【ジョジョ7・8部】「一巡後の世界」とは何なのか考察 一巡前(1部・4部)との違いを比較する
ジョジョ6部からの新しい世界観「一巡後の世界」【ネタバレ注意】
「一巡後の世界」という言葉および概念はジョジョ6部から提示された新しい世界観のことです。その意味はファンの間でも解釈が別れます。今回は「一巡後の世界」について、ジョジョ7部と1部、8部と4部を比較しながら解説します。 非常に緻密に設定された世界観なので、わからないという方や気になる方は是非チェックしてみてください。 なおこの記事には『ジョジョの奇妙な冒険』1部、4部、6部、7部、8部のネタバレが含まれるので未読の人は注意してくださいね。
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「一巡後の世界」とは何なのか
「一巡後の世界」は6部終盤におけるプッチのスタンド「メイド・イン・ヘブン」で宇宙が終焉を迎えた時に出てきました。徐倫がアイリーンとして転生するなどジョジョの世界は一新されます。しかし、厳密にいうと「パラレルワールド」とも少し違っているのです。 6部以前にも登場していたジョジョの血族が少し異なる名前で出てきたり、活躍の度合いも異なったりするのです。根本の世界観や冒険の部分で異なる要素を提示しつつ、共通点がある冒険を繰り広げています。 原作者の荒木飛呂彦は便宜上「パラレルワールド」と定義していますが、正確には「反復とズレ」が生じている世界ではないでしょうか。単なるリセットとも分岐ともつかない曖昧さ故に「一巡後の世界」と表現されているのだと推測されます。
【解説】ジョジョ7部と1部の主要キャラ・結末を比較
まずは7部と1部を比較してみると、主人公がジョナサン・ジョースターだったり、ツェペリという男が技術指南をしたりという大筋は共通しています。特に終盤のジョナサンとディオの戦いや船で旅立つ終わり方はそのまま1部をなぞった形です。 しかし、ジョナサンとディオについては途中経過や具体的な結末の形が異なります。例えば1部の最終対決ですが、1部ではジョナサンが勝利の末に死亡しましたが、7部では逆にディオが勝利の末に死ぬことになりました。 勝負の結末が変化した理由は「別の次元の存在が同じ世界で出会うと消滅する」というルールに基づくものです。同じ世界の話をやり直せるからといって、必ずしもいい事尽くめではないという根源的な厳しさが提示されていると言えるでしょう。
【解説】ジョジョ8部と4部の主要キャラ・結末を比較
そしてもう1つ「一巡後の世界」として比較検討すべきは8部と4部です。まず8部の世界は「震災後」の荒廃した世界観から異なっています。理由は8部の世界が2011年3月11日に発生した東日本大震災後の日本の世相を反映したものだからでしょう。 その上で共通点を述べると、4部の主人公・東方仗助が8部の東方定助と異口同音の名前で継承されていたり、4部のラスボスであった吉良吉影の姿形などがそのまま8部まで継承されていたりする点です。上記のジョジョとディオの関係性と似通っています。 異なる点を述べると、4部のラスボスだった吉影はなぜか8部だとジョースター家の血筋の者となるなど出自が変化しています。また、4部の結末では救急車に轢かれて死んだ彼ですが、8部ではどのように結末が変化するかが気になるところです。
ジョジョ9部は存在するのか?一巡前の世界との関係はどうなる?
2021年4月現在、ジョジョは8部の「ジョジョリオン」まで連載中ですが、原作者の荒木飛呂彦によると「既に結末は考えてある」そうです。この発言からファンの間では8部で終了との噂もありますし、また9部以降があるのではないかともいわれています。 もし9部があるのだとすれば、最も作品に関係する可能性が高いのは5部の世界観とキャラクターではないでしょうか。何故ならば7部や8部の両方に5部の物語やキャラクターが反映されておらず、ドラマとして再現されていないからです。 5部の主人公・ジョルノとラスボス・ディアボロを中心に、共通点と相違点を出しつつ異なる物語として再構築されるのではないでしょうか。5部がどのように9部で変更されるのかを予想してみると、面白いかもしれません。
「一巡後の世界」後のジョジョは初心者・ファン共に楽しめる
根強い人気を誇るジョジョシリーズですが、「一巡後の世界」後、すなわち7部以降のジョジョは初心者と旧来ファンの双方が楽しめる構成です。初心者の方は6部までを知らなくても、新鮮な物語として楽しむことができるでしょう。 逆に一巡前の世界から楽しんでいるファンも違いを踏まえて楽しむことができます。新旧ファンの壁を超えて楽しめるのが「一巡後の世界」の魅力ではないでしょうか。