ハグリッドの悲しい過去とは 心優しき森の番人を徹底解説【ハリー・ポッター】
ハリーを見守り続けた心優しい森の番人ハグリッド
J・K・ローリングによるファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズは2001年から10年をかけて実写映画化されて以来、映画シリーズも世界中で愛されています。 魅力的な登場人物ばかりですが、中でもハリーが初めて出会った魔法使いであり、彼の波乱万丈な青春をいつも近くで見守っていた友人ルビウス・ハグリッドはその見た目からもインパクトのあるキャラクターのひとりです。 ハグリッドは、魔法使いの父ハグリッド氏と巨人族の母フリドウルファとの間に生まれた半巨人。1940年にホグワーツ魔法魔術学校に入学し、グリフィンドール寮に組み分けされましたが、3年生の時に秘密の部屋事件によって退学処分に。ダンブルドアの計らいで森の番人としてホグワーツに残ることになり、それ以来彼には絶対の忠誠心を持っています。 不死鳥の騎士団の創立メンバーの一人であり、騎士団が再結成した時も参加し、第一次・第二次魔法戦争の両方に参戦しています。1993年にはホグワーツの魔法生物飼育学の教授に就任しました。 この記事では、ルビウス・ハグリッドの生い立ちや悲しい過去から、ホグワーツを退学になった理由にも明かしていきます。さらに、彼の生涯の趣味である魔法生物の飼育や守護霊について解説し、ハグリッド役の俳優・声優も紹介したいと思います。 ※本記事には「ハリー・ポッター」シリーズに関するネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
ハグリッドの生い立ちと悲しい過去
ハグリッドは1928年12月6日に生まれ、イングランド西部地域ディーンの森付近で幼少期を過ごしました。彼が3歳のころ、母フリドウルファが巨人族の元に戻り、父と二人きりに。母の記憶はほとんどなく、あまり良い母ではなかったよう。父ともハグリッドがホグワーツ2年生の時に死別しています。 両親を亡くしたハグリッドは、3年生の時にさらに悲しい事件に巻き込まれます。秘密の部屋事件が起こり、彼が飼育していた巨大蜘蛛アラゴグが女子生徒マートルを死なせたことで、退学処分になってしまうのです。 しかし実はこれは、のちにヴォルデモート卿となるトム・リドルの犯行を隠すため仕組まれた濡れ衣。ダンブルドアに救われたものの、魔法使いとして勉強する道を断たれてしまいました。
なぜホグワーツを退学に?
ハグリッドが退学になった原因である秘密の部屋事件とは、トム・リドルが巨蛇バジリスクを使って女子学生マートルを殺害した事件。スリザリンが造った「秘密の部屋」の分霊箱が目当てでしたが、部屋の入り口が女子トイレに隠されていたため、マートルが犠牲になってしまいました。 トム・リドルは容姿端麗・成績優秀で教授陣の受けもよく、当時監督生も務めていました。危険なアラゴグを飼ったりと普段の素行が良くなかったハグリッドに目を付け、ハグリッドとアラゴグに罪を被せたのです。 ハリーがホグワーツに入学し、再び秘密の部屋で事件が起きた際は再犯を疑われ、アズカバン牢獄へ収監されてしまいます。ハリーが事件を解決した後は、トム・リドルが起こした事件も含めて無実が認められ、名誉も回復されました。
ハグリッドと魔法生物たち
魔法生物の知識に精通していたハグリッドは、名誉を回復した後、ホグワーツの魔法生物飼育学の教授に任命されます。猫以外の動物はすべて愛でる対象ですが、危険な珍獣猛獣を飼いたがるのが難点。 退学後は禁じられた森の番人として、森の魔法生物を管理し、危険生物から生徒たちを守る役割を果たしていました。秘密の部屋事件で罪を着せられたアラゴグはこの森に逃がしています。 ハグリッドは禁じられた森に棲むケンタウルスとも友好関係にあり、ホグワーツの戦いでは共闘もしています。一方、危険な魔法生物「尻尾爆発スクリュート」を自ら交配して作り出すなど、魔法生物関係のトラブルは尽きないよう。どうもニュート・スキャマンダーに似たところがあるようですね。
守護霊を出すことができない?J・K・ローリングが明かした秘密とは
ハリポタファンの間ではハグリッドの守護霊が登場しないことが話題になっていたようですが、原作者のJ・K・ローリングが自身のTwitterでファンへの返信として、その理由を明らかにしています。 そのツイートによれば、「ハグリッドは守護霊を創り出せない。その呪文はとても難しいものだから」とのこと。守護霊を呼ぶ呪文といえば「エクスペクト・パトローナム (守護霊よ、来たれ)」ですが、これはかなり高度な呪文で、使える人物も限られているようです。 ということは、3年生で退学になってしまったハグリッドがこの呪文を使えないのは仕方のないことなのでしょう。さらにいえば、この呪文を唱える時は幸せな思い出を思い浮かべなければいけないそうで、母に捨てられた幼少期を過ごしたハグリッドにはこれも難しいのかもしれません。
ハグリッドを演じた俳優・声優を紹介
シリーズを通してハグリッドを演じたのはロビー・コルトレーン
ハグリッド役をシリーズ通して演じてきたのは、スコットランド出身の俳優ロビー・コルトレーン。1950年3月30日生まれの舞台俳優・コメディアンで、身長185センチの大柄な人物です。 1993年からスタートしたイギリスのテレビドラマ『心理探偵フィッツ』では、主人公の臨床心理学博士フィッツを演じて一躍有名に。1995年と1999年には、ピアース・ブロスナン主演の「007」シリーズ作に、ロシアの犯罪王ヴァレンティン・ズコフスキー役で二度出演しています。
ハグリッドの日本語吹き替え声優を務めたのは斎藤志郎
映画シリーズでハグリッドの日本語吹き替え声優を担当したのは、文学座所属の俳優・斎藤志郎です。アニメや海外映画・ドラマの声優としても活躍しており、ゲーム「レイトン教授」シリーズではスコットランドヤードのチェルミー警部の声も担当しています。
荒っぽいけど心根は優しい!魅力たっぷりのハグリッド
見た目は大柄で髭はぼうぼう、半巨人のため力も半端なく強く、危険な魔法生物を好んで飼育するなど厄介なところもあるハグリッド。しかしその心根は優しく、ハリーの長年の友人として、ホグワーツ入学からずっとそばで見守ってきました。 恩人ダンブルドアに対する忠誠心も一貫しており、ヴォルデモートととの戦いでも大活躍しました。そんなハグリッドの活躍にも注目して、全シリーズ作品を今、鑑賞してみてはいかがでしょうか?