未公開の伝説シーン10選【映画通にはたまらない】

全く違った結末が撮影されていたり、様々な理由でカットされ日の目を見る事のなかったシーンは映画ファンにとってはたまらないものです。今回は伝説の未公開シーン10選をご紹介します。
1.キューブリック監督のブラックコメディ『博士の異常な愛情』


恐らくもっとも有名な未公開シーンと言えば、スタンリー・キューブリックが冷戦を皮肉った映画『博士の異常な愛情』の、作戦室での11分のパイ投げシーンでしょう。
このシーンが削除された理由についてキューブリック監督と脚本家のテリー・サザーンは、シーンが長すぎる事やこの映画に合っているシーンではなかったと言っています。
その上、ジョージ・C・スコットの「諸君!我々の勇敢な若き大統領は最高の日に倒れたぞ!」という重要なセリフがシーン中にありましたが、試写会の日にジョン・F・ケネディ暗殺事件が起きました。
その事件に考慮しての事だったとも説明しています。
2.考古学者の冒険活劇『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』


現在58歳のムンバイで隠居している二ズワ・カラ二によると、スティーブン・スピルバーグ監督の『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』で生贄の犠牲者の役を受けた時、全身ギプスで固定された役だったそうです。
体が溶岩の中に沈むシーンを撮る為にその役が必要であり、そして目がガラスで出来ているカラ二にそっくりな顔も作っていました。
檻を溶岩の穴の中に入れ、体がバラバラになり顔が浮かんでくるように見せたかったそうですが、このシーンは恐ろしすぎて検閲に引っかかる為、カットされる事になりました。
3.空前の大ヒットとなった伝説のゴリラ『キング・コング』

検閲によってカットされたシーンは近年になって放送されるようになりましたが、最初の放映の前にカットされたシーンは、二度と戻りません。
キング・コングは木の橋を揺らし、4人の水平を峡谷に落とします。そこで水平達は巨大な蜘蛛に食べられてしまいます。この”蜘蛛のシーン”は1933年の1月にカリフォルニアのサンバーナーディオで一般試写会で1度上演されています。
しかしそのシーンは視聴者にとって衝撃的過ぎたのです。その次の日には監督のメリアン・C・クーパーはスタジオに戻り、そのシーンを削除したそうです。
70年後に、『キング・コング』はピーター・ジャクソン監督によってリメイクされ、蜘蛛のシーンも新しく作られオリジナルの『キング・コング』のDVDのスペシャル・エディションに収録されていますが当時撮影されたものは失われたままです。
4.スティーブン・キング原作のホラー映画『シャイニング』
恐怖より人間の狂気を描いた傑作。
奥さんの顔がとてもインパクトがあり恐怖(笑)


スタンリーキューブリック監督は『シャイニング』が公開された後でしたが、どうにかして映画の内容を変える事が出来ないかと考えていました。公開の3日後に、配給会社のワーナー・ブラザーズが映画技師に最後の2分間のシーンを取り除くよう指示します。
その最後のシーンとは、ホテルの支配人のスチュアート・アルマンが病院にいるウェンディを訪れ、当局はジャックの死体を発見する事は出来なかったと伝える場面です。
映画館は忠実にそのシーンを取り除き、それからそのシーンが上映される事がありませんでした。
5.「それ」か「人間」か?SFホラー映画『遊星からの物体X』


最後のシーンで、生き残った2人の男で飲み物を分けます。凍死するのを待つか、彼らの内の1人が本当の生物である事が明らかにするか。妄想症と人間性の欠如を題材にしている話としてはこれは良い終わり方です。
『遊星からの物体X』では、生き残った2人の男が共に酒に飲み、凍死する運命を待ち、またはどちらかが「それ」であることが明らかにならないままで終わります。しかしこのラストに不満が出ることを制作会社は予想し、ジョン・カーペンター監督はハッピーエンドを撮ります。
チャイルドは『それ』ではなく、マクレディは血の検査をし人間だとわかります。しかしジョン・カーペンター監督はそのエンディングを見せるつもりはなく、今日までも見られていません。
6.今でも人気のSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』

やはり素晴らしい。面白い。この言葉に尽きる。これが1980年代に作られたとは思えない完成度の高さ。過去を変えることで少しずつ現在に影響が及んでくる。タイムパラドックス系の原点にして最高傑作。

監督のロバート・ゼメキスは、マイケル・J・フォックスにマーティ・マクフライを演じてほしいと考えていましたが、当時フォックスはテレビドラマの『ファミリータイズ』の撮影で忙しかったのです。
そこでゼメキスはエリック・ストルツを起用し、6週間の撮影にのぞみました。しかし、ゼメキスはストルツは映画に対してはシリアスすぎる為、役にあっていないと考え製作総指揮のスティーブン・スピルバーグに撮影したものを見せます。
スピルバーグはゼメキスに賛成し、役者を変え新しく撮影をすることに。幸運なことに、その時フォックスは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の撮影に入ることが可能になっていた為、マイケル・J・フォックスのマーティ・マクフライが誕生したのでした。
エリック・ストルツのマーティ・マクフライは数えられるくらいの写真でしかみることが出来ませんでしたが、少しだけ映像が収録されているブルーレイディスクが発売されています。
7.アメリカンコミック「バットマン」の実写化『ダークナイト ライジング』

普通は、仮面ライダーみたいに役者のハッ!グハっ みたいに声を当てるんだろうけど、あえて静寂のなかで吐息しか聞こえないような形にしたのは、譲れない決意の現れだったのかな。

コスチューム担当者が明かす未公開シーンは、ベインの過去に関するものでした。囚人によってうけた攻撃や初期のマスクだけでなく、「影の同盟」での訓練なども明らかにしていたそうです。
この訓練のシーンはバットマンが『バットマン ビギンズ』で行ったものと同じものであり、二人をつなぐものでした。
クリストファー・ノーラン監督は、おそらくベインの謎を残しておいた方が良いと判断したのでしょう。
8.シルベスター・スタローン主演、熱い男の戦い『ロッキー』


ロッキーのエンディングは映画史に残るものです。しかしもともと撮影されていたエンディングは、違うものでした。
ロッキーはアポロとの試合の後エイドリアンと控室で会ったロッキーは手を握り合い、着替え室へと歩いていきます。そして最終ラウンドまで戦いぬくことが出来たロッキーは、普通の生活へと戻ります。
しかしこのエンディングに観客がひどく落胆した為、今のエンディングに変更されました。
9.ギャングへの復讐『デスペラード』


アントニオ・バンデラス演じるマリアッチとギャングのボスとの最後のシーンでは、二人が少しの間口論した後、マリアッチがボスを撃ち殺します。
オリジナルのシーンでは、この場面では血みどろの銃撃戦が繰り広げられます。しかし、暴力的な表現によるR指定の問題があがった為、ロバート・ロドリゲス監督はこのシーンを取り除くことを決定しました。
10.ウディ・アレン監督のロマンスコメディ『アニー・ホール』


ウディ・アレン監督は、キューブリック監督と同様にDVDなどで未公開シーンを視聴者に公開する事を良しとしない監督ですが、この映画で使われなかったシーンは他の映画で使用されています。
『アニー・ホール』では、まとまりに欠けてしまった不必要な部分をカットし、最終的にロマンス映画として公開された時には約1時間も短くなりました。
悪魔がアルビーやアニー、ロブを丘に連れていくシーン、下に向かうエレベーターの各階からウディ・アレン監督のお気に入りの敵が乗り込んでくるシーンなどがカットされました。
そのエレベーターのシーンは、ウディ・アレン監督の『地球は女で周っている』で地獄の住人が乗り込んでくるシーンに変え再度使用されています。