ノーマン・リーダスが語る、『ライド with ノーマン・リーダス』でのファンとの交流やジェフリーとの思い出
ノーマン・リーダスが番組やツーリングの思い出を語る!【インタビュー】
『ウォーキング・デッド』のダリル役として、今や世界的に人気の高い俳優となったノーマン・リーダス。そんな彼とバイクのツーリングを楽しむ『ライドwithノーマン・リーダス』がシーズン2まで現在Huluにて独占配信中。
シーズン2配信を記念して来日したノーマンに、ゲスト出演したジェフリー・ディーン・モーガンとの関係やファンとの思い出について伺った。取材が始まると共に、「おはようございます」と日本語で挨拶をするノーマン。「ライド」に映る、誰がどう見ても紳士で素敵な彼の印象は、本当にそのままだった。
シーズン2には『ウォーキング・デッド』の共演者でありマブダチのジェフリー・ディーン・モーガンがゲスト出演
© 2017 AMC Film Holdings LLC. All rights reserved.
シーズン6の最終話に登場して以来、『ウォーキング・デッド』のヴィランとして、時にはアンチヒーローとして常に注目を浴びてきたキャラクターがいる。救世主のリーダー、ニーガンだ。彼を演じるジェフリー・ディーン・モーガンは、ノーマン・リーダスとプライベートでも家族ぐるみで付き合う仲でもある。二人とも生粋のバイカーであり、インスタグラムにもその様子が投稿されており、普段からツーリングを楽しんでいるようだ。
「僕たちはいくつかの場所に、隣り合って家を持っているんだ。ニューヨークのアップステートにも家があって、隣近所だよ。そっちに滞在している時は、常にバイクで郊外まで二人でツーリングしている。
『ウォーキング・デッド』の撮影場所となっているジョージアの家でも隣近所で、ナッシュビルやアッシュビルまでバイクで足を伸ばすね。ジェフリーとは『ウォーキング・デッド』で共演するずっと前から親友なんだ。とにかく、いつも休憩時間やオフの時につるんでいるよ。彼とは本当に仲良しさ。」
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「知り合ったのは、恐らく僕が20代の時だったかな。俳優になるためにロサンゼルスにやってきた時、ジェフリーはすでにそこで新人として俳優活動をしていた。僕は当時、まだ演技をしたことのない画家としてアートワークを手がけたりして。そんな僕らが出会って……気づけばこんな風になっていたんだよ!」
印象的なバイカーは、『イージー・ライダー』狂だった
「ライド」は人やファンとの出会いがないと成り立たない、コミュニケーションが重要なシリーズになっている。その中でも印象的だった出会いや思い出を、ノーマンは語ってくれた。
「現在シーズン4まで撮影が終わっていて、たくさんの国を行ったけど……、そうだな。ウルグアイでの撮影で出会ったバイカーが印象的だったな。彼はかなりかっこいいバイカーで、自分のことを“ウルグアイ版ピーター・フォンダ(俳優)”って名乗っていたんだ(笑)最初、彼がなんであの自称ピーター・フォンダなのかピンとこなかった。
でも、彼のガレージに行くとそこに大きな『イージー・ライダー』のポスターがあったんだ。いたるところに貼られていて、しかもピーター・フォンダがピンで写っているやつだけ!加えて彼は、劇中ピーター・フォンダが乗っていたタンクにアメリカ国旗が飾ってあるような、ハーレイ・ダビッドソンを持っていた。完全なレプリカを所持している、本気のファンだったんだんだよ。」
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「だから、僕は巨大なピーダー・フォンダのポスターを背景にしながら、その“イージー・ライダーバイク”にまたがる彼の写真を撮った。そして、内緒でピーター・フォンダ本人に送ったんだ(笑)
それから2時間後、僕らは高速道路を走りながら撮影をしていた。ヘルメットを被って中にある通信機でお互い話しをしながら、その様子をバンが撮っていたんだ。そして高速を降りるぐらいの時、胸ポケットにしまっていた携帯の振動を感じて、確認したらピーター・フォンダから返信がきてたから「なあ、ピーター・フォンダがさっきの写真気に入ってたよ!」って彼に言ったよ。そしたら彼は完全に壊れちゃってバイクに走りながら泣き始めちゃったんだ(笑)」
僧侶バイカーたちとツーリングした京都の思い出
上のエピソードからもわかるように、ノーマンはとにかく“ファン”という存在を強くリスペクトしている。そして、誰よりも暖かいハートの持ち主なのだ。さらに、今回来日した際に日本での撮影もしているとのこと。特に印象的だったのは、京都での撮影だったそうだ。
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「大阪の撮影のあと京都に行ったよ。山の中にある寺院で、山の頂の部分に龍の像があって、そこから水が流れ落ちてくる。そこの兄弟の住職は、その水で自らを清めるんだ。しかし、そんな彼らも実はライダーでね。一緒にバイクに乗って、山の中を案内してもらったり、僕のバイクも清めてもらったりして楽しかったよ。
僕は日本が本当に好きなんだ。日本でのツーリングはすごく楽しい。特に高速道路の静けさには驚くばかりだ。ニューヨークなんか、もうクラクションが鳴ってばかりで激しいよ。日本はそんなこともなければ、道路も清潔で、アスファルトに窪みもないからスムーズに走れる。」
“『フォレスト・ガンプ』の主人公になった気分だった”
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「ライド」シーズン2はシーズン1より、ファンの熱量がすごい。ジェフリーがゲスト出演する第一話では、バルセロナのマーケットでハグやキスをされたり、追いかけられるファンにバイクのミラーを壊されたりするような事があった。
特にノーマンといえば、ダリル役をきっかけに全世界で熱狂的なファンが増え、今や行く先々でこのような体験をしているのだろう。ライドの撮影中ではなく、プライベートに起きた珍事件を彼が語ってくれた。
「ジョージアで『ウォーキング・デッド』の撮影中、週末にオフをもらっていたんだ。その週末、ナッシュビルで開催される音楽イベントでベストカントリーアーティストを発表するプレゼンターを頼まれていたから、夜には飛行機に乗る必要があってね。そんなことを考えながら、日中家の花に水をやって、ふと止めてあったバイクを見ていたら「どうにでもなれ!」って気分になった。
そこから、すぐにスーツや荷物をパックして、ナッシュビルまでバイクで行くことにしたんだ。誰にもこれを伝えていなかったから、電話が鳴りっぱなしだったよ。「今どこにいますか!?」「フライトを逃しましたよ!?」って具合にね(笑)」
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「そんなことはさておき、僕はガススタンドに止まったりしていて。そしたらファンの一人が写真を撮ってくれというから、撮ったんだ。それで次のガススタンドに止まったら、もうすでにファンが僕を待ち受けていた。僕が止まる事を知っていたんだよ。ナッシュビルまで向かうには限られた道しかないからね。
次のガススタンドには5人、次のには10人と、次第に人が増えていった!毎回止まるたびに人が増えていくんだよ!それに僕は田舎道を通るから、家の軒先にも人が出てきて「ノーマン愛してる!」って言ってくれて。」
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続けて、マクドナルドに止まったら「M」のサインの下に「WE LOVE YOU ,NORMAN(ノーマン愛してる!)」って書かれていて信じられなかったよ(笑)どんどん規模が大きくなってくるんだ。そのあと、スターバックスにコーヒーを飲みに立ち寄ってナッシュビルに着いたんだけど、二日後に同じ道を通って帰った際、そのスターバックスにまた寄ったんだ。
そしたら、その時の出来事が地元紙に取り上げられていて、僕が見開きを飾っている新聞が置いてあってさ!本当にワイルドな体験だったよ。いろんなファンに会って応援される道中は、まるで『フォレスト・ガンプ』のような気分だった。」
ノーマン・リーダスの、ファンに対する想い
『ウォーキング・デッド』のダリルは寡黙なキャラクターだ。不愛想で、人との関わりを避ける一匹オオカミ気質でもある。それに対してファンとの交流がある「ライド」は、ダリルと正反対というより、素のノーマン・リーダスが楽しめる番組だ。
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「この番組でファンと触れ合えるのは楽しい。『ウォーキング・デッド』はこの10年で本当に大きなテレビ番組になった。その影響で、僕もどこに行っても群衆に囲まれる。しかしジョージアの森の中で撮影中は、郊外にいるものだから周りにそんなに人がいないんだ。それでも、ジョージアを出た瞬間に人が押し寄せてくる!
この番組をはじめたばかりの頃は、もっとバイク狂向けの番組よりだったんだ。このバイクは250CCで〜とか、ギアを紹介したり。でも番組を撮り始めて、いろいろな街を訪れるにつれて、バルセロナの回で映っていたように人が集まるようになった。
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「シーズン1では、撮影中にファンが入らないように規制したり、入ったら撮影を止めてたりした。でも、シーズン2からは彼らをショーの一部として取り込むことにしたんだ。その方がもっと楽しいし、旅先でより様々な人に会えるだろう?シーズン3や4は、シーズン2よりさらにクレイジーになってくるよ!ファンの熱気は楽しい、時々やりすぎなことはあるけどね(笑)」
『ライド with ノーマン・リーダス』シーズン3配信も決定!
俳優として成功するきっかけにもなった、ダリルというキャラクター。それを愛し、ノーマン自身のファンになった人も多い。自身のSNSでは、ファンが作ったおもしろ系の合成画像にウケてリポストする彼。自分の成功に不可欠だったファンに対して常に尊敬し、愛し、一緒に何かを楽しもうとする。この番組では、彼の思い出の地や思い出の人と共に、そんな彼の人となりが描かれているのだ。
Huluプレミア『ライド with ノーマン・リーダス』は現在シーズン2までHuluで独占配信中。また、シーズン3も2019年に独占配信が決定。インタビューで話してくれたとおり、シーズン4は日本でも撮影されている。
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引き続きゲストにジェフリー・ディーン・モーガンや、グレン役のスティーブ・ユァン、キャロル役のメリッサ・マクブライド、ドワイト役のオースティン・アメリオなど、豪華『ウォーキング・デッド』陣が出演する点も、ファンとしては見逃せない。
(インタビュー/文:アナイス)