2019年8月9日更新

『ライオン・キング』(2019)のキャラクター再現度が"超実写"すぎ!気になる映画のネタバレ感想&評価

『ライオン・キング』シンバ(2019)
©Supplied by LMK/zetaimage

ディズニーの長編アニメーション映画『ライオン・キング』。名作が25年の時を経てフルCGで”超実写”映画化され、2019年8月9日に公開されました。この記事では、実写映画『ライオン・キング』(2019)のキャラクター/キャスト紹介から、感想・評価までお届けします!

目次

実写映画『ライオンキング』が2019年8月に公開 ネタバレ感想&評価をお届け

ディズニー不朽の名作がフルCGで完全実写化!

ディズニー映画の最高峰と名高い『ライオン・キング』。この不朽の名作が、25年の時を経て実写リメイク作品としてよみがえりました。 「アイアンマン」シリーズや実写『ジャングル・ブック』(2016)を手がけたジョン・ファヴローが監督を務めた本作。『ジャングル・ブック』で完成度の高い映像を披露し世界を魅了したファヴローが、今回はフルCGで動物の姿を描くということで、大きな注目が集めています。 この記事では、そんな実写映画『ライオン・キング』(2019)の登場キャラクター&声優を一覧にまとめ、アニメ版との比較から感想・評価をお届けします! ※この記事には実写『ライオン・キング』のネタバレがあります。未鑑賞の方はご注意ください。

実写映画『ライオンキング』(2019)のあらすじ【ネタバレ注意】

動物たちの王国プライドランド治めるライオンの王ムファサと、その妃サラビとの間に息子シンバが誕生します。ムファサは”サークル・オブ・ライフ(生命の連環)”などを教え、シンバが偉大な王になるよう導こうとしていました。

しかしある日、ムサファの弟スカーの計略で王は命を落とし、シンバは王国から逃げ出してしまいます。ひとり放浪するシンバは、ミーアキャットのティモンと、イボイノシシのプンブァに助けられました。 3匹に友情が芽生え、一人前の雄ライオンへ成長していくシンバ。そんなある日、彼は偶然再会した幼なじみのナラから王国の現状を聞かされ、故郷に戻りスカーと戦う決意をするのでした。

アニメ映画との違いは?

1994年に公開されたアニメ映画は壮大なアフリカの大地を舞台に、ライオンの王子シンバが王へと成長する過程と、生命の営み、親子の絆などを綴る一大叙事詩です。本作は実写リメイクとして、予告映像でアニメ版の名シーンをほぼ忠実に再現していることが話題になりました。

実際に映画を鑑賞してみると、ストーリーも特に大幅な変更はなく、“超実写”と呼ぶにふさわしい美しい映像が見どころとなっていました。

実写『ライオン・キング』のキャラクター&吹き替え声優一覧

今回の実写版『ライオン・キング』では、あの魅力的なキャラクターたちの声を誰が演じているのでしょうか。 英語声優キャストと日本語吹き替え声優を一覧表にしてみました。

キャラクター 外国語声優キャスト 日本語吹き替え声優
シンバ ドナルド・グローバー 賀来賢人
ナラ ビヨンセ 門山葉子
スカー キウェテル・イジョフォー 江口洋介
プンバァ セス・ローゲン 佐藤二朗
ティモン ビリー・アイクナー 亜生
ムファサ ジェームズ・アール・ジョーンズ 大和田伸也

ここからは各キャラクターが実写版でどのように描かれたのか、感想とともに各キャラを紹介していきます。

シンバ役/ドナルド・グローヴァー

『ライオン・キング』シンバ(2019)
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シンバはプライド・ランドの地に誕生した、偉大な王ムファサの息子。壮大な冒険の中で仲間と出会い、生まれてきた意味と、自らの使命を知ることになります。

ドナルド・グローバー
©Dennis Van Tine/Geisler-Fotopres/picture alliance / Geisler-Fotop/Newscom/Zeta Image

シンバ役を務めるのは、ラッパー・俳優として活躍するドナルド・グローヴァーです。 ミュージシャンとしてグラミー賞を獲得するなど活躍するかたわら、2016年からはテレビシリーズ『アトランタ』で主演と製作総指揮を務めるグローヴァー。映画では『オデッセイ』(2015)や『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)などに出演しています。

ドナルド・グローヴァー演じる若きシンバは、ストーリーが進むに従って変わっていきます。 ティモンやプンバァたちとジャングルで暮らしているときは、身体だけが成長し中身はまだ子供のような無邪気さがあります。その後ナラと再会し、「王になるべき」と言われながらも自信を持てずにいるときは、悩み深い青年の雰囲気を醸し出します。 そして過去を受け入れ、スカーとの対決を決意した後は、王としての威厳に満ちた若く勇敢な姿をその演技で表現しました。

ナラ役/ビヨンセ

『ライオン・キング』ナラ(2019)
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ナラはシンバの幼なじみであり、成長したシンバに再会し彼が王国に戻る後押しをするなど重要な役割を担います。

ビヨンセ
©︎Ivan Nikolov/WENN.com

ナラはアニメ版でもそうであったように、強い女性です。そんなキャラクターを演じるのに、ビヨンセほどぴったりの人物はそうはいないのではないでしょうか。 シンバが生きていたことを知り、彼に王国に戻るよう伝えたナラは彼のことを真の王だと信じ、スカーとの戦いの際にも彼をサポートしました。

ティモン役/ビリー・アイクナー、プンバァ役/セス・ローゲン

『ライオン・キング』(2019)ティモン&プンバァ
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砂漠で行き倒れていたシンバを発見したミーアキャットのティモンと、イボイノシシのプンバァ。この凸凹コンビは、アニメ版から少しも変わらずコミカルな言動で笑わせてくれます。

ビリー・アイクナー
© Zuma/Avalon.red

ティモン役を演じるのは、コメディアンのビリー・アイクナー。ドラマ『アメリカン・ホラー・ストーリー:カルト』(2017)に出演するなど、俳優としても活躍しています。

セス・ローゲン
©Hahn Lionel/Sipa USA USA/Newscom/Zeta Image

猪のプンバァを演じるのは、ダニー・ボイル監督の映画『スティーブ・ジョブズ』(2015)で、スティーブ・ウォズニアックを演じたセス・ローゲン。 ローゲンは俳優としての活動のほか、プロデューサーとして『40歳の童貞男』(2005)、声優として『カンフー・パンダ』(2008)や『宇宙人ポール』(2011)に参加するなど、多彩なキャリアを持っており、2016年には主演・脚本・製作を担当した映画『ソーセージ・パーティー』が公開されました。

やっぱりティモンとプンバァは最高!

『ハクナ・マタタ』はもちろんですが、今回のハイライトは、やはりアニメ版よりも長く歌われた『ライオンは寝ている』ではないでしょうか。 また、故郷プライドランドに戻ろうとするシンバのために、おとりとして周囲のハイエナの注意を引きつけるシーンも秀逸です。このシーンは2017年にやはり実写化されたディズニー作品『美女と野獣』のパロディになっています。

スカー役/キウェテル・イジョフォー

『ライオン・キング』スカー(2019)
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スカーはシンバの叔父にして、ムファサの弟。王国の乗っ取りを企み、ライオンの宿敵であるハイエナたちを支配下に置いて暗躍を始めます。 ムファサを崖から突き落とし、シンバを王国から追放して念願の王位を手にするのですが……。

キウェテル・イジョフォー
© Picture Alliance/Photoshot

本作におけるディズニーヴィランズ(悪役キャラクター)であるスカー役は、『それでも夜は明ける』(2013)や『ドクター・ストレンジ』(2016)のキウェテル・イジョフォーが演じます。

本作のスカーは、アニメ版と同様にずる賢く意地の悪いキャラクター。しかし、それ以上に自己中心的で残忍な性格が強調されています。 イジョフォーはそんなスカーを、抑制の効いた演技で表現しています。

その他の登場キャラクター&声優キャスト

ムファサ/ジェームズ・アール・ジョーンズ

『ライオン・キング』2019
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シンバの父でサバンナで動物たちを率いる王・ムファサを演じるのは、アニメ版と変わらず、ジェームズ・アール・ジョーンズ。「スター・ウォーズ」シリーズのダース・ベイダーの声を担当した俳優として知られています。

ジェームズ・アール・ジョーンズ
©︎Joseph Marzullo/WENN.com

その他のキャラクターでは、ジェームズ・アール・ジョーンズが演じたムファサは常に威厳を保っています。しかし、シンバにとっては優しく楽しい、そして尊敬する大好きなお父さんでした。ジョーンズはそんなムファサのギャップを自然なバランスで演じています。

ラフィキ/ジョン・カニ

ジョン・カニ
© Zuma/Avalon.red

シンバを導く年老いたヒヒのラフィキを演じるのは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『ブラックパンサー』などでティ・チャカ役を演じたことで知られるジョン・カニ。ジョンは1942年生まれ、南アフリカ出身のベテラン俳優です。

ザズー/ジョン・オリバー

ジョン・オリバー
© Everett/Avalon

王に仕えるサイチョウのザズーは、コメディアンであり、俳優として映画「スマーフ」シリーズなどにも出演しているジョン・オリバーが演じています。

ザズーはティモン&プンバァの次にコミカルなキャラクターです。彼はどちらかというといじられキャラですが、その機知に富んだ言い回しが魅力的。 オリバーのイギリス発音は、真面目な性格で王に仕えることに誇りを持っているザズーにぴったりでした。

ジョン・ファヴロー監督はディズニー名作アニメを、どのように描いた?

ジョン・ファヴロー
©Hahn Lionel/Sipa USA USA/Newscom/Zeta Image

先述の通り、2019年公開の実写映画『ライオン・キング』でメガホンをとるのは、「アイアンマン」シリーズをはじめ、俳優・監督としても活躍するジョン・ファヴロー。 ファヴローは、リアルな動物たちの表情が話題となった映画『ジャングル・ブック』で監督を務めた人物。壮大な自然風景や生き生きとした動物を映し出した映像美が圧巻だったこの映画は、主人公の少年モーグリ以外は、全て最新技術を駆使して生み出されていました。 本作でも壮大な自然、リアルな動物たちを生み出しています。

アニメ版とは違う演出が光る

本作では、アニメ版と比べて女性キャラクターがよりしっかりと表に出てきています。

特にアニメ版ではあまり出番のなかったシンバの母サラビと、スカーの関係が描かれています。 スカーは以前からサラビに気があったのです。彼女を兄のムファサが妃としたことも気に入らなかったのでしょう。ムファサの死後、スカーは何度もサラビに妃になるよう言いますが、彼女は頑として受け入れませんでした。 最近のディズニー実写映画『美女と野獣』や『アラジン』でも、プリンセスがより自立した存在として描かれていましたが、シンバの母もまた自分の意志を強く持った女性として描かれています。 アニメ版では、スカーにもう獲物がいないので住む場所を移動してはどうかと提案しますが、彼の一喝ですぐに口をつぐむシーンがありました。しかし本作では、サラビはスカーの威嚇にまったく動じません。ムファサだけが自分の王であり、スカーの妃になるつもりはない、と毅然とした態度を貫きます。 サラビはシンバの優しい母であり、強く誇り高い女性であることが印象的に描かれたのです。

高評価続出!実写『ライオンキング』の勢いがすごい

アニメ映画『ライオン・キング』は、公開当時ディズニー・アニメーション史上No.1の全世界観客動員数を記録した名作です。1995年の第67回アカデミー賞にて、作曲賞並びに歌曲賞に輝き、第52回ゴールデン・グローブ賞で3部門(ミュージカル・コメディ部門作品賞、作曲賞、歌曲賞)を受賞。 その後、ブロードウェイでミュージカル化もされた本作。日本でも劇団四季による同ミュージカルのロングランがつづいており、親しみのある作品だと思います。そのなかでの実写映画公開ということで、観客の注目度も高くなっています。 アメリカでは一足早く2019年7月19日に公開された本作。全米ボックスオフィスランキングによれば、7月21日までの3日間で興行収入約207億4000万円を記録したと発表されました。また、その後2週間連続で首位を獲得。公開から10日で累計興収は約387億円に達し、すでに大ヒットした『アラジン』の累計興行収入(約381億円)を超えました。 日本での大ヒットも期待できそうですね!

【感想】心に残る名曲が豪華によみがえる

本作でも、もちろんアニメ版で使用された名曲の数々は健在です。グラミー賞を受賞した『サークル・オブ・ライフ』はもちろん、幼いシンバの『王様になるのが待ちきれない』、『ハクナ・マタタ』などの人気曲が出演も務めるドナルド・グローバーやビヨンセ、そしてファレル・ウィリアムスらによって生まれ変わって蘇りました。 特に人気と実力を兼ね備えたグローバーとビヨンセがデュエットする『愛を感じて』は圧巻です。 また、本作では新曲が2曲追加されています。ナラ役のビヨンセが書き下ろした『スピリット』は、故郷に帰ることを決意したシンバとナラが、草原を駆けていく壮大な映像とともに、自らを信じ、勇気を持とうという歌詞が、観客の心を打つ名曲。 エンディング曲としては、エルトン・ジョンの新曲『Never Too Late』が登場。長い間王国を留守にしていたシンバが故郷に帰るのも「遅すぎることはない」とポジティブに歌い上げます。

【ネタバレ感想】実写映画『ライオン・キング』(2019)の魅力とは?

命は巡るもの、という“サークル・オブ・ライフ(生命の環)”の思想

アニメ版と同様に本作でも「サークル・オブ・ライフ(生命の環)」が大きなテーマとなっています。 簡単に言ってしまえば食物連鎖のことですが、自然界では誰かの死が別の誰かの命をつなぎ、またその命が尽きたとき、新たな命へと受け継がれていくのです。 ムファサは幼いシンバに「王は“生命の環”を理解しなければならない」と言っていました。それを理解していないスカーが王座についたことで、その循環がうまくいかなくなってしまい、王国の動物たちは飢えてしまいます。

また、偉大な父ムファサの魂がシンバの中で生き続けていたように、死んでしまった誰かは消えてなくなってしまうのではありません。生前の彼らから今生きている者たちが受けた影響は、後の世代まで続いていきます。 物理的に命をつなぐ環と、心が受け継がれていく環のなかに、私たち人間も含まれています。

ハクナ・マタタ!ときには問題と距離を置くことも必要

砂漠でティモンとプンバァに出会ったシンバは、彼らから「ハクナ・マタタ」という言葉を教わります。「大丈夫、問題ない、どうにかなる」という意味のこの言葉。優れたミュージカルと評価される『ライオン・キング』のなかでも人気が高い、陽気な曲です。

父が生命を落としたのは自分のせいだと思い込んでいた幼いシンバにとって、一度この問題や罪悪感と距離を置くことは必要なことでした。そうでないと心が壊れてしまうからです。 実写版では、ジャングルで成長したシンバは、ティモンやプンバァだけでなく、そこに住むほかの動物たちとも交流していたことがわかります。そうして外に興味を向けることも、ときには必要です。

過去を受け入れ、先に進む勇気

問題と距離を置くことも必要ですが、いつまでもそうしているわけにはいきません。とくにシンバの場合、王としてライオンたちをはじめとする動物たちを守る使命がありました。

ナラやラフィキに勇気づけられ王国に戻ることにしたシンバ。変えられない過去を受け入れ、前に進むことを決意します。スカーから王国を取り返す過程で、彼は父の死の責任は自分にあるのではないことを知りました。 これは、勇気を持って先に進まなければ知ることができなかった真実でした。そして自分を責めることをやめたシンバは猛然とスカーに立ち向かっていきます。

アニメに負けない表現力の超実写版!

本作のリアルな動物たちの姿は、アニメ版に比べて表現力の面で幾分不利なのではないかと思われました。動物の顔や動きをデフォルメして、人間のような表情や動作をさせることはアニメでしかできないことだからです。 「実写映画」とは言われていますが、本作の動物たちはフルCGで表現されています。そこで実写を超えるリアリティのある映像として日本では「超実写」という言葉が生まれました。 しかし、これだけリアルな造形のキャラクターに人間のような動きや表情をつければ、せっかくのリアリティが薄れてしまいます。アニメ版にあった、音楽に乗って首を左右に振りながら歩く、という動作は二足歩行の動物は身体の構造上できません。 しかし、本作の動物たちはそれを補ってあまりある豊かな表情を見せてくれます。些細なところまで計算しつくされた顔の筋肉の動きや目の輝き。そんな細やかな演出で、大きなデフォルメはなくても動物たちの心の動きを表現しています。

超実写映画『ライオン・キング』は2019年8月9日から公開中!

『ライオン・キング』シンバ(2019)
©Supplied by LMK/zetaimage

不朽の名作をフルCGで実写化した『ライオン・キング』。その美しくリアルな映像はもちろん、アニメ版から引き継がれた名曲の数々や新曲にも注目したいですね。 本当にCGなのか目を疑うような“超実写”映像は、映画館で観る価値が充分にあります。 超実写『ライオン・キング』で、圧倒的な映像体験と素晴らしい音楽を堪能してみてはいかがでしょうか。