忍者戦隊の原点『忍者戦隊カクレンジャー』の衰えない人気の秘密に迫る【キャスト・あらすじ(ネタバレあり)】
初の忍者モチーフ戦隊『忍者戦隊カクレンジャー』
スーパー戦隊シリーズ第18作『忍者戦隊カクレンジャー』はシリーズでは初となる和風戦隊で、モチーフには「忍者」が使用されました。 作品全体に和のテイストが用いられている一方、妖怪は既存のイメージに囚われないアメリカンなデザインになっており、戦闘シーンにおいてはアメコミのような擬音吹き出しを取り入れるなど独自の演出が取り入れられています。 本作はシリーズで初めてレッド以外のメンバー、かつ女性がリーダーに設定されており、他にも様々な新機軸が設定に盛り込まれました。スーパー戦隊シリーズの中でも特に人気が高い作品で、今なおファンから根強い支持を受けています。
『忍者戦隊カクレンジャー』のあらすじ
時は戦国。猿飛佐助、霧隠才蔵ら伝説の忍者達は人間界の征服を目論む妖怪たちと激しい戦いを繰り広げていました。長き戦いの末、鶴姫を筆頭とする5人の隠流忍者が伝説の三神将より与えられた「封印の扉」へ膨大な妖怪エネルギーを封じることに成功します。 それから400年経った現代。サスケとサイゾウの2人は騙されたことで「封印の扉」を開けてしまい、妖怪たちを復活させてしまいます。 先祖代々「封印の扉」を見守ってきた鶴姫は妖怪の復活を察知。忍者の末裔であるサスケとサイゾウ、途中から合流したセイカイとジライヤと共に「忍者戦隊カクレンジャー」として妖怪を再封印するための旅を決意します。
『忍者戦隊カクレンジャー』のメインキャスト
ニンジャレッド/サスケ:小川輝晃
サスケは猿飛佐助の子孫で、メンバーでは最年長の26歳です。カクレンジャー結成前はサイゾウと一緒に旅をしており、「封印の扉」を開けてしまった責任を取る形でカクレンジャーの一員になりました。分身(わけみ)の術を得意とし、メンバー1の剣術と軽い身のこなしで妖怪に立ち向かいます。 本作でテレビドラマ初主演を果たした小川輝晃は、1998年には同シリーズ第22作『星獣戦隊ギンガマン』にヒュウガ/黒騎士ヒュウガ役で出演し、スーパー戦隊シリーズのレッドと6人目の両方を演じた初の俳優となりました。
ニンジャホワイト/鶴姫:広瀬仁美
鶴姫はメンバー最年少の15歳の少女で、カクレンジャーのリーダーです。封印の扉を開けて窮地に陥ったサスケとサイゾウを救い、再び妖気を封じるためカクレンジャー招集を決意。勝ち気で男勝りな性格で、決して仲間を見捨てない慈愛深さも併せ持っています。 広瀬仁美は当時13歳の中学1年生で、初期メンバーを演じた俳優のなかで歴代最年少でした。本作終了後は『天装戦隊ゴセイジャー』で小川輝晃と夫婦役で特別にゲスト出演し、『海賊戦隊ゴーカイジャー』では16年ぶりの鶴姫役として出演しています。
ニンジャブルー/サイゾウ:土田大
サイゾウは霧隠才蔵の子孫で、古くからの付き合いであるサスケと同様の理由でカクレンジャーの一員になりました。困った人を見ると助けずにはいられない優しい性格で、その情の脆さが災いしてよく妖怪の策略に嵌ってしまいます。 演じる土田大は本作のニンジャブルー役でデビューを果たし、ニンジャマンの声を担当した矢尾一樹との出会いをきっかけに声優としても活動するようになりました。90年代後半から声優やナレーターをメインに活動し、吹き替えではジョセフ・ゴードン=レヴィットを担当しています。
ニンジャイエロー/セイカイ:河合秀
三好清海入道の子孫セイカイはゲーセン通いをしている「現代っ子」で、食べることと寝ること、女性とのデートが大好きです。軽い性格でやや気が弱いところがありますが、ここぞという時には力を発揮するタイプで、トラックを軽々と持ち上げる怪力の持ち主でもあります。 河合秀は1992年に俳優デビューし、本作のニンジャイエロー役で多くの人に知られるようになりました。本作終了後も俳優としての活動を続け、テレビドラマやCMなどに出演しています。
ニンジャブラック/ジライヤ:ケイン・コスギ
ジライヤは児雷也の子孫で、日本へ逃げた妖怪アズキアライを追ってアメリカからやってきました。生まれも育ちもアメリカのため日本に慣れておらず、当初は片言の日本語や英語交じりな喋り方をしていました。何かと影響されやすく、大好きな時代劇の侍になりきって大暴れしたこともあります。 ケイン・コスギはシリーズでは初となる外国人男性の戦士で、本作終了後の2005年から本格的にハリウッドに進出しました。スポーツバラエティ番組「筋肉番付」では超人的な身体能力を示し、スポーツタレントとしての地位を築き上げています。
お調子者の愛すべきバカ!6番目の戦士ニンジャマン
物語の途中からカクレンジャーの仲間として登場するニンジャマンは、戦隊シリーズ史上では初となるロボット戦士です。1000年前に老婆に化けた妖怪大魔王に騙されて人間を傷付けてしまい、師である三神将に罰として壺に封印されて長い間宇宙を彷徨っていました。 性格は陽気な熱血漢で子ども好き。「青二才」と言われるのを非常に嫌っており、敵から「青二才」と呼ばわりされると激昂して巨大化して真の姿であるサムライマンに変身します。
お城のような見た目の巨大ロボ「無敵将軍」
本作における1号ロボ「無敵将軍」はシリーズとしては初めて5体の人型ロボが合体する巨大ロボです。デザインには日本の城郭の要素が取り入れられており、要塞城郭「風雲幻城」から変形して登場したこともありました。 本作では巨大ロボは三神将が転生した「生命体」として設定されており、カクレンジャーが乗り込まなくても自立的に動くことができます。無敵将軍もその内の一体で、呼ばれていない時でもカクレンジャーを助けに頻繁に出撃していました。
色々と強烈なキャラクター、貴公子ジュニア
貴公子ジュニアは妖怪大魔王の息子で、真の正体はガシャドクロです。物語には途中から登場し、各地で好き勝手に動いていた妖怪をまとめ上げて組織化しました。気性が激しく冷酷な性格で、なぜかオカマ口調で話しています。 本来は父親の後継者となるはずでしたが、功名を焦りすぎる面があり、度重なる失敗や白面郎の登場で立場が危うい状態に。劇中では三太夫を倒すもニンジャレッドの隠流の前に敗れ、最後はスーパー隠大将軍の鉄拳「フライングフィニッシュ」で倒されました。
貴公子ジュニアを演じたのは遠藤憲一
遠藤です。 #ガーディアンズオブギャラクシーリミックス いよいよ明日公開❗️日本語吹替え版では「ボクはグルート」だけ言ってるのかと思いきや「わあぁぁーー」とかも言ってます。ベビーグルートはいちいち可愛いし、全員のキャラ立ち凄いよ! pic.twitter.com/pTrrbLreIT
— 遠藤憲一公式 (@enken_enstower) May 11, 2017
遠藤憲一は40代まで悪役としての認知度が非常に高い俳優でした。2009年放送の連続ドラマ『白い春』で出演した父親役の演技が高く評価されたことで転機が訪れ、2017年にはタレントCM起用社数ランキングで男性部門の1位になるなど、好感度の高い人気俳優の仲間入りを果たしています。
妖怪軍団の華「花のくノ一組」
花のくノ一組は5人の女妖怪で構成されるくノ一部隊です。普段は忍び装束ですが、「バトル変化」の掛け声とともに戦闘スーツを装着し、「花夢幻や「花爆弾」など様々な忍術を使用します。5人にはそれぞれ花の名前が付いており、メンバーごとにパーソナルカラーが定められています。 その正体はジュニアが飼っていた5匹の雌猫で、ジュニアの配下にいた際は戦闘時以外猫の姿をしていました。大魔王が復活して以降は常に人間の姿でいるようになりましたが、最終決戦において元の猫に戻され、そのままどこへともなく姿を消しました。
【本編ネタバレ】謎の参謀「白面郎」の正体
白面郎は妖怪軍団の参謀にして妖怪大魔王に仕える軍師で、物語の中盤では大魔王の力を得てカクレンジャーを軽く圧倒するなど高い実力を秘めています。 その正体は死んだと思われていた鶴姫の父親・義輝で、10年前に太郎・次郎とともに大魔王の本拠地に乗り込んだ際、犬にされた2人の命を助けるため妖怪の仲間に加わる振りをしていたのです。裏では大魔王の弱点を探るために暗躍し、所々でカクレンジャーを助けていました。 終盤では裏切りに気づいていた大魔王の妖術によって石像に変えられ、最終作戦で人間達や鶴姫を苦しめる道具として利用されてしまいます。しかし、太郎と次郎が死ぬ直前に魔力を解いたことで元に戻り、鶴姫と再会を果たしました。
『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では先輩忍者として「カクレンジャー」が登場!
2015年4月12日、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』スーパー戦隊シリーズの放送40周年を記念して、先輩忍者戦隊であるニンジャレッドのサスケとハリケンレッドの椎名鷹介がゲスト出演しました。 あらすじはニンニンジャーの面々にサスケと鷹介が忍術の先生として修行をさせるというもので、劇中でサスケが分け身の術、鷹介が超忍法空駆けをそれぞれ披露しています。 歴代のスーパー戦隊の中でも最高傑作と名高い『忍者戦隊カクレンジャー』。まだ観たことがない方はぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。