2017年12月22日更新

「超高速!参勤交代」シリーズがスマッシュヒットを記録したワケ【あらすじ・キャストも紹介】

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歴史エンターテインメント映画『超高速!参勤交代』

スマッシュヒットを記録し続編『超高速!参勤交代リターンズ』も公開

江戸時代の参勤交代をテーマに描く歴史エンターテインメント『超高速!参勤交代』。 時代劇という観客層が絞られがちなジャンルでありながら、中高年層のみならず親子連れや若い女性といった幅広い層を動員し、興行収入15.5億円という好成績をマークしています。

2014年に公開された第一作のヒットを受け2016年には続編『超高速!参勤交代リターンズ』の公開が決定。前作に続き大きな支持を集め、興行収入11.6億円と好評のまま幕を閉じました。 本作がなぜスマッシュヒットを記録することになったのか?その魅力に迫り解明したいと思います。

「超高速参勤交代」シリーズのあらすじ

『超高速!参勤交代』のあらすじ【ネタバレ注意】

江戸時代、8代将軍吉宗が世を治めていた頃の話です。主人公は東北の小藩・湯長谷藩の4代目藩主・内藤政醇。江戸での勤めを終え無事帰国を果たした政醇の元に、江戸幕府大老・松平信祝から「5日のうちに参勤せよ」との厳命が下されるのです。 湯長谷藩が所有する金山の調査内容に疑義があるため、というのはあくまでも建前上の理由。その裏には無理難題を突きつけて藩を取り潰し、金山を取り上げてしまおうという信祝の魂胆が隠されていました。 貧乏な小藩には幕府の命令に応じるための資金も人手も時間もありません。追い詰められた湯長谷藩が講じた奇想天外な策とは……。 藩随一の知恵者、家老・相馬兼続が考え出したのは、幕府の役人が監視する宿場を通り抜ける時だけ日雇い中間を揃えて大名行列を組み、少人数で山中を駆け江戸を目指すというものでした。 こうして政醇たち一行は、山中の道案内として一匹狼の忍び・雲隠段蔵を雇い入れ、江戸へ向けて国元を立ったのです。旅の途中、信祝の妨害に遭い苦心惨憺する一行でしたが、なんとか期日内に江戸城に到着。信祝の鼻を明かし帰路に就くことができました。

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『超高速!参勤交代 リターンズ』あらすじ

ところが治国へ戻る道中の政醇たちの元へ、湯長谷で一揆が勃発したという知らせが入り……。 仰天し国元へ急ぐ一行でしたが、騒ぎの裏には復讐に燃える老中・松平信祝の存在があったのです。信祝の妨害に立ち向かうチーム湯長谷藩の奮闘を描きます。

シリーズの主演キャストは佐々木蔵之介

湯長谷藩藩主・内藤政醇(ないとう まさあつ)役/佐々木蔵之介

東北の小藩・湯長谷藩の4代目藩主で、本シリーズの主人公。領内では民百姓にまで気さくに話かけ、幕府においては将軍や老中に物怖じせず進言するという、いわゆる「デキる殿様」です。 物語は、政醇が江戸での1年間の務めを終え、湯長谷へ帰国するところから始まります。主人公・内藤政醇役を務めるのは佐々木蔵之介。2009年に始まった主演ドラマ『ハンチョウ~警視庁安積班~』も6シリーズを迎える人気作となりました。 2017年10月スタートのドラマ『コウノドリ 第2シリーズ』では、綾野剛扮するサクラの恩師・荻島勝秀役を演じています。

「超高速参勤交代」シリーズを彩るキャスト【ネタバレ注意】

政醇の将来の妻・お咲(おさき)役/深田恭子

幼い頃、口減らしのため牛久宿の旅籠「鶴屋」に売られた飯盛女のお咲。お尋ね者と知りながら政醇を匿い、のちに側室として迎え入れられる女性です。 お咲を演じるのはドラマ「富豪刑事」シリーズでお馴染みの深田恭子。2018年には池井戸潤初の映画化作品となる『空飛ぶタイヤ』で主人公の妻・赤松史絵役を演じることが決まっています。

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江戸幕府・松平信祝(まつだいら のぶとき)役/陣内孝則

本シリーズの黒幕、江戸幕府老中の松平信祝。湯長谷藩の金山を手に入れようと無理難題を仕掛けてきます。アイシャドウを施したデヴィット・ボウイ風メイクも話題を呼びました。 松平信祝役を務めるは陣内孝則。NHK大河ドラマ『毛利元就』の陶晴賢役、同『軍師官兵衛』の宇喜多直家役と癖のある悪役を演じるのはお手の物。2016年には9年ぶりとなる自身の監督作『幸福のアリバイ Picture』が公開されました。

湯長谷藩として参勤交代を行うキャストたち

助っ人・雲隠段蔵(くもがくれ だんぞう)役/伊原剛志

政醇たちの道案内役を務める戸穏流の抜け忍・雲隠段蔵。政醇たちの金を奪いいったんは姿をくらましますが、苦労して集めた金子だということに気付き戻って手助けしてくれます。 雲隠段蔵を演じるのは伊原剛志。2014年放送のドラマ『トクボウ 警視庁特殊防犯課』では、デビュー32年目にして初の連続ドラマ主演を務めました。 2016年には落語家・桂雀々に弟子入りし「雀々や剛々」の名でデビューするなど、俳優以外にも活躍の場を広げる多才な人物です。

家老・相馬兼続(そうま かねつぐ)役/西村雅彦

湯長谷藩家老・相馬兼続。藩の財政を取り仕切る立場から金勘定にはやたら細かく、気前のよい政醇にしょっちゅう小言をいっています。 相馬兼続役を演じるは「古館任三郎」シリーズの今泉役で知られる西村雅彦。三谷幸喜率いる「東京サンシャインボーイズ」に所属している関係で三谷作品に多数出演しているほか、『もののけ姫』の甲六役、『風立ちぬ』の黒川役等、アニメ吹き替えにもチャレンジしています。

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家臣・荒木源八郎(あらき げんぱちろう)役/寺脇康文

湯長谷藩家来衆を束ねるリーダー・荒木源八郎。剣術に優れた頼れる人物なのですが、怒りっぽい性格が災いし同僚と衝突してばかりいます。 荒木源八郎役を務めるのは「相棒」シリーズ、「警部補・佐々木丈太郎」シリーズ等、数々のヒットシリーズをもつ寺脇康文。映画、ドラマ、舞台に留まらず司会としても活躍するマルチタレントとして知られています。

家臣・秋山平吾(あきやま へいご)役/上地雄輔

冷静沈着な祐筆・秋山平吾。感情論で物を言う荒木とはそりが合わず、すぐに衝突してしまいます。秋山平吾を演じる上地雄輔は、俳優の他、「遊助」名義でアーティストとしても活躍する才能豊かな人物です。 2011年公開の映画『漫才ギャング』の鬼塚龍平役で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。 2012年、石田三成役を務めた映画『のぼうの城』がモントリオール映画祭ワールド・グレイツ部門に特別招待され、自身初となる海外映画祭に参加しています。

家臣・鈴木吉之丞(すずき よしのすけ)役/知念侑李(Hey!Say!JUMP)

弓を得意とする側用人・鈴木吉之丞。一行の中で唯一、盤城弁を話さない家臣です。鈴木吉之丞を演じるのは、人気アイドルグループHey!Say!JUMPのメンバーとして活躍する知念侑李。 本作は10年ぶりとなる映画単独出演作で、2016年には内村光良とのW主演作『金メダル男』が公開されています。

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映画『超高速参勤交代』には、他にもこんなキャストが出演

「5日のうちに参勤せよ」という不可能とも思えるミッションを下された湯長谷藩。上記で紹介した6人の他に、馬廻役として政醇の飼い猿・菊千代の世話をする増田弘忠(柄本時生)、膳番の今村清右衛門(六角精児)、総勢8人で「参勤」と「交代」のミッションクリアを目指します。 また、江戸幕府のトップ、将軍吉宗役を市川猿之助、懐深い老中首座・松平輝貞役を石橋蓮司、陣内孝則扮する黒幕・信祝に仕える甲賀流隠密の頭・夜叉丸を忍成修吾が務めます。

続編『超高速参勤交代リターンズ』では、更なる豪華キャストが追加

主人公・内藤政醇役を演じる佐々木蔵之介、前作で晴れて妻となったお咲役の深田恭子を始め、湯長谷藩の個性豊かな家臣団が引続き投入された『超高速!参勤交代 リターンズ』。 黒幕・松平信祝役を務める陣内孝則も続投し、物語をピリリと引き締めます。更には、信祝の動向を怪しみ密かに内偵を進める南町奉行・大岡忠相役に古田新太、寺脇康文演じる荒木源八郎の妻・富江役に富田靖子と豪華キャストが追加出演。 信祝が、湯長谷藩への復讐を果たすため味方につけた尾張柳生の刺客を、渡辺裕之、中尾明慶、宍戸開の3人が務めました。

思いがけないスマッシュヒットを記録したワケは?

時代劇という観客層が絞られがちなジャンルにもかかわらず、『超高速参勤交代』がスマッシュヒットを記録したワケをいくつかの角度から探ってみたいと思います。

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時代劇とは思えないインパクトの強いのタイトル

「5日のうちに参勤せよ」というミッションを課せられた湯長谷藩。通常、準備に半年、移動に8日と言われる工程ですから、無茶苦茶な命題としか言いようがありません。 そこでつけられたのが『超高速!参勤交代』。時代劇のタイトルとしては極めて異色ですが、インパクトもあり若い人でも一度観てみようかと思える分かりやすいタイトルです。時代劇の堅苦しいイメージを打ち破る斬新さが勝因の一つ?

従来の時代劇ファンもそうでない人もどちらも楽しめる

タイトルに惹かれせっかく劇場を訪れた観客も、内容が分かりにくければ辟易してしまったことでしょう。ところがエンターテインメント性の高い本作。笑いに継ぐ笑いで、終始飽きさせることがありません。 それでは従来のファンはいかがかというと、時代劇の醍醐味ともいうべき立ち回りの出来映えに圧倒されるのです。従来のファンもそうでない人も楽しめる、言うことなしですね。

原作者の東日本大震災被災地へ対する熱い思い

原作者である土橋章宏が東日本大震災の取材のため東北を訪れた折、何かを残したいと考えたのが本作誕生のそもそものきっかけ。福島県いわき市に実在した藩を取り上げ、逆境にもへこたれず明るく生き抜く人々の姿を描きました。 説教くさいものにはしたくないという意向からエンタメ性の高い作品に仕上がりましたが、原作者の被災地に対する熱い思いが観客に伝わったのかもしれませんね。

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『超高速参勤交代』のヒットも納得の高評価!ファンの感想は?

これぞエンターテインメント!

エンターテインメント性の高さを評価する意見が多数。笑いあり、涙あり、中でも松平信祝に扮した陣内孝則の悪役っぷりを褒めたたえる意見が多く見られました。

脚本力の見せ所!楽しめるストーリー設定やアクションシーン

時代劇に馴染みのない人は、「時代劇って面白いの?」と思うかもしれません。しかし本作には笑い、アクション、伏線回収など物語を面白くさせる要素が盛りだくさんなのです。脚本が優れている証拠ですね。

『超高速!参勤交代』を観た人は続編「リターンズ」も観るべし!

第1作のヒットを受け製作された2作目。続編も1作目と同様の高評価を獲得しています。キャスト1人1人の魅力が存分に発揮されている「リターンズ」も見逃せませんね。