細田守が監督した全映画作品一覧【デジモンから最新作まで】

2017年10月13日更新

丁寧に表現されたアニメーション。そこに命を吹き込み、躍動感あふれる作品を作り続けている細田守監督のこれまでの作品を集めてみました。

細田守、数々の名作を生みだしたアニメ監督

『サマーウォーズ』『バケモノの子』などで知られるアニメ監督・細田守。1991年に東映アニメーションに入社し、アニメーターとしてのキャリアをスタートさせ、多くの作品を手掛けてきました。 スタジオジブリに出向した経験などもあり、数々の人気作品に携わった細田は2005年に東映を退社。その後、制作した映画『時をかける少女』や『おおかみこどもの雨と雪』が大ヒットを記録するなど今最も注目されているアニメ監督のひとりです。 そんな細田守が監督を務めた全作品を最新作『バケモノの子』から順にご紹介します。

細田守が繊細に描く、少年とバケモノが織り成す「親子の絆」の物語

『バケモノの子』(2015年)

2015年公開の『バケモノの子』は、細田守が設立した「スタジオ地図」製作の長編アニメーション第二弾です。1999年公開の劇場版『デジモンアドベンチャー』以来、たびたびタッグを組んできた山下高明が作画監督を務めるなど、細田流エンターテインメントの集大成と言っていいでしょう。 物語の舞台は、人が住む世界に寄り添うパラレルワールド。そこでは「バケモノ」たちが人間と同じように暮らしています。ふとしたことからそこに迷い込んだ少年、九太が喧嘩自慢のバケモノ、熊徹に弟子入り。ふたりはぶつかり合いながらもやがて、本当の親子のように絆を深めていきます。 子供時代の九太の声は、女優の宮崎あおいが担当。実は『おおかみこどもの雨と雪』以来、細田監督が宮崎の大ファンになってしまったのだとか。声優選びはキャラクターとの「人間性」の近さを大切にするという細田監督は、彼女の演技を「キャラクターと響き合っている感じ」と絶賛しています。

hon0711chi そもそもの構成が大好きです。ばけものの世界と渋谷という。映像や音響はほんと素晴らしい。 渋谷は知ってる光景ばかりで、写真のようにリアルでアニメの世界と現実が分からないほどでした。

話の中で表現されてる〈人間の弱く悪い部分〉というのがすごく共感できました。 ただ、なんだか話が少しカットされてるのか、難しく奥が深いのか、つかめない所がありました。いきなり、本を手に取っていたり、神のコメントだったり。もう一度観たいです。

おおかみこどもとお母さんの奇跡のような13年間を美しい映像で彩る

『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)

2011年に設立されたスタジオ地図の記念すべき第1作が、2012年劇場公開された『おおかみこどもの雨と雪』。宮崎あおいが演じる普通の女子大生・花がオオカミの血を引く青年と恋に落ち、やがて生まれたふたりの子どもを懸命に育てていく物語です。 この作品で細田監督は、13年間という時間の変遷をとても丁寧に描いています。夫の死は花の生活に大きな変化をもたらします。ふたりのおおかみこどもたちが成長するにつれて目覚め始める野生。それと真っ向から向き合う中で、花自身も成長していきます。 悲喜こもごもの「変化」を見事に描き切ったのは、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』に続いて細田監督作品の脚本を手がけた奥寺佐渡子でした。『お引越し』をはじめ『八日目の蝉』など、実写映画でも濃厚な人間ドラマを得意とする奥寺ならではの、風変わりな家族愛がとても魅力的です。

Aika__Kobayashi まずは作品の風景画の綺麗さ。まるで写真なんじゃないか?!と思うほどの細かい色使いには見入ってしまいました。

内容は…花の子育ての苦悩。そして、おおかみでもあり人間でもある雨と雪の葛藤。 子どもの成長は、親にとっては嬉しいことだけど、自分の手から離れていく寂しさも同時に感じる……。なんだかとても切ない気持ちを抱きました。 子どもたちはだんだん自分達で考え、選択していく。子どもの成長、そしてお母さんである花の成長に、がんばれ…!と伝えたくなる、そんな作品でした。

細田守節、炸裂!世界の危機に立ち向かう痛快ファミリーアクション

『サマーウォーズ』(2009年)

『時をかける少女』の大ヒットを受けて、否が応でも注目が集まっていた細田守の3年ぶりの新作は、コミックやラノベといった王道的原作を持たない完全なオリジナル作品『サマーウォーズ』でした。2009年に公開され大ヒット、海外コンペでの評価は「時かけ」を凌ぐものがあります。 筋だてをシンプルに語るなら、お盆に田舎に集った親戚一同が仮想世界で起こったAIテロに立ち向かい、リアルワールドもしっかり救う物語。冴えない主人公の健二が少しだけ頼り甲斐のある男に成長していく過程もさることながら、大家族が力を合わせて危機に立ち向かう展開が実に痛快です。 細田監督のコメントによれば、こうした「大家族」「アクション」といった要素を備えた映画は、当時は意外に少なかったのだとか。スタッフ内でも「なんだかわからない」と物議を醸し出したという『サマーウォーズ』というタイトルも含めて、チャレンジ精神溢れる要素が満載だったようです。

k1ller_aka_tKo あの「時かけ」を陵駕するほどの面白さ、家族の大切さに改めて気付かされる。コンピューター依存の現代社会を問題定義し、SNSなどのネットワークの管理体制や監視能力の限界、サイバーテロへの危機感、そしてそんな時代だからこそ、古き良きフィジカルのコミュニケーションや繋がりの大切さを描いている。 前作に続きひと夏の出来事を描くのが本当に上手で、何よりもこんなに久々に興奮した映画はない。面白いから迷ってるなら観るべき。 興味ないなら観るべき。むしろ買うべき。

人気SF小説を大胆な解釈で初アニメ化、細田守の代表作といえばこれ

『時をかける少女』(2006年)

【あらすじ】女子高校生・真琴は、男友達の千昭と功介と一緒に放課後キャッチボールして過ごすなど、普通の青春を送っていた。しかしある時、タイムリープの方法を見つけてしまい.. 言わずと知れた細田監督の代表作。公開規模は決して大きくなかったものの、口コミで評判が広がっていき、ロングランヒットとなりました。

Eisuke__Hara 私にとって青春は大昔ですが、楽しい映画でした。 細田守監督の才、小気味のよさ、ストーリーの持って行き方、無駄のない編集。監督作品は時間を忘れさせてくれます。

細田守初監督長編作品!ファンも認めた人気シリーズの異色作

『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』(2005年)

人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』は、1999年10月スタートのテレビシリーズも大ヒットし、劇場アニメも2016年までに13本制作されました。その第6弾となる「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」を手がけたのが細田監督。彼にとっては初めての、長編アニメーション作品です。 悪魔の実を食べてゴム人間となった海賊モンキー・D・ルフィが率いる麦わら海賊団の面々が、パラダイスと言われているオマツリ島を訪れます。しかしそこにはさまざまな「試練」が待ち構えているだけでなく、恐ろしい秘密が隠されていました。 仲間との固い絆は、「ワンピース」シリーズ全体を貫く大きなテーマ。この作品は、その崩壊の危機を深い焦燥感や不安感とともに生々しく描いています。アニメーター・すしおが手がけたアクが強めのキャラクターたちも含めて、ワンピースファンの間でも異色の作品として知られています。

gonbe73 2015/07/20 ワンピースにあるまじき展開。でもすごいなこれ。細田さんなりのワンピースというかルフィはこの島から出たあともずっと心の中にこの時の悔しい思いは残ってるんだろうなとか、鍛錬した2年間でオマツリ男爵に言われたことの答えを考えてたりするのかなとか色々考えさせられた。そしてなにより男爵悲しい…あれは泣くよほんと…誰も悪くないからつらい。

細田守の伝説的作品!大人が熱狂した冒険ファンタジー

『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000年)

2000年の東映アニメフェアで「ワンピース」とともに放映された『デジモンアドベンチャー 僕らのウォーゲーム!』。子供向けアニメとは思えない大胆不敵なコンテワークや緻密なストーリー性、凝った演出など、細田監督が作り上げた「新しさ」に熱狂したのは大人たちでした。 映画としては第二弾となるこの物語は、テレビ版の続編にあたるもの。ネットワークを侵略した強力無比のデジモンによって、世界中のシステムが大混乱に陥ります。デジタルワールドの冒険から戻ってきた少年たちはリアルワールドを救うために、再び激しい戦いに臨むことに。 この作品を通して細田監督は、アニメ制作に携わる人々に大きな影響を与えました。たとえば『劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール』で注目される伊藤智彦監督。彼が細田監督との仕事に憧れ「時かけ」などで助監督を志願するきっかけとなったのが、実は本作なのです。

鬼太郎が3Dで飛び出す!細田守が描いた「ゲゲゲの鬼太郎」

『劇場版ゲゲゲの鬼太郎 鬼太郎の幽霊電車3D』(1999年)

水木しげるの人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』が初めてアニメーション化されたのは、1968年のこと。もちろんモノクロ作品でした。同じ原作漫画をおよそ30年後に初めて3Dアニメとして完成させたのが、細田監督です。 彼が手がけた劇場版『ゲゲゲの鬼太郎 幽霊電車3D』は、テストで赤点を取ってしまった少年が過去に戻れる幽霊電車に乗って旅をする、というストーリー。わずか12分の短編ながら“飛び出す!”アニメのインパクトは強烈でした。 ちなみに「幽霊電車」は、ひらがな表記の「ゆうれい電車」としてテレビシリーズでも4回登場しているとのこと。ただし作品の雰囲気はそれぞれに違うようです。とはいえお化けの世界でも、電車はやっぱり人気があるんですね。

デジモンと「細田守伝説」のすべてはここから始まった!

『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999年)

「僕らのウォーゲーム!」公開時、大人向けの作品を解説本『デジモンムービーブック』が発売されて話題となりました。発売されたきっかけは、前年の1999年に公開された『劇場版デジモンアドベンチャー』の人気。わずか20分の映画が、目の肥えた大人のアニメファンを虜にしたのでした。 デジタルの世界で生まれた個性的なモンスターたちと、そのパートナーに選ばれた少年少女の冒険物語が、劇場で先行公開された『デジモンアドベンチャー』です。この「前日譚」を手掛けたのが、当時はまだ無名に近い細田守監督でした。 細田監督の斬新な映像表現やプロットは、新しい刺激に対して感度が高いアニメファンから喝采を受けました。もっとも公開当時の観客満足度調査では、同時上映の『遊☆戯☆王』に負けてしまったそう。そんな悔しさが、細田監督の旺盛な「ファンサービス」精神を育んだのかもしれません。