『ごめんね青春!』は良作ドラマだった!クドカン作品は視聴率が低くても面白い!

2017年9月7日更新

2014年に放送された学園コメディドラマ『こめんね青春!』は、コミカルでユニークな作品が多いクドカン脚本ドラマの中でも、特に異彩を放つ存在です。視聴率が低い、と噂されることもあったこのドラマの魅力について迫ります。

学園青春コメディドラマ『ごめんね青春!』

2014年に放送された学園コメディドラマ『ごめんね青春!』。脚本家・宮藤官九郎の大ヒット作『あまちゃん』以来、初の連続ドラマとあって放送前から大きな話題を呼んでいた作品でもあります。 主演を満島ひかりと、ジャニーズの錦戸亮が務め、生徒役に旬な若手俳優を多数起用。 今回は、視聴率が低かったため「コケた」とまで言われた本ドラマの魅力を深堀りしていきます。

『ごめんね青春!』のあらすじ

主人公の原平助は、男子校・東高の国語科教師。三年生の担任を受け持っていますが、東高の経営が難化し、隣の女子高・三女と合併することになりました。仏教系の高校である東高とカトリック系の三女は仲も悪く、これまで事あるごとに対立してきました。 しかし、東高と三女の対立の原因を作ったのは、他でもない高校時代の平助でした。平助はいつまでもその罪悪感から逃れることができず、三女と東高の関係を元に戻すため、率先して共学化に協力しようとします。

実は視聴率が良くなかった?

豪華なキャスト陣と盛りだくさんの内容で送る学園コメディドラマ、『ごめんね青春!』ですが、残念なことに視聴率は振るわなかったようです。 初回放送では10%超と好調な滑り出してあったものの、回を追うごとに視聴率が低下、後半に差し掛かると5%台を記録し、最終回が5.8%という数字になりました。 しかし、視聴率は残念な結果になったものの『ごめんね青春!』は多方面にファンを持つ魅力あふれるドラマ。毎回楽しみに録画をして何度も見返していた、というコアで熱心なファンも多かったのではないでしょうか? その魅力はどこにあったのか、いくつかのトピックスに分けてご紹介します。

『ごめんね青春!』はクドカン初の学園ドラマ

個性的なキャラクターが多数登場する群像劇が、クドカン作品の魅力。これまでも2002年放送の『木更津キャッツアイ』など、少年たちの日常を描いた青春群像劇は多数手がけてきましたが、学校を舞台にした学園ドラマは意外にも本作が始めてなのです。 これまでクドカンの作品を楽しみに観てきた人にも、『あまちゃん』で初めてクドカン作品に触れた人にも、新鮮な気持ちで楽しめるドラマが『ごめんね青春!』なのです。

「みしまコロッケ」に「いずっぱこ」などローカル感満載!

クドカン作品にはどれも独特の雰囲気が漂っています。2002年放送の『木更津キャッアイ』では木更津という都会の近くの田舎で暮らす若者の日常が、2013年放送の『あまちゃん』では北三陸市で海女を目指していたヒロインの青春ストーリーが描かれ、作品全体に舞台となる地域の魅力や個性がぎっしりと詰め込まれています。 ドラマ『ごめんね青春!』は、静岡県三島市が舞台。ドラマの中では、三島市名物の「みしまコロッケ」が登場します。三島メークインを100%使用したご当地グルメの「みしまコロッケ」、女生徒たちが帰り道に食べ歩いたり、勉強合宿での差し入れだったりと、登場人物たちの青春のお供になっています。さらにローソンから「みしまコロッケパン」というコラボ商品まで発売されました。 他にも、主人公・平助や生徒たちが普段移動に使っている伊豆箱根鉄道駿豆線は、「いずっぱこ」と呼ばれ、ドラマの中でも車中のシーンが多くありました。三島市出身で青春時代をこの電車にのって過ごした人にはとても懐かしかったのではないでしょうか。

個性派俳優集結!キャスト陣の魅力

クドカン脚本ドラマは、キャスト陣の個性が魅力。ドラマ『ごめんね青春!』では、主役の原平助を錦戸亮が、ヒロインの蜂屋りさを満島ひかりが演じました。 本作はは、仏教系の男子校東高とカトリック系の女子高三女の合併話から始まります。昔から仲が悪く対立している東高と三女の面々は、教師も生徒も個性豊か。東高校長でこっそりラジオDJをしている三宮大三郎に生瀬勝久、三女校長で元ヤンキーの吉井良江に斉藤由貴、養護教諭でどんまい先生と呼ばれる淡島舞役を坂井真紀が務めています。 東高、三女の生徒たちには、フレッシュな顔ぶれがいっぱい。小悪魔系女子の阿部あまり役に森川葵、あまりと隠れて付き合っている海老沢ゆずるに重岡大毅、『クローズ』に影響されまくっている古井豊に矢本悠馬、勝気で口が悪い神保愛を川栄李奈が演じました。

架空のラジオ番組や、菩薩像の母などびっくりの設定

主人公の原平助が務める東高の校長は、周りに内緒でラジオDJをしています。カバヤキ三太郎という名で活動し、みしまFMの長寿番組『カバヤキ三太郎のごめんね青春!』のパーソナリティーです。ドラマの中ではこの番組の放送シーンが何度も放送され、校長・三宮大三郎からカバヤキ三太郎への切り替えがコミカルに描かれています。 平助は、すでに母を心筋梗塞で亡くしていましたが、部屋にある観音菩薩像の中に母が宿り、毎回平助と普通に会話をしています。平助以外の家族には母の姿は見えませんが、父・平太や兄・一平の行いを戒めるためにちょっかいをかけることが多々あります。母みゆきの声が聞こえるだけではなく、演じた 森下愛子が実際に菩薩の格好で平助の前に現れるのは定番シーンとなっていました。

『ごめんね青春!』のテーマは青春時代の罪の告白と赦し

平助が勤める東高と三女は犬猿の仲。その原因は、平助が高校時代に起こしたある事件のせいなのでした。高校時代の平助は、三女の生徒・蜂矢祐子に思いを寄せていましたが、友人の蔦谷サトシに抜けがけされてしまいます。傷心の平助は、三女の礼拝堂に花火を打ち込んでしまうのですが、その後、礼拝堂は全焼してしまったのです。 その事件がきっかけで蜂矢祐子は東高、三女の生徒両方から避難される存在となってしまいました。礼拝堂の火災事件の原因が、平助の花火だということは誰も知らなかったのです。その後、裕子は疾走してしまい、平助は真実を誰にも伝えられず大人になってしまいました。 しかし平助が悩み続けた青春時代の罪が告白され、赦される時がやってきます。文化祭「青春祭」で、開催されたメインイベントのミス&ミスターコン。平助はミスター青駿に選ばれます。が、平助はこれを辞退し、かつての事件の告白を始めるのです。 皆から非難を浴び罪に問われることも覚悟していた平助ですが、生徒たちは意外な反応を見せます。青春時代に犯した罪の償いで、東高と三女の合併に協力してきた平助の姿を、生徒たちは誰よりも認めていたのでした。 青春時代の罪を主人公の教師が告白し、青春を生きる生徒たちに赦される。何だか不思議な構図ですが、ドラマ『ごめんね青春!』のタイトル通り、平助は自分の青春に謝り、これまでの苦しみから救われたのです。