2018年4月14日更新

隠れた名作『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の魅力とは?【キャスト・あらすじ(ネタバレあり)】

2007年2月から1年間にわたり放送されたスーパー戦隊シリーズ第31作目の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』。カンフー映画や少年漫画をコンセプトに制作された本作の魅力を、キャスト・あらすじのネタバレも交えながらご紹介します。

「中国武術」と「動物」をモチーフにした『獣拳戦隊ゲキレンジャー』

スーパー戦隊シリーズの31作目となる『獣拳戦隊ゲキレンジャー』は、『五星戦隊ダイレンジャー』以来となる中国拳法戦隊。本作は「学ぶ」ことや「変わる」ことをテーマとし、正邪2つの流派の拳士が戦いのなかで「学び変化していく」姿を描いています。 カンフー映画や少年漫画をコンセプトとし、様々な試みが行われた作品でしたが、視聴率や商業面は振るわず。同時期に放映されていた『仮面ライダー電王』の影に隠れたこともあり、どこか地味な印象のある不遇な作品でした。 TVシリーズ終了後は作品に対する評価も変化していき、スーパー戦隊シリーズの隠れた名作として再評価されつつあります。

『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のあらすじ

獣の力感じ取り、その力を手にする拳法「獣拳」。獣拳は古代中国で誕生し、ある時を境に正義の「激獣拳ビーストアーツ」と悪の「臨獣拳アクガタ」の2派に分かれてしまいます。 時は現代。正義の流派「激獣拳」はスポーツメーカー「スクラッチ」を設立し、最新のスポーツ科学を用いることでその技を進化させていました。スクラッチの女性重役・美咲は、ある日樹海で虎に育てられた青年に偶然出会い、その才能を見出して彼をスクラッチに誘います。 一方の臨獣拳は理央という青年に率いられ、悪の組織「臨獣殿」を再興していました。斯くして、正義のために激獣拳で戦う「ゲキレンジャー」と、悪しき臨獣拳の使い手「臨獣殿」による壮絶な戦いが幕を開けたのです。

『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のメインキャスト

ゲキレッド/漢堂ジャン:鈴木裕樹

漢堂ジャンは、幼少時から樹海で虎に育てられた生粋の野生児です。人懐っこく前向きな性格ですが、精神面が幼く一般常識に乏しいところがあります。野生児ゆえ体力に優れており、戦闘でも身体能力を最大限に生かして戦います。 鈴木裕樹は2004年、舞台『ミュージカル・テニスの王子様』の大石秀一郎役で俳優デビューしました。本作終了後もドラマ『家売るオンナ』や映画『シャカリキ!』など多くの映像作品に出演しています。

ゲキイエロー/宇崎ラン:福井未菜

宇崎ランは強い正義の心を持った女性で、ゲキレンジャーのリーダー的存在です。曲がったことを嫌う真面目な努力家で、自分と反対の意見を持つレツとはしばしば口論も。激獣拳を学ぶ前は陸上の選手をしており、スピードを活かした戦法を得意とします。 福井未菜は2003年、第1回国際モードルオーディションORIBEでグランプリを獲得して芸能界デビューしました。本作ではゲキイエロー役として出演し、『轟轟戦隊ボウケンジャー』のボウケンイエロー役の最終オーディションで落選した雪辱を果たしています。

ゲキブルー/深見レツ:高木万平

深見レツは洞察力に優れた自尊心の高い青年で、兄にゲキバイオレットのゴウがいます。かつて若き天才画家として嘱望されていましたが、ゴウが愛した激獣拳に感動を求めてスクラッチに入社しました。戦闘では華麗な技で敵を翻弄し、時に敵すら魅了します。 高木万平は2005年に俳優デビューし、その後も多くの映像作品に出演しています。本作で偽レツが登場した回では、高木万平の双子の兄弟である高木心平が偽レツを演じました。

ゲキバイオレット/深見ゴウ:三浦力

深見ゴウは行方不明になっていた深見レツの兄で、物語には中盤から登場します。かつて兄弟弟子の理央を止めるために禁断の技「獣獣全身変」を使い、技の代償で肉体年齢が十数年前で止まっています。クールでぶっきらぼうな言動が目立ちますが、実は誰よりも優しく仲間思いな性格の持ち主です。 演じる三浦力は、映画『宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION』の日向快/宇宙刑事シャリバン役などにも出演しており、スーパー戦隊とメタルヒーロー両作品に出演した数少ない俳優の1人でもあります。

ゲキチョッパー/久津ケン:聡太郎

久津ケンは激獣拳最古の拳法の一つ「激獣ライノセラス拳」の使い手で、物語の中盤から登場します。いい加減な性格で女好きですが、七拳聖ですら修得できなかったゲキワザ「激気研鑽」を使用するなどその強さは確かなものです。 聡太郎はアメリカ合衆国カリフォルニア州出身の俳優で、2004年から日本に居住を移して活動しています。松濤館流(しょうとうかんりゅう)空手を特技としており、空手がモチーフである激獣ライノセラス拳のアクションに大いに生かされました。

カンフー映画を意識して制作された『獣拳戦隊ゲキレンジャー』

本作はカンフー映画や少年漫画をコンセプトに制作されたため、ストーリー展開や戦隊スーツのデザインなど随所にカンフー映画の影響が見られました。アクション演出においてもカンフー映画を意識し、長回しでの連続したアクションの描写などを採用しています。 アクション面では例年以上に生身のアクションを重視されるようになり、キャスト側にも高いハードルが求められました。そのためスーツアクターは2ヶ月前から、キャストは例年よりも1ヶ月早い時期からアクションの練習に入っています。

バトルは熱い実況解説付き!格闘技で戦う巨大ロボ「ゲキトージャ」

本作の1号ロボ「ゲキトージャ」は、スーパー戦隊シリーズの1号ロボとしては初の「格闘技」による必殺技を持っています。またシリーズの1号ロボのなかで唯一、剣を使用しておらず、三節棍型の武器「ゲキセツコン」を使って戦います。 本作ではいわゆる「ロボソン」が存在せず、代わりにバエによる巨大戦の実況解説が入ります。バエは普段はメレの胃袋に囚われていますが、巨大戦が始まると胃袋から飛び出して、周囲にいるメレや拳聖などを矯正的に解説者として指名し実況していました。

【ネタバレ注意】敵の変身ヒーロー!強さを求める臨獣拳の使い手、理央

臨獣殿の現当主である理央は、臨獣ライオン拳の使い手。幼少期に山中で家族を殺されており、そのトラウマから強くなることに執着するようになりました。冷徹かつ淡白な性格で、自身に好意を寄せるメレにもそっけない態度で接しています。 物語の後半で改心した彼はゲキレンジャーと和解。自らの罪を償うべくメレと共に「拳断」に挑むも復活したロンに阻まれてしまい、最後は無間龍に自爆攻撃を仕掛けて死亡します。作中でも特に人気の高いキャラクターで、彼が死亡した回では多くの視聴者がその死を哀しみました。

理央を演じたのは荒木宏文

荒木宏文は若手俳優集団「D-BOYS」のメンバーに所属し、舞台『ミュージカル・テニスの王子様』では乾貞治役としてレギュラー出演しました。本作では同じメンバーの鈴木裕樹と共に競演しています。

【ネタバレ注意】理央の愛のために戦うラブウォーリアー、メレ

メレは臨獣殿の女幹部で、臨獣カメレオン拳の使い手です。自分を蘇らせてくれた理央に深い愛情を抱いており、理央の前では純真な乙女のように振る舞います。理央に対する愛情や忠誠心は並大抵のものではなく、理央と敵対する者には仲間であろうと容赦しません。 物語の終盤でゲキレンジャーとも和解し、理央と共に「拳断」に挑みますが、正体を表したロンからジャンたちを庇って致命傷を負い死亡しました。作中では理央に並ぶ人気キャラクターで、メレが死亡した回では多くの視聴者から哀しみの声が寄せられました。

メレを演じたのは平田裕香

平田裕香は1999年、第32回新人プレゼンテーションをきっかけに芸能界入りしました。本作のメレ役で一躍ブレイクし、その後も女優やグラビアアイドル、声優など幅広く活動しています。

【本編ネタバレ】幻獣拳の使い手ロンの正体

中盤から登場するロンは幻獣拳の使い手で、理央やメレに対し幻獣拳へ鞍替えするよう要求します。その正体は本作の黒幕にして、不老不死の龍「無間龍」。ジャンの両親や理央の家族を殺害した張本人でした。 永遠に退屈していたロンは、「暇つぶし」で世界を滅ぼそうと計画。理央の家族を殺害して「強くならなければ殺される」と脅迫し、理央が破壊神になるよう密かに導いていました。人の人生を平気で弄び、傷つき苦しむ顔を見て「いいリアクション」とあざ笑うなど、作中随一の外道な性格をしています。 不死身の存在ゆえ何度倒されてもすぐに蘇っていましたが、最後は理央から臨獣拳の秘技を受け継いだゲキレンジャーによって慟哭丸に封印され、無間地獄を未来永劫味わう因果応報な結末を迎えました。

ロンを演じたのは川野直輝

川野直輝は俳優兼ミュージシャンで、本作に出演してからは俳優としてのメディア露出が増加しつつあります。2012年、映画『僕の中のオトコの娘』にて単独初主演し、今作はモントリオール世界映画祭へ出品されました。

「VSゲキレンジャー」ではあの敵が再び復活!?

『劇場版 炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』は、無間龍ロンとの戦いからしばらく経過した後の日常が舞台で、ガイアークや臨獣殿の残党を倒すためにゲキレンジャーとゴーオンジャーがタッグを組んで戦う姿が描かれています。 劇中ではロンがヌンチャクバンギの体を使って「ロンバンギ」として復活。決戦には再びロンを倒すべく復活した理央やメレも登場し、当時のスーパー戦隊シリーズで最多となる14人のメンバーが揃い踏みしました。 『獣拳戦隊ゲキレンジャー』は放送当初はそれほど人気が出ませんでしたが、ストーリー構成やアクションなどのクオリティの高さから今なおファンに根強く愛されています。当時から好きだった人はもちろん、いまいちだと感じた方も、ぜひもう一度見直してみてはいかがでしょうか。