2019年9月4日更新

三谷幸喜・監督の映画8本を紹介!日本の喜劇王が手掛ける新作『記憶にございません!』もヒットなるか?

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ステキな金縛り

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三谷幸喜・監督の映画8本を紹介!コメディ界をけん引する喜劇王

三谷幸喜は閉鎖的な空間を舞台に、過激な演出を無くした理詰めの笑いを描く、「シットコム(シチュエーション・コメディ)」的な作風を得意としています。 邦画では長い間、「欧米のような抱腹絶倒のコメディ・喜劇映画は生まれない」と言われた中、彼の登場は革命的なものでした。笑えて泣けて、心温まる人間模様も絡むという、日本版喜劇とはこれだ!と決定付けたと言っても過言ではないでしょう。 決まった俳優を何度も起用することでも有名で、時には同じ役で複数作品に登場する小ネタを楽しめるのも、三谷映画の特徴ですね。 この記事では、喜劇王・三谷幸喜の監督映画8本を一覧にして紹介します。

三谷幸喜のプロフィール

三谷幸喜は1961年7月8日生まれ、東京都世田谷区出身です。日本大学芸術学部在学中、1983年に劇団「東京サンシャインボーイズ」を結成し、演劇活動を始めました。 巧みな“笑い”を武器に、小劇場ブームの中心的存在になると同時に名作ドラマ『古畑任三郎』(1994)などの脚本を手掛け、90年代後半のTVドラマ界を席巻!1997年に映画監督デビューを飾り、映画界でも確固たる地位を確立しました。 私生活では1995年に女優・小林聡美と結婚するも、2011年に離婚。2013年に元女優のyumaと再婚し、2014年6月には男児が誕生しました。天才と呼ばれる作家故か、特に執筆中は神経質かつ気難しい一面もあるとのこと。 小林との結婚生活では舞台の仲間はおろか、訪ねてきた義父すら家に招き入れなかった、など数々のエピソードが存在しています。

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三谷幸喜監督の映画8本を一挙紹介!

ここから三谷幸喜が監督を務めた映画8本を紹介していきます。興行収入60億円を叩き出した『THE 有頂天ホテル』や、『記憶にございません!』を含む2019年最新版です!

1.『ラヂオの時間』(1997年)

三谷幸喜の記念すべき映画監督デビュー作は、劇団「東京サンシャインボーイズ」の代表作を、三谷自らの手で映画化した『ラヂオの時間』。 普通の主婦・鈴木みやこは、自分の脚本が初めてラジオドラマに採用されることになり喜ぶも、主演女優・千本のっこの横暴でスタッフはパニックに!?本番直前、ストーリーが次々と変更されていき、怒ったみやこはスタジオに立てこもりますが……。 主演は鈴木京香、わがまま女優役の戸田恵子、西村雅彦(現・西村まさ彦)らが脇を固めたほか、ドラマ『古畑任三郎』から中浦たか子(桃井かおり)が登場しました。舞台で培った抜群のテンポ、シットコムの魅力が詰まったドタバタ劇で、三谷監督の原点と言える作品です。

2.『みんなのいえ』(2001年)

映画『みんなのいえ』は三谷幸喜自身の実体験を基に、放送作家の主人公とその妻の新居の建築を巡る騒動を描く、ドタバタのホームコメディです。 お洒落なマイホームを夢見て、家の設計を新進気鋭のインテリア・デザイナーに、施工は妻の父親で昔ながらの大工に頼んだからさぁ大変!世代間の価値の対立の中に、クスッと笑える日常の「あるある」を交えた柔らかな視点が存在し、三谷監督のセンスが感じられます。 頼りなさ気な夫を「ココリコ」の田中直樹が、その妻を元フジテレビアナウンサーの八木亜希子が好演し、奇抜なキャスティングが光りました。主演の唐沢寿明と田中邦衛のバトル、『ラヂオの時間』から千本のっこなど複数キャラが再登場したのも見どころです。

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3.『THE 有頂天ホテル』(2006年)

興行収入60.8億円と、三谷映画トップ(2019年現在)となる成績を収めた『THE 有頂天ホテル』。これを観ずに三谷幸喜は語れないでしょう。 物語の舞台は、大晦日の夜の高級ホテル。脳天気な総支配人、議員の元愛人、神出鬼没のコールガールなどなど……訳ありな男女23人の大騒動を描きます。カウントダウンの準備に奔走する副支配人役の役所広司を筆頭に、松たか子、佐藤浩市など三谷ファミリーが総出演しました。 本作は通称「グランド・ホテル形式」という、同じ時間・場所に集まった複数の人びとの視点から一つの出来事を追う表現技法が使われています。散りばめられた伏線を、ラストで一気に回収する三谷監督の手腕が見事でした。

4.『ザ・マジックアワー』(2008年)

港町を舞台に、売れない俳優がマフィアのボスの愛人に手を出した男・備後に巻き込まれ、伝説の殺し屋を演じて奔走する『ザ・マジックアワー』。 命乞いのため三流俳優・村田大樹を殺し屋に仕立て上げる備後、村田を本物だと信じるマフィアたち、映画の撮影だと思いこむ村田。コントのような“すれちがい”が笑いを誘い、ギャングものにしては露骨な表現が少ないこともあって、幅広い層に支持されました。 いつもと一味違う三枚目を好演した佐藤浩市が主演を務め、妻夫木聡、深津絵里や綾瀬はるから主役級キャストが勢ぞろい。劇中劇に3本の映画が登場し、うち1作の『黒い101人の女』の監督役を演じた、故・市川崑監督の最後の出演作としても有名です。

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5.『ステキな金縛り』(2011年)

興行収入42.8億を記録し、2011年の邦画興行成績第3位に輝いた『ステキな金縛り』。へっぽこ弁護士と、落ち武者の凸凹コンビによる法廷サスペンスコメディです。 主人公・宝生エミが、「旅館で金縛りにあっていた」という被告人のアリバイをただ一人、証明できる幽霊と共に法廷で奮闘します。現実主義者の検事に信じてもらおうと、あの手この手でアピールする様を、ユーモア溢れるタッチで描きました。 『12人の優しい日本人』の脚本で、法廷ものの名手として名を馳せた三谷。本作はミステリー、ファンタジーなど多要素が入り混じり、独特の世界観になっています。主演は深津絵里、名優・西田敏行が怪演を披露し、中井貴一や阿部寛ら豪華俳優陣が集結しました。

6.『清須会議』(2013年)

日本史上、初めて血を流さず話し合いで歴史が動いたとされる「清須会議」。日本のターニングポイントを題材にした三谷自身の同名小説を、役所広司主演で映画化しました。 1582年7月16日、「本能寺の変」で討死した織田信長の後継者および領地の配分を決定すべく、清須城で会議が開かれることに。織田家筆頭家老・柴田勝家、羽柴秀吉が後継者候補となり、両派閥の思惑が見え隠れする駆け引きの模様が描かれます。 お得意の群像コメディに加え、大河ドラマ『真田丸』(2016)などの脚本を務めた三谷監督の、歴史好きっぷりが発揮された作品。そんな群像劇✕時代劇に、大泉洋や小日向文世、佐藤浩市ら豪華キャストが集結し、壮絶な舌戦を繰り広げました。

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7.『ギャラクシー街道』(2015年)

西暦2265年、近未来のスペースコロニーと地球を結ぶ幹線道路、通称「ギャラクシー街道」を舞台にした人間(?)模様を描く『ギャラクシー街道』。 本作は登場人物全員が宇宙人!街道の片隅でハンバーガーショップを営む宇宙人夫婦ノアとノエの元に、さまざまな惑星から、生々しくも真剣な悩みを抱えた宇宙人たちがやって来て……。三谷幸喜監督が初めてSFに挑戦し、スペースロマンティックコメディに仕上げました。 主演は香取慎吾、ヒロインを演じた綾瀬はるかの他、三谷組初参戦の遠藤憲一、大竹しのぶ、小栗旬らが出演。遠藤憲一が、出産シーンもある両性具有の宇宙人を演じたりと、ベテランたちがこれまでにない姿を見せる様子に思わず笑ってしまいます。 賛否両論ある作品ではありますが、三谷監督が新境地の開拓を試みた作品として、必見の一本と言えるでしょう。

8.『記憶にございません!』(2019年)

2019年9月13日公開の『記憶にございません!』。三谷幸喜監督作品8作目は、記憶を失った総理大臣のドタバタ劇を描く、政界ファンタジー&コメディです。 三谷映画初の政界コメディの主人公は、史上最低の支持率を誇る総理大臣・黒田啓介。彼はある日、市民が投げた石が頭部に直撃し、何と記憶喪失に!?真実を知る秘書たちの支えもあり、誠実に政治に取り組み始めた啓介はやがて、夢と理想を取り戻していきます。 主演キャストは『みんなのいえ』、『ステキな金縛り』などに出演した三谷組常連の中井貴一で、共演にはお馴染みの佐藤浩市も!今回が初参加となるディーン・フジオカ、石田ゆり子らとどんな化学変化を起こすのか、とても楽しみですね。

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キャストの新たな一面を引き出す三谷ワールドから目が離せない!

三谷幸喜は喜劇王であるだけでなく、全8作品に出演した梶原善を筆頭とする演劇人と、映像の世界の架け橋となった功績を持っています。 役所広司、佐藤浩市ら二枚目俳優を三枚目キャラに落とし込み、見事な笑いに昇華させているのは他の作品では観られない姿ではないでしょうか。それが可能なのは、三谷監督が役者の新しい一面を引き出すことを考え、全ての役を当て書きにしているからだと言えます。 演技の幅を広げようと、三谷映画への出演を熱望する俳優・女優も多いのだとか。次は誰が三谷ワールドで新たな魅力を披露するのか、今後も目が離せません!