2019年3月24日更新

『ひよっこ』が視聴者の心に染みる3つのワケ 続編『ひよっこ2』が放送開始

ひよっこ

NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)。その続編「ひよっこ2」が2019年3月に放送決定!平均視聴率20.4%を記録し、「ひよっこロス」なファンも生まれた本作はなぜ多くの視聴者の心をつかんだのか、その理由を徹底考察します。

『ひよっこ2』は2019年3月25日午後7:30から放送【30分×4回】

東京へ出稼ぎ中の父の失踪を機に、茨城の村から東京へ"金の卵"として集団就職した、みね子の成長を描いたドラマ『ひよっこ』。本作は多くの朝ドラファンを魅了し、放送後「ひよっこロス」も巻き起こすほど多くの話題を呼びました。 そんな『ひよっこ』が2019年3月に『ひよっこ2』として帰ってきます!ファンにとっては嬉しい一報でしたが、実は歴代朝ドラ99作(『まんぷく』時点)の中で続編が放送されたのは『私の青空』(2000)、『ちゅらさん』(2001)、『どんど晴れ』(2007)、そして『ひよっこ』の4作のみなのです。 本記事では、『ひよっこ』のどんな点が視聴者の心に染みたのか、それはなぜなのかということについて考察します。まずは、『ひよっこ2』がどんなストーリーになっていくのか確認していきましょう。

前作の「ひよっこメンバー」は変わらず出演!

『ひよっこ2』のあらすじは?【前作ネタバレあり】

『ひよっこ2』では、秀俊(磯村勇斗)とみね子(有村架純)の結婚から2年後の1970年(昭和45年)の秋を描いた物語。そして変わらず、毎日明るく元気に暮らしている東京、茨城の人々の姿を再び見ることができます。 しかし、問題はすずふり亭の店主牧野鈴子(宮本信子)の元気がないこと。老舗洋食屋の未来が心配されます。また、高校2年生になったみね子の妹・ちよ子(宮原和)が進路について悩みを抱え、女優になったみね子の幼馴染・時子(佐久間由衣)はスキャンダルを起こし茨城に戻ってきます。 そして何より、前作で完全には記憶が戻らなかったお父ちゃん(沢村一樹)の記憶は続編で戻るのか……。公式で「ほっこり、幸せな、近況報告です。」と言われているように、『ひよっこ2』は前作と同じように、みね子と周りの人々の何気ない毎日が描かれるようです。

前作をおさらい。全話分のあらすじ

『ひよっこ』が視聴者の心に染みる3つのワケ

ここからは、『ひよっこ』が視聴者の心に染みた3つの理由を「ヒロイン」「脚本」「登場人物」の天から考察していきます。

1.ザ・主人公ではない朝ドラのヒロインみね子に共感できる

他の朝ドラとは違い、『ひよっこ』のヒロインは良い意味で普通。何かの創業者になるわけでも、何か夢を持ってそれを叶えようと必死にもがくわけでもありません。それでもみね子は視聴者から愛されているのです。 みね子は先頭に立って皆を引っ張っていく存在ではありません。実際、脚本を手がけた岡田惠和(よしかず)が公式インタビューにて彼女のことを、「そんなに前向きでもなく無謀な行動もできない。日常の人物像としてはよくいる感じだけど、朝ドラのヒロインとしては珍しいかもしれないですね。」と評している通り、ザ・主人公というよりは視聴者の周りによくいる女の子であると言えます。 しかし、父が出稼ぎ先の東京で行方不明になった際には大好きな故郷を離れて東京に向かうことを決意し、幼馴染の夢は全力で応援します。そんな「控えめで周りからは一歩引いているが、自分の意思はきちんと持っている」というみね子のキャラクターや一生懸命な姿が、多くの視聴者の共感を呼びました。さらに、彼女を演じた有村架純の芯のあるイメージとマッチしたことがみね子が多くの人から愛されている理由の一つではないでしょうか。

2.普通の生活の裏側に隠された、脚本へのこだわり

普通の生活を描くのは一見簡単そうに見えますが、その裏には岡田をはじめとしたスタッフ陣のこだわりが隠されていました。 例えば、集団就職で東京にやってきた金の卵について。彼らがどんな気持ちで東京にやってきて、部屋でどんな話をしていたか、休日はどんなことをしていたのかを詳しく描いている作品があまりなかったため、岡田はこの部分をこだわって描いたそう。(そのため、東京工場編は予定より長くなってしまったとのこと。) 本作で描かれているのは昭和の話ですが、自分が住み慣れたところから離れ、働きに行くという点は現代の人にも通づるものがあるのではないでしょうか。 また本作への満足度は、みね子たちと同じようにかつて集団就職をした人たちの世代(60歳以上)が一番高いという結果に(NHK放送文化研究所朝ドラ研究プロジェクトより)。ここからは、そのような人たちが本作を見て懐かしさを感じてほしいという岡田の想いが実を結んだと言えます。

3.誰も悪人が出てこないのに嘘っぽくない

見出しのタイトル通り、「ひよっこ」には悪人が登場しません。もちろん人間なので完璧ではありませんが、皆良い人なのです。しかしそれでも “作り物感”が出なかった理由は、登場人物が表の顔も裏の顔も隠していなかったからではないでしょうか。 彼らの会話を見てみると、日常でよくなされている内容という印象を受けます。(ドラマなので “少し賑やかな日常”と言った方が正しいかもしれません。)さらに、キャラクター作りにもスタッフのこだわりが溢れています。例えば茨木編では、起きる時間や食べるものなどを実際に農家の人に取材し「みね子の1日」を作り、そこから脚本を作ったそう。 そんなみね子を中心にしているため、周りの登場人物も実際にいそうなリアルさを伴っていきます。こうすることで、ただ良い人で終わらず、人間らしさも滲み出ている人物を多く作り出すことに成功したのです。 つまり、普通に良い人たちの普通の生活が丁寧に描かれているために、嘘っぽさが出ず視聴者が「ひよっこ」の世界観に没入できたのではないでしょうか。

『ひよっこ2』でみね子たちの日常をもう一度

『ひよっこ2』もおそらく、前作と同じように “ちょっと賑やかな良い人達の日常”が描かれると予想されます。「ひよっこロス」なあなたも、初めて見るあなたもほっこり笑える「ひよっこ」の世界を楽しめるはずです。 続編となる『ひよっこ2』は、2019年3月25日午後7:30から放送開始。