2021年7月16日更新

【2021年最新版】細田守の映画作品一覧 世界に羽ばたくスタジオ地図の魅力

『おおかみこどもの雨と雪』
(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

スタジオ地図の細田守が監督した映画作品一覧【2021最新作も】

『サマーウォーズ』
(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

『サマーウォーズ』『バケモノの子』などで知られるアニメ監督・細田守。1991年に東映アニメーションに入社し、アニメーターとしてのキャリアをスタートさせ、多くの作品を手掛けてきました。 スタジオジブリに出向した経験などもあり、数々の人気作品に携わった細田は2005年に東映を退社。その後制作した映画『時をかける少女』は国内外で高い評価を獲得し、スタジオ地図を創立してからも名作を世に送り出し続けています。 そんな細田守が監督を務めた全作品を2021年に公開予定の最新作『竜とそばかすの姫』から順番に紹介。原点ともいえる「デジモン」まで遡っていきます。

細田守の経歴&監督作品

『竜とそばかすの姫』(2021年7月16日公開予定)

細田守最新作!ファンタジーと現実、2つの世界のアニメーションに注目

2021年7月公開予定の『竜とそばかすの姫』は、これまでの代表的な細田守作品と共通のモチーフが登場します。 主人公は自然豊かな高知県の田舎に住む女子高生のすず。父親と2人暮らしの彼女は、幼いころ母を亡くしたのをきっかけに大好きだった歌が歌えなくなっていました。あるとき全世界で50億人が集うインターネット上の仮想世界「U(ユー)」ですずは「ベル」という名の自分の分身を作ります。 歌えないはずのすずは、ベルになれば自然と歌うことができました。そして彼女は瞬く間に歌姫として大人気に。しかしベルのコンサート当日、会場に竜が乱入。彼女はその正体を知りたいと、竜に近づいていきます。 インターネットの仮想世界と現実世界の2つを描き分ける、細田守ならではの映像に期待が高まる本作。葛藤しながらも前に進もうとする主人公の勇気と希望の物語にも注目です。

『未来のミライ』(2018年)

4歳の少年が未来から来た妹とタイムトラベル!?

『未来のミライ』
©2018 スタジオ地図

細田守の最新作は4歳の少年・くんちゃんが未来から来た妹・ミライとの出会い、そしてそして冒険の中で巡り会う若かりし頃の家族とのふれあいを通して「兄」として成長していく物語、『未来のミライ』。 生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われ、戸惑う4歳のくんちゃん。そんな彼の前に、成長した妹のミライちゃんが未来からやってきます。 彼女に導かれ時間を超えた冒険に出たくんちゃんは、かつて王子だったと名乗る男や幼いころの母、青年時代の祖父などとの出会いを通して成長していくのでした。 くんちゃんの声には声優初挑戦となる上白石萌歌、妹のミライ役に細田作品3度目の出演となる黒木華が起用されたことでも注目された本作。 また日本人監督として初めてアニー賞長編インディペンデント作品賞を受賞したり、スタジオジブリ作品以外で初めてアカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートしたりと、海外でも評価の高い作品です。

『バケモノの子』(2015年)

細田守が繊細に描く、少年とバケモノが織り成す「親子の絆」の物語

『バケモノの子』
©2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

2015年公開の『バケモノの子』は、細田守が設立した「スタジオ地図」製作の長編アニメーション第2弾です。1999年公開の劇場版『デジモンアドベンチャー』以来、たびたびタッグを組んできた山下高明が作画監督を務めるなど、細田流エンターテインメントの集大成と言っていいでしょう。 物語の舞台は、人が住む世界に寄り添うパラレルワールド。そこでは「バケモノ」たちが人間と同じように暮らしています。ふとしたことからそこに迷い込んだ少年、九太が喧嘩自慢のバケモノ・熊徹に弟子入り。ふたりはぶつかり合いながらも、本当の親子のように絆を深めていきます。 子供時代の九太の声は、女優の宮崎あおいが担当。実は『おおかみこどもの雨と雪』以来、細田監督は宮崎の大ファンなのだとか。声優選びはキャラクターとの「人間性」の近さを大切にするという細田監督は、彼女の演技を「キャラクターと響き合っている感じ」と絶賛しています。

hon0711chi そもそもの構成が大好きです。ばけものの世界と渋谷という。映像や音響はほんと素晴らしい。 渋谷は知ってる光景ばかりで、写真のようにリアルでアニメの世界と現実が分からないほどでした。

話の中で表現されてる〈人間の弱く悪い部分〉というのがすごく共感できました。 ただ、なんだか話が少しカットされてるのか、難しく奥が深いのか、つかめない所がありました。いきなり、本を手に取っていたり、神のコメントだったり。もう一度観たいです。

『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)

おおかみこどもとお母さんの奇跡のような13年間を美しい映像で彩る

『おおかみこどもの雨と雪』
(C)2012「おおかみこどもの雨と雪」製作委員会

2011年に設立されたスタジオ地図の記念すべき第1作が、2012年劇場公開された『おおかみこどもの雨と雪』。宮崎あおいが演じる普通の女子大生・花がオオカミの血を引く青年と恋に落ち、やがて生まれたふたりの子どもを懸命に育てていく物語です。 この作品で細田監督は、13年間という時間の変遷をとても丁寧に描いています。夫の死は花の生活に大きな変化をもたらしました。そしてふたりのおおかみこどもたちは成長するにつれて野生を目覚めさせていきます。 子どもたちがおおかみと人間2つのアイデンティティと向き合う姿を見て、花自身も成長していくのでした。 悲喜こもごもの「変化」を見事に描き切ったのは、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』に続いて細田監督作品の脚本を手がけた奥寺佐渡子でした。『お引越し』や『八日目の蝉』など、実写映画でも濃厚な人間ドラマを得意とする奥寺。彼女の書いた風変わりな家族愛はとても魅力的です。

Aika__Kobayashi まずは作品の風景画の綺麗さ。まるで写真なんじゃないか?!と思うほどの細かい色使いには見入ってしまいました。

内容は…花の子育ての苦悩。そして、おおかみでもあり人間でもある雨と雪の葛藤。 子どもの成長は、親にとっては嬉しいことだけど、自分の手から離れていく寂しさも同時に感じる……。なんだかとても切ない気持ちを抱きました。 子どもたちはだんだん自分達で考え、選択していく。子どもの成長、そしてお母さんである花の成長に、がんばれ…!と伝えたくなる、そんな作品でした。

『サマーウォーズ』(2009年)

細田守節、炸裂!世界の危機に立ち向かう痛快ファミリーアクション

『サマーウォーズ』
(C)2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS

『時をかける少女』の大ヒットを受けて、注目が集まっていた細田守の3年ぶりの新作。それはコミックなどに原作を持たないオリジナル作品『サマーウォーズ』でした。2009年に公開され大ヒット、海外コンペでの評価は「時かけ」を凌ぐものもあります。 筋だてをシンプルに語るなら、お盆に田舎に集った親戚一同が仮想世界で起こったAIテロに立ち向かい、リアルワールドもしっかり救う物語。冴えない主人公の健二が少しだけ頼り甲斐のある男に成長していく過程もさることながら、大家族が力を合わせて危機に立ち向かう展開が実に痛快です。 細田監督のコメントによれば、こうした「大家族」や「アクション」を取り入れた映画は、当時は意外に少なかったのだとか。スタッフ内でも「なんだかわからない」と物議を醸し出したという『サマーウォーズ』というタイトルも含めて、チャレンジ精神溢れる要素が満載だったようです。

k1ller_aka_tKo あの「時かけ」を陵駕するほどの面白さ、家族の大切さに改めて気付かされる。コンピューター依存の現代社会を問題定義し、SNSなどのネットワークの管理体制や監視能力の限界、サイバーテロへの危機感、そしてそんな時代だからこそ、古き良きフィジカルのコミュニケーションや繋がりの大切さを描いている。 前作に続きひと夏の出来事を描くのが本当に上手で、何よりもこんなに久々に興奮した映画はない。面白いから迷ってるなら観るべき。 興味ないなら観るべき。むしろ買うべき。

『時をかける少女』(2006年)

人気SF小説を大胆な解釈で初アニメ化、細田守の代表作といえばこれ

『時をかける少女』
©「時をかける少女」製作委員会2006

『時をかける少女』は、筒井康隆の同名小説を原作としたSF作品。1983年には原田知世主演・大林宣彦監督で実写映画化されたことでも知られています。 ひょんなことから過去へ飛べる「タイムリープ」の力を手に入れた女子高生の紺野真琴。そんな彼女は、男友達の間宮千昭や津田功介とともに、何気ない日常のちょっとした瞬間をリセットしながら楽しく過ごします。真琴はそんな楽しい日々がずっとつづくはずだと思っていましたが……。 言わずと知れた細田監督の代表作。公開規模は決して大きくなかったものの、口コミで評判が広がってロングランヒットとなりました。

Eisuke__Hara 私にとって青春は大昔ですが、楽しい映画でした。 細田守監督の才、小気味のよさ、ストーリーの持って行き方、無駄のない編集。監督作品は時間を忘れさせてくれます。

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』(2005年)

細田守初監督長編作品!ファンも認めた人気シリーズの異色作

人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』は1999年10月スタートのテレビシリーズも大ヒットし、劇場アニメも2016年までに13本制作されました。その第6弾となる「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」を手がけた細田監督。彼にとって初めての長編アニメーション作品です。 悪魔の実を食べてゴム人間となった海賊モンキー・D・ルフィが率いる麦わら海賊団の面々が、パラダイスと言われているオマツリ島を訪れます。しかしそこにはさまざまな「試練」が待ち構えているだけでなく、恐ろしい秘密が隠されていました。 仲間との固い絆は「ワンピース」シリーズ全体を貫く大きなテーマ。この作品は、その崩壊の危機を深い焦燥感や不安感とともに生々しく描いています。アニメーター・すしおが手がけたアクが強めのキャラクターたちも含めて、ワンピースファンの間でも異色の作品として知られています。

gonbe73 2015/07/20 ワンピースにあるまじき展開。でもすごいなこれ。細田さんなりのワンピースというかルフィはこの島から出たあともずっと心の中にこの時の悔しい思いは残ってるんだろうなとか、鍛錬した2年間でオマツリ男爵に言われたことの答えを考えてたりするのかなとか色々考えさせられた。そしてなにより男爵悲しい…あれは泣くよほんと…誰も悪くないからつらい。

『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000年)

細田守の伝説的作品!大人が熱狂した冒険ファンタジー

2000年の東映アニメフェアで「ワンピース」とともに放映された『デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム!』。子供向けアニメとは思えない大胆不敵なコンテワークや緻密なストーリー性、凝った演出など、細田監督が作り上げた「新しさ」に熱狂したのは大人たちでした。 映画としては第2弾となるこの物語は、テレビ版の続編にあたるもの。ネットワークを侵略した強力無比のデジモンによって、世界中のシステムが大混乱に陥ります。デジタルワールドの冒険から戻ってきた少年たちはリアルワールドを救うために、再び激しい戦いに臨むことに。 この作品を通して細田監督はアニメ制作に携わる人々に大きな影響を与えました。たとえば『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』で注目される伊藤智彦監督。彼が細田監督との仕事に憧れ「時かけ」で助監督を志願するきっかけとなったのが本作なのです。

『劇場版ゲゲゲの鬼太郎 鬼太郎の幽霊電車3D』(1999年)

鬼太郎が3Dで飛び出す!細田守が描いた「ゲゲゲの鬼太郎」

水木しげるの人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』が初めてアニメーション化されたのは1968年のこと。当時はもちろんモノクロ作品でした。同じ原作漫画をおよそ30年後に初めて3Dアニメとして完成させたのが細田監督です。 彼が手がけた劇場版「幽霊電車3D」は、テストで赤点を取ってしまった少年が過去に戻れる幽霊電車に乗って旅をするというストーリー。わずか12分の短編ながら飛び出すアニメのインパクトは強烈でした。 ちなみに「幽霊電車」は、ひらがな表記の「ゆうれい電車」としてテレビシリーズでも4回登場しているとのこと。ただし作品の雰囲気はそれぞれに違うようです。

『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999年)

デジモンと細田守作品、伝説はここから始まった!

「僕らのウォーゲーム!」公開時、大人向けの作品解説本『デジモンムービーブック』が発売されて話題となりました。 解説本の発売までこぎつけたのは、前年の1999年に公開された『劇場版デジモンアドベンチャー』が人気を博したから。わずか20分の映画が、目の肥えた大人のアニメファンを虜にしたのです。 デジタルの世界で生まれた個性的なモンスターたちとそのパートナーに選ばれた少年少女の冒険物語の前日譚が、劇場で先行公開された『デジモンアドベンチャー』です。これ手掛けたのが、当時はまだ無名に近い細田守監督でした。 細田監督の斬新な映像表現やプロットは、新しい刺激に対して感度が高いアニメファンから喝采を受けました。しかし公開当時の観客満足度調査では、同時上映の『遊☆戯☆王』に負けてしまったそう。 そんな悔しさが細田監督の旺盛な「ファンサービス」精神を育んだのかもしれません。

細田守監督は日本のアニメ映画界の先駆者!今後のスタジオ地図にも期待

テレビアニメの劇場版から高い評価を獲得し、オリジナル作品でもファンを増やしてきた細田守。「青春」や「家族の絆」、「種族を超えた友情」などさまざまなテーマで日本だけでなく世界中の観客を魅了してきました。 美しいアニメーションで紡がれる成長物語の数々は、私たちの心に深いメッセージを届けてくれます。 いまや名実ともに日本のアニメ業界を牽引する存在となった細田監督と彼の会社・スタジオ地図。今後の更なる活躍に期待しましょう!