意外と知らない?歴代スペシャルドラマの傑作9選【特番】
隠れた名作いっぱい!歴代の単発ドラマおすすめ9選
連続ドラマとはまた違ったおもしろさのある単発スペシャルドラマ。これまでに見た作品の中で特に印象に残っているものはありますか?人気の高さからシリーズ化されたり、後に連続ドラマ化や映画化される作品も多いのが、単発スペシャルドラマです。 これまで放送された作品の中から、人気の高さ、ストーリーの魅力、キャストの豪華さなど他の作品とは一線を画している選りすぐりのおすすめ9選をご紹介します。
1,『地獄の道化師』(1994年)
江戸川乱歩原作の名探偵明智小五郎シリーズはこれまでに多数実写化され、スペシャルドラマでも何度か放送されてきました。1994年に放送された『地獄の道化師』は、主人公の明智小五郎役を陣内孝則、小林少年を黒田勇樹、明智の妻・文代役を森口瑤子が務めています。 陣内孝則主演の「名探偵明智小五郎」は後にシリーズ化され、『暗黒星 天の怒りか地の悲しみか、21年ぶりの日食の日に起きた連続殺人』、『吸血鬼』がすべてスペシャルドラマとして放送されました。江戸川乱歩独特のグロテスクで幻想的な世界をドラマティックに再現、役者陣が時にコミカル、時にシリアスな表情豊かな演技で視聴者を惹きつけます。
2,『ブラック・ジャック』(2000年)
手塚治虫原作の普及の名作『ブラック・ジャック』を単発スペシャルドラマで実写化!2000年に放送された『ブラック・ジャック』は、本木雅弘主演で送る、ドラマだけのオリジナルストーリーも楽しめる作品でした。演出は堤幸彦、キャストには永作博美や松雪泰子、柴崎コウなどの人気女優が多数出演しています。 ブラック・ジャックの永遠のライバル・キリコ役を森本レオが務めていることや、助手のピノコが双子の少女であるというユニークな設定にも注目です。本木雅弘主演のドラマ『ブラック・ジャック』は、その後に第2弾、第3弾がすべて単発スペシャルドラマとして放送されました。
3,『火垂るの墓』(2005年)
終戦60年スペシャルドラマとして放送された『火垂るの墓』は、アニメや原作では語られることのなかった側面が描かれ、大きな反響を呼びました。主人公の清太や節子を預かることになる親戚の女性・澤野久子を松嶋菜々子が熱演、これまで悪役として描かれていた女性像とは大きく異なる演技を見せます。 松嶋菜々子を始め、豪華なキャスト陣も話題になったこのドラマ。清太の父・清を沢村一機、母・京子を夏川結衣、久子の娘・なつを井上真央が演じています。
4,『女の一代記』(2005年)
瀬戸内寂聴、越路吹雪、杉村春子の壮絶な人生を宮沢りえ、天海祐希、米倉涼子が演じ話題となった『女の一代記』。3夜連続で放送されました。
『瀬戸内寂聴・出家とは生きながら死ぬこと』
宮沢りえが特殊メイクにより剃髪姿を再現、瀬戸内寂聴が出家するまでの壮絶な人生を描きます。後の寂聴・瀬戸内晴美の夫・楠本に佐野史郎、晴美が不倫の恋に落ちてしまう青年・涼太を中村勘太郎、小説家となった晴美と愛し合う作家・小杉慎吾を阿部寛が演じました。 夫と娘のある身でありながら青年・涼太との不倫の恋にのめり込んでいく晴美。やがては家庭を捨て、愛に生きようとしますが、二人の関係は終わりを迎えます。 後に小説家を目指すことを決心した晴美には、作家の小杉という気になる男性が現れました。創作に打ち込む晴美の心の支えでもあった小杉でしたが、彼もまた家庭のある身であったのです。
『越路吹雪・愛の生涯〜この命燃えつきるまで私は歌う〜』
宝塚の男役トップであり、シャンソンの女王と謳われた越路吹雪の生涯を、同じく元男役トップの天海祐希が演じます。華やかなステージと力強い歌声に隠された越路吹雪の苦悩と孤独がドラマティックに描かれた作品でした。 越路吹雪のマネージャー・岩谷時子を松下由樹、夫であり音楽家の内藤法美に小澤征悦、また、越路吹雪の15才の少女時代をデビュー当時の新垣結衣が演じています。 宝塚音楽学校時代に後にマネージャーとなる岩谷時子と出会った越路吹雪。越路は一躍トップスターとなり、華やかな成功を掴んでいきました。 迫力あるステージパフォーマンスからは想像もつかないほど、極度の緊張症で繊細な性格の越路は、精神のバランスを崩してしまいます。やがては酒や睡眠薬に頼るようになり、入院を余儀なくされるまでになってしまったのです。
『悪女の一生〜芝居と結婚した女優 杉村春子の生涯〜』
カリスマ性のある大女優・杉村春子の生涯を米倉涼子が熱演したのがこちらの作品。芝居に一生を捧げた杉村春子の生き様を忠実に描いた貴重なスペシャルドラマです。 春子は恋に落ちた男性と愛を誓い合うと、その男性が他界してしまうという悲しい運命にありました。春子の最初の夫・長広岸朗に山口達也、再婚相手の石山季彦に成宮寛貴が扮しました。 広島で生まれ育った杉村春子は、女学生時代に自分の出征の秘密を知ってしまいます。父母は実の親ではなく、春子は芸者の私生児であったのです。驚愕した春子は、自分の人生は必ず自分で切り開いて行くことを決意、上京して音楽家として成功することを目指します。 東京での生活で春子が魅せられたのは芝居の世界。猛勉強をして広島訛りを克服し、築地小劇場へと飛び込んだのでした。
5,『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』(2006年)
リリー・フランキー原作の大ベストセラー「東京タワー」が初めて実写化されたのが、こちらの『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン』です。 作者リリー・フランキーの自伝的要素が強いこの作品で主人公の中川雅也を演じたのは、大泉洋。少年時代の回想シーンは、神木隆之介が務めています。母・栄子に田中裕子、雅也の恋人・真沙美を広末涼子が演じました。 後に連続ドラマ化、映画化もされる「東京タワー」ですが、この単発ドラマ版は、主演の大泉洋が作者のリリー・フランキーに雰囲気が似ていることもあり、より原作の世界をリアルに体感できます。 オカンとボクの関係や、ボクのオカンに対する想いなどがしっかりとていねいに描かれており、主人公と自分を重ね合わせてしまう人も多かったことでしょう。
6,『吉原炎上』(2007年)
観月ありさが花魁役に初挑戦した『吉原炎上』は、2007年の年末スペシャルドラマとして放送されました。吉原という世界で強く生きようとした主人公・内田久野に観月ありさ、久野のライバル・浅井雪乃を星野真理が熱演しました。 これまでコミカルでキュートな役どころが多かった観月ありさですが、今作では妖艶な演技を披露しました。吉原という世界で気丈に生き抜く女性・久野の美しさと強さ、そして悲しさを見事に表現しています。 久野を取り巻く男たちや女郎たちも豪華キャストがそろいます。如月に国生さゆり、左京に有森也実、花里を井上和香が演じました。
7,『赤めだか』(2015年)
立川談春の少年時代から落語家になるまでを描いた『赤めだか』を原作とするスペシャルドラマが2015年に放送されました。立川談春を演じたのは二宮和也、そして師匠の立川談志を演じるのは、なんとビートたけしです。 談春の兄弟子・立川段々を北村有起哉、立川関西を宮川大輔、弟弟子の立川志らくを濱田岳が演じました。個性豊かキャスト陣が芸に青春を掛ける落語家たちの姿を熱演し、大きな注目と話題を集めた今作は、そのBGMにも注目です。洋・邦問わず、ロックの名曲が劇中に流れ、ストーリーを盛り上げてくれます。 また今作には、ナレーションとドラマナビゲーターがいます。ナレーションを担当するのは、薬師丸ひろ子。穏やかで柔らかい声で、登場人物たちを見守りつつ、軽快にストーリーを運んでいきます。ドラマナビゲーターは笑福亭鶴瓶。ドラマの冒頭と最後に登場し、当時の立川談志とのエピソードを語りました。
8,『かもしれない女優たち』(2015年)
連続ドラマ『素敵な選TAXI』で脚本家として注目を集めたバカリズムの作品が、単発スペシャルドラマでも登場。実在する女優たちの「かもしれない」人生をコミカルに描き、独特のバカリズムワールドを展開します。 竹内結子、水川あさみ、真木よう子がそれぞれの「かもしれない」人生を演じる今作。真木よう子と水川あさみは,売れないエキストラに、竹内結子は、出版社で働きながら充実した日々を送る一般女性を演じました。 人気女優のもう一つの世界を見ることができる『かもしれない女優たち』は、翌年に第2弾の『かもしれない女優たち2016』が放送されます。こちらは斉藤由貴、広末涼子、井川遥が主演を務め、それぞれの「かもしれない」人生を見せてくれます。
9,『鬼畜』(2017年)
単発スペシャルドラマの常連とも言える、松本清張サスペンス。数々の俳優・女優たちが松本清張作品を演じてきましたが、2017年には玉木宏、常盤貴子、木村多江が『鬼畜』に出演しました。 『鬼畜』は、夫に愛人とその子供がいることを知った妻が冷酷で残忍な女性に変貌していく様や、妻にそそのかされて、我が子を手にかけようとする夫の姿が描かれます。 小さな印刷会社を営む主人公の竹中宗吉に玉木宏、気の強い妻・梅子に常盤貴子、宗吉の愛人となり3人の子どもを設ける菊代に木村多江が扮しました。
9,見逃し厳禁!今後も単発ドラマをお楽しみに
単発スペシャルドラマでは、連続ドラマとはまた違った魅力のある作品が数多く放送されてきました。号かなキャストが出演していたり、連続ドラマではあまり取り上げられることのなかった題材を扱っていたりと、内容の濃い、完成度の高い作品がそろいます。 今後も続々放送される単発スペシャルドラマ。ぜひ忘れずチェックしてみてくださいね。