若狭留美の正体はレイチェル浅香？ラム説が流れた理由や伏線を解説【名探偵コナン】

『名探偵コナン』の原作91巻で初登場を果たした若狭留美。帝丹小学校で働く教師ですが何かと秘密を抱えており、その正体についてはいろいろな可能性がささやかれてきました。 本記事ではそんな若狭留美のプロフィールのほか、正体にまつわる伏線についても紹介していきます。ついに判明した彼女の正体もネタバレしているので、気になる人は要チェックです！ ※この記事は『名探偵コナン』の重要なネタバレを含みます。 ※ciatr以外の外部サイトでこの記事を開くと、画像や表などが表示されないことがあります。

若狭留美は帝丹小学校の教師で、コナンたちの所属する1年B組の副担任を務めています。黒いロングヘアとタレ目、メガネが特徴で、温厚そうな雰囲気のある女性です。 少々ドジなところがあるらしく、自己紹介でお辞儀をするときに勢い余って頭を教卓にぶつけたり、しょっちゅう手をすべらせたりしています。しかし時おり見せる素顔は、普段の彼女とはかけ離れたもので……。

怪しげな雰囲気を纏っていた若狭でしたが、単行本104巻に収録された「白黒の序盤」でその正体がレイチェル・浅香であると判明しました！彼女はこのエピソードでチェス大会に来ており、そこで警視庁の黒田兵衛に遭遇します。 彼は若狭に対し「見覚えがある」と感じるのですが、その後の回想シーンで2人が過去にすれ違っていたと判明。そこで彼女が17年前に起きた羽田浩司殺人事件の最重要容疑者であるレイチェル・浅香だと確定したのです。 さらにその後の展開で若狭がラムによってアマンダと羽田浩司を奪われていること、そしてラムへの強い憎悪を抱いていることが判明します。当時の事件については以下の記事で解説しているので、詳しい内容を知りたい方はそちらもあわせてチェックしてみてください。

黒の組織に追われ続け、組織の気配に誰よりも敏感になった灰原哀。彼女は単行本93巻FILE.8「ブザービーター」(アニメ版909～910話)で「好きだから若狭先生」と発言しており、若狭を警戒していない様子を見せていました。 灰原に少しでも疑念があるならば、彼女の黒ずくめセンサーが発動し、こんな不用意な発言はしないはずです。これにより「若狭＝ラム」説の信ぴょう性は大きくダウンし、組織関係者の可能性はほとんど0になりました。

単行本95巻FILE.2「濃紅の予兆」(アニメ版927話～928話)には、若狭がAPTX4869(アポトキシン4869)の被験者リストを見ている場面が描かれています。ここで彼女の体には無数の傷が残っていると判明しました。 レイチェル・浅香はボディーガードとして活躍していた女性です。体を張ってクライアントを守る仕事をしていたなら、数多くの傷が残っていても不思議ではありません。このシーンは若狭＝レイチェル・浅香を強く匂わせる場面になっていました。

若狭はただの教師とは思えないほど高い身体能力を持っており、91巻のFILE.9「若狭先生のヒミツ」(アニメ版889話～890話)では強盗団3人をたったひとりで制圧しました。 さらにその際、敵に対し「覚悟はできているか？此の世を離れる…覚悟だよ…」と言い放ちながら、思わずぞっとするような恐ろしい表情を見せています。 また99巻のfile7「強いのは…」(アニメ版1053話～1054話)ではなんと、不意打ちとはいえあの安室透を気絶させることに成功。こうした強さから、若狭の正体はアマンダ・ヒューズのボディガードだった浅香であるという説が浮上しました。

単行本97巻FILE.8「幸運の御守り」(アニメ版1011話～1012話)には、少年探偵団と山菜採りに出かけた若狭が羽田浩司との会話を思い出すシーンが描かれています。断片的ではありますが、ここで若狭と羽田とのあいだに深い関係があったと匂わされているのです。 また若狭が右目に障害を持っているとわかるシーンもあり、「彼女がラムなのでは？」と読者を惑わせる場面も描かれていました。

若狭の登場シーンには将棋の駒が何度も描かれています。ときにはズボンのポケットにそれらしき膨らみがあり、ときには机の上に駒のようなものを置いていたことも。そして99巻FILE.5「ドジと疑惑」(アニメ版1053話～1054話)で、彼女の持っている駒が羽田浩司の所持品だったと判明します。 この駒は羽田殺害事件の際、警察さえも見つけられなかった証拠品でした。つまり若狭は羽田が殺された直後、警察よりも前にそれを持ち出せる人物だったということ。彼女の正体がレイチェル・浅香だと推測できる場面になっています。

そもそも真相が明らかになるまで、浅香とラムは同一人物であるという説がありました。そのため両方の特徴を兼ね備えている若狭は、浅香でありラムでもあるのではないかと疑われることに。以下ではその根拠となった伏線について紹介していきます。

若狭は何度か少年探偵団の面々と事件に遭遇していますが、彼らをわざと誘導しているような節があります。実際にコナンも単行本93巻のFILE.6「ティップオフ」にて、若狭が偶然を装って自分たちを事件に遭遇させているのではないかと警戒していました。 さらに91巻のFILE.8「解読不可能!?」では、暗号の解読に苦戦しているコナンのためヒントを出す場面も。ドジっ子のように振る舞ってはいますが、コナンに匹敵する頭脳の持ち主であることが示唆されました。

若狭は時おり、右目が見えていないかのような素振りを見せることがあります。単行本93巻(アニメ版909話～910話)では右目が見えないシーンが描かれ、さらに単行本97巻(アニメ版1011話～1012話)ではコナンが「右目に何かしらの障害がある」と確信するシーンも描かれていました。 加えて単行本91巻(アニメ版889話～890話)における強盗団との戦いでは、本性を見せるときにメガネの右側が反射して隠れるという思わせぶりな演出も。隻眼はラムの特徴のひとつとして挙げられるため、若狭＝ラムなのではないかと考察する読者も数多くいました。

アニメ『名探偵コナン』で若狭を演じたのは平野文です。彼女は昭和版『うる星やつら』でラムちゃんの声を担当していたため、これも「若狭＝ラム」説を補強する材料のひとつとされていました。 ちなみに平野文は令和版『うる星やつら』でラムちゃんの母親役を担当しており、かつてのラムちゃんファンをあっと驚かせています。

単行本92巻FILE.10「真っ白な気持ち」(アニメ版897話～898話)で、ラムの正体である脇田兼則が若狭の名前を見て「トンチがきいている」と発言しています。これにより「若狭の名前には何らかの秘密が隠されている」と囁かれるようになりました。 本作には言葉を分解し並べ替えるアナグラムが頻出します。脇田の発言をヒントに若狭留美(WACASA RUMI)という名前をアナグラムにすると、なんと「浅香(ASACA)」と「ラム(RUM)」の文字が浮かび上がってくるのです。 さらに何パターンかの文章を作ることができ、その内容は様々。そのなかで若狭の正体を示すものとしては、①彼女は浅香でありラムでもある、②彼女はラムであり、浅香に呼びかけている、③彼女は浅香であり、ラムに呼びかけている、の3つがあります。

レイチェル・浅香をボディガードとして雇っていた、資産家のアマンダ・ヒューズ。2人の関係は単行本104巻FILE.4「達眼の悪魔」(アニメ未放送)で明らかになっていきます。 浅香はかつてアマンダのボディガードを務めていた父親の後を継ぎ、同じ仕事をしていました。両親を亡くし身寄りがなかった彼女は、アマンダのもとで育ち一人前になっていきます。ふたりは単なる雇用主とボディガードというだけでなく、まるで親子のような関係を築いていました。 アマンダは浅香を娘のように可愛がっており、彼女の将来を気にかけていたようです。一方で浅香もそんなアマンダを慕い、何があっても守ろうと決意していました。

若狭がずっと持っていた将棋の駒。これに関する真相が明らかになったのは単行本104巻FILE.5「遠見の角行」(アニメ未放送)です。かつて羽田は自らの命と引き換えに黒の組織から浅香を救っていました。このとき彼女にお守りとして渡していたのが「角行」の駒です。 浅香は羽田からもらったこの駒をずっと大切に持ち続けています。そのため一時は2人のあいだに恋人説も噂されていましたが、その後の展開で羽田が好意を寄せていただけだと判明します。ただ若狭もその駒を持ちながら羽田を何度も思い出しているため、彼を大切に想っていることは確かなはずです。

すでに紹介した通り、若狭はラムに強い恨みを持っており彼に復讐することを目的としています。ただし彼女は目的のためなら手段を選ばず、他人を犠牲にすることもいとわない一面を持っており、その点でコナンたちと相容れないといえるでしょう。 実際、2023年2月22日発売の『週刊少年サンデー』に収録された「女王の謀」では、同僚であり一般人でもある小林先生を平気で囮にするというとんでもない行動を見せていました。

ラムへの復讐を目論む元ボディガード・浅香としての素顔を持つ若狭留美。目的のためなら手段を選ばない危うい人間でもあり、今後物語にどう絡んでくるのかハラハラしますね。 コナンたちの味方になるのかどうかも気になるところです！