2017年7月6日更新

リチャード・ハリス、『ハリー・ポッター』初代ダンブルドア校長の軌跡を辿る!

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ハリー・ポッターと賢者の石 ダンブルドア校長
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リチャード・ハリスのプロフィール

リチャード・ハリスは、1930年10月1日生まれ、アイルランド出身の俳優です。9人兄弟の5番目としてリムリックで育ったハリスは、カトリック系の寄宿学校で教育を受けました。 そしてロンドンで舞台役者として長い下積み時代を送ったのち、映画界へ進出。渋いバイプレイヤーとして活躍しました。 現在では晩年に演じた、『ハリー・ポッター』シリーズの初代ダンブルドア校長としての姿が最も知られているのではないでしょうか。 残念なことにハリスは2作目である『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に出演後、この世を去ってしまいました。今回はそんな名優リチャード・ハリスの軌跡を辿ってみます。

ラグビー選手から演技の道へ

寄宿学校でリチャード・ハリスはスポーツの才能を現し、ラグビー選手として活躍しました。アイルランドのプロチーム、マンスターが主催する学生大会のジュニア部門とシニア部門に学校代表として参加し、一時期は地元のプロチームであるゲリーオウェンでもプレイしています。 しかし、結核にかかってしまったことがきっかけでラグビーをやめました。しばらくした後に映像の仕事に関わることを目指し、イングランドに渡ります。 ディレクター志望でしたが、当時は仕事に直接関係する学校がなかったため、少しでも関連する道に進もうとロンドン演劇学校に入学。炭鉱で働きながら学校では熱心に学び、自ら出資して公演を打ったりもしています。学校を卒業した後は、劇団に所属し舞台俳優として活動を始めました。

初期出演映画『孤独の報酬』で男優賞受賞

1958年にハリスは『地獄で握手しろ』で映画デビューを果たします。その後、『ナバロンの要塞』などいくつかの映画に出演し、1963年に主演した映画『孤独の報酬』でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞しました。 この作品でハリスが演じたのは、元炭鉱作業員でラグビーのスター選手のフランクです。フランクは、未亡人のマーガレットに思いを寄せ、彼女をしあわせにするため作業員からラグビー選手に転身します。なかなか心を開こうとしないマーガレットを一途に思い続けながらも、スター選手に昇りつめていくフランクは傲慢な態度をとるようになっていきます。 ハリスは粗野でありながらも女性のために人生を変えてしまった男を演じ、その演技が高く評価されました。

代表作となった『許されざる者』

クリント・イーストウッド監督、主演の1992年の映画『許されざる者』は、第65回アカデミー賞作品賞を受賞したハリウッド西部劇です。 『許されざる者』は、 1881年のワイオミング準州を舞台に、娼婦の顔に傷をつけた賞金首を追うカウボーイたちを描いた物語です。この作品でハリスは鉄道会社に雇われ、多くの中国人を撃ち殺したという伝説を持つ英国人、イングリッシュ・ボブを演じました。 当初イングリッシュ・ボブは、英国紳士らしい振る舞いと伝説に違わない腕前を披露していました。しかし、賞金首がいるという町に着いたとたん、保安官に武器を取り上げられ、情けない過去を暴露されてしまいます。 この役で名脇役としての存在感を示し、『許されざる者』はリチャード・ハリスの俳優人生の代表作の一つとなりました。

ハリウッド進出時代のその他の作品

『キャメロット』(1967年)

ジョシュア・ローガン監督によるローマ帝国を舞台にしたミュージカル映画です。 リチャードは、アーサー王役で主演を果たしました

『ジャガーノート』(1975年)

船上を舞台に、時限爆弾を巡るのスリルをアクション満載で描いています。本作では、爆発物処チームを率いる海軍中佐役で主演。名優アンソニー・ホプキンスとの共演も果たしています。

ハリーポッターシリーズではダンブルドア校長を演じる

リチャード・ハリスは、『ハリー・ポッター』シリーズの1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』と2作目『ハリー・ポッターと秘密の部屋』に出演し、魔法学校ホグワーツのダンブルドア校長を演じました。 ハリスは当初この役のオファーを断るつもりでいましたが、原作のファンである孫娘から「ダンブルドアを演じないなら、もう口をきいてあげない」と言われ、引き受けることにしたそうです。 偉大な魔法使いでチャーミングな性格でもあるダンブルドアを見事に再現したハリスの演技は好評を博しました。 しかし2作目『ハリー・ポッターと秘密の部屋』を演じきり、公開年となった2002年にハリスはホジキンリンパ腫で72歳の生涯を終えました。 3作目以降は、ハリスと同じアイルランド出身の俳優、マイケル・ガンボンがダンブルドア役を引き継いでいます。

リチャード・ハリスの最終出演作となった『ジュリアス・シーザー』

2002年にハリスは歴史テレビ映画『ジュリアス・シーザー』に出演しました。 ハリスが演じたスッラは共和制ローマの軍人・政治家で、議会から民衆派を追放し独裁官として強固な元老院派の政権を作り上げた人物です。スッラが作り上げたこの元老院政権は、後にシーザーによって倒されることになります。 そしてこの作品が、ハリスの遺作となりました。

リチャード・ハリスは死してなお

死去の翌年2003年には、英国インディペンデント映画賞がハリスの功績を讃え、リチャード・ハリス賞を設立しています。 ハリスは他にも傭兵映画の傑作である『ワイルド・ギース』(1978)や『パトリオット・ゲーム』(1992)などなど、数多くの名作に出演しました。名バイプレイヤーの軌跡を更に深く振り返ってみるのもいいのではないでしょうか。 2006年、長年計画されていたハリスの等身大銅像がアイルランドに設置されました。母国の英雄としてハリスは人々の中に生きているのかもしれません。

リチャード・ハリス出演おすすめ映画6選

1:第二次世界大戦下、エーゲ海域におけるイギリス軍とドイツ軍の戦いを描く【1961年】

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子供の頃にしょっちゅうTVでやってました イギリスの特殊部隊が孤島を要塞にした島を制圧する話しで 戦争映画なのだけど反戦要素ゼロでアクション娯楽作品に徹しています、個人的にはデヴィッド・ニーブンのすっとぼけた上品さが好き、今観ても楽しめるかは考慮していない★★★★なのですが機会があれば観ていない方はどうぞ。

錚々たるキャストが名を連ね、J・リー・トンプソン監督の最高傑作とも言われる名作です。第34回アカデミー賞特殊効果賞、第19回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)を受賞しました。 ギリシャのケロス島で孤立するイギリス軍兵士救出のため、連合軍はナバロン島にあるドイツ軍の2大砲門の破壊作戦を実行。マロリー大尉ほか6名の精鋭部隊が結成され、任務達成のため激しい戦いに身を投じていきます。 リチャード・ハリスは、冒頭でナバロン空爆に失敗する将兵役で出演しました。出番は短いですが、要塞の難攻不落ぶりを植え付ける役所として存在感を放っています。

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2:気まぐれな女スパイが繰り広げるアクション・コメディ【1967年】

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衣装も定番の音楽も失敗もこの時代の茶番感てなんでこんんんなにかわいいんだろう 衣装がかわいすぎるよなー60sは… もっとみたいね

フェルミナ社の産業スパイのパトリシアは、商売敵メイ・フォーチュン社に製品情報を売り渡そうとして警察に逮捕されます。今度は、メイ・フォーチュン社からスパイとして雇われますが、またも自社の情報を探り出そうとし始めて……。 リチャード・ハリスは、メイ・フォーチュン社の社長の部下であり、敵か味方かわからない謎の男クリストファー役で登場します。珍しいコメディ作品への出演ですが、戦争映画やパニック映画とはまた違った新たな一面が見られるかもしれませんよ。

3:列車爆破計画に巻き込まれた乗客たちのパニック・サスペンス【1976年】

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けっこう色々と乱暴なパニック映画。入り口は厳重に侵入を防いでるのに、部屋の中は普通のガラス窓って!偶然にも『ファイナル・カウントダウン』に続き、マーティン・シーンが役に立たない…。かと思えば、クライマックスの大惨事描写はトラウマ級に怖い。 華のあるソフィア・ローレンと、オープニングの空撮で見られるアルプスの山々の美しさが良かった。

ジュネーブの国際保健機構に侵入した過激派ゲリラの1人が、伝染性病原菌を浴びたまま大陸横断列車に逃亡!アメリカ陸軍は、事件の隠蔽のため乗客もろとも列車を爆破する計画を立てますが、それに気づいた乗客たちはパニックに陥ってしまいます。 リチャード・ハリスは、著名な神経外科医ジョナサン・チェンバレン役で出演。不穏な気配にいち早く気づき、他の乗客らを救出するため計画阻止のリードを取ります。ちなみに、本作で共演者したアン・ターケルと結婚(二度目)していました。

4:家族の復讐のためシャチが人間に牙を剥いた動物パニック【1977年】

Keimiyazato
Keimiyazato 3.5

ジョーズのヒットに便乗して作られた作品だろうけど意外に良く出来ていてびっくりした覚えがあります、子供を殺された親シャチが船長に復讐する話しですが安っぽいB級映画とは違います。

カナダに住む漁師のノーランは、水族館に売るため生け捕りにしようとしたメスのシャチを誤って殺してしまいました。シャチは妊娠しており、家族を殺されたオスの”オルカ”は復讐のためにノーランの仲間や港へ襲撃を始めます。 リチャード・ハリスは、過去の経験からオルカに同情しつつも、被害を阻止するため避けられない戦いへ向かうノーラン役で主演を務めました。 本作は、1975年に公開された『ジョーズ』の流れを汲む作品と言われますが、シャチを獰猛な野生動物ではなく、知能が高く家族愛を持つ動物として描いているところが見所です。

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5:第二次世界大戦後のアフリカを舞台に、報酬のために戦場へ向かう傭兵たちの闘い【1978年】

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1uhya 4.5

老いた元傭兵が黒人の大物を助け出すためにかつての仲間たちなどと一緒にアフリカで戦闘する話、というとありふれたアクション映画のようだけれど、これはアクションというよりヒューマンドラマでしょう。なかなか面白かった

元傭兵隊長のフォクナー大佐は、法外な報酬と引き換えにアフリカ某国の元大統領の救出を依頼されます。過去の戦友や集めた傭兵たちと共に救出を成功させますが、予想外の事態に一人、また一人と仲間が失われていって……。 実在の傭兵をアドバイザーに迎えた本作は、ストーリーや大迫力のアクションから傭兵物戦争映画の傑作と称されています。女性の登場はほぼなく、フォクナー大佐とリチャード・ハリス演じるレイファー大尉の男の友情、戦場の悲惨さなどが強調して描かれました。

6:古代ローマ帝国を舞台に、将軍から剣闘士になった男の数奇な運命【2000年】

HMworldtraveller
HMworldtraveller 4

ラッセル・クロウの風貌が、実直で骨太で男達に信頼される強い男マキシマスのキャラにピッタリはまり魅せてくれました。古代ヨーロッパ史を題材にしたものはあまり得意じゃないけどこれは良かった。その強さと人望の厚さ故に運命に翻弄され生きる主人公が男っぽくてカッコいいです。アカデミー主演男優賞も納得の円熟味ある渋い演技でした。対照的なキャラの新皇帝を演じるホアキン・フェニックスも力演と言えるのではないでしょうか。小心者で卑怯な皇帝ですが、父にも姉にも愛されず愛に飢えた彼は彼で哀れで、悪人だけど憎めませんでした。この作品は歴史もの・アクションものとしてではなく人間ドラマとして好き。ラッセルとホアキン、2人の熱演と物哀しくて美しい音楽がシンプルな物語を補って余りある重厚なドラマにしています。少々強引な設定や矛盾もありますが、もともと史実に忠実なドキュメンタリーではなくフィクションだし、そこは許容範囲かな。薄れていく意識の中で夢見る、故郷に帰って麦の穂を撫でながら歩くシーンが切なく印象的で心に残ります。

将軍アエリウス・マキシマスは、死期を悟った時の皇帝マルクス・アウレリウスから次期皇帝の座に就くことを依頼されました。しかし、それを知った皇帝の息子コモドゥスの謀略に陥れられ、復讐を胸に剣闘士として名を上げていくことになります。 商業的な成功も含め、アカデミー賞を始めとする36個の賞を受賞した名作。リチャード・ハリスは、第16代ローマ皇帝マルクス・アウレリウス役で出演しました。冒頭では南蛮との戦いに出陣し、争いの絶えないローマを共和制へ戻そうとしていた賢帝を見事に演じています。