21世紀初のスーパー戦隊『百獣戦隊ガオレンジャー』!玉山鉄二のブレイク作【キャスト・あらすじ(ネタバレあり)】
21世紀初の戦隊作品『百獣戦隊ガオレンジャー』
スーパー戦隊シリーズ25番目の記念作品として制作された『百獣戦隊ガオレンジャー』。 21世紀に放送を開始した最初の作品でもある本作のモチーフに使われたのは「動物」。そのモチーフを存分に生かした本作は、「百獣戦隊」の名の通り、最終的には100体の動物が登場しました。 従来よりも高い年齢層もターゲットにドラマ性を重視していた前作『未来戦隊タイムレンジャー』とは異なり、楽しさと娯楽性を追求したストーリーは子供だけではなく、大人までも魅了し、視聴率が2桁台に乗る回が複数あるという日曜の朝としては異例の高視聴率を記録しました。
『百獣戦隊ガオレンジャー』のあらすじ
すべての生命を滅ぼそうとする邪悪な鬼・オルグ。人々の邪念や悪の心が実態化した存在であるオルグは、時代が変わるたびに地上に現れ、1000年前も先代のガオの戦士と死闘を繰り広げていました。 そして現代、環境汚染などでで疲弊した地球に再び現れたオルグに対抗するため、ガオの巫女・テトムの命を受けてシャーマンの戦士「ガオレンジャー」となった5人の若者は、以前の生活を捨てて、地球を守るためにオルグとの戦いに身を投じることになりました。
パワーアニマルとは?
バワーアニマルとは、地球の生命力が地球上のさまざまな物質を吸収して動物の形に実体化した精霊です。邪気に染まってしまうと地球に牙を剥く「魔獣」に変化してしまいますが、邪気を浄化することで元のパワーアニマルに戻ることができます。 また、パワーアニマルたちは、鉄など金属系の物質を多く取り込んでいるため、金属質の体を持っています。複数のパワーアニマルは合体すると巨人「精霊王」になります。これが本作における合体ロボットです。
『百獣戦隊ガオレンジャー』のメインキャスト
ガオレッド/獅子走:金子昇
獅子走(ししかける)は24歳の新米獣医師。動物の意思を解する能力を持ち、前向きな熱血漢である彼は、パワーアニマルのリーダー・ガオライオンに見出されてガオレンジャーのリーダーとなります。 本作がきっかけで知名度を上げた金子昇は、本作以降、数多くのテレビドラマや映画に出演しています。2011年には『海賊戦隊ゴーカイジャー』に獅子走役でゲスト出演して話題になりました。
ガオイエロー/鷲尾岳:堀江慶(現・堀江邦幸)
金髪が特徴的な鷲尾岳は23歳の元航空自衛隊パイロット候補生。当初は真面目かつクールで寡黙な青年でしたが、次第にコミカルな存在となっていきます。元航空自衛隊員という経歴のため、空中戦を得意としています。 バラエティ番組「あいのり」の初代メンバーである堀江慶は、本作以後もしばらくは俳優として活動していましたが、2005年公開の映画『ベロニカは死ぬことにした』の監督を務めてからは、監督や脚本など演出業に専念しています。
ガオブルー/鮫津海:柴木丈瑠
鮫津海(さめづかい)は19歳のフリーター。明るくて前向きな少年で、ガオレンジャーのムードメーカーです。一見軽薄に見えますが、「Never give up」を意味する「ネバギバ」という言葉が口癖の彼は根気強いという一面も持っています。 本作で知名度を上げた柴木丈瑠は、映画・テレビ・ドラマ舞台など幅広く活動しています。2006年の『轟轟戦隊ボウケンジャー』には、戦隊OBとして別の役でゲスト出演しています。
ガオブラック/牛込草太郎:酒井一圭
牛込草太郎は22歳の膝の故障で引退した元力士。温厚で大人しい性格をしていますが、恵まれた体格と腕力を生かしたパワーファイターとしての一面も持っています。 本作以前から子役として活動し、「あばれはっちゃく」シリーズの5代目桜間長太郎としても知られる酒井一圭は、本作以後俳優として活動する傍ら、イベントプロデュースやプロレスなどで多才さを発揮しました。歌謡ボーカルグループ「純烈」のリーダーでもあり、同グループの活動でも注目されています。
ガオホワイト/大河冴:竹内実生
大河冴(たいがさえ)は17歳の現役高校生。武道の師範である父親に叩き込まれた武術の腕は確かなもので、礼儀作法もきちんと身につけているしっかり者です。しかし、年相応の幼い一面も時折出てきます。 本作で女優としてデビューした竹内実生は、本作終了後は幅広く活動をしていました。2003年に活動を休止してから事実上引退していますが、その後もガオレンジャー関係のイベントでは公の場に登場しています。
敵から味方へ!6番目の戦士ガオシルバー
序盤から圧倒的な力でガオレンジャーを苦しめたオルグの狼鬼(ろうき)。オルグの証である角を生やしているものの、野良犬を可愛がるなどオルグらしくない行動をとることもありました。 その正体は1000年前のガオの戦士であるシロガネ。1000年前のオルグを倒すために禁断の力を使った生でオルグとなってしまい、先代のガオの戦士によって封印されていました。その封印は現代のオルグによって解かれ、しばらくはオルグの狼鬼として活動していたものの、現代のガオレンジャーたちによって解放され、元の姿を取り戻しました。
ガオシルバー/大神月麿:玉山鉄二
シロガネこと大神月麿(おおがみ つくまろ)という元の姿を取り戻してからは、自らの過去に苦しんだり、平安時代と現代とのギャップに戸惑ったりしながらも、ガオレンジャーと協力してオルグに立ち向かいました。 玉山鉄二は本作で注目を集め、ブレイクしました。本作終了後は衣料用洗剤「ボールド」のCMや数多くのテレビドラマ・映画に出演しています。2014年放送のNHK連続テレビ小説『マッサン』では主役の「マッサン」こと亀山政春を演じています。
「ガオレンジャー」に登場する謎の少年の正体は?【ネタバレ注意】
中盤ではガオレッド以外の4人が死んでしまうというショッキングなエピソードがあります。そのエピソードにて4人を生き返らせた不思議な少年風太郎(ふうたろう)。黄泉の国で初めて登場しましたが、その後もガオレンジャーの目の前に度々現れました。 その正体は特別なパワーアニマルによって構成される精霊王「ガオゴッド」でした。戦闘力が特に優れているわけではありませんが、サポートでは大きな力を発揮します。 演じたのは当時子役として活動していた有岡大貴。本作終了後にジャニーズ事務所に入り、ジャニーズJr.としての活動を経て、2007年にアイドルグループ「Hey! Say! JUMP」のメンバーとしてメジャーデビューしました。
先輩たちとの共闘!『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』
2001年当時既に定番となりつつあった、前年のスーパー作品とのコラボレーション作品である「VSシリーズ」は、前作『未来戦隊タイムレンジャー』との共闘ではなく、歴代スーパー戦隊の代表者が登場するスーバー戦隊作品の総集編的作品でした。 タイトルも『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』とされ、シリーズ第2作目『ジャッカー電撃隊』から第23作『救急戦隊ゴーゴーファイブ』までの出演者から選ばれた5人の代表者がガオレンジャーと共演しました。 劇場版映画の制作を再開させたり、放映終了後にメインキャストが全国各地を巡る「ファイナルライブツアー」が初めて行われたりするなど、「イケメンヒーローブーム」と相俟ってスーパー戦隊のその後の潮流を作った『百獣戦隊ガオレンジャー』。放送終了後も新たなファンを獲得し続ける本作は、DVDや各種配信サービスで楽しむことができます。