ここまで紹介したオープニングの多くにはセリフがありません。しかし『ソーシャル・ネットワーク』は全くその逆。マーク・ザッカーバーグとそのガールフレンドが、まるで銃撃戦のように激しい口論を繰り広げ、その結果別れてしまうというシーンで映画は幕を開けます。

二人の会話の原稿はなんと9ページにも及んだそうです。そんな長い会話ですが、撮影方法はいたってシンプル。しかしカメラは二人の超高速の会話に合わせて、こちらも早いスピードで二人の顔の間を移動します。

会話もうまく練られていて、ザッカーバーグの「クソ野郎」っぷりを見事に表しているだけでなく、緊張感がありながらも見ていて楽しい仕上がりになっているのです。

9.ラース・フォン・トリアーが描く美しい悲劇

ラース・フォン・トリアー監督の『アンチクライスト』を映画史上最も美しいオープニングと評する人もいます。白黒とスローモーションで語られるのは、ある雪の日に起きた悲劇。夫婦がセックスに興じる最中に、彼らの息子が家の窓から転落死してしまうのです。

カーテンが柔らかに揺れる動きは、二人の体のエロティックな美しさにマッチしています。セクシーでありながらも凶暴、リアルでありながらもどこか幻想的なこのシーンは、トリアー作品の中でも最高傑作と言えます。

10.これぞ西部劇!

セルジオ・レオーネがオープニングシーンやタイトルクレジットの扱いに長けていることは先に述べた通りですが、中でも『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』は落とせない傑作です。それも『ウエスタン』とは全く違った意味で。

まず音楽が評価されています。エンニオ・モリコーネの最高傑作とも言える西部劇のテーマは、とても真似できるものではありません。そして目に飛び込んでくる赤と黒のアニメーションは気持ちが高ぶります。キャストとタイトルが銃声とともに紹介されるのも味がありますね。

2000年以降のクエンティン・タランテイーノ監督作品のほとんどは、このオープニングクレジットに影響されているのです。

11.無意識に働きかけるオープニング

フェデリコ・フェリーニの傑作『8 1/2』のオープニングは、映画のシュルレアリズムの典型。

トンネルで渋滞に巻き込まれた男が、車の中で窒息していきますが、全く無音の世界です。男は助けを求めますが、なぜか彼の周りの世界は時が止まってしまったようで誰も動きません。ついに男は車から脱出し空高く飛び上がりますが、無念にも地上にいる別の男によって引っ張り降ろされます。

このシーンは人間の無意識に焦点を当てており、夢が持つ呪いのような力を独特な方法で表現しています。また全てのものが象徴的な意味を持っており、直接的には語ることのできないものを描いています。これこそ、フェリーニの魔法のテクニックとも言えるべきものです。

12.一度見たら忘れられない!名作SFのオープニング

初めて『スター・ウォーズ エピソード4』を観た時のことを覚えていますか?特に当時映画館で見たという人は、強烈な記憶が残っていると思います。「遠い昔、遥か彼方の銀河系で…」そしてパーンとあの音楽!彼方に吸い込まれてゆく黄色の文字でこれまでのあらすじを語るという斬新な手法。とても忘れられるものではありません。

しかしその後のシーンも注目に値します。小さなスペースファイターが巨大な宇宙船に追われているところ。宇宙船はあまりにも大きくて、開いた口がふさがりません。そしてカメラはゆっくりと宇宙船の内部へと移動し、映画史上最も有名なヴィラン、ダース・ベイダーがスクリーン上に現れるのです。

star wars

このオープニングシーンは、公開から40年以上経った今でも、そして『スターウォーズ』を何度も見たことがあるという人でも、感嘆せずに見ることは出来ません。

この『スターウォーズ』は当時のアカデミー賞の作品賞にもノミネートされましたが、これはSF映画としては非常に珍しいことです。『スターウォーズ』はSFの新時代を切り拓いたのです。

13.タランティーノ色全開!

タランティーノ監督映画をこのリストに含めないわけにはいきません!『レザボア・ドッグス』を挙げることもできますが、ここでは『イングロリアス・バスターズ』を紹介しましょう。

この映画の始まりは『レザボア・ドッグス』のように暴力的なものではなく、むしろ洗練されていて丁寧なもの。クリストフ・ヴァルツ演じるハンス・ランダの武器は銃ではなく、その賢明さ、その忍耐力、そしてその雄弁さにあるのです。

『イングロリアス・バスターズ』のオープニングではセリフが重要な役割を果たしています。一言一言が緊張感を高め、視聴者をつかんで離しません。ランダは全く苦労することなく獲物であるユダヤ人と遊びま。私たちは助けてあげたくて仕方がないのですが、できることは何もありません。

inglourious basterds

このシーンは、タランティーノのように脚本と監督の両方の飛び抜けた才能がなければ決して実現しません。『イングロリアス・バスターズ』のオープニングは、一度見たら二度と忘れることができないのです。

14.あの視線から、あなたはもう逃げられない

映像の前に音楽が始まるだけでも落ち着かないのに、最初の映像は若者の顔の超クローズアップ。しかも彼はなんとも言えない悪意に満ちた顔でこちらを睨んでいるのです。少しずつカメラが後ろに下がっていくと、彼の3人のドルーグ(相棒)が裸の女性の上に足を乗せてミルクを飲んでいるのが明らかになります。さらに下がると、奇妙なミルクバーの全景が見渡せます。

『時計仕掛けのオレンジ』は最初の3秒ですでに映画全体の雰囲気を作り上げてしまっているのです。背景の電子的な音楽は、これからアレックスとドルーグたちが起こす犯罪の数々の予兆。

時計仕掛けのオレンジ

出典: vimeo.com

アレックスを演じるマルコム・マクダウェルは、この最初のシーンで1970年代の映画を象徴するアイコンになりました。それもそのはず、あの強烈な視線はとても忘れられるものではありませんから。

そしてセットのデザインもとにかくすごい。ウィッグをつけた裸の女性のテーブル、電球、そして壁に描かれた謎の言葉…。これらは退廃的な未来を表しています。

15.映像だけでストーリーを見せる!

アルフレッド・ヒッチコックは映像で物語を語る天才。その才能がはっきりと表れているのがあのスリラーの名作『裏窓』のオープニングシーンです。映画の背景となる物語を、一言も発することなく見事に語っています。

窓から出たカメラは360度旋回して近所の様相を捉えます。その後カメラはジェフの部屋に入り、気温の高さを暗示するショットが挿入され、また窓の外から見える世界を教えてくれます。再び私たちがジェフを見るとき、彼の職業と動けない理由が明らかになりました。

rear-window-courtyard

それも全て、周りにあるものを写すことだけで語られるのです。余計な言葉は一切なし。ヒッチコックはサイレント映画の世界でも見事なキャリアを築いたことでしょう。このシーンでは純粋な「映画」というものが、最高まで極められています。

16.洗練された白さ

コーエン兄弟もまた、印象的なオープニングを作ることに関しては天才と言えるでしょう。その中でも『ファーゴ』は特に素晴らしいものになっています。「これは真実の物語である(This Is A True Story)」というイントロはあまりにも有名ですね。ドラマの『ファーゴ』でも毎回使われています。

そしてその後に待ち受けるのは、真っ白な画面。車が近づいてくることでゆっくりと明らかになっていきますが、これは一面雪に覆われたミネソタの景色なのです。その銀世界の中に、キャストの名前が洗練されたフォントで映し出され、そしてカーター・バーウェルによる美しい音楽が流れます。

言葉、色、映像、フォント、音楽、すべての要素の使い方が超一流のオープニングです。

17.名曲にのせて送る若者の孤独感

青春モノの名作『卒業』の始まりは、ダスティン・ホフマン演じるベンジャミンの孤独な姿を見事に描いています。クエンティン・タランティーノもこのシーンを非常に好んでおり、自作の『ジャッキー・ブラウン』でオマージュとして継承しています。

ぼんやりとした目で飛行機の座席に座るベンジャミン。飛行機が着陸すると、カメラはベンジャミンと同じスピードで彼を追っていきます。もちろん、サイモン&ガーファンクルの名曲「サウンド・オブ・サイレンス」にのせて。

映像でストーリーを見せるというのは、まさにこういうことです。

18.元気いっぱい!笑顔になれるオープニング

純粋にお金儲けのために作られたとしか思えない映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』が、真にアーティスティックになろうとは誰が想像できたでしょうか?この映画の特にオープニングシーンは、実験的で革新的な形であの大人気の4人組を礼賛しています。これはただのコマーシャルではなく、まさに芸術。

発狂するファンから逃げながら、様々なところに隠れたり、ポールのようにつけ髭をつけたりするビートルズ。このシーンは動いがあって明るく、見ていて最高に楽しいものです!さらに「ビートルマニア」と呼ばれた熱狂的なファン層の姿を、見事に捉えてもいます。

最初の数分ですぐに元気が出ますね!

19.変わる時代を数分に凝縮

フランク・ミラー原作の濃密でディティールに満ちたコミック『ウォッチメン』を一本の映画で描こうとするのは、不可能とも言える挑戦。ですから、映画『ウォッチメン』の出来があまり良くなかった時も、そんなに大きく驚くことではありませんでした。

しかし、オープニングの数分間に限って言えば、『ウォッチメン』は傑作。この短い時間の間にぐっと凝縮して、我らがヒーローたちの歴史を第二次世界大戦から事故で亡くなるまで、割愛することなく丁寧に描いています。

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さらにそのBGMとしてボブ・ディランの「時代は変わる」を使っていることで、ヒーローの栄光と死や紛争がうまく対峙され、耐え難い悲しさがこみ上げてきます。この曲の歌詞は少々あからさますぎる、との批判もありますが、哀愁感漂うメロディと声は映画に見事にマッチしています。

20.シンプルさに隠された恐るべき不吉感

リドリー・スコット監督の『エイリアン』のオープニングが素晴らしいのは、特別何も変わったことをせずに恐怖感、緊張感、これから何か不吉なことが起きそう…という予感を作り出しているから。映画全体が自信に溢れ、ミニマリストでありながらじわじわとした恐怖を見事に醸し出していますが、それは『エイリアン』開始の3秒からすでにそうなのです。

宇宙の暗闇の中をゆっくりと動くカメラは、宇宙の底のない深さだけでなく、ノストロモのクルーたちがいかに孤立した力のない存在であるかを象徴しています。惜しみなく時間をかけて出てくる「ALIEN」の文字は、映画の中でモンスターがゆっくりと姿を現わす様に繋がっています。

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気味が悪いテーマ音楽も手伝って、視聴者は不安とストレスのさなかに残されます。あの恐ろしい人殺しのモンスターは映画の中だけでなく、どこにでも、そうあなたの後ろにいるかもしれません…!姿を現わすことなく、ゆっくりと近づいてきて、気付いた頃にはもう手遅れなのです。

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