2022年7月5日更新

『竜とそばかすの姫』<U>の世界を徹底解説!アバター<As>で始める第2の人生とは

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竜とそばかすの姫 場面写真12
(C)2021 スタジオ地図

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『竜とそばかすの姫』<U>とは?制作の裏話まで徹底解説【ネタバレ注意】

『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』(2000年)のデジタルワールド、『サマーウォーズ』(2009年)の<OZ>と、仮想世界を生んだ細田守監督。 スタジオ地図創立10周年を飾る『竜とそばかすの姫』では、彼が描くネット世界も集大成を迎え、<OZ>を踏襲した<U(ユー)>が登場しました。細田作品のネット世界は現実世界とリンクし、キャラの成長や変化が現実にも反映される、といった描写が見られることも。 この記事では、本作の舞台<U>の基本情報や制作秘話などをまるっと解説します! ※本記事では『竜とそばかすの姫』のネタバレに触れています。未鑑賞の方は注意して読み進めてください。

仮想世界<U>とは?50億人が集う第2の現実

竜とそばかすの姫 場面写真6
(C)2021 スタジオ地図

<U>とはこの世の知性を司る5人の賢者「Voices」が創造した、“究極の仮想空間”のこと。全世界で登録アカウントが50億人を突破してなお、拡大を続けてきました。<OZ>の10億人を遥かに上回る、史上最大のインターネット世界なのです。 個々が<As(アズ)>という自分の分身(=アバター)を持ち、新しい人生を始められる第2の現実であり、世界を変えられる空間<U>。 そこにはすべてが揃っていると、Voicesが警察のような組織を作らなかったため、自警団の<ジャスティス>が独自に活動をしています。彼らは有志とスポンサーで成り立っており、リーダーのジャスティンはアンベイル(=アバターの現実の姿を晒すこと)の権限を入手していました。

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<As>が生まれる仕組みを解説!

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(C)2021 スタジオ地図

<As>は初回ログイン時に生まれる、“もうひとりの自分”とも呼ぶべき分身。耳に装着した専用デバイスが生体情報を読み取ることで、自動生成が行われます。 任意でパーツを組み合わせるのではなく、システム側から提案していく仕組みです。さらにはデバイスを通じて、常時本人の生体情報と連動しているそう。ボディシェアリング機能によって、潜在的な才能や内面も表出させた<As>が作られます。 地味な田舎の女子高生・すずの<As>が、絶世の歌姫ベルなのもそのためでしょう。また本人とアバターが一心同体なので、1人で複数のアバターを所持することはできません。 <U>では高度な技術のおかげで、自分が本当に仮想世界の中にいる感覚になれるのです。

仮想世界<U>の中での成長が現実を変える

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(C)2021 スタジオ地図

主人公のすずは母親と一緒に歌うことが大好きでしたが、幼い頃に彼女を事故で喪って以来、人前で歌えなくなってしまいました。それからは父親との間にも距離が生まれ、「夜ご飯は?」と聞かれてもいつも「要らない」と答えるなどぎこちない状態が続いています。 しかし物語終盤、すずは竜のオリジン(=正体)である少年に自分自身が歌姫ベルであると信じてもらうべく、わざとアンベイル装置の光を浴びることに。 彼女は歌姫ベルではなく現実の姿で、<U>の大勢の前で歌うという成長を遂げるのです。 <U>での一連の騒動はすず自身を大きく変え、現実世界でも再び歌を歌えるようになったり、父親との関係も改善されたりしました。 <U>での出会いをきっかけとして、すずと同じ父子家庭という境遇の中で虐待されていた少年たちを助けた経験も、彼女が家族の大切さを見直すきっかけとなったのでしょう。

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『サマーウォーズ』に登場したクジラが<U>にも登場?

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『サマーウォーズ』の<OZ>では、クジラを模した守り主ジョン&ヨーコが登場しますが、今回もクジラの上で歌うベルの姿が描かれます。 クジラは『バケモノの子』でも重要な役割を果たしており、細田作品お馴染みのモチーフ。本作ではクジラと竜の城のデザインを、名作RPG「ファイナルファンタジー」シリーズで知られるイラストレーター、アートディレクターの上国料勇が手がけました。

<U>のモチーフはハープ?制作を支えたクリエイター陣

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(C)2021 スタジオ地図

壮大かつ斬新な仮想世界<U>のコンセプトアートを創造したのは、新進気鋭のイギリス人建築家でありデザイナー、エリック・ウォンです。 細部の描写の決定は難航したそうですが、細田監督の「<OZ>の延長線上にある世界を」というオファーに、見事に応えてみせました。テーマが音楽であることから、<U>の情報を表す線を楽器のハープになぞらえた構成で全体像を固めていったのだとか! また<U>のCG作画監督は、『デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!』以降、すべての細田作品でメインスタッフを担う山下高明です。 ベルのキャラクターデザインには、『アナと雪の女王』(2013年)の製作に携わったジン・キムを新たに起用するなど、世界のクリエイター陣が<U>の世界観を創り上げました。

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世界観を完成させた圧巻の主題歌「U」も話題に

主題歌に起用された「U」は、音楽監督も務めた常田大希率いる音楽集団「ミレニアムパレード」が、本作のために書き下ろした楽曲です。 すずがベルとして<U>に来て初めて歌い、オープニングシーンを飾る楽曲であり、作品イメージを決定づける役割も持ちます。細田監督は「インターネット仮想世界“U”の巨大な世界観を音楽で表現するために、どうしても常田さんに音楽を作ってほしい」と、ラブコールを送りました。 すず/ベル役を演じる中村佳穂の語りかけるような、叫ぶような歌声が映像と重なることで、仮想世界<U>は本当の完成を迎えたのです。「U」は映画公開日に先駆けて配信リリースされ、公開当日にはiTunes総合で1位を獲得するなど大きな話題を呼びました。

『竜とそばかすの姫』<U>の存在が現実になる日は来るのか?

竜とそばかすの姫 場面写真3
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細田守監督によれば、<U>は“現実にも起こりうることをフィクションの世界で先取りした”世界で、技術が加速した先で現実になる可能性は高いです。 大きな三日月に放射状の線が走った空、浮遊する建造物……そんな仮想世界が創られる未来で、『竜とそばかすの姫』の<U>は再び日の目を見るでしょう。驚くほど便利になっていく現代でネットとどのように向き合っていくべきなのか、この作品を通じて改めて考えさせられますね。