2020年10月23日更新

【考察】ダーズリー家がハリーをあんなにも憎む本当の理由とは?叔母が抱いていた複雑な想い

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『ハリー・ポッターと賢者の石』ダーズリー家
© WARNER BROS./Zeta Image

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「ハリーポッター」のダーズリー家に関する考察 なぜハリーを憎むのか?

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
©︎ Warner Bros./Photofest/zetaimage

「ハリーポッター」シリーズで主人公ハリー・ポッターが普段過ごしているダーズリー家。本編を見た人はわかると思いますが、彼らのハリーへの扱いは目を背けたくなるほど酷いものでした。 なぜそんなにもハリーは憎まれているのか?本記事ではその理由を徹底的に考察します。

ペチュニアとリリーの姉妹関係

ペチュニアはハリーの叔母です。彼女は実の妹であり、ハリーの母でもあるリリーを嫌っていますが、そもそもなぜ嫌い始めたのでしょうか。その理由は、妹であるリリーへの嫉妬心からです。 これに関して映画では全く描かれていませんが、もともとリリーとペチュニアは仲の良い姉妹でした。 しかしペチュニアは、妹が魔女になったのが羨ましく、リリーを徹底的に嫌うようになってしまったのです。彼女はダンブルドアに宛てて、「自分もホグワーツに入れてほしい」という手紙まで書くほどでした。 リリーへの羨望が嫉妬や憎しみに変わり、彼女を嫌うようになったペチュニア。そのため、必然的に妹の子供であるハリーに対しても嫌悪感を抱くようになったと考えられます。

ジェームズVSバーノン

『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、リリーがホグワーツ魔法魔術学校最後の年に、ダーズリー家とポッター家の確執が始まったことが判明します。 リリーがペチュニアと彼女の婚約者だったバーノンにジェームズを紹介するため食事会を開いた際、バーノンとジェームズの喧嘩が勃発したことなども描かれました。 原作者のJ・K・ローリングは、これについて以下のように振り返っています。 「バーノンがジェームズをからかうために不愉快にさせる質問をし続けた結果、事態はドロドロになり、話は次第に政治的になっていきます。バーノンは魔法使いが失業手当で生活していると思い込み、そのことを話題に出しました。ジェームズはそれに反論するように、彼の両親が自分のために生前貯金していた財産が保管されているグリンゴッツ魔法銀行のことを持ち出します」 両者の関係は一向に良くなることはなく、結局ハリー誕生の知らせを最後に、リリーはペチュニアに手紙を送らなくなりました。

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ジェームズとセブルス・スネイプの関係にも似ている?

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 スネイプ
© Warner Bros.

またローリングは、バーノンがハリーを軽蔑する理由はセブルス・スネイプと通ずるものがあると説明しています。 ホグワーツ魔法魔術学校の教師であるスネイプは、リリーやジェームズの同級生です。学生時代、スネイプはリリーにスリザリン入寮を勧めたことがありました。 それを聞いていたジェームズが、「スリザリンに入るくらいなら退学する」と口を挟んできたことから激しく対立し、関係性は悪化。少なからずリリーに好意を抱いていたスネイプは、そんな最悪な相手とリリーの関係に嫉妬していたと思われます。 スネイプ同様、バーノンもジェームズとは犬猿の仲だったので、ハリーを見る度にジェームズを思い出してしまうのでしょう。

そこまで嫌う甥っ子を追い出さない理由とは

ヴォルデモート
© Warner Bros.

ヴォルデモートにより両親が殺され、ハリー自身もヴォルデモートによる死の呪いを受けます。しかしリリーは死ぬ直前に、息子を守ろうと愛による「護りの魔法」を無意識にハリーに残していました。 それ以後、護りの魔法はハリーの血の中で生きることになりますが、この魔法の仕組みに気づいたのはダンブルドアただ1人。彼は護りの魔法に細工を加え、“ハリーがリリーと同じ血が流れる者の元を家とすれば、この保護は継続する”状態にしました。 そして、ダンブルドアはこのことを手紙に書いてペチュニアに伝え、彼女はハリーを引き取ったのです。ペチュニアはハリーを嫌ってはいますが、ダーズリー家の中で唯一ヴォルデモートがいかに恐ろしいかや、魔法界で何が起こっているかを知っています。 ペチュニアはバーノンにも真実を話さず、ダンブルドアの命令を1人で守り抜いたのでした。

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ペチュニア・ダーズリーが抱いていた複雑な思い

ペチュニアはハリーを嫌う一方で、彼を憎むことに少しためらいを見せる部分もあるとローリングは言います。 「私は最終巻で妹リリーに対する、遠く昔に忘れてしまった愛情のようなものを表現したかったのです。それはハリーを見送るときにペチュニアが見せる、認めたいけど認めたくない、長く葬られていた複雑な感情です。読者のなかには、この別れの場面のペチュニアをもっと見たかったと言う人もいますが、これまでの全巻で彼女の思いや感情を一貫して表現してきたと思っています」