映画『虐殺器官』の動画を配信中のサービスを紹介！【全編無料あり】

同名小説の実写化作品である映画『虐殺器官』。本作は、人間には他人の虐殺を司る器官が備わっているという斬新な設定と、SF・ミリタリーの要素を組み合わせた作風で大きな注目を集めました。 本記事では、本作を安全に無料で視聴できるVODサービスや、あらすじ、登場人物、見どころやおすすめの関連作品を紹介します。(本記事に掲載されている情報は、2020年1月現在のものです。)

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サラエボで核爆弾テロが起こり、全世界でテロが頻発するようになってから十数年が経過した世界。アメリカは、個人情報の管理を完璧なものにする一方で、情報軍を設立します。そしてその軍に、虐殺が横行する後進国のテロや内戦の指導者らの暗殺を命令していました。 情報軍のクラヴィス・シェパード大尉は、抗争を煽動しているアメリカ人・ジョン・ポールの暗殺の任務でプラハへ向かうことに。しかし、ジョンの恋人であるルツィア・シュクロウポヴァに好意を抱いてしまいます。 そして彼は、ジョンに捕まってしまうのでした。さらにジョンから、人間は虐殺を司る器官を持っており、「虐殺文法」を使用すればその器官を活性化できると聞かされます。 クラヴィスは特殊軍隊により救出されますが、ジョンとルツィアは逃亡。アメリカ軍はクラヴィスに捜索の続行を命じるのでした……。

クラヴィス・シェパードは、アメリカ情報軍の特殊検索群i分遣隊大尉。映画や文学が好きな無神論者です。彼の父親は拳銃自殺により死亡しています。 また、母親が事故で植物状態になった際には、生命維持装置をストップさせるという決断をしたこともある、両親に関する暗い過去を持っている人物です。 そんな彼の声を務めたのは、声優の中村悠一。2007年放送のアニメ『おおきく振りかぶって』の阿部隆也役などで知られています。本作で彼は、悲惨な現状と哲学的な言葉に翻弄される主人公・クラヴィスを、感情を抑えたとてもクールな声で務めました。

ルツィア・シュクロウポヴァは、プラハでチェコ語の教師をしている女性。虐殺を煽動しているというジョン・ポールとは恋仲です。凄惨な状況下を見つめる中で、すべてを諦めてしまったような表情をしています。 そんな彼女の声を務めたのは、声優の小林沙苗。2000年に放送開始されたアニメ『はじめの一歩』の間柴久美役などの声を担当しています。彼女は七色の声を持つと言われていて、本作では戸惑いが感じられる声で、争いが横行する世の中で自身の無力さを嘆くルツィアを表現しました。

ジョン・ポールは、各国の大虐殺に関わっているとされるアメリカ人男性で、言語学者でもあります。ルツィアとは言語学を学ぶ過程で出会い、不倫関係となりました。ルツィアと関係を持ち始めた後に、妻と子どもをサラエボの核爆弾テロで失っています。 そんな彼の声を務めるのは、声優の櫻井孝宏。2015年に放送されたアニメ『おそ松さん』の松野おそ松役など、有名作品へ多数出演しています。彼は、謎めいた雰囲気を持つキャラクターを演じることも多く、知的でミステリアスなジョン・ポールはハマり役です。

『虐殺器官』の特徴の1つに、抽象度の高い哲学的なセリフが多いことが挙げられます。例えば、ルツィアの「あの人の存在は、私の罪そのものだった」というセリフです。このセリフの意味をダイレクトに理解するのは難しく、意味が何重にも捉えられます。 虐殺やテロが関わる物語に「人間の行動は言葉で規定される」という近代哲学で流行した概念を取り入れることで、言葉がより重みあるものになっているのです。深く考えさせてくれるセリフは、それだけで魅力的ですね。

本作は、世界で現実に起こっている戦争や紛争について、問題提起をした作品でもあります。先進国アメリカが正義の名の下に行う特殊部隊による暗殺行為と、後進国で紛争や虐殺を煽動する指導者という対立構造は、現代史にそのまま当てはめることができるでしょう。 さらに、実際に世界の紛争地帯で問題になっているような、殺人マシンに洗脳される少年兵たちも登場します。 本作は、現実的な世界情勢を物語に盛り込んでいるからこそ、メッセージ性が強く見応えのある作品となっているです。

『虐殺器官』の魅力は哲学や言語、世界情勢への問題提起だけではありません。SF・ミリタリー作品として、軍事用に開発されたガジェットのアイデアも素晴らしいです。 コンタクトレンズのように目に入れて情報を映し出す「オルタナ」や、機械の一部に使用される「人口筋肉」、痛覚を制御する「痛覚マスキング」など、革新的なアイデアがたくさん出てきます。ガジェット好きにはたまらない作品なのです。

映画『虐殺器官』の大きなテーマとなっている紛争や虐殺を描いた作品でおすすめなのが、2006年公開の映画『ブラッド・ダイヤモンド』です。 本作は、元傭兵のダイヤ密売人・アーチャー、家族と離れ離れになってしまったソロモン、ジャーナリストのマギーの3名による内戦の地・シエラレオネでの生き様を描いています。 社会派サスペンス映画としてワクワクする要素もありながら、紛争地域のリアルな実情を伝えている名作です。

映画『虐殺器官』の設定や世界観が気に入った人におすすめなのが、2012年に放送されたアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』です。 舞台は、人の心理傾向がすべて数値化される近未来。本作は、公安局刑事課に勤める新米女性刑事・常守朱が、様々な事件を経て成長と葛藤を繰り返す物語です。近未来の設定、シナリオ、セリフや人物の心理描写のどれをとっても高クオリティのアニメ！ 精神の数値化して取り締まるという問題提起、哲学的な物言い、近未来らしい様々な最先端ガジェットなど、『虐殺器官』と通底するような要素がたくさんあるので楽しめること間違いなしです。

映画『虐殺器官』で描かれた、軍人の葛藤やPTSD(精神的外傷)、戦争の残酷さをリアルに表現しているのが、2014年に公開されたクリント・イーストウッド監督の映画『アメリカン・スナイパー』です。 米軍で伝説となっているスナイパーのクリス・カイル。本作は、彼が軍に入隊してから、イラクで激戦を何度も経験し、除隊するまでを描いています。 実話を基にした作品だということ、無駄を徹底的に排除したクリント・イーストウッド監督の作風、ブラッドリー・クーパーの視聴者に心情を考えさせるような演技が相まって、とてもメッセージ性の強い作品となりました。戦争とは何か？ということを深く考えさせてくれます。

本記事では、映画『虐殺器官』の動画を安全に無料で視聴できるVODサービスや、あらすじ、登場人物、見どころやおすすめの関連作品を紹介しました。 人には「虐殺器官」があるという斬新な設定、テロや戦争の悲惨さ、そして重厚感のある言葉を堪能できる本作を、ぜひ観てみてください！