ドラマ『孤独のグルメ Season3』とは?
出典: www.amazon.co.jp
2012年1月から続いている、松重豊主演の人気ドラマシリーズ『孤独のグルメ』。久住昌之原作の漫画を基にしていますが、物語は全てオリジナルで、実在する店のみ登場するという特徴があります。
井之頭五郎が仕事の合間にふと店を訪れて、空腹を満たし束の間の”自由”を得る孤高の物語であり、松重の好演から「夜食テロ」とも称されています。2013年に放送された「Season3」では、東京周辺以外に静岡県や新潟県まで足を延ばし、前作から定番のスイーツを食べる様子などが描かれました。
また本編終了後には、原作者の久住が作中に登場した町のグルメを紹介するコーナー、『ふらっとQUSUMI』もSeason1から引き続き放送されました。
孤独のグルメ Season3第1話
北区赤羽のほろほろ鳥とうな丼
井之頭五郎は、商用で約20年ぶりに「赤羽」を訪れ、街の変わり様に驚いてしまいます。そして、今日の1人目の顧客・黒田真理子と会うため、喫茶店『プチモンド』を探し始めました。
黒田は怪しげな黒づくめの女性で、「”パズズ”や”アモン”という悪魔の像が欲しい」と依頼されます。彼女を先に返した五郎は、気分直しの「フルーツサンド」を注文し、癒しのひと時を満喫。次の顧客で呉服屋を営む店主、南木を訪ねるのも本人不在で、何やら重い紙袋を預けられました。
近くのスナックへ向かった五郎は、ママと友人と楽しそうに飲む南木に遭遇。注文の品”卒業アルバム”を渡した後、疲れと懐かしさを感じながら街を歩き、新規開拓の『川栄』に入ったのです。
五郎が頼んだのは、「ほろほろの鳥の合わせ盛り」・「ほろバラ串」・「ほろあぶら串」・「鰻のオムレツ」・「ほろスープ」の5品でした。白焼きと日本酒に、「くぅ~」と声を上げる中年男性客同様に声を出しつつ、しめとして「うな重」ではなく「うな丼」を堪能しました。
孤独のグルメ Season3第2話
神奈川県横浜市日ノ出町のチート(豚胃)のしょうが炒めとパタン
この日も商用があり、五郎は神奈川県横浜市「日ノ出町」に降り立ちました。しかし、都橋商店街をぶらぶらしている時に電話がかかって来て、約束の時間を間違えていたことが判明します。
大慌てで『横浜愛犬口頭美容学園&ウエスタンケンネル』に向かうも、遅れて不在だったクライアントの坂上栞を待つ間、犬の顔そっくりのシュークリームをがぶり!商談も無事に済み、急な坂道で疲れた五郎が空腹を満たすため店を探すと、「豚豚豚豚豚」と書かれた看板が目に入ります。
その店『第一亭』は中華料理店ですが、豚のホルモン料理がとても豊富でした。そんなメニューに迷いつつ注文したのは、「タンとホルモン炒め」と「チートのしょうが炒め」、そしてライス。料理を待つ内に常連客が来店し、流れる様な注文の中にあった、「パタン」なる料理が気にかかります。
ふと周りを見ると、「パタン」を注文する人が続出していて、思わず頼んでみることに。正体はニンニクたっぷりの裏メニューで、臭いが残ってしまい、明後日まで仕事にならない五郎でした。
孤独のグルメ Season3第3話
静岡県賀茂郡河津町の生ワサビ付きわさび丼
今までで最も東京から遠い「伊豆」を訪れ、五郎は豊かな自然の風景に癒されていました。
そんな時、女性従業員の導きで入った『国民宿舎かわづ』で、テルリンこと佐々木義輝と出会います。五郎が商品のパイプを並べると、テルリンは手に取りゆっくりと見つめます。「今の世の中、便利な方ばかりに進んで、心をどこかに置き忘れちゃうんじゃないか」との呟きに、五郎も頷き返しました。
その後は『七滝茶屋』に入り、五郎は「クラッシュドストロベリー」を堪能しつつ、元気なおばちゃん3人衆を横目で観察することに。滝の方をぶらりと散策してお腹が空いてきたため、わさびののぼりが立っている『かどや』で、「生ワサビ付きわさび丼」を注文しました。
ご飯と鰹節とわさびだけなのに、美味し過ぎるわさび丼に五郎もびっくりします。つんとする辛さの丼を一気に食べ終えると、間髪入れずに珍しく”おかわり”までしてしまったのです!
孤独のグルメ Season3第4話
文京区江戸川橋の魚屋さんの銀ダラ西京焼き
以外にも江戸川橋初となる五郎は、神田川を渡った『平井碁盤点』で商談に臨みます。執拗にお見合いを進める主人から逃げ出すと、店の前の地蔵通り商店街で、スイーツタイムにすることにしました。
子育て地蔵尊をお参りし、ふらっと覗いた本手焼煎餅『喜作』で、実直な醤油味の煎餅を食べます。五郎は無性にお腹が空いてしまい、魚屋と直結した『食事処・居酒屋魚谷』に入店。常連客のトークを流しつつ、「きんめ鯛の刺身」と「銀ダラ西京焼き」、「えんがわポン酢」にご飯まで注文したのです。
肉厚でぷりぷりの銀だらと、ご飯の”最強”の組み合わせを味わう幸せに突き動かされ、追加注文した「きんきの似付け」と「ばくだん納豆」も堪能しました。
孤独のグルメ Season3第5話
中野区東中野の羊と鉄鍋とラグマン
10年ぶりとなる先輩・時田を訪ねて、映画館ポレポレ東中野へやって来ました。甘さと塩気の新感覚を楽しめる、桜の塩漬けが入ったミルクジェラートを渡され、今回のスイーツタイムを楽しみます。
館長であり元映画監督の時田は、ドキュメンタリー映画監督の作品展示会を企画しているらしく、その手伝いの依頼で五郎を呼んだと言うのです。先輩の夢に感銘を受けるも、相変わらずのマシンガントークに気圧された五郎は、お腹を満たすために何を食べるか悩み始めました。
中華・焼肉・韓国料理・・・と考えていた時、謎めいた屋台風の『キャラヴァンサライ』が目に留まります。実はアフガン料理を出す店で、中に居た客層は何と無国籍状態!そんな中で五郎は独り、「カバブ」と「コタフ」を1串ずつ、ラムローフのたたきとカラフィなどを、次々と注文していきます。
五郎は熱々の鉄鍋で踊る、臭みや癖の少ないラム(羊)に病み付きになり、追加注文として「ラグマン」という濃い味系まぜ麺も頼むことに。羊のひき肉と香菜に胡麻の風味が堪らない、「麺の美味さは万国共通」だと納得し、遊牧民族料理の味に大満足しました。
孤独のグルメ Season3第6話
板橋区板橋の焼肉ホルモン
今回の五郎は、ネイルサロンのコーディネートを依頼したいという、甲把静香と会うため船橋へ。約束の店『和フローリストカフェ』で、緑色でコーディネートした彼女と落ち合いました。
甲把との商談が終わり、店を出た五郎は隣の店『たもつのパン』で、きなこパンを注文します。1個40円の懐かしい味を満喫した後は、飲み屋や食べ物屋が並ぶ商店街をふらりと散策。その内にお腹が空いてしまい、色々な店に心惹かれながらも、『ホルモン焼き山源』へ入ってみることにしたのです。
煙が立ち込める店内で、塩でホルモン、ナンコツとハツ、コメカミとを注文しました。ホルモンの脂、ナンコツのコリコリした触感や初体験のコメカミも舌鼓を打つ美味しさ。目に染みる煙に悪戦苦闘しながら、今度はタレの「ハツ」とライスなどを頼み、最初の塩のホルモンを追加注文します。
ホルモンと白米を堪能した最後は、ぐいっとウーロン茶を飲み干し、夕陽の中を去っていきました。
孤独のグルメ Season3第7話
目黒区駒場東大前のマッシュルームガーリックとカキグラタン
商用で駒場東大前に降り立った五郎。本日のアポは夕方からなので、女子学生たちが並ぶ駅前のたこ焼き屋で「プチハッシュ」を購入し、近くの駒場野公園で食べることにしました。
ホクホクの味わいを楽しみ、ゆったりとした午後を過ごした後、約束のインテリアショップを訪れます。アンティーク家具に囲まれていると、パリに居た頃を思い出して空腹を訴え始めるお腹。向かいの店『ボラーチョ』に入り、まずは「カキのグラタン」と、「マッシュルームガーリック」を頼みました。
2品ともバケットにつけて食べると絶品で、いくらでも食べられそうだと大満足の様子。追加で注文した優しい味の「ボラーチョスープ」は、またもバケットとの相性抜群で、おかわりが止まりません。
孤独のグルメ Season3第8話
台東区鶯谷のアボカド鶏メンチと鳥鍋めし
鶯谷を訪れた五郎ですが、凄まじい暑さを紛らわすため、「珈琲の店デン」で一息取ることに。ちょっと怪しいマスターに頼んだのは、大きなソフトクリームが乗った、お得なコーヒーフロートでした。
その後は東京キネマ倶楽部へ向かい、統括マネージャーの長沼を訪ねました。何でもこの場所で、グランドキャバレーを再現するイベントをやるという、大人の夢を打ち明けられることに。久々の大きな仕事の気配を感じ、気合いを入れようと腹をくくると同時にお腹が空いてしまい・・・・・・。
ご飯のことしか頭に無い五郎が建物を出て店を探すと、『炭火焼鳥椿』の看板と”朝10時開店”の文字が目に入り、焼き鳥と白米に惹かれてこの店に入ります。昼間から酔っ払い客だらけの店内で、「ウーロン茶・油淋肝・ハムカツ・おろしポン酢・ライス・アボカドメンチ」を頼みました。
熱々ご飯に具が盛りだくさん、ひと手間かけた丼「鳥鍋めし」も注文します。すき焼き味によく合う生卵をかけて大満足すると、全ての料理をしっかり平らげて、自信満々な様子で帰って行きました。
孤独のグルメ Season3第9話
練馬区小竹向原ローストポークサンドイッチとサルシッチャ
小竹向原の地下鉄の駅から出てきた五郎は、カフェ『シュルプリース』の看板にあった「小竹向原トンネルロール」が目に入り、この店で一服することにします。
抹茶とカシスのハーモニーを楽しんだ後、店が見当たらない住宅街に余計な心配を溢しつつ、約束をしていた友人・町田陽子のギャラリーへと到着。明日にオープンを控えた店では、注文していたアクセサリー商品が手違いで届かないと、大騒ぎになっていました。
やっと栃木の業者が見つかり、町田が商品を取りに行く間、五郎は商品をディスプレイします。久々の徹夜でお腹が空いてしまい、「まちのパーラー」の文字を見て、大慌てて駆け込んだのです。
店の入り口には、サルシッチャや美味しそうな焼き立てパンが並んでいました。見慣れない名前に苦戦するも、「ローストポークサンドイッチ」と「サルシッチャセット」ほか、全部で5品を注文。香ばしいパンを次々と噛みしめ、まさかの完食で店員にまで驚かれてしまう五郎でした。
孤独のグルメ Season3第10話
荒川区西尾久の炎の酒鍋と麦とろ飯
この日は都電荒川線の荒川遊園地駅で下車し、あらかわ遊園地へとやって来ました。
動物園コーナーでヤギや羊たちを堪能すると、下町都電ミニ資料館館長・沖田正義と会い、来年の3周年を記念した「世界の路面電車の祭典」への協力を依頼されます。ぐいぐい来る沖田の熱弁を受け流した後、『ふく扇』というお店で関東では珍しい、「たこせん」なる物を食べました。
路面電車で出会った、大きなトランクに苦労するお婆さんを助けていると、空腹に襲われる五郎。落ち着いた雰囲気の女子医大通りで、「とんかつ」と書いた『どん平』へ入ることにしました。
隣の親子が食べていた物が気になり、鍋から炎が上がる「炎の酒鍋セット」を注文します。アルコールを飛ばした、下戸の五郎も大丈夫なセットの最初は、ごまだれで食べる豚しゃぶしゃぶ。具だくさんの寄せ鍋と、「とんかつ麦とろミニミニセット定食」も流し込み、お腹は大満足だったようです。
孤独のグルメ Season3第11話
新潟県十日町市 ドライブインの牛肉の煮込みと五目釜めし
愛車のBMWに乗った五郎は、有数の米どころとして知られる新潟県、十日町市まで久々の遠出。駅前をぶらついてみると、『木村屋』というお菓子屋が目に留まり、立ち寄ってみました。
そこで、失敗した時の方言と同じ名のお菓子『あさささ』、『だんだんどうも』を購入します。食した後に「脱皮する家」へと向かい、家主の大熊と仕事を兼ねて団らんする五郎。この「脱皮する家」とは、築150年の古民家を2年半かけて彫刻刀で彫り、脱皮させたものなのだそうです。
輸入雑貨の販売会を手伝うという商談も無事終え、大熊に勧められた星峠の棚田を訪れました。田んぼを見ると無性に白米が食べたくなり、やっと見つけたドライブインに、一か八かで駆け込みます。
五郎セレクトの「牛肉の煮込み」は2日間も手間をかけ、煮込んで煮込んで煮込んだ一品。「五目釜めし」で至福の時を堪能し、あまりの米の美味しさに堪らず、塩にぎりまで頼んでしまいました。
孤独のグルメ Season3第12話(最終回)
品川区大井町 いわしのユッケとにぎり寿司
大井町の猫カフェのオーナー・田中の元を訪ねた五郎。注文の品のリストを見せると、田中は納得した様子に反して執拗に値引きを強要し、つい猫のキーホルダーをおまけしてしまいます。
ごちゃっとした、細い飲食店街を歩いているとお腹が空いてきて、中華の店に入ることにします。この『臚雷亭(ローライテイ)』では、「エビマヨ」と「ピータン」を頼みますが、ご飯は無いとのこと。店員の言葉にショックを受けた五郎は、頼んだ品を全て食べ終えると、次の店を探して歩き始めました。
「とんかつもいいなぁ・・・」と考えてた時、いわし料理『だるま屋』という提灯の店を見つけ、ホッとカウンターに座ります。いわしのユッケにチーズロール、蒲焼につみれ汁と飲み物のウーロン茶、しめに隣の客が食べていたにぎり寿司も頼みました。
五郎はいわし料理のレパートリーに驚きつつ、職人の腕が光る品々を平らげます。この上なく満足な表情で支払いを行い、原作者・久住昌之とすれ違うという、にくい演出で店を去っていきました。