ドラマ『メンタリスト』の意外なトリビアを紹介 タイトルにひっそりレッドジョンが隠されていた?
人気海外ドラマ『メンタリスト』のトリビアを紹介
2008年から2015年にかけて放送され、日本でも人気となったドラマ『メンタリスト』。冷酷な連続殺人犯に妻子を殺された男が、警察のコンサルタントとして犯人を追うという重いテーマにも関わらず、魅力的なキャラクターや様々な事件のトリックが視聴者を惹きつけました。 今回は、そんな『メンタリスト』のキャラクターや出演者、ドラマに関するトリビアを紹介します。 ※この記事には、『メンタリスト』の結末に関するネタバレがありますので、未視聴の方や視聴途中の方はご注意ください。
パトリック・ジェーン役、サイモン・ベイカーに関するトリビア
『メンタリスト』の主人公パトリック・ジェーンは、元霊媒師でカリフォルニア州捜査局(CBI)のコンサルタントをしています。“霊媒師”とは言っても、彼は人の仕草や表情などから言外の情報を読み取る“詐欺師”でした。 そのスキルを捜査に活かし、型破りな方法で次々と犯人を捕まえていくジェーン。彼がこの仕事をしているたったひとつの目的は、妻子を殺した連続殺人鬼レッド・ジョンを見つけ出し、復讐することです。
主演俳優サイモン・ベイカーは90年代に母国オーストラリアで大ブレイク!
本作で主役のパトリック・ジェーンを演じたサイモン・ベイカーはオーストラリアのスター。本国人気ドラマ『ホーム・アンド・アウェイ(原題)』(1988〜)や、『ハートブレイク・ハイ(原題)』(1994〜1999)の両作品に出演を果たしたのがブレイクのきっかけでした。特に「ホーム・アンド・アウェイ」は、出演でブレイクした俳優の多くがハリウッドへ進出している、世界的スターへの登竜門的な作品です。 そして1997年、ベイカーは映画『L.A.コンフィデンシャル』でハリウッドデビューを果たしました。
紳士!エキストラをかばった逸話もあり
サイモン・ベイカーは、役者たちが尊敬される存在であるべきだと心から思っているといいます。 彼は、間違った場所に立っていたエキストラが監督に怒鳴られていると知ると、監督がその人に謝るまでそのシーンの撮影を続けることを拒んだそうです。
最もセクシーなテレビ俳優に選ばれる
サイモン・ベイカーはそのモデル並みの美しいルックスから、有名ブランドの香水や時計などの広告塔も務めています。そして2009年の米テレビガイド・マガジンで「最もセクシーなテレビ俳優」に選ばれました。そのスマートな風格で、世界中の女性を虜にしています。
パトリック・ジェーン=レッド・ジョン??
ドラマ内でレッド・ジョンはジェーンを自分と同等の頭脳を持っていると認め、ある種の仲間意識を持っていました。 一方、パトリックという名前の今では使われないような古めかしい愛称は「ピンク」であり、ジェーンは「ジョン」の女性形の名前です。「ピンク・ジョン」という名前は「レッド・ジョン」の仲間のようですね。
その他の代表作は?
ハリウッドに進出したベイカーの『メンタリスト』以前の代表作といえばテレビシリーズ『堕ちた弁護士-ニック・フォーリン-』(2001〜2004)ですが、その他にも多くの作品に出演しています。映画では『ザ・リング2』(2005)や『プラダを来た悪魔』(2006)への出演でも有名です。
テレサ・リズボン役、ロビン・タニーに関するトリビア
ロビン・タニー演じるテレサ・リズボンは、CBIの捜査チームを率いる捜査官です。ジェーンの非常識な捜査方法にたびたび頭を悩ませていますが誰よりもジェーンを信頼し、また心配しています。幼い頃に母親を交通事故で亡くしたことがきっかけで父が酒びたりになり、自身が弟の面倒を見てきたという苦労人。真面目でファッションや恋愛に疎い性格ですが、シーズン1のころからジェーンに想いを寄せていました。
ロビン・タニーが困ったファンと遭遇
テレサ・リズボンを演じたロビン・タニーは大人気脱獄ドラマ『プリズン・ブレイク』にもベロニカ役で出演していました。ベロニカは『プリズンブレイク』のあるエピソードで死亡し、次の日にそのエピソードを観たという女性に出会いました。 その女性はロビンが生きていたことにホッとしたのか泣いてしまったそうです。ロビンは困って、あれは現実ではなくただのドラマだと言ってその女性を安心させるはめになったそう。
共演者から“チキン女子”と呼ばれている!?
『メンタリスト』の出演者はロビン・タニーをしょっちゅうからかっていたようです。なぜなら彼女が撮影現場のトレーラーに鶏を隠し持っていたから! それから頻繁に彼女がこっそりとダイエットソーダを飲んでいる姿が目撃されていたそうです。
私生活では恋多き女性?
ロビン・タニーは子役としてデビュー後、数々のドラマ、映画に出演してきました。 リズボンと違いプライベートでは恋多き女性のようで、1995年にプロデューサー兼ディレクターであるボブ・ゴッス氏と結婚しますが、残念ながら2006年に離婚をしてしまいます。 その3年後の2009年に映画監督のアンドリュー・ドミニクと婚約。しかし結婚に至らず翌年に婚約解消しました。 2012年のクリスマスにインテリアデザイナーであるニッキー・マーメット氏からプロボーズをされ、そして2016年に彼との間の子供を出産します。当時ロビンは44歳で高齢出産でしたが母子ともに健康で、その後も家族3人で幸せに暮らしているようです。
キンブル・チョウ役、ティム・カンに関するトリビア
ティム・カン演じるキンブル・チョウはリズボンのチームに所属する捜査官です。無駄口を叩かないクールな性格ですが、ジェーンと一緒になって他の同僚(主にリグスビー)をからかうなど、お茶目な一面もあります。過去にはギャングに所属していましたが、リーダーと揉め身を隠すために軍隊に入隊。小柄ですが筋骨隆々でその体格と強面を活かして、容疑者の確保や尋問を行うことが多い捜査官です。
シルヴェスター・スタローンと共演していた
ティム・カンは『メンタリスト』のギンブル・チョウ役が最も有名ですが、実は2008年公開の『ランボー/最後の戦場』に出演しています。その作品では、シルヴェスター・スタローン演じるランボーと行動を共にする傭兵団の一員、エン・ジョーことパク・ナムジュンを演じました。
慈善活動を積極的に行なっている
ティム・カンは才能ある役者であると同時に、慈善活動家でもあります。 彼は”the National Center for Missing and Exploited Children”(行方不明の子どもや犯罪に利用される子どもを救うナショナルセンター)の広報と積極的な支援を行ってきました。
ウェイン・リグスビー役、オウェイン・イオマンに関するトリビア
リズボンのチームの一員であるウェイン・リグスビーは、チョウとは対照的に思ったことをすぐ口にする天然キャラ。シーズン1の早い段階から新人のヴァンペルトに好意を寄せており隠しているつもりですが、本人も含めチーム全員がそのことを知っていました。 また、仲間内でよく賭けをしますが、いつもジェーンにカモにされています。しかし、サンディエゴの放火捜査課で経験を積んだ放火事件のエキスパートでもあります。
共演者もアメリカ人だと思っていたけど……
リグスビーを演じるオウェイン・イオマンは、イギリス、ウェールズ出身の俳優です。しかし彼はドラマ内で完璧なアメリカ英語を話していました。 カメラが回っていないところでもそのままのアクセントで話していたため、共演者も当初は彼がアメリカ人だと思っていたようです。
グレース・ヴァンペルト役、アマンダ・リゲッティに関するトリビア
リズボンのチームの新人グレース・ヴァンペルトは、美人で真面目な性格。敬虔なカトリック信者であり、無神論者のジェーンと衝突することも。父親がアメフトの監督だったためスポーツに詳しく、ITのスキルも高いキャラクターです。リグスビーの好意には早くから気づいていましたが、CBIには職場恋愛禁止の規則があり、自分の感情を抑えていました。CBI解体後は電子セキュリティ会社を立ち上げ成功しています。
妊娠中だということを隠していた?
シーズン5の撮影中、ヴァンペルトを演じるリゲッティは妊娠していました。しかし、ストーリー上ヴァンペルトが妊娠するという展開はなかったのです。そのため、お腹が映らないようにほどんど全ての登場シーンはコンピュータの前に座っていたり、暗がりにいたり。それまでのシーズンでは捜査現場に出ることもありましたが、このシーズンではほとんどデスクワークをしています。
レッド・ジョンに関するトリビア
【ネタバレ】最終的な容疑者7人はシリーズへの登場回数が少ない!
レッド・ジョンの正体は、ナパバレーの保安官トーマス・マカリスターでした。彼はシーズン1で初登場し、それ以降レッド・ジョンの正体が判明するシーズン6まで全く姿を見せておらず、シリーズを通しての登場回数はたった5回。 また、その他の容疑者だったCBIの捜査官であるブレッド・パートリッジとレイ・ハフナー、FBIのリード・スミス、カルト教団“ヴィジュアライズ”のリーダーであるブレット・スタイルズも同じく登場回数5回とあまりなじみのない面々でした。
ドラマ『メンタリスト』その他のトリビア
多くのエピソードタイトルに“赤”という言葉がついている
『メンタリスト』では、シリーズ最大の敵レッド・ジョンが死ぬまでほとんど全エピソードタイトルに“赤”を意味する単語、もしくは赤を連想させる単語、つづりに“red”が含まれている単語が含まれています。“Red(赤)”はもちろん、“Scarlet(紅)”や“ Crimson(真紅)”、“Blood(血)”、“Fire(炎)”、そして“REDemption(贖罪 ※大文字は筆者)”など。 レッド・ジョンの死後にはエピソードタイトルに他の色が使われるようになりました。 鋭いファンの方はそのことに気がついていたでしょう。
CBIは架空の組織!?
リズボンたちが勤めるカリフォルニア州捜査局(CBI)は、実は架空の組織です。実際にカリファルニア州全体での捜査を行うのはアメリカ合衆国司法長官から任命され、高度なプロファイリングを扱う「Special Investigations Team(SIT)」、殺人や暴行などの事件を扱う「Special Operations Unit(SOT)」、ネット犯罪を扱う「Electronic Crimes Unit (ECU)」などに分けられています。 CBIでジェーンたちは殺人事件から誘拐、失踪者の捜索までしていますので、実際の組織の業務をすべて行なっているといえますね。
FBIのヴェガだけが……
シーズン7に登場したFBIの新人エージェント、ミシェル・ヴェガ。彼女は当初ジェーンの無茶苦茶な捜査方法に反対していましたが、次第に彼の能力を認めるようになっていきます。 しかし、ヴェガはシーズン7の第10話で死亡。これは、シリーズのレギュラーのなかで唯一殺されたキャラクターとなってしまいました。また、シーズン最終回に登場しなかったレギュラーメンバーも彼女だけです。
『メンタリスト』放送打ち切りの理由とは!?
出演者のギャラの高騰?
最終シーズンの話数を減らして放送が終了してしまった『メンタリスト』。打ち切りの理由については様々な噂が飛び交っていますが、その中でもよく聞かれるのが出演俳優陣のギャラの高騰です。 たとえば主演のサイモン・ベーカーのギャラは、最終的に一話につき350,000ドルにまで跳ね上がっていたと言われています。またロビン・タニーも当初は1話ごと75,000ドルだったギャラが、最終的には200,000ドルになったのだとか。その他の主要キャストも同様です。 人気シリーズともなれば必然的に出演者のギャラは高くなるもの。同じような理由で打ち切られたドラマは少なくありません。
事件がなかなか進展せず視聴率が低下?
『メンタリスト』はそもそも、正体不明の連続殺人鬼レッド・ジョンに妻子を殺されたパトリック・ジェーンが彼に復讐をする、という物語でした。一話完結の物語に伏線が張りめぐらされ、別の大きな物語につながっているという構成のドラマはよくあります。 しかし、大きな物語の方に長らく動きがないと視聴者が離れていくというのも、珍しくない現象です。そういった意味で『メンタリスト』も視聴率がだんだんと低迷していきました。それを食い止めるため、シーズン5では視聴率を取りやすいと言われている日曜夜に放送時間を変更します。 それでも視聴率の低迷はつづき、さらにシーズン6の途中でレッド・ジョンの正体が暴かれ復讐は完了。その後は舞台をFBIに移すなど、全く違うドラマになってしまいました。キャラクターだけを引き継ぎ、違うドラマになった『メンタリスト』は、翌シーズン7で幕を降ろすことに。 人気の低下と視聴率の低下は比例するもの。それが原因の打ち切りはよくあることです。それでも一応の完結を見せた『メンタリスト』は、まだマシだったかもしれません。
何度見ても楽しめる『メンタリスト』
人の考えを読み、行動を操るパトリック・ジェーンが活躍する『メンタリスト』。彼の型破りな捜査方法や自由奔放な行動、そこから事件を読み解いている過程が面白い本作。宿敵レッド・ジョンにじわりじわりとせまるスリリングな展開からも目が離せません。また、ジェーンとリズボンのもどかしいやりとりも見どころのひとつとなっています。 絶妙な心理戦で犯人を追い詰めていくジェーンの手腕は鮮やかなもので、何度見ても飽きないですね。 ドラマ『メンタリスト』は、現在huluで全シーズン視聴可能です!