『進撃の巨人』調査兵団104期ユミルは性格最悪!?“顎の巨人”の能力を持つ少女
調査兵団104期ユミルのプロフィール
ユミルはエレン達と同じ104期訓練兵団を卒業した、切れ長の目とそばかすが特徴の女性です。その外見からコニーには常々ブス呼ばわりされていますが、本人はあまり気に留めていない様子。ヒストリアのことを可愛がっており、自分よりも彼女を優先する想いの方が強いためかもしれません。 最終成績は10番以内では無かったため、当初はそこまで印象は強くありませんでしたが、それなりに高い身体能力は持っていたようです。卒業後はクリスタ (ヒストリア)を追って調査兵団の加入を決め、常に彼女と行動を共にしました。
ユミルは嫌なやつ!?最悪に見える性格にはわけがあった
自分勝手な性格でトゲのある物言いをするユミルは、あまり良いイメージを持たれることは少ないでしょう。一見、嫌な人間に思える彼女ですが、実はこれには裏があったのです。 後述するように悲惨な過去を持つ彼女は、かつて他人のために行動したことで大きな代償を背負わされる羽目になり、死と同然の状況に陥れられました。しかし、運良く第2の人生を手に入れられた彼女は新たなチャンスを得られた際、今度は自分のためだけに「好きに生きよう」と決意したのです。 自己中心的に見えるのは、後悔のない人生を送りたいという想いに由来していたのです。誰にも縛られないその姿は、作品テーマのひとつ「自由」とも通じるものがあります。
なぜユミルはヒストリアに執着するのか
訓練兵になる前のユミルは、盗みを繰り返すことでその日暮らしの生活をしてました。そんなある日、潜伏していたとある教会にて、貴族の家から追放された妾の娘が訓練兵団に入る予定だという話を耳にします。どことなく自分と似た生い立ちを感じたユミルは、その少女 (クリスタ)を追って兵団に入ることに。 ユミルのように周囲から疎んじられながら育ってきたクリスタは、どうやって死ぬかを考えていたほど自己肯定感が低い人格でした。訓練兵として一緒に暮らすうちクリスタを放っておけなくなり、徐々に自分と同じくらい彼女を大切にしたいと思うようになりました。 巨人の襲撃を受けたウトガルド城で死の危険を感じたユミルは、彼女に本名(ヒストリア)を名乗ることや、かつて自分が決めたように「好きに生きる」ことを約束します。この出来事はヒストリアにとって大きなターニング・ポイントとなり、自らの殻を破るきっかけともなりました。
巨人化能力を持つ!ユミルの正体は“顎の巨人”だった
ウトガルド城にて巨人に囲まれた104期メンバー。先輩のゲルガーやナナバらも殺され絶体絶命かと思われたその時、ユミルが巨人化して巨人達に立ち向かっていきました。 しかし、相手の数が多過ぎたため押され気味となり、ミカサやエレン達が駆けつけることで事なきを得ます。この一連の流れで彼女がエレンと同様の巨人化能力を持つ人間だと分かり、周囲は一時騒然とします。 ポルコなどが巨人化した場合に比べるとその固有能力が活躍する場面はありませんでしたが、後に咬合力に優れる“顎の巨人”であることが判明しました。
ヒストリアへの強い思いから、ライナーとベルトルトに加担!
ユミルとエレンがライナー達に連行され、巨大樹の森で休憩していた際、ヒストリアに未練があった彼女はまだ彼らに従うかどうかを決めかねていました。 何らかの情報を引き出そうとしたエレンに「敵は何だ」と聞かれ、「世界」と言おうとしたのでしょうか。寸前でライナーに遮られ、ヒストリアただ1人を守るためなら協力できると持ちかけられました。エレンよりもライナー達の方がその望みを叶えられると判断したユミルは、彼らに従ってエレンへの回答を濁してしまいます。 しかし間もなく、エルヴィンの機転で調査兵団が駆けつけ、ヒストリアがそのなかにいることを悟った彼女。死ぬ前に一目でも会うためには今しかその機会がないと感じ、巨人化してやるとベルトルトを脅します。 結局我がままを押し通したユミルは調査兵団のなかからヒストリアのみを連れ去ることに成功し、ライナー達と合流しました。彼女に対する思い入れがここまでの行動力を引き起こしたのです。
ユミルは壁外の出身だった!彼女には悲惨な過去が
ユミルの出自については詳しく分かっておらず、その本名も不明です。物心がつく頃には親を既に亡くしていたようであり、スラム街のような場所で暮らしていました。そんなある日、謎の男に連れて行かれ最初の巨人と同じ「ユミル」という名を与えられたのです。 幼きユミルは新興宗教の宗祖として人々から崇められ、突如豊かな暮らしを手にすることができました。しかし、マーレ当局に見つかった彼らは拘束されてしまい、彼女は自分に責任があると言って罰を一身に受けようと覚悟します。ただそれも結局は失敗し、ユミルと同様彼ら全員は「楽園送り」となって巨人化させられてしまいます。 その後は60年近くにわたり壁外を徘徊していましたが、偶然通りがかった戦士隊の1人、マルセル・ガリアードを食殺することで元の姿に戻れました。その後は壁内に入って窃盗を繰り返しながら暮らしていましたが、ヒストリアに関する話を聞いた後は訓練兵団に入ることを決めます。
マーレに戻ったユミル、ポルコに捕食され絶命
ライナー達に連れられ、せめてもの「戦果」として献上されたユミル。明確に殺された場面は見られませんが、マーレ編では既にマルセルの弟であるポルコが“顎の巨人”を継承していたことから死亡したようです。 ポルコは彼女の記憶を通じて気の毒な人生であったことを知りました。「大層な名前をつけられた哀れな女だ」と同情し、同時に「兵士」として周囲から頼りにされるライナーの様子も見て、彼をなじる場面も。 死の直前にはヒストリアに向けての手紙をライナーに託しましたが、そのなかでも彼女と会えないことを惜しんでいました。
アニメ版『進撃の巨人』でユミルを演じる声優は藤田咲
2005年から活動する藤田咲(画像左)は、『ときめきメモリアル Only Love』の弥生水奈役や『夜桜四重奏 〜ヨザクラカルテット〜』の七海アオ役など、多くの作品で主演を務めてきました。しかし、代表作は何と言ってもあの初音ミク役を演じたことでしょう。 明るく透き通った声が特徴の藤田は、どちらかというと愛嬌のある少女役を担当することが多いようです。ユミルのような役はむしろ珍しいと言えますが、初音ミクと同じ声優であるという意外性には、その底力を思い知らされます。
『進撃の巨人』“顎の巨人”ユミルは自由を求め、ヒストリアに影響を与えた人物
ヒストリアと行動していたユミルですが、壮絶な過去を持ち残酷な世界の現実を受け入れていたからこその、その性格でした。辛い人生でしたが、同じ境遇の彼女と出会えて一緒に過ごした時間はユミルにとってかけがえのない宝物だったでしょう。 他のキャラクターのように物語の途上で退場する形になりましたが、ヒストリアの行動を変えさせたという役目は決して小さくありませんでした。ヒストリアがユミルの人生に光を照らしてくれた一方、ユミルもまたヒストリアに大きな影響を与えたのです。