2022年8月19日更新

【マーベル解説】「マルチバース・サーガ」とは何なのか?MCUのフェーズ4,5,6のカギを握る概念を徹底考察

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マルチバースとは?

マーベルにおけるマルチバース

マルチバースとは、自分たちのいる世界と別の世界が並行して複数存在している、という多元宇宙理論の考え方。簡潔に説明すると「マルチバース=パラレルワールド」と捉えることができます。 マーベルの世界では、一つ一つの世界を「バース」と呼び、別のバースには性格や見た目が違う自分が存在。さらに、歴史や地形なども違うため、バースごとに文化が異なります。

MCUの正史はアース616

数多あるバースの中で、MCUの存在するバースは「アース616」となっています。原作となっているコミックは「アース199999」ですが、MCUではコミックにおいてもメインのバースである「アース616」のネーミングを使っています。 また、MCUのバースが「アース616」であることが劇中の多くのシーンで確認できます。例えば、ドラマ『ロキ』ではメビウスのビデオリールに「ETH-616」と書かれてたり、『ブラックパンサー』プロデューサーのネイト・ムーアもMCU作品の舞台がアース616であると話していました。

MCUのマルチバースを理解するための4つのポイント

キーポインント

  1. 神聖時間軸とマルチバースは同一
  2. 『ロキ』で存り続ける者が殺害され、マルチバースが解放
  3. インカージョンとは2つのバースが衝突する事
  4. 同じバースの中に存在する別世界はポケットディメンションという

①神聖時間軸とマルチバースの違いは?

ドラマ『ロキ』では重要なキーワードとして「神聖時間軸」という言葉が出てきます。ドラマではTVAという機関が、この神聖時間軸から新たな世界線の分岐が起きたり、数あるバースと交わらないように見張っていました。そしてTVAによって正史として守られてきた神聖時間軸というのが、MCUが今まで描いてきたバース、「アース616」であることがわかりました。 さらにマーベルの今までの発言を踏まえると、マルチバースと神聖時間軸には差異はありつつも、両者はほぼ同じものだと言えます。ここから、フェーズ3までのMCU作品に、他のバースからの介入がなかった理由は、TVAがこのバースを神聖時間軸として守っていたからだとわかります。

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②マルチバース化のきっかけはロキ?

ドラマ『ロキ』キービジュアル
© 2021 Marvel

ドラマ『ロキ』では、ストーリー終盤に「在り続ける者」という人物が登場。彼は神聖時間軸の管理者としてロキとシルヴィの前に現れました。そして在り続ける者は2人に「神聖時間軸の管理をするか、俺を殺して別世界の変異体と戦うか」の選択を迫ります。 ロキは管理者になることを選びますが、シルヴィは復讐を果たすため在り続ける者を殺害。時間軸を守る者がいなくなり、今まで1つだった時間軸が幾多に分岐していきます。その結果、宇宙のマルチバース化が起こったのです。 つまり、『ロキ』がきっかけで、サム・ライミ版スパイダーマンがいる「アース96283」や、「マルチバース・オブ・マッドネス」でストレンジとアメリカ・チャベスが訪れた「アース838」が生まれたということになりますね。

③インカージョン

インカージョンとは2つのユニバースが干渉し、衝突する現象のことです。 「マルチバース・オブ・マッドネス」では「アース838」のストレンジが、サノスを倒す方法としてドリーム・ウォークを実行したためインカージョンが起きました。その結果、「アース838」と衝突した世界が破壊されます。 イルミナティのメンバーであるリード・リチャーズいわく、インカージョンが起きてしまった場合、衝突を防ぐ方法はなく、どちらか一方の世界を破壊する必要があるそうです。 この、ユニバースの存続をかけてそれぞれのヒーローたちが闘うというストーリーがコミックの「シークレット・ウォーズ」で描かれています。2025年に公開予定の『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』は、コミックと同じタイトルであることから、「アベンジャーズ6」には、インカージョンが関わりそうです。

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④ポケットディメンション

ポケットディメンションとは、同じバースの中に存在する違う世界のこと。 『ドクター・ストレンジ』で登場したアストラル体でしか行けないアストラル・プレーンの世界や、『アントマン&ワスプ』でお披露目された量子世界もポケットディメンションの1つです。 ちなみに、ファンタスティック・フォーのリード・リチャーズの息子フランクリン・リチャーズは、ポケットディメンションを自由に作り出すことができます。今後のMCU作品で登場すれば、活躍が期待できそうですね。

MCU作品におけるマルチバースエピソード

①『アベンジャーズ/エンドゲーム』

作中ではアントマン考案のタイム泥棒作戦で、アベンジャーズが過去からインフィニティ・ストーンを回収しに行きます。 アイアンマンやキャプテンアメリカは2012年のニューヨークへ向かいますが、ハルクの邪魔が入りスペース・ストーンがロキに持ち出されてしまいました。その結果ロキはTVAに連行され、時間軸が分岐します。 そしてもう1つのマルチバースエピソードとして、キャプテンアメリカがインフィニティ・ストーンを元の世界に戻すというものがありますよね。 過去に行った際にキャプテンアメリカは余生をペギー・カーターと過ごし、新たな分岐を示唆しました。

②『ロキ』

ドラマ「ロキ」
© 2021 Marvel

『ロキ』で新たに出てきた神聖時間軸という言葉。そして作中では変異体と呼ばれる別世界のロキが何人も登場しています。ストーリー後半からは神聖時間軸と変異体を中心に物語が進んでいき、まるでマルチバースがテーマのようになっていました。 さらにラストに登場した「在り続ける者」の正体は、ナサニエル・リチャーズという征服者カーンの変異体でしたね。ポストクレジットではメビウスがロキのことを知らない人物だと言い、TVAに征服者カーンの銅像が建てられていました。 すでに制作が決定しているシーズン2で、全ての謎が明かされるはずです。

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③『ホワット・イフ…?』

MCUの世界で実際には起こらなかった”もしも”の展開を描いた『ホワット・イフ…?』。 「もしも…キャプテンカーターがファースト・アベンジャーだったら?」「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」など、アース616の並行世界を体験できます。マルチバースの楽しさが分かる一作となっているので、MCUファンには本当におすすめの作品です! そんな本作のラストエピソードでは、今まで登場したヒーローがウォッチャーによって集結。違うバースのヒーローが力を合わせて超ヴィランと戦う展開は、サーガと共通するかもしれません。

④『スパイダーマン:ノー・ウェー・ホーム』

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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サム・ライミ版スパイダーマンでピーターを演じたトビー・マグワイアと、マーク・ウェブ版スパイダーマンでピーターを演じたアンドリュー・ガーフィールドが登場するというとんでもない偉業を成し遂げた『スパイダーマン:ノー・ウェー・ホーム』。 そんな本作は、マルチバースの存在がMCUで初めて確認された作品でもあります。ストレンジの魔術によってマルチバースの扉が開き、グリーン・ゴブリンやエレクトロなど過去作のヴィランが登場し多くのファンを興奮させましたよね! マルチバースの設定を存分に活かしたストーリーだからこそ、シリーズ最高傑作と評価されるようになりました。

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⑤『ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』

タイトルにもある通り、マルチバースをテーマにストーリーが展開していった本作。作中ではマルチバースを自由に行き来できる少女アメリカ・チャベスと出会ったストレンジが、彼女の能力を奪おうとするワンダことスカーレット・ウィッチと戦います。 その際にストレンジはさまざまなマルチバースを通過しており、最終的に行き着いたアース838でバースに介入する危険性を知りました。そしてポストクレジットでは謎の女性が登場し、共にインカージョンを止める旅に出ることに。 今後もストレンジが本サーガのキーパーソンになると思われます。

マーベルの「マルチバース・サーガ」の展望を考察

「マルチバース・サーガ」のキーパーソンは?

フェーズ4から新たに「マルチバース・サーガ」に突入することが明らかになったMCU。テーマの通りフェーズ4からフェーズ6までは、バースを巻き込んだ大規模な戦闘が繰り広げられることは確実です。 そのためマルチバースを自由に行き来できるアメリカ・チャベスや、「マルチバース・オブ・マッドネス」のポストクレジットに登場した謎の女性、そしてマルチバースを体験したストレンジが今後のMCUにおけるキーパーソンになると考えられます。

サーガのボスは、サノス以上の強敵?

2022年のサンディエゴ・コミコンで、『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ』の公開が発表されました。本作はアベンジャーズシリーズの第5弾にあたり、タイトルから「征服者カーン」がヴィランとして登場することが示唆されています。 征服者カーンと言えば『ロキ』では変異体「在り続ける者」として登場しており、2023年公開予定の「アントマン3」にも登場する超ヴィランです。征服者カーン自身もタイムトラベルによってマルチバースに深く関わっている人物なので、過去最大級のヴィランとして立ちふさがるはずです。

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「マルチバース・サーガ」で回収を期待したい伏線

ドクター・ストレンジとインカージョン

「マルチバース・オブ・マッドネス」のポストクレジットで謎の女性が登場し、ストレンジに対して「インカージョンを修復しないと」と伝えました。そしてストレンジは女性が開いたポータルに入り、どこかへ向かいます。 なぜインカージョンが起きたのか、なぜストレンジが協力することになったのか、そもそもこの女性は何者なのかなど多くの謎が残っていますよね。今後の作品で解明されるのを待ちましょう!

アベンジャーズの要、ニック・フューリーは何処に?

長らく姿を見せていないフューリーは何処で何をしているのでしょうか? 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ではピーターの前に現れ、トニーの遺品を渡したりエレメンタルズを倒す計画を練ったりしていました。しかしこのフューリーの正体は、彼に変身したスクラル人・タロスであることが明らかになります。 肝心のフューリーはなぜか宇宙ステーションらしきものの中でくつろいでいました。フューリーのことなので、何かしら目的があって宇宙にいるはずです。 フューリーが宇宙規模の脅威にすでに気づいていて、あらたなアベンジャーズを探しているとも考えられますね。

「X-MEN」シリーズとの合流は?

ファンの間では、MCUにあの「X-MEN」が合流すると噂されています。その理由として、ドラマ『ワンダヴィジョン』にサプライズ登場したピエトロ・マキシモフことクイックシルバーの存在があります。 ここで登場したピエトロは、MCU版のアーロン・テイラー=ジョンソンではなく、X-MEN版のエヴァン・ピーターズが演じていたのです。 さらにドラマ『ミズ・マーベル』では、カマラの遺伝子が家族の中でも特異なものであり、突然変異を起こしたことが明らかに。BGMにはアニメ版X-MENのテーマ曲が流れ、ミューテーションという単語が出てきたりとX-MENが合流しそうな気配を感じさせました。 コミック版ではアベンジャーズと共闘しているので、MCU版でも新生アベンジャーズと共にヴィランと戦う姿が見られるかもしれません!

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MCUの正史以外のバースを紹介

アース10005 X-MENユニバース。 ドラマ『レギオン』の舞台でもある。
アース96283 アース120703 SPUMCユニバース。 サム・ライミ版・マーク・ウェブ版のスパイダーマンの世界。
アースTRN700 スパイダーバース。 アニメ映画「スパイダーバース」シリーズの世界。
アース51778 東映スパイダーマンのバース。 原作者のスタン・リーも評価した作品。
アース2149 マーベル・ゾンビーズの世界線。 ヒーローがゾンビになった世界。
アース91274 マーベルコミック版トランスフォーマーのバース。 スパイダーマン・サヴェッジランドなどが登場。

この他にも、コミックには、いくつものバースが存在していて、無限の可能性を感じさせてくれます。マーベルの壮大な世界観には、マルチバースの概念が必須といえますね。

何でもありな「マルチバース・サーガ」の今後に期待

フェーズ4から新たに展開された「マルチバース・サーガ」。フェーズ3までのインフィニティ・ストーンをテーマとした「インフィニティ・サーガ」とは異なりマルチバースをテーマとしているため、今まで以上に大規模な戦闘が繰り広げられることが予想されます。 MCUの今後の展開に期待です!