賛否両論を巻き起こした『相棒』シーズン13【ネタバレ注意】
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2000年6月に単発の2時間ドラマとして放送開始したテレビ朝日系の人気ドラマ『相棒』シリーズ。2017年3月現在までにシーズン15まで放送し、視聴率は同クールのドラマの中で、他局と合わせてもトップを誇る人気作品です。
今回は、成宮寛貴演じる甲斐享の最後の出演となったシーズン13の、反響の大きかったエピソードをピックアップして視聴率やストーリーをご紹介します。
第1話:ファントム・アサシン
2014年10月15日放送 視聴率19.8%
かつて一緒に事件に関わったホームレスの吉田一郎(松尾貴史)から、公園のごみ箱で拾ったバラバラのレジュメについて情報をもらった右京と甲斐。そのレジュメをつなぎ合わせると、先日転落死した会社員の個人情報が載っていたとの事。二人は何か事件の匂いを感じ、内閣情報調査室総務部門の社美彌子(仲間由紀恵)に接近します。
レジュメはCIAの極秘資料で、そこには7名の日本人男性の個人情報が詳しく書かれています。実は、この7名はかつてスパイ活動を行っていた過去があり、すでに殺害されていたのでした。
シーズン13の初回視聴率は、2時間にもかかわらず19.8%で同シーズン3番目の視聴率でした。この視聴率からも『相棒』シリーズの注目度を感じさせます。タイトルの「ファントム・アサシン」は「幻の暗殺者」という意味です。仲間由紀恵扮する社美彌子が初登場する回。彼女の謎めいたプライベートも登場します。
第4話:第三の女
2014年11月5日放送 視聴率17.3%
警視庁捜査1課の伊丹(川原和久)と芹沢(山中崇史)のもとへ、新しい部下が配属されます。その名は浅木真彩(原田夏希)、階級は警部補です。
突然の女性警部の配属に色めき立つ捜査1課。早速彼らはビルから転落死した女性の事件を担当することになり、事件現場へと向かいます。身元不明だった女性は、転落したビルの管理会社に勤めていた女性・名取恵子(菅原あき)でした。
右京達は捜査するにつれて、かつて恵子が刑事として活躍していた事を知ります。そして、彼女が警備会社の不正を新聞記者へ内部告発していた事も明るみになったのでした。浅木真彩は警察学校時代に彼女にかばってもらって退学を免れた恩があり、事件の真相をさぐるべく捜査1課へ配属を希望したのです。
恵子を殺したのは、彼女が告発し、記事を書くよう依頼した記者・日向。彼女の告発内容を金になると踏んだゆえの犯行でした。事件解決後、恵子の遺志を継ぐ決心をした真彩は警察を去りました。
第6話:ママ友
2015年11月19日放送 視聴率16.2%
東京郊外の山の中で拳銃を散策する右京と亨。しかし、その後拳銃は犯人の自宅マンションから見つかったと知らせが入り、骨折り損を痛感しながら東京へ戻ろうとします。その途中、キノコ採りに来ていた女性・雅代(岩崎ひろみ)に出会います。彼女は足をくじいていました。
助けたお礼にと、二人を自宅に招く雅代に、キノコ採りにしては持ち物をほとんど持っていなかった事を指摘する右京。雅代は観念し、以前行ったバーベキューの途中で一人の女性が行方不明になった事を白状しました。雅代はバーベキューに参加していたメンバーの誰かが行った犯行ではないかと推測していたのです。
参加したメンバーのまどか、百合、七海はママ友つきあいの仲。行方不明になった弘子は最近引っ越してきた独身女性で、写真撮影したいと山に行ったまま帰ってこないのだと言います。調べてみると、それぞれに不倫や裏口入学など後ろ暗いことが次々に発覚。
実は弘子は殺されたのではなく、すでに金目的の殺人を犯していたため、それをごまかすためにまどかとのトラブルを利用して逃亡を図っていたのでした。雅代はおとなしい性格なので、そんなメンバーにこきを使われていたのです。それでも、事件解決後にママ友のつき合いに戻る彼女達に呆れる右京と亨でした。
第8話:幸運の行方
2014年12月10日放送 視聴率15.8%
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とある商店街の防犯パトロールをしている右京と亨。その質屋の店主・久米は、安物のボールペンを質草に持ち込む平に渋い顔をしながらも1000円でお買い上げをしていました。そんな時、久米は犬猿の仲の小池がどこかの若い女性とラブホテルに入るところを目撃。彼の妻・瑠璃子は近所では美人で有名で、久米も彼女に好感を抱いていたのです。
決定的瞬間を撮影した久米は、そのSDカードをガラクタ袋にしまいますが、別の日に平に盗まれてしまいました。平から取り返そうと彼の家に行ったものの、平は何ものかに殺害されていたため、慌ててその場から逃げ去る久米。後日、右京達の捜査によって、小池は不倫ではなく、美人局のこん睡強盗に遭った事を知ります。
SDカードには愛人ではなく犯人の顔が映っていたのです。意味合いが変わったカードを必死に探す久米達。実は、平には共犯者がいました。彼が盗んだ質草の中には競輪の当たり券が入っていて、平は競輪場で知り合った男にそそのかされてそれを盗み出したのです。
結果平は殺され、当たり券は男に奪われたのでした。そして、SDカードが後ろめたく、盗難を警察に届けていなかった久米は、男にすべてを知っているものだと誤解され狙われていたのです。男の逮捕後に盗難にあったガラクタ袋を取り返し、こん睡強盗犯は捕まります。久米達によって、賞金は全額寄付されたのでした。
第9話:サイドストーリー
2014年12月17日放送 視聴率15.0%
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三塚奈々(まつながひろこ)という美人の介護士が殺害されるという事件が起こります。彼女は生前介護士をしながら夜はキャバクラで働いていたため、そのスキャンダラスな生活がマスコミの格好の餌食になっていました。
このような生活をしていたために殺されたのは自業自得だという風潮の中、右京や亨は渋い顔をしていました。この事件では、奈々と関係があった柿谷という男性が容疑者になっていましたが、警視庁の匿名ダイヤルに「犯人は別にいる」と電話があったことから捜査は一変します。
さっそく捜査に乗り出した右京と亨。すると奈々は生前、老婦人佳枝の介護を行っていたことがわかります。気難しいゆえに一か月と介護士がもたない佳枝ですが、奈々は一か月以上も彼女の介護を行っていました。また佳枝には息子の茂樹がいて、彼は奈々と共同で介護を行っていたのです。
一方で佳枝は親しい友人に「ご飯がまずくて食べられない」と愚痴をこぼしていた事もわかります。奈々の遺した介護ノートのレシピ通りに料理を作る右京ですが、それを食べた亨は「おいしいけど、味が濃くて若者向けだ」と答えます。
しかし「まずい」と言っていたご飯を出すと、むさぼるように食べる佳枝。まるで飢えているかのようです。その後捜査を重ね、実は息子の茂樹は佳枝の介護放棄をしていたことが発覚。それをたしなめた奈々を邪魔に思い、彼女につきまとう元夫に彼女の居場所を教えました。
元夫にDVを受けていた奈々は、彼に居場所を知られないよう逃げていたのです。元夫に見つかった奈々は殺害され、学費を稼ぐためにやっていたキャバクラ勤務は面白おかしく取り上げられたのでした。
匿名電話は、誹謗中傷に傷付けられている奈々の両親への懺悔とも言える、佳枝のものだったのです。佳枝は茂樹の介護放棄を知っていてそれを黙認していたのでした。黙認が理解できない亨に、「それが理解できれば君は苦労しないはずです」と右京は微笑みました。
第10話:ストレイシープ
2015年1月1日放送 視聴率16.9%
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右京が紅茶専門店で知り合った女性・西田悟巳(石田ひかり)が亡くなり、お葬式に参列する右京。紅茶に詳しくなかった彼女は、右京の紅茶の知識を聞いて喜んでいたのです。そんな思い出を頭に巡らせる右京のもとへ荒井亮一(平岳大)が声をかけ、亮一は生前悟巳と親しかったことを伝えます。
数時間後に右京が見た悟巳の死亡についての資料には、ダージリンとアールグレイのブレンドに毒を入れて自殺した事がかかれていました。このブレンドは、右京が彼女に教えたものだったのです。
一方、警視庁では誘拐事件の話が持ち上がっていました。誘拐されたのは村本夫妻の長男である修吾。彼らの元へ村本氏の前妻である梶井素子(川上麻衣子)を呼ぶようにと脅迫電話が入ります。彼女は修吾の実母でした。彼女に身代金の受け渡しを要求する犯人。また、とある小料理屋では女将の佐伯紫乃(大家由祐子)が誘拐されるという事件が起こります。
全く無関係に見える事件や出来事ですが、実は一人の男性がすべて裏で関わっていたのです。それは、右京が悟己の葬儀で出会った新井亮一。彼は以前自殺するために樹海に入ったのですが、そこで犯罪集団のトップである飛城と出会い、彼との会話にすっかり引き込まれました。
そして、新井は余命わずかの飛城のために復讐劇を決意し、自ら飛城と名乗る事にしたのです。
まず、素子は伊藤という女性に株を教えていましたが、それが大暴落したために伊藤は自殺。彼が誘拐で素子に執拗に支持を出したのは、彼女に損害を与えるためでした。
料亭の女将である紫乃はかつて樹海で集団自殺をした栄子の同僚でした。栄子は大物代議士である天沢の愛人で、そのためか紫乃より給料が高く、彼女はそれを不審に思っていました。「政界の洗濯機」と言われるほど、クリーンなイメージで売っていた天沢ですが、紫乃は検事の橘高に愛人問題を密告。
その後厳しいバッシングで天沢が自殺したため、栄子は彼女を恨んでいたのです。そして、悟己も右京へ復讐するために近づいたのでしたが、右京と話をするうちに彼を好きになり、この計画はとん挫してしまいました。
すべてを見破り、新井亮一を逮捕した右京。彼が悟己についての想いを聞きますが、彼は答えません。アールグレイとダージリンのブレンドを飲みながら、彼女を一人偲ぶ右京でした。
第11話:米沢守、最後の挨拶
2015年1月14日放送 視聴率18.3%
東京都内で3つの連続殺人事件が発生し、3件とも犯人らしきDNAが残されていました。そして、そのDNAを調べるとなんと鑑識の米沢のものであることがわかります。警視庁全体が衝撃を受け、疑いをかけられた米沢は懲戒免職の危機に立たされてしまいました。
憔悴した米沢の姿にいたたまれなくなった右京と亨は、連続殺人事件の調査を開始します。するとさらに第4の事件が発生。
米沢がこれらの事件に鑑識として自宅マンションから直行した事や事件の犯行時刻はすべて不規則で、それをよく知っているものではないと彼を罠にはめられない事に気がつきます。
なんと、犯人は米沢のマンションの管理人でした。彼は前科者で警察を逆恨みしていたため、警察関係者である米沢を陥れようとしたのでした。しかし第4の事件だけは犯人が異なり、現場を検証前に台無しにした山崎係長だったのです。彼はこれまでミスをしたことがなく、初めてのミスを不名誉に感じて米沢に押し付けたのでした。
その後、疑いが晴れた米沢は無事復職することになりますが、尊敬していた山崎係長のミスのもみ消しと自分に濡れ衣を着せようとした事は、彼にとって悲しい出来事でした。
第13話:人生最良の日
2015年1月28日放送 視聴率17.6%
茨城の人気のないガソリンスタンド。そこで男性の遺体が発見される事件が発生。現場からは現金が持ち逃げされ、男性の妻である淑子(床嶋佳子)は行方がわからなくなっていました。東京のとあるカフェで麻薬売人の摘発を協力していた右京と亨は、そこで大金の入ったエコバッグを抱える淑子に出会います。
最初は談笑していた右京と淑子ですが、彼女は彼らが刑事ということに気がつくとそこから逃走します。こっそり尾行を開始する右京と亨。一方都内のホテルでは女の変死体が見つかっていました。どうやら彼女は麻薬の売人で、現場には大量の麻薬が入ったカバンが見つかります。一緒にいたはずの男は現場から行方をくらませていました。
その男四宮(湯江健幸)は暴力団に捕まり、現場に置いた麻薬の穴埋めを強要されていました。四宮は歌手として活動していたため、ライブの売り上げを暴力団に渡す事を約束。そのライブに現金を持った淑子が現れ、四宮に協力することになるのです。
実は淑子は若い頃に四宮のファンでした。ガソリンスタンドで亡くなっていた夫は束縛が激しく、彼が突然死をしたことで彼女は好きだった四宮のライブに行く事を決心して茨城から東京へとやって来たのでした。警察に逮捕され、連行される淑子。しかし憧れの四宮と同じ時間を過ごした淑子の顔は晴れやかで、「人生最良の日でした」と右京に告げて去って行きました。
第15話:鮎川教授最後の授業
2015年2月11日放送 視聴率19.9%
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恩師・鮎川教授(清水綋治)の古希のお祝いを祝うパーティーに参加した右京。そこにはかつて優等生だった教え子が集まり、その中には社美彌子(仲間由紀恵)もいました。メンバーは出された料理を味わい、久々に会った恩師と過ごす時間を楽しんでいましたが、鮎川教授が「なぜ人を殺してはいけないのか?」と唐突に質問します。
突然の難問に答える間もなく、睡魔に襲われてしまう右京たち教え子。そして時間が経ち、参加者たちがふと目を覚ますと、そこは地下室でした。そして、眠り込む前の質問「なぜ人を殺してはいけないのか?」という書置きがあります。そして、地下室の扉が開くと散弾銃を手にした恩師が部屋へと入って来ました。
殺人をしたいがその衝動を抑えるために、殺人をしてはいけない理由を答えて欲しいと右京たちに語りかける鮎川教授。右京は隙を見て米沢(六角精児)に連絡を取り、亨達が鮎川邸へと向かいます。しかし、右京たちがいるところは実は鮎川邸ではありませんでした。それに気がついた亨は、右京たちが監禁されているところを探します。
第16話:鮎川教授最後の授業・解決篇
2015年2月18日放送 視聴率18.0%
右京たちの居場所を突き止められない亨。しかし、右京は亨が助けに来てくれる事を信じて鮎川教授と交渉し、3時間の猶予をもらいます。その合間に、家政婦の黎子(石野真子)に鮎川教授との出会いや、働く事になったいきさつを聞き出しました。
黎子は教授とSNSで知り合ったいきさつを話します。そして、そのやり取りのさなか、鮎川教授の散弾銃が黎子へと向けられ、彼女は持っていた銃で教授を撃ち殺しました。実は、その銃は教授が黎子へ護身用にと贈ったものだったのです。
男女の関係があるとも考えられた二人ですが、そうではなく実は親子だったのでした。黎子の母は教授の元恋人で、妊娠したことを彼に告げると、堕胎をすすめられたために深く傷ついて別れ、自分の命と引き換えに極秘で黎子を産んだのです。黎子はそのために父である教授を憎み、家政婦として彼に近づいたのでした。
正当防衛で不起訴になった黎子ですが、右京によって教授へ殺意があったことを認めます。そして、この親子関係と対比するかのように、亨の恋人・悦子(真飛聖)の妊娠と白血病の入院のエピソードも描かれました。
第17話:妹よ
2015年3月4日放送 視聴率17.0%
警視庁捜査一課で経理をしている陣川(原田龍二)は、風邪をひいてしまい、妹の美奈子(水崎綾女)に看病に来てもらっていました。しかし、ふとしたことから言い争いになり、帰ってしまいました。その後美奈子は陣川に電話をした後、行方不明になってしまいます。
美奈子の仕事は人材スカウト業。有能な人材を企業に紹介する仕事をしていました。その関係で誘拐されたのではないかと右京達に相談する陣川。調査を開始していく中で、美奈子がスカウトしていた人たちが、次々と窃盗事件に巻き込まれていた事を知ります。
情報漏洩に気がついた美奈子が、事件の真相を調べていて巻き込まれたのではないか……。そう考える右京達。かくして、誘拐犯の一人は会社で清掃係していた冬美だということが判明します。情報管理には細心の注意を払っていた美奈子ですが、シュレッダーで書類を破棄する事がありました。
シュレッダーの場合は1万ピースまでなら復元が可能なため、冬美はシュレッダーの書類を元に窃盗事件を起こしていたのです。美奈子の誘拐されている現場を突き止め、無事に彼女を保護した右京達。「花の里」で祝杯をあげるのでした。
第18話「苦い水」
2015年3月11日放送 視聴率15.5%
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右京達と関わりの深い国会議員の片山雛子(木村佳乃)。彼女が深夜の公園を立ち去った後に、男性の死体とその傍らで鳴いている猫がいました。翌日、現場となった公園には人だかりができ、右京達も現場を調べますが、雛子が第一発見者となった事を聞きつけます。
被害者の男性は、チョコレートに振りかけられたアーモンドパウダーのアレルギーで死亡したと検死結果が出ましたが、現場にはチョコレートはありませんでした。その箱は雛子が持ち帰っていたのです。実は亡くなった男性の饗庭丈弘(伊嵜充則)は雛子の同級生で初恋の相手でした。
一方、現在の雛子は先輩議員の勧めで桐山友哉(藤重政孝)という男性と交際中。しかし、彼は実は薬物中毒で、ある女性と性的関係を持ちながら薬物に手を出していたのです。その女性は饗庭とも一度関係を持っていました。かつて自信を持たせてくれた饗庭は、同時に女たらしでもあり、彼に対して複雑な感情を持っていた雛子。
右京は捜査で、チョコレートのアーモンドパウダーは作られた段階ではなく、誰かが故意に行ったものだと気がつきます。それは饗庭の身近な人物で、彼と長年交際していた早苗(ハマカワフミエ)だったのでした。しかし、殺意ではなくあくまでも少しの嫌がらせのつもりだったのです。
チョコレートの語源は「苦い水」。饗庭はかつて雛子に自信を与えながらも裏切り、別れ際に自分の作ったチョコレートを食べて欲しいと雛子に話していました。桐山を通報し、「生涯独身宣言」をした雛子は、さらに国会議員として凄みを増していくのでした。
最終回:ダークナイト
2015年3月18日放送 視聴率20.3%
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2年前から起きている犯罪者を狙った暴行事件。すでに事件は5件起きていますが、どの被害者も警察が手を出せない凶悪な犯罪者ばかり。そのため、彼らを襲った犯人「ダークナイト」は、ネットを中心にまるでヒーローのように人気がありました。右京はそんな「ダークナイト」の目的に興味を抱いていました。
その後、とうとう「ダークナイト」による6件目の事件が起こります。被害者は経理の不正が問題視されていた都議会議員の辻堂。しかし、他の事件と違うのは、彼が激しい暴行を受けた末に殺害されていることでした。「ダークナイト」による初めての殺害事件は世間に大きなショックを与え、「ダークナイト」の見方も変わり始めました。
辻堂の事件を担当し、右京はこれまでの事件と異なると感じます。やがて、右京は亨と共に現場の近くの病院で拳の怪我をした患者の中から種村という男に目をつけ、自宅へ捜査に行きます。種村は、自分が「ダークナイト」であると自供をし、犯行を認めました。
自宅からも「ダークナイト」の衣装が見つかったため、「ダークナイト」の正体は種村だと判断されましたが、亨だけはそれを否定。そんな彼に右京は疑問を抱きます。
その後、自供したにも関わらず、警察の目を盗んで逃亡してしまった種村。彼は複雑な逃亡ルートを突破後にダークナイトの格好をした男に暴行されてしまいます。逃亡ルートを単独で調べ、何度かわかれ道があるにもかかわらず、正しい道を突破した種村に違和感を感じる右京。
亨には梶祐一郎という親友がいました。実は、梶には妹を通り魔に惨殺されたという過去があったのです。そして、その犯人は薬物中毒で心神喪失の状態だったために無罪放免をされていました。しかし、犯人はその後何者かに暴行を受けてしまいます。それがダークナイトの最初の事件でもありました。
種村の暴行の犯人は梶だと思った右京は、一人で梶に会いに行き、とうとう自分の相棒である亨が正真正銘の「ダークナイト」だったことをつきとめます。亨は「ダークナイト」になることで世間の好意的な風潮に充実感を感じますが、一方でなぜこんな事をしたのか自分でもわからない、と言います。
亨の父は、「右京への嫉妬と羨望からくるものではないか」と分析しますが、亨の気持ちは不明のまま、彼は警察を懲戒免職になり、特捜は休止。右京はイギリスへと旅立ちます。右京のイギリス出発前に、少しだけ言葉を交わす右京と亨。そしてシーズン13は、これまでの『相棒』とは違う苦い終わり方を迎えたのでした。