【ネタバレ】実写ドラマ『この世界の片隅に』あらすじ・視聴率一覧【第1話から最終回】
『この世界の片隅に』のネタバレあらすじを毎週更新!
アニメ映画が異例のロングランを遂げた『この世界の片隅に』。そんな本作が2018年夏、連続ドラマとして放送決定。この記事では毎週放送後、ネタバレあらすじをお届けします!
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【ネタバレ】第1話のあらすじ・視聴率(10.9%)
すずと周作の前途多難な新婚生活がスタート?!
2018年夏、東京に住む近江佳代(榮倉奈々)は、恋人・江口浩輔(古館佑太郎)ともに広島県呉市へ。到着後、車も通れない細い坂道をどんどん歩いて行った彼女は、ある古びた家の前で立ち止まります。 無人らしい家の玄関には北條の表札。それを確認した佳代は家屋の中に入って行き、タンスの中にあった「すず」と彫られたツゲの櫛を手に取り、愛おしそうに見つめるのでした。 時を遡ること昭和9年、広島県広島市江波に住む浦野すず(松本穂香)は、海苔の養殖業を営む父・十郎(ドロンズ石本)と母・キセノ(仙道敦子)のもと、優しくておっとりした少女に育っていました。絵を描くことが好きなすずには、少し怖い兄・要一としっかり者の妹・すみがおり、貧しいながらも幸せな日々が続いていました。 ある日、両親に頼まれたお使いを済ませたすずは、景色の良い場所に座り込んで絵を描き始めました。ところが、後ろから近付いてきた「人さらい」の男に捕まってしまい、荷車の中に押し込められます。 荷車の中には同じように捕まった少年・北條周作(松坂桃李)がおり、すずに対して諦めるように慰めてきました。しかし、すみの土産に買ったキャラメルを周作と分け合ったすずは「諦めるのは納得できない。」と一言。彼女の言葉にハッとした周作は、人さらいの隙を見てすずと一緒に逃げ出し、2人は無事に帰宅しました。 数日後、すずは家族揃って祖母・森田イト(宮本信子)宅を訪れた際に、汚い身なりをした少女と出会います。食べ残しのスイカを貪る彼女を不憫に思ったすずは、切りたてのスイカとイトに縫って貰った新しい着物を渡します。お礼を言った少女は女衒によって売られていきました。 それから数年後、兄の要一が南方に出征。そして、昭和18年の秋、イトの自宅で家業の手伝いをしていたすずに縁談が持ち上がります。その相手とは、人さらいから一緒に逃げ出した北條周作でした。足の悪い母・サン(伊藤蘭)から結婚を急かされた周作が、思い浮かべた女性がすずだったのです。 父の円太郎(田口トモロヲ)と一緒にすずの自宅を訪問した周作を物陰からこっそり見るすず。しかし、彼女は周作を思い出すことができませんでした。それどころか、相手が幼馴染の水原(村上虹郎)ではないと分かり、内心がっかりしていました。 縁談話がトントン拍子に進んでいく中、不安を感じたすずは泣き出しますが母のキセノから励まされ、周作との結婚を決意。十郎手作りのツゲの櫛とイトから貰った友禅の着物を携えたすずは、両親、すみと一緒に呉の北條家へ。 両家を交えたささやかな祝言が北條家で行われた後、両親とすみは江波へ帰ってしまいます。1人になったすずに、周作の姉・径子(尾野真千子)がきつい口調で嫌味を連発。しかし、嫌味に反応せずのんびり構えるすずに呆れた径子は、自分の嫁ぎ先に帰っていきました。 その晩、「すずさんは、わしに力をくれるけぇ。あんたと一緒に生きていきたいんじゃ。よう来てくれたのぉ。」と優しく語りかけてきた周作に安心するすず。 一方、呉の遊郭では美しい布地で作られた袋を大切そうに眺める遊女がいました。彼女の名前はリン。昔、すずからスイカと着物をもらったあの少女でした。 話は2018年に戻り、すずのツゲの櫛を眺めていた佳代は「私、決めた。ここで暮らそうと思う!」と宣言。呆然とする浩輔……。
【ネタバレ】第2話のあらすじ(視聴率10.5%)
気の強い小姑・径子の出現で居場所を失ったすずは?
結婚式の翌日、朝早く起きたすず(松本穂香)は母・キセノ(仙道敦子)の言葉を思い出しながら朝食の用意を始めます。江波の実家とは違い水道が通っていない北條家では、離れた場所にある井戸へ水汲みにいくのも嫁であるすずの仕事でした。足の悪い義母・サン(伊藤蘭)を気遣いながら必死に働くすず。 そして、軍の録事(書記)をしている夫・周作(松坂桃李)と航空機の製造工場に勤める義理の父・円太郎(田口トモロヲ)を、毎朝見送るのが彼女の日課となっていました。 慣れない家事に奮闘するすずを心配した周作は「働き手が欲しくて嫁を貰ったと思っていないか」と声をかけました。「それでも幸せです。うちが必要じゃということですよね」と健気に答えるすず。さらに、周作は話を続けようとしますが、疲れたすずはもう居眠りをしていました。 ある日、すずは北條家の隣に住む主婦・刈谷タキ(木野花)から娘・幸子(伊藤沙莉)、夫が出征中の堂本志野(土村芳)ら隣組のメンバーを紹介されます。年齢が近い幸子や志野とは直ぐに打ち解け、隣組で共有する畑仕事にも精を出すのでした。 ところが、夫を亡くした小姑・径子(尾野真千子)が6歳の娘・晴美(稲垣来泉)を連れて、実家の北條家に戻ってきたことから状況は激変。気の強い径子は、おっとりしたすずに嫌味を連発するのでした。 そして、径子は「自分がいるから、実家の広島に帰ればいい」とすずに言い放ち、義理両親もこれに同意します。驚いた周作が止めますが、もう、自分は北條家に必要ないと思ったすずは江波の実家に帰ることにします。 その頃、海軍に入隊したすずの幼なじみ・水原哲は、「好きな女はいるか」と同僚に問われ、「もう嫁に行ってしまったらしい」と答え青空を見上げていました。嫁に行った好きな女とはすずのことでしたが、海軍に入ったばかりの哲にはどうすることもできなかったのです。 一方、江波に帰ったすずはタキノが呆れるほど寝てばかりいました。そして、タキノと妹・すみ(久保田紗友)はすずの頭に大きな円形脱毛症ができているのを見つけ、彼女の苦労を思いやるのでした。 すずは父・十郎(ドロンズ石本)から貰った小遣いを持って町へ行き、スケッチブックとキャラメルを買います。そして、キャラメルを食べながら絵を描こうとした瞬間、子供の頃に人さらいに捕まったことやその時に出会った少年のことを思い出しました。そして、その少年が夫・周作だと気づいたすずは、急いで呉の北條家に向かいます。周作が本心から自分を必要としていることを悟ったからでした。 ところが、北條家の前にいる径子を見たすずは家に入ることもできず、呉の港が見える場所でぼんやりと座り込んでいました。そんなすずを見つけた周作は戻ってきてくれたことにお礼を言い、呉の海を通行する船について説明を始めます。 そして、巨大な戦艦・大和が呉の海に姿を現した時、「お帰り、大和!お帰り、すずさん」と嬉しそうに叫びます。そして、円形脱毛症に気づいていた周作から気にしないように慰められたすずは、夫にそっと寄り添うのでした。 一方、客を送り出すために外に出た遊女・リン(二階堂ふみ)は、「北條」と呼びかける声に反応して駆け出していました。
【ネタバレ】第3話のあらすじ(視聴率9%)
新婚のすずをモヤモヤさせる周作、そして明かされる遊女・リンの過去
2018年、すずが住んでいた北條家で古民家カフェ開業を決意した近江佳代は、東京で開催された開業セミナーを受講。開業を不安視する恋人・江口浩輔には、「あの家の持ち主さんには許可を取ってあるの」と笑顔で答え、固い決意を覗かせるのでした。 時は遡って昭和19年6月、深夜に鳴り響く空襲警報で北條家の人々は飛び起きます。戦争の被害を恐れた北條家と隣家・刈谷家は協力し合って防空壕を掘ることにしました。 結婚してから周作をどんどん好きになるすずは、防空壕を掘る彼の姿を見つめるだけでデレデレが止まらない状態。そんなすずを義姉・ 径子は呆れ、義母・サンは微笑ましく見ていました。 食糧難を補うため、すずは道端に生えていたタンポポを利用した料理を作るなど様々な工夫を凝らします。彼女の一生懸命さが北條家の人々にも伝わり、すずは家族の一員として馴染んでいくのでした。 ある日、すずのデレデレをからかっていた径子は、周作に別の結婚話があったことを漏らしてしまいます。ショックを受けたすずは周作の幼なじみ・刈谷幸子に尋ねますが、はぐらかされてしまいモヤモヤしていました。 一方、砂糖入りの瓶を誤って水がめに落としたすずを見ていたサンは、へそくりのお金を渡して闇市まで買いに行くように命じます。 ところが、闇市からの帰り道を間違えたすずは、遊郭が立ち並ぶ場所に迷い込んでしまいます。途方にくれたすずが道端でスイカやキャラメルの絵を描いていると、遊女・リンが声をかけてきました。 帰り道を教えてくれたリンは、すずにスイカの絵を描いて欲しいと話しノートを持ってきます。すずの描いたスイカの絵を嬉しそうに眺めるリン。 そして、すずが北條家の嫁だと知ったリンは彼女に早く帰るよう促した後、スイカの絵を見つめながら寂しそうな表情を浮かべるのでした。 一方、仕事帰りの周作が同僚と一緒に町の酒場へ行くと、帰港したばかりの水兵が大勢いました。周作と同僚に目を付けた数人の水兵が言いがかりをつけたため、ケンカが勃発。殴られた周作を助けたのは水兵の水原哲(村上虹郎)でした。周作と哲はお互いの無事を祈って別れます。 殴られて口を切った周作の手当てをするすずは、甘くて冷たいと噂のアイスクリームの話をして聞かせました。明るいすずの顔に癒された周作は、彼女の横顔を見つめながら眠りにつきます。 翌日、出勤した周作から忘れ物をすずに届けて欲しいという連絡が入ります。径子に薄化粧をしてもらったすずは、急いで待ち合わせ場所に向かいました。 その頃、一足先に待ち合わせ場所についた周作は、同僚の女性達と外出するリンと遭遇していました。黙って自分を見つめる周作に頭を下げるリン。 待ち合わせ場所に到着したすずに「逢引きしよう」と声をかけた周作は、彼女を食堂に連れて行き雑炊を注文。食後のデザートには貴重品の砂糖を使ったアイスクリームが出てきました。遠慮しながらも美味しそうにアイスクリームを頬張るすずを嬉しそうに眺める周作。 夫の気持ちに感激したすずが「夢の中にいるようだ」と言うと、周作は「人には過ぎてしまったことや選ばんかった人生があるけど、わしはすずさんを選んで幸せじゃぁ」と答えます。アイスクリームの楽しい想い出を胸にしまったすずは、リンの高台からみえる呉の海の絵を描いていました。 そこへ、突然憲兵が現われ……。
【ネタバレ】第4話のあらすじ(視聴率9.2%)
自分はリンの代用品?悩むすずの前に初恋の人・哲が!
遊郭から出られないリン(二階堂ふみ)のために、呉の海や町並みをスケッチしていたすず(松本穂香)は憲兵からスパイ容疑をかけられてしまいます。当時は、港や船、町の様子を描くことは、日本の内情を敵に教える行為とされていたからでした。 激高する憲兵に北條家まで引っ張られたすずはショックを受けてしまい、サン(伊藤蘭)や径子(尾野真千子)の前で倒れ込んでしまいました。なかなか回復しないすずを見た北條家の人々は妊娠を疑い、病院へ行くように勧めます。 しかし、すずの体調不良は栄養不足と過労が原因で、妊娠ではありませんでした。妊娠を期待する北條家の人々に申し訳ない気持ちでいっぱいになるすず......。子供ができない嫁は実家に帰される時代でもあり、すずは自分の居場所がなくなるのではないかと不安になったのです。 病院の帰り道、すずはリンの遊郭へ。そして、すずから話を聞いたリンは「売られた子供でもなんとか生きとる。誰でもなんか足らんくらいで、この世界に居場所はのうなりゃせんよ。」と励ますのでした。 すずから名前を聞かれたリンは、優しいお客さんが書いたくれたというノートの紙片を見せます。リンが宝物にしているこの紙片は、字の書けないリンのために周作(松坂桃李)が書いたものでしたが、すずはそのことにまだ気づいていませんでした。 その夜、径子の息子・久夫が北條家を訪ねてきました。黒村家の後継ぎを自覚している久夫は、嫁ぎ先を出た母に別れを告げにきたのです。久しぶりに母と妹との楽しい夜を過ごした久夫は、翌朝祖母の待つ黒村家に帰って行きました。娘の晴美(稲垣来泉)をすずに預けた径子は、作業所の奉仕に出ることにします。 一方、北條家の親戚・小林夫妻の荷物を納屋に運び、周作の冬物を整理していたすずは、リンドウの花が描かれたきれいな茶碗を見つけます。周作は嫁に来る人のために買ったと答えるのですが......。 数日後、草むらに咲いているリンドウの花を見ていたすずは、リンの着物の柄がリンドウだったことや彼女が北條家の地理に詳しかったことなどを思い出します。そして、周作の引き出しを開けたすずは、表紙の破れたノートを発見。ついに、すずは周作の相手がリンだと気づいたのです。そして、すずは自分がリンの代用品ではないかとモヤモヤするのでした。 昭和19年11月、モヤモヤを引きずったままのすずの前に初恋の相手・水原哲(村上虹郎)が現れます。突然の再会に驚いたすずは……。
【ネタバレ】第5話のあらすじ(視聴率8.9%)
兄・要一の戦死と初恋の人・哲との別れ、その時すずは?
昭和19年12月、戦艦・青葉に乗る水原哲はすずに最期の別れを告げるため、彼女の目の前に姿を現しました。そして、当時は貴重品だった米や缶詰などを差し出して、サンと径子に今晩泊めて欲しいと申し出ます。水兵である哲の頼みを無下にできないサンと径子は了解しました。 やがて、勤務を終えた周作が帰宅。哲と周作は酒屋で以前会ったことを思い出します。夕食時、すずを呼び捨てにする哲が彼女との思い出話を始めたため、周作は渋い顔に......。 その後、周作と2人だけになった哲は厳しい戦況と死への覚悟を語りました。それを聞いた周作は哲に納屋で寝るように言い、すずには思い出話をしてくるように伝えます。納屋に行こうと玄関を出たすずの後ろで、周作が母屋の鍵をかけてしまいました。 周作の言動に不信感を持ちながらも、すずは哲がいる納屋の2階へ。すずは、哲が南国の船上で拾ったという白い羽を貰い、それを羽ペンにして鳥の絵を描き始めました。そんなすずの横顔を見つめていた哲がそっと抱き寄せました。「いつかこんな日が来るのを待っていた気がする。でも、今はこんなふうに仕向けた周作に腹が立ってしょうがない」と言うすず。哲は、彼女の気持ちが周作にあると気づくのでした。 「普通でないことが多い状況の中で、普通にしているすずが嬉しい。」「死んだら英霊として拝むのではなく、笑顔で自分を思い出して欲しい。それができないなら忘れて欲しい。」と言う哲の言葉に、すずは頷くことしかできませんでした。翌朝、すずに見送られた哲は、戦艦・青葉へ。 昭和20年2月、戦死した兄・要一の葬式に参列するため周作とすずは江波の実家に帰ります。ところが、上司の兵隊から渡された骨壺に入っていたのは遺骨ではなく小さな石ころだけ。「遺骨が無い以上、要一は死んでいない」と断言する母・浦野キセノ(仙道敦子)に、父・十郎(ドロンズ石本)や妹のすみ(久保田紗友)らは戸惑います。 しかし、事情を問われた周作が「遺骨がないのは兵士全員死亡したということ」と答えたため、キセノは泣き崩れます。祖母・森田イト(宮本信子)は「こんな粗末な石が要一のわけがない」と骨壺の石を捨て、キセノを慰めるのでした。 呉へ帰る汽車の中で、周作は「何かいたいことがあるんじゃないか」とすずに一言。哲の訪問依頼、すずが周作に何か言いたそうな顔をしていることに気づいていたのです。 そこで、すずが「哲のいる納屋に向かわせたのは、自分に子供ができないから?」と怒ると、周作は「あん人とホントは一緒になりたかったんじゃろう」と言い返し、初めての夫婦喧嘩が勃発。 周作の行為は、戦地に向かう哲への思いやりとやきもちだったと気づいたすず。そして、すずには哲への気持ちが無く、子供ができないことを気にしていると知った周作。わだかまりを吐き出した2人は、夫婦の絆が深まったように感じるのでした。 数日後、すずを除いた北條家の人々が風邪で寝込んでしまいます。径子から頼まれたザボンを闇市で手に入れたすずは、リンドウの茶碗を持ってリンの遊郭へ。窓際の部屋にいた遊女に茶碗を託したすずは、咳をして苦しむ彼女にザボンを与えます。その様子をリンが2階の窓から見ていました。 その後、畑にいたすずと晴美(稲垣来泉)の上空を数多くの戦闘機が……。
【ネタバレ】第6話のあらすじ(視聴率8.5%)
呉に迫りくる戦争の恐怖、すずと晴美が爆弾の被害に?
昭和20年春、畑にいたすずと晴美の上空に数十機の戦闘機が現れますが、駆け付けた義父・円太郎によって助けられます。戦闘機の出現により戦火が間近に迫っていることを北條家の人々は感じ取っていました。 「最後の桜になるかもしれない」そんな思いから、家族全員で公園へ花見に行くことが決定。この花見は近所に住むすずの友人・刈谷幸子と周作の同僚・成瀬(篠原篤)を引き合わせる日でもありました。 桜が満開に咲き誇る公園には、北條家と同じように最後の花見を楽しむ人々でごった返してしました。そんな中、すずはお得意さんとの慰労会で来たというリンと偶然再会し、桜の樹に登ります。リンは、「すずさんからザボンを貰った遊女のテルが、肺炎で亡くなった」と言い、形見の紅をすずに渡しました。 さらに、リンは「人は死んだら記憶がのうなる。秘密も。それはそれで贅沢かもしれん。自分専用のお茶碗みたいにね。」と微笑みながら語り、去っていきました。 一方、途中でいなくなったすずを探していた周作は、お得意さんと帰るリンを見かけます。少し微笑んで通り過ぎるリンを見つめる周作……。すずを見つけた周作は「知り合いに会った。笑っとって安心した。」と話し、「うちは周作さんが笑っとって安心しました。」と笑顔で答えるのでした。 数日後、円太郎の勤務先の工場が爆撃されたとの知らせが入ったため、径子や周作が病院などを探し回ります。さらに、文官だった周作が武官として勤務することになり、3か月間家を留守にすることになりました。 周作から「父と自分がいない家を守れるか?」と聞かれたすずは、思わず「無理。」と撥ねつけます。寂しそうに座り込む周作の後ろ姿を見たすずは、「うちは周作さんが好きです。じゃけぇ、この家で待っとります。」と答え、彼の顔を忘れないようにスケッチするのでした。 武官の制服を着た周作が家を出た後、消息不明だった円太郎が病院に入院中であることが判明。心配しながらも気丈に振舞っていたサンは、安心のあまり涙が止まりませんでした。 2018年夏、恋人の江口浩輔(古舘祐太郎)と広島を訪れた近江佳代(榮倉奈々)。2人はすずの存在を知るきっかけとなった老女・北條節子(香川京子)と一緒に慰霊碑に手を合わせていました。かつて、東京で介護の仕事をしていた佳代の悩みを聞き、「居場所はどこにだってあるよ。」と励ましてきた節子は、佳代のカフェ開業を喜んでいました。 そして、節子が描いたカフェのデザイン画を見た佳代と浩輔は、その見事さに思わず声を上げます。懐かしそうに「お母ちゃんが絵を教えてくれたんよ」と節子。佳代の「すずさん?」という問いかけに節子は頷きました。 再び昭和20年、径子は晴美と一緒に息子・久夫の疎開先である下関に行くことを決め、駅で切符を買う列に並んでいました。しかし、長蛇の列が続いていたため、すずに晴美を連れて円太郎の病院へ見舞に行くように命じます。 海が見たいという晴美の頼みを聞いたすずが寄り道していると、突然空襲警報が鳴り響きました。慌てて近くの防空壕に避難した2人は、爆撃の恐ろしさに震えていました。戦闘機が過ぎ去った頃を見計らって外に出て歩き出した時、近くに落ちていた爆弾が爆発!激しい光がすずと晴美を……。
【ネタバレ】第7話のあらすじ(視聴率9.8%)
晴美の死、右腕を失ったすずにさらなる悲劇が!
防空壕から出たすずと晴美が歩き出した時、2人の後ろで爆弾が爆発。北條家で意識を取り戻したすずは、自分が右手を失っていること、晴美がすでに遺骨となっていることに気づき絶望します。 晴美を亡くしたショックで混乱する径子は「あんたがついていながら……。人殺し!晴美を返して!」とすずを責めます。それを止めたサンは、「あんたが生きていただけでも良かった。」と慰め、できる限りの世話をするのでした。 回復したすずを外に連れ出した幸子(は、「晴美さんを守れんかった。消えてしまいたい。」と嘆くすずの頭を突然殴り、「悔しかったら左手で殴りゃいい」……。左手で殴り返すすずの目からは涙がこぼれ、幸子と志野も泣いていました。 数日後、空襲の激しさが増してきた呉では、北條家の自宅にも焼夷弾が落とされ、すずと径子は必死に火を消します。軍隊の訓練が中止になり帰宅した周作は、すずの姿を見て驚き駆け寄ります。夫の姿を見て安心したすずは「ごめんなさい。」と何度も呟きながら倒れてしまいました。 目覚めてからも謝り続けるすずに周作は「あんたが生きとって良かった」。そして、すずから「友達の白木リンさんの様子を見てきて欲しい」と言われた周作は、困惑した顔で彼女を見つめていました。 一方、広島市・江波の実家にサンからの手紙が届き、父・浦野十郎と母・キセノ、妹のすみは、すずが右手を失ったことを知ります。心配する家族を代表してすみがすずのもとへお見舞いに訪れ、空襲のない広島市へ帰ってくるように勧めました。 呉に空襲が続き防空壕に避難する日々が続いていたある日、庭に舞い降りた鷺を見つけたすずは、「空襲のない広島に逃げぇ!」と叫び追い払おうとします。その時、すずの頭上に現れた爆撃機が銃弾を撃ちますが、帰宅途中の周作が彼女を側溝に引っ張って庇ってくれました。 側溝の中で、突然「私、広島に帰ります」と言い出したすずは、「帰る。帰る」とダダをごねる子供のように何度も繰り返しました。周作は「あんたがいる家に帰るのは楽しかった。でも、あんたは違うのか。呉にいないならリンの消息は教えない」と答えるのでした。 昭和20年8月6日、径子は江波へ帰るすずの支度を手伝いながら、「うちはあんたの世話ぐらいなんでもない。あんたが嫌にならん限り、すずの居場所はここじゃ」と話しました。それを聞いたすずは「ここにおらしてください。」と径子にしがみつきます。 その時、外が一瞬ピカッと光った後、家を揺るがすような激しい爆音が聞こえてきました。空に現れた大きなきのこ雲が広島の方角だと気づいたすずは、実家に電話を掛けますが通じません。 義父・円太郎から広島に新型爆弾が落とされたと聞いたすずは、実家の方角に行く近所の看護師に連れて行って欲しいと頼みますが、断られてしまいます。諦めきれないすずはハサミで自分の髪をばっさりと切り、「これで髪を結ぶ手間はいらん。足手まといにならん。連れて行ってください」と懇願するのでした。
【ネタバレ】第8話のあらすじ(視聴率10.9%)
多くの犠牲を払った戦争が終わった時、すずは……。
ハサミでバッサリ髪を切ったすずは、広島に行く看護師・ハル(竹内郁子)に同行したいと懇願しますが、断られてしまいます。その代わりに江波にいる家族の安否を確認してもらうことにしました。 そして、すずは畑の近くの高木に引っかかったボロボロの障子を発見。爆風で広島から呉まで飛ばされてらしい障子に自分を重ね合わせた彼女は、「うちは負けんよ。もっと強くなりたい」と呟き、空を見上げるのでした。 その夜、服や皮膚がベロベロに焼けただれ、息も絶え絶えの男性が呉の町中で倒れます。翌朝、発見された遺体に北條家の隣人・刈谷タキ(木野花)らは合掌し、広島の被害の甚大さを思い知るのでした。 そんな中、米軍が日本国民に降伏を促すビラ「伝単」を拾ったすず、幸子(佐藤沙里)、志野(土村芳)らは微妙な雰囲気に……。 昭和20年8月20日、ラジオ放送で正午から重大発表があるので待機するようにと書かれた回覧板が回され、近所の人々が北條家に集まります。しかし、ラジオから聞こえる天皇陛下の声は雑音が多くて内容が聞き取れず、サンや径子達は戸惑います。 すると、近所の老人・堂本安次郎(塩見三省)が静かに「戦争は終わった。」と告げました。 この言葉を聞いたすずは、「こんなの納得できん!」泣き叫びます。家を飛び出しまた彼女は、兄・要一を亡くして涙する母・キセノ(千堂敦子)や水原哲の姿を思い浮かべて畑で号泣。晴美の遺骨を抱えた径子は「もっと戦争が早く終わっとりゃ……。」と泣き崩れるのでした。 昭和20年9月のある日、すずの右手を診察した医師は周作に「ケガは順調に回復しているが、骨髄炎の危険性があるので広島へ行くのは無理だ」。そして、「悲惨な状態なので地元の人には見せないほうがいい」と話します。広島から戻ったハルも原爆の影響で体調を崩していました。 それから数日後の暴風雨の夜、郵便局員がすず宛てのハガキを届けますが、雨で濡れてインクが滲んでおり、内容は読み取れません。しかし、差出人には妹・すみの名前と住所に草津の文字があり、彼女が広島から避難していることが分かりました。嬉しくて思わず声を上げるすず……。 一方、近所の人々が集まった北條家では、隣家のタキが「ベロベロになった皮膚の男性が、広島に行た自分の息子だった。母親なのに気づかなかった。」と泣き崩れます。その話を聞いてもらい泣きした幸子の婚約者・成瀬(篠原篤)は、刈谷家に養子に入ることを決めタキを慰めました。 その後、反乱軍の制圧に向かう周作を見送ったすずは、リンのいた遊郭・二葉館へ。しかし、そこに建物はなく瓦礫が残っているだけで、その中にはリンの茶碗の欠片も落ちていました。「人が死ねば秘密も記憶も無くなる」と言っていたリンの言葉を思い出したすずは、彼女のはかない人生を思いやるのでした。 そして、平成30年の北條家では、近江佳代(榮倉奈々)、江口浩輔(古館祐太郎)、北條節子(香川京子)らが屋内の片づけを始めます。節子から「片付けが終わったらみんなで会いに行こう」と誘われた佳代と浩輔は、「誰に?」と首をかしげていました。
【ネタバレ】第9話(最終回)のあらすじ(視聴率%)
再生が始まる広島。新しい家族を迎えたすずと周作
終戦から3か月後の昭和20年11月、再就職が決まった円太郎(田口トモロヲ)と径子(尾野真千子)は働きに出るようになります。そんな中、すずは海兵団に招集された周作の帰りを待つ日々が続いていました。 物資不足に悩む北條家・刈谷家・堂本家は、それぞれの家庭から洋服や着物を集めて物々交換に出しますが、ほんのわずかな食料しか手に入りませんでした。 その後、すず、幸子(伊藤紗莉)、志野(土村芳)の3人が畑仕事をしているところに、1人の兵隊さんが姿を現します。それは、志野が待ち続けた夫・春夫(毎熊克哉)で、2人が再会する様子をすずと幸子も嬉しそうに眺めていました。 昭和20年12月、すず宛てに草津に住む祖母のイト(宮本信子)から手紙が届きます。それには原爆が落とされた日から母・キセノ(仙道敦子)が行方不明で、すみ(久保田紗友)の体調不良などが書かれていました。手紙を見たサン(伊藤蘭)から「我慢せんで泣いてええよ。」と声をかけられたすずは、彼女の腕の中で号泣します。 実家が気になって仕方ないすずは草津に住むイトのもとへ行き、寝たきりになっているすみと再会します。すみはすずに「原爆が落とされた日、祭りの準備に出かけたまま帰らないキセノを一緒に探した父・十郎(ドロンズ石本)が直ぐに亡くなった」。さらに「学校の校庭で他の遺体とともに荼毘に付した。」と話しました。 自分の腕にできた赤紫の斑点(原爆による症状の1つ)を見つめながら「治るかねぇ」と呟くすみに、「治るよ。」と励ましたすずは左手で描いた漫画を渡します。それには、悪者と戦って勝利するすみは最強というセリフが書かれており、漫画を抱きしめた彼女は涙するのでした。 翌朝、草津を出るすずを見送ったイトは、「自分が無事じゃったことが悔しい。でも、今できることは精一杯生きるだけ」。「だから、すずちゃんも負けんさんな。」とエールを送るのでした。 一方、海兵団から戻った周作はすずを追って草津のイト宅を訪ねていました。イトは「すずさんと一緒に生きていけるのは、幸せじゃぁと思うとります。」と話す周作に一安心。傍にいたすみは嬉しそうに笑いながら、周作に早くすずを追いかけるように促しました。 その頃、思い出の場所「産業奨励館(現在の原爆ドーム)」の前で座り込んでいたすずは、行方不明の家族を捜す人々から声をかけられます。そして、「すずさん。」という声に振り向くと、そこには周作が立っていました。 数カ月ぶりにすずと再会した周作は、「わしはどこにいてもすずさんを見つけられる自信がある。」。すずが「この世界の片隅にうちを見つけてくれてありがとう。ずっとそばにおってください。」と答えると、周作は彼女の手を握りしめて頷くのでした。 そして呉に戻るため、駅の待合室にいたすずと周作は1人の幼い女の子・節子と出会います。父を戦争で母を原爆で亡くした節子は、自分の母と同じように腕のないすずの袖口にそっと寄り添い「おかあちゃん……」。 原爆後の4か月間を一人で生き延びてきた節子にすずは「この広島でよう生きとってくれんさったね。ありがとう」と声をかけ、彼女を北條家に連れて帰ることに決めます。円太郎、サン、径子達からも温かく迎えられた節子はすずと周作の養女になります。 翌年の春、海軍にいた水原哲(村上虹郎)が無事帰し、江波の海に「生きるで―」と叫んでいました。 時は流れて平成30年、近江佳代(榮倉奈々)や浩輔(古舘祐太郎)と親しくなった節子(香川京子)は、彼女達をスタジアム球場に案内します。その球場には「負けんさんな!広島」と声をかける年老いたすずの元気な姿がありました。