2019年12月3日更新

慶舎(けいしゃ)は趙国きっての知将!『キングダム』でみせた知将ぶり、史実ではどうだった?

キングダム 43巻

人気漫画『キングダム』に登場する趙の将軍、慶舎(けいしゃ)。最後の三大天に最も近いとされ秦国の前に立ちはだかりました。本記事では趙が誇る稀代の名将を、戦での活躍ぶりや史実での人物像も交えて徹底解説します。

目次

『キングダム』慶舎(けいしゃ)は本能で勝ちを掴む!李牧(りぼく)の右腕である知将を徹底解説【ネタバレ注意】

李牧(りぼく)が絶対の信頼をおく知将

慶舎(けいしゃ)は趙の将軍であり、趙国三大天である李牧(りぼく)の側近。 優れた軍才の持ち主でありながら、直感で動く本能型の将軍です。李牧が全幅の信頼を寄せている将軍でもあります。常に冷静で無表情、緑と黒の市松模様をした頭飾りが特徴的です。また、自身と直属の騎兵隊の馬には、市松模様の馬装を施しています。 作中では、合従軍編(単行本25~33巻)と黒羊攻防戦編(単行本41~45巻)において、趙軍を率いる将軍として登場しました。 ※この記事では2019年12月時点での『キングダム』に関する最新情報に触れています。ネタバレには注意して読み進めてください。

敬愛する師、李牧との出会いとは?

慶舎は子供の時に村を賊徒に襲われ、目の前で親を殺されています。戦争孤児となった慶舎は、武具屋に住み込みで働きながら、金稼ぎのために軍略大会に参加していました。 ある田舎の軍略大会にて、李牧の弟子が決勝で惨敗してしまいます。そして、不思議な“待ち”を使うその決勝相手が子供時代の慶舎でした。そこに居合わせた李牧に軍略家としての才能を買われ、引き取られることになったようです。

「沈黙の狩人」の異名を持つ慶舎(けいしゃ)の強さを徹底解説!

慶舎は李牧・龐煖(ほうけん)に次ぐ最後の三大天に最も近いと言われる将軍です。そして、李牧が「本能型の将軍で最も恐ろしいのは慶舎」と語るほどの実力の持ち主。模擬戦では李牧を何度か負かしたことがあるようです。 慶舎は本能型ではありますが、究極の本能型と言われる秦将、麃公(ひょうこう)とはタイプが異なります。麃公は獲物を見つけたとたん、獰猛に襲い掛かる戦闘スタイル。一方、慶舎は蜘蛛のごとく絡みつくような罠を仕掛けます。そして、自分の張り巡らせたアミの中で相手の失敗をひたすらに待つのです。その戦闘スタイルから「沈黙の狩人」の異名を持ちます。 李牧いわく「実戦で慶舎を討つのは李牧自身でも至難の業」。なぜなら、慶舎を討つには張り巡らされたアミの外に彼を出す必要があるからです。もし慶舎が討たれることがあるとするならば、それはアミの外に出てしまった時に他なりません。

慶舎(けいしゃ)の側近、岳嬰(がくえい)とはどんな関係?

岳嬰(がくえい)が忠を尽くした唯一の将

岳嬰(がくえい)は趙の将軍であり、慶舎の側近です。 秦軍との黒羊戦にて、慶舎軍の右翼を率いる武将として登場しました。慶舎の死を遅れて知った岳嬰は、慶舎の弔い合戦だと息巻きます。そして、趙将・紀彗(きすい)の撤退後も金毛と共に徹底抗戦の構えを見せるのです。しかし、圧倒的戦力差の前に敗北。岳嬰は死を覚悟で戦い続けようとしますが、金毛に諭され慶舎の仇を討つために退くことになります。 慶舎は軍を転々としていた一匹狼である岳嬰が初めて忠を尽くした将でした。どれだけ過酷な戦が続こうが、「岳嬰、よくやった」という慶舎のひと言で不思議と全てが報られる気がしたと感じるほど、慶舎のことを慕っていたようです。

慶舎(けいしゃ)の仇を取るため信へ挑む!

黒羊戦後、鄴攻略編では李牧率いる趙軍の一翼を担うことになります。そして迎えた9日目、岳嬰隊と飛信隊がぶつかることになるのです。 慶舎の仇である飛信隊に対して並々ならぬ復讐心を燃やす岳嬰。しかし、仇敵・信を自ら討ち取りに行った岳嬰は、一撃で敗れてしまうのです。岳嬰軍の慶舎への想いは秦軍の予想を凌駕するものでしたが、それ以上に大将軍として覚醒しつつあった信が強すぎたと言えるでしょう。

【合従軍編】慶舎(けいしゃ)と麃公(ひょうこう)の激戦を振り返る!

趙・燕・魏・韓・楚による五国合従軍が秦へ侵攻する合従軍編。秦の函谷関(かんこくかん)で合従軍と秦軍がぶつかります。 慶舎は趙軍の副将として、秦の麃公(ひょうこう)軍と相対しました。多くの知将を本能だけで退けてきた麃公に対して、李牧は麃公と同じ本能型である慶舎を送り出すのです。 敵軍の配置や敵兵の目線から戦況を敏感に察知する麃公。それに対して、慶舎は序盤は何もしないという戦法を取ります。自軍には作戦を教えず、計略を用いることを禁じることで、麃公が何も感じ取れないようにしたのです。そして、麃公を罠にはめることで麃公軍を圧倒します。 しかし、慶舎にもひとつ誤算がありました。それは飛信隊の信が本能型の武将としての才能を目覚めさせたことです。この誤算により、趙将・万極(まんごく)を信に討ち取られてしまいました。 それでも、結果的には究極の本能型である麃公と互角の勝負を繰り広げたことになります。

【黒羊編】慶舎(けいしゃ)の最後の活躍は?趙の知将の敗因とは

黒羊編では、慶舎は趙軍7万の総大将を務めます。そして、黒羊丘(こくようきゅう)を巡って、桓騎(かんき)を総大将とする秦軍と激闘を繰り広げることとなるのです。 初日は慶舎が先手を取ります。慶舎自身が奇襲を仕掛け、桓騎軍を完全に分断。雷土(らいど)・ゼノウ隊に壊滅的な打撃を与えます。桓騎の側近である雷土に「こんなキレイにお頭がはめられたのは初めてだ」と言わしめるほど、桓騎軍を完全に手玉に取った形となりました。 しかし、飛信隊の活躍もあり、その後の戦局は秦側に大きく傾いていきます。それにも関わらず、好機であろうと全く動かない桓騎。そして、4日目に入っても動く気配のない桓騎に苛立ちを隠せない慶舎。待ちの達人である慶舎もとうとう痺れを切らして、自ら打って出ます。 これこそが桓騎の狙い。自身の張り巡らせたアミから出てしまった慶舎は桓騎の罠にはまってしまいます。そして、飛信隊の猛追によって討ち取られてしまうのです。慶舎の敗因は桓騎の力と飛信隊・信の成長を見誤ったことと言えるでしょう。

史実の慶舎(けいしゃ)は謎多き武将!?作中との違いを検証!

キングダム
(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

慶舎は史実にも登場する趙の将軍です。しかし、慶舎についての記録はほとんど見られません。実際に記載のある実績は次の2つです。 ・紀元前256年に楽乗(がくじょう)と共に秦の信梁(しんりょう)軍を撃破。 ・紀元前240年に東陽と河外の軍勢を指揮して黄河の橋を防衛。 秦将である信梁は、作中でも秦六代将軍として登場する王齕(おうこつ)と同一人物とする説もあります。また、「黄河の橋を守る」という活躍については、詳しいことは分かりません。 史実上の慶舎の経歴や人となり、どのような最後を迎えたのかということは不明です。そのため、作中における慶舎の設定や活躍は、完全なオリジナルと言えます。

慶舎(けいしゃ)の死を無駄にはしない!李牧の誓いの行方は?

李牧の右腕として活躍していた慶舎は、生きていれば、今後必ず秦の脅威となっていたでしょう。それだけに趙にとっては大きな痛手であり、秦にとっては大きな収穫であったと言えます。 しかし、趙は黒羊の戦いで何も得られなかったわけではありません。隠れた名将、紀彗の発見と、桓騎の弱点を得ることができたからです。果たして李牧は、桓騎を討って慶舎の死に報いる事はできるのでしょうか。 慶舎がもたらした影響にも注目しつつ、『キングダム』の物語がどのように展開していくのか、いっそう期待が膨らみます!