2017年7月6日更新

ジブリだけじゃない!アニメ界を支える日本のアニメ映画監督13人

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庵野秀明 (KAWADE夢ムック)

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日本が世界に誇るアニメ映画監督たち

日本には、世界から評価されている数多くのアニメーション監督がいます。スタジオジブリの宮崎駿監督や高畑勲監督を御存知の方は多いでしょう。 今回は、様々な素晴らしいアニメを作ってきたスタジオジブリ以外のアニメーション監督をご紹介します。

懐かしい情景を描き切る世界観が秀逸 細田守

細田守監督は東映動画を経て、フリーとなってから『時をかける少女』で国内外から高い評価を受けました。続く『サマーウォーズ』で、アニメ監督しての地位を確立、『おおかみこどもの雨と雪』で、自身最高の興行収入42億円を記録し、日本アニメ界に無くてはならない存在となりました。最新作は『バケモノの子』。高い期待と注目を集めています。

難解でありながらも常に注目を浴び続ける 庵野秀明

アニメーター初期の頃は、ジブリの『風の谷のナウシカ』などにも参加していた庵野秀明監督。言わずと知れた『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの生みの親として有名です。テレビシリーズ後の完結編劇場版から10年、日本のアニメ界が自身の『エヴァンゲリオン』以降進化がないと言う事で、新劇場版を製作するに至りました。難解なストーリー、世界観でも常にトップを走り続けるアニメです。

世界的評価が高く1人が100回観ると揶揄される 押井守

スタジオジブリの宮崎駿監督と双肩を成す世界的アニメ監督です。押井守を評して「宮崎駿の映画は100人が1回は観る、押井守の映画は1人が100回観る」と言わしめる程の実力者です。特に『攻殻機動隊シリーズ』に対する人気と評価が高く、今後も活躍に大きな期待がかかる監督です。

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切なくノスタルジックな繊細さ 新海誠

ゲーム業界からの転身で見事に成功を収めた新海誠監督。これまで『ほしのこえ』や『雲の向こう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』など、思春期の主人公を配して繊細さの極地の様な映像美でファンを魅了してきました。SF的要素や、アクションなどは一切ない、現実的な現代劇を描く稀有な存在です。

庵野秀明監督の最有力後継者 京田知己

自身も『新世紀エヴァンゲリヲン』の庵野秀明監督を尊敬していると公言し、新劇場版にも参加した京田知己監督ですが、オリジナルの映画作品も高く評価されています。特に『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』などが有名です。

日本人初ピクサーアニメ監督 堤大介

スタジオジブリの宮崎駿監督の姪と結婚もしている堤大介監督。高校卒業後単身アメリカに渡り、絵画の勉強をし、ルーカススタジオを経てピクサーに入社しました。日本人としては初めて重要なポストを任され、ピクサーに無くてはならない存在になりました。現在ピクサーは退社していますが、今後はオリジナルのアニメを製作してくれる事を期待したい監督です。

長いキャリアと国民的アニメの創出者 富野由悠季

スタジオジブリの宮崎駿監督と並び評される富野由悠季監督。国民的ロボットアニメ『機動戦士ガンダムシリーズ』の生みの親と言えます。非常に長いキャリアと常に進化し続ける安定した実力の持ち主です。今後の活躍にも目が離せない1人と言えるでしょう。

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革新的なビジュアルセンスを放つ 湯浅政明

『ちびまる子ちゃん』や『クレヨンしんちゃん』といったテレビアニメ作品を手がけてきた湯浅政明。2004年の映画初監督作品『マインド・ゲーム』では、その斬新かつ革新的なビジュアルセンスを発揮しました。独特の作画から熱狂的なファンも多いアニメ映画監督です。 2013年には自身でアニメ制作会社サイエンスSARUを立ち上げて精力的に活動をはじめ、2017年には『夜は短し歩けよ乙女』、『夜明けを告げるルーのうた』と2本連続で作品を発表。前者は森見登美彦原作の恋愛小説を完全映像化し、後者では湯浅自身の完全オリジナル作品として、中学生と人魚との心の交流を繊細に綴り、さらに評価を高めました。

アニメのみならず実写作品も手掛ける 原恵一

1980年代後半からアニメ制作に携わり始めた原恵一は、『エスパー魔美』や『21エモン』といった藤子・F・不二雄アニメを経て、1992年から『クレヨンしんちゃん』の脚本・監督を務めます。中でも2001年の『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』と翌年の『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』は子供向け作品でありながら多くの大人を虜にしました。 2007年にオリジナル作品『河童のクゥと夏休み』を発表した後、続く『カラフル』で海外のアニメ映画祭で受賞を果たします。2013年には映画監督・木下惠介の青年時を描いた『はじまりのみち』で実写作品にも進出するなど、ジャンルを超えた活躍をしています。

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青春群像アニメの新旗手 長井龍雪

1976年生まれの長井龍雪は、脚本家・岡田麿里と、キャラクターデザイン及び総作画監督の田中将賀の同い年3人のトリオによるテレビアニメ『とらドラ!』で注目を集めました。続いて同トリオによる通称“あの花”こと『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が、普段アニメを見ない層も巻き込み、泣ける作品として大ヒットしました。 そして3人が再度トリオを組んだ2015年の劇場用アニメ『心が叫びたがってるんだ。』は、声を出せなくなった女子高生がミュージカルに参加することで言葉を取り戻す様を綴った青春群像ドラマとして大ヒットを果たし、2017年には実写化されました。なお長井個人としては、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の監督にも携わっています。

名作のリブートからオリジナル作まで幅広く活躍 神山健治

学生時代から自主アニメを製作していた神山は、2000年の『人狼 JIN-ROH』の演出を経て、押井守主宰の押井塾に参加します。神山の名を知らしめたのは、かつて押井が手掛け大ヒットした『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のテレビアニメ版『攻殻機動隊S.A.C.』シリーズで、原作や押井版とはまた異なる世界観の構築に成功しました。 他にも、自身で原作も手掛けた近未来サスペンス『東のエデン』や、石ノ森章太郎の『サイボーグ009』を現代設定に変えた『009 RE:CYBORG』などを発表。2017年の『ひるね姫 知らないワタシの物語』では、居眠り好きな女子高生のココネが不思議な夢を通して家族の秘密を探るファンタジーを描くなど、リブートやオリジナル作などジャンルを問わず幅広く活躍中です。

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ジャパニメーションの立役者 大友克洋

1954年生まれの大友は73年に『銃声』で商業漫画家デビュー。以降『童夢』、『気分はもう戦争』といった作品を発表します。83年の劇場用アニメ『幻魔大戦』にキャラクターデザインとして参加したのを機に、アニメ製作にも携わるようになりました。 彼の名を飛躍的に広めたのは、何といっても自身で原作・監督した1988年の『AKIRA』でしょう。近未来の日本を舞台に、超能力を軸にしたサバイバルドラマが国内外で高い評価を得て、「ジャパニメーション」と呼ばれる言葉を生み出すほどになりました。以降もキャラクターデザインや原案などといった形でアニメ製作を続けています。2013年には大友を含む名だたるアニメーターが競作したオムニバス『SHORT PEACE』に参加し、自身の原作『火要鎮』と『武器よさらば』のアニメ化に尽力しました。

海外のフィルムメーカーたちにも多大な影響を与えた 今敏

1963年生まれの今は、大学在学中に漫画家デビューして大友克洋のアシスタントとなります。91年に、その大友が原作・脚本を務めた劇場用アニメ『老人Z』の製作に携わったのを機に、アニメーターとして本格転身。97年の初監督作『PERFECT BLUE』は、『π』で鮮烈デビューを果たしたダーレン・アロノフスキー監督が次作『レクイエム・フォー・ドリーム』でシーンの模倣を行うなど、世界中にファンを生みました。 その後も『千年女優』、『東京ゴッドファーザーズ』とオリジナル作を精力的に発表。特に2006年の『パプリカ』はアメリカでもヒットし、クリストファー・ノーランが『インセプション』でやはりシーンを模倣するなど、海外のフィルムメーカーたちに多大な影響を与えました。しかし次の長編作『夢みる機械』を準備中の2010年8月に、46歳という若さで逝去。彼を早くに失ったのは日本アニメ界の大きな損失といえるでしょう。