2021年1月6日更新

『キングダム』司馬尚(しばしょう)は三大天に最も近い男?謎多き名将を解説!

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司馬尚 サムネイル

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『キングダム』趙の将軍・司馬尚(しばしょう)のプロフィールを紹介【ネタバレ注意】

原泰久による壮大な中国時代劇漫画『キングダム』に登場する趙(ちょう)の将軍・司馬尚(しばしょう)。彼は46巻502話で青歌(せいか)城を治める将軍として初登場し、少ない登場シーンながらも只者ではないオーラで読者をひきつけています。 趙国三大天(さんだいてん)は現在、李牧(りぼく)と龐煖(ほうけん)です。そして司馬尚は、李牧が三大天に推挙した人物。彼はその任命を無視しているとのことですが、三大天に1番近い男と言えるでしょう。 司馬尚は史実にもその名前が残っていますが、あまり多くは登場せず謎が多い人物です。作中ではカールした髪やスラッとした鼻は描かれていますが、2020年12月現在まだ全貌は明らかになっていません。そんな三大天候補の司馬尚について、この記事では史実も踏まえて今後の活躍を考察します。 ※この記事は2021年1月現在までのネタバレを含みますので、読み進める際は注意してください。またciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

趙国で1番!?鄴(ぎょう)編で語られた司馬尚の圧倒的な強さ

李牧に実力を高く評価されている司馬尚。そんな彼の活躍が描かれているのが、「鄴(ぎょう)編」です。このとき秦国の王翦(おうせん)が趙に侵攻しました。これと連動して燕(えん)国のオルドは2万の軍を率いて、司馬尚が城主を務める青歌城を攻めようとします。 これを迎え撃つ司馬尚の軍はわずか5千兵。圧倒的な数の不利を物ともせず司馬尚は持ちこたえ、オルドは自国の城が陥落したとの知らせに撤退を余儀なくされます。 史実では李牧の片腕のような立ち位置で登場する司馬尚。史実には燕軍とのこの戦いは登場しませんが、5千で2万を相手にする様子から、『キングダム』の司馬尚はかなりの統率力を有していると考えられます。

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子孫・司馬懿(しばい)は三国時代に活躍!史実に残された司馬尚の痕跡

司馬尚には司馬卭(しばごう)という息子がいました。司馬卭は秦国滅亡後、項羽(こうう)や劉邦(りゅうほう)と共に活躍した人物です。彼の末裔は河内郡に名門の家名として続いていき、数々の高官を輩出する一族となります。 そんな末裔のひとりが三国時代に活躍した司馬懿(しばい)です。司馬懿は諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)のライバルとして知られる人物で、司馬家の聡明な男子8人「司馬八達」のなかでも特に優れた人物と言われています。 司馬懿は「五丈原(ごじょうげん)の戦い」で諸葛亮孔明と対峙。司馬懿は北伐に対し持久戦で自国を守り抜き、ついに諸葛亮孔明は病死するのでした。諸葛亮孔明を持ってしても破ることができなかった司馬懿を生んだ一族のひとりだと考えると、司馬尚にスポットライトが当たるのも頷けます。

処刑から逃亡?史実に残らなかった司馬尚の最期……

司馬尚の活躍が史実に登場するのは、紀元前229年に王翦・楊端和(ようたんわ)・羌瘣(きょうかい)が大群で趙国を攻めた戦いです。趙国は李牧と司馬尚に反撃を命じ、2人は秦軍を苦しめます。 そこで秦は趙国王の奸臣(かんしん)である郭開(かくかい)に賄賂を贈り、郭開は2人が謀反を企てていると王に吹き込むのでした。偽の容疑を掛けられたことで李牧は自殺に追い込まれ、一方で司馬尚は将軍の地位を剥奪されて庶民に落とされたと記録されています。 この後の彼の動向は史書に記されていないため不明。処刑は免れたようなので、最期は庶民として生き延びひっそりと亡くなったのではないでしょうか。

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未だ全貌が明かされない司馬尚!気になる今後の動向を史実から考察

李牧と共に秦軍を迎撃

中枢が嫌いゆえに、司馬尚は李牧の三大天任命も無視して青歌城にいるというのが『キングダム』での設定です。秦(しん)国の中華統一の動きがより活発になれば、いずれ彼も重い腰を上げるのではないでしょうか。 史実では秦国の桓騎(かんき)将軍が宜安(ぎあん)を陥落させ、趙王は李牧に出陣を要請しています。前年には桓騎が「平陽(へいよう)の戦い」で趙軍を破り、趙軍は10万の兵を失いました。この遺恨も抱えながら、李牧は桓騎に相対することになります。 李牧の策にはまり、それまで快進撃を続けていた桓騎は敗走することに。史実ではこの戦いに司馬尚の名前はありませんが、李牧と司馬尚がタッグを組んでこの一戦をより盛り上げるという展開はおおいにありそうです。

三大天は司馬尚に決定?

李牧の口ぶりからすると、司馬尚は三大天になるのを拒んでいるようです。判明している三大天のうち、李牧は知勇兼備の武将。もう1人の龐煖は武神と謳われる猛将で、素晴らしい武勲を挙げていますが人を率いる器ではないと評される人物です。 我道を行くタイプの龐煖がすでに三大天に入っているので、同じタイプの武将は選ばれないでしょう。その点、作中に登場する司馬尚は知略に優れ、さらに巨躯のオルドを持ってして「大男」と評される人物。一部登場した身体は筋骨隆々で、武にも秀でた人物であることが分かります。 李牧同様に知勇兼備な司馬尚が、三大天として李牧とタッグを組む――。秦国の前に立ちはだかる強敵としては、やはり司馬尚がぴったりなのではないでしょうか。

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鄴攻めにより中央へ

59巻で李牧は史実で記されているよりも早く処刑を言い渡され、命からがら逃亡しています。そして60巻では1年間身を潜めるため、司馬尚のいる青歌城へと向かうことに。ここで李牧と司馬尚が手を組み、ついに司馬尚が重い腰を上げることになるのではないでしょうか。 これまで趙国中枢の命令が嫌で無視してきたという司馬尚。しかしいまや李牧は追われる身です。命令ではなく協力を請われたのなら、司馬尚も首を縦に振るのかもしれません。 李牧の逃亡のタイミングを桓騎との戦いの前にしたのも、対桓騎戦に司馬尚を引っ張り出すための布石と考えられます。また史実では李牧処刑のタイミングで庶民になったという司馬尚の最期も、『キングダム』では違った展開が待ち受けていそうです。

新三大天がついに出揃う!?司馬尚の真の実力に期待大!

名前や背中、横顔は登場するもののなかなかその全貌が明らかにならない趙の将軍・司馬尚。秦国が統一に向けての勢いを加速させる中、李牧擁する趙国の存在は決して無視できません。 満を持して登場という形になる残る三大天のひとりが司馬尚だとすると、彼も間違いなく重要人物として描かれることでしょう。 史実をベースにしながらも、作者・原泰久による大胆なアレンジと魅力的な描写により、他にはない歴史漫画となっている『キングダム』。史実であまり言及がない人物であっても、作中ではその人物のみの役割が与えられ、ストーリーに絡んでいきます。 果たして司馬尚にはどんな役割が与えられているのでしょうか。その名将っぷりが描かれる日が待ち遠しいですね。