2018年7月31日更新

実写版『BLEACH』のキャスト、正直どう思った?【視聴者の声を軸にスコアリングしてみる】

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BLEACH
(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会

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実写版『BLEACH』(ブリーチ)のキャストについての巷の評価が気になる

実写化映画のキャラ作りは難しい。

全74巻、世界で1億2000万部売れた名作を愛してやまない『BLEACH』ファンは果たして世界で何人いるのでしょうか。日本だけでも数えきれないファンたちが、おそらくは実写版の予告編を観て「●●のキャスティング、どーよ」と思ったに違いありません。

芸術点(クリソツ度)と演技点(らしさ度)で評価をランキング!

というワケでちょっとだけ辛口な評価も含めて、漫画キャラクターと実写版キャストの「マッチ度」を判定。見た目や服装などが似ているかどうかのクリソツ度を「芸術点」として50点満点。キャラらしい動きやセリフなどのらしさ度を「演技点」として50点満点。合計100点満点でランキングしました。 合わせてTwitterですでに映画を鑑賞した人々の生声もピックアップしました。愛しているからこそもしかすると優しく、もしかすると手厳しい、実写版『BLEACH』のキャラ評価をまとめました。

第10位「朽木白哉 / 演:MIYAVI」

マッチ度:65点【芸術点:40点+演技点:25点】

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世界で活躍する「サムライ・ギタリスト」ことMIYABIを朽木白哉に抜擢!誰が思い付いたキャスティングなのかはわかりませんが、ファン的にはかなり刺さった様子。「MIYABIが出演するのなら観る!」と宣言していた人も。少なくなかったようです。 貴族らしい冷徹かつ傲慢、謎めいたカリスマ性溢れる国籍不明な顔立ちはとっても白哉的。芸術点はなかなかな40点。でしたが、ストーリー展開の都合でしょうか。つぶやきにもあるように、思いきり饒舌になってしまった印象が拭えません。合わせて表情が豊かすぎるところも、登場したばかりの頃の白哉としては「らしくない」感じ。 これが、キャラ的に違う一面を見せ始める「尸魂界(ソウル・ソサエティ)篇」以降ならば、あまり違和感はなかったかもしれません。ということで、演技点が辛めで25点。マッチ度は65点です。

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第9位「黒崎真咲 / 演:長澤まさみ」

マッチ度:70点【芸術点:40点+演技点:30点】

いつも笑顔を絶やさず、優しくて強いお母さん・真咲の役柄は、長澤まさみという女優ならいかにも自然体で演じられそう。だからこそ物語冒頭の河原でのエピソードは、とてもショッキングでした。 けれど、登場シーンがあまりにも少なすぎる印象で、そこから「真咲」に感情移入するのがなかなか難しい状態に。しかもとくにタメもなくいきなりグランドフィッシャーの擬態と化してしまったところで、?マークが連続点灯していました。 漫画版を見習って、最後の切り札として有効活用しておけば、もしかするとグランドフィッシャーも、あれほどあっさり消滅しなくてすんだかもしれないのに……芸術的には40点ながら取り扱いが少々雑然としていたので演技は30点。惜しい!

第7位「石田雨竜 / 演:吉沢亮」

マッチ度:75点【芸術点:35点+演技点:40点】

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『仮面ライダー フォーゼ』以来の福士蒼汰との6年ぶりの共演となった吉沢亮は、知的でクールな眼鏡男子姿がピッタリ。惜しかった!ポイントが、撒き餌を使ったホロウ狩りを一護に挑んだシーンでした。 原作では雨竜と一護の距離が一気に縮まる大切なエピソードですが、実写版では本格的にホロウと戦う前に、朽木白哉と阿散井恋次が登場。騒ぎの主役をマルっと持っていかれてしまった感がありました。おかげで全体の印象が薄まってしまった感が。 微妙なのは、霊子で作った弓。原作では本体も光輝いていますが、実写版ではかなり立派に実体化。悪くはないけれどクリソツ度=芸術点では微妙にマイナスかも。

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第7位「井上織姫 / 演:真野恵里菜」

マッチ度:75点【芸術点:35点+演技点:40点】

ちょっとマニアックなネタで恐縮ですが、『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』で真野恵里菜が演じたヒロイン・泉野明は、ちょっと不器用ながら一生懸命頑張っている姿がとてもキュートでした。同じキュート系でも、織姫はまた違うタイプ。原作よりも「天然ぶり」は軽めですが、そのぶん美人度がアップ。一護を想うピュアな女子高校生を熱演しています。 ただ、織姫最大の特徴である巨乳ぶりの表現が、かなり控えめなのは原作ファンにとって残念ポイントと言わざるをえません。一部の噂では真野恵里菜、着痩せしているという説もありますが……。 もはや「盾瞬六花」が気配すらなかった!ということは置いておいて。同率8位の75点です。出番がそもそもなかったので、ちょっと辛めでしょうか。

第6位「黒崎一心 / 演:江口洋介」

マッチ度:80点【芸術点:45点+演技点:35点】

亡き妻、真咲を深く愛し続け、家族を守るために日々元気に働く熱血お父さんを、江口洋介が体当たりで演じてくれました。骨格からゴツくて逞しい存在感は、原作キャラにとても近い印象だと評判です。 ただ、実写版の真咲の遺影はちょっと?がつくポイント。原作では巨大なポスターで大いなる愛を叫んでいるにも関わらず、ずいぶん小さくまとまってしまったのね……という印象です。一護との丁々発止ぶりも今ひとつおとなしめ。 お墓参りのシーンなど渋い一面がやや強調されていたようですが、コミカルなお父さんぶりをもう少しアピールして欲しいように思えました。もっとも江口・一心なら、死神の装束は福士・一護以上に似合いそう!ですが。  

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第4位「茶渡泰虎 / 演:小柳友」

マッチ度:90点【芸術点:50点+演技点:40点】

一護的には通称チャドを演じた小柳友。メキシコ人とのクォーターという設定にまさにぴったりの、ちょっと国籍不明な浅黒く彫りの深い顔立ちの若手俳優です。実は彼自身も、ハワイの先住民の血を引くアメリカ人を祖父に持つリアル・クオーターなのです。なるほど「完全にチャドだった」というファンコメントも納得です。 漫画版では織姫とともに力を発現するのですが、実写版では残念ながらエピソードごと出番なし。けれど折々にしっかり一護との信頼関係を感じさせたり、なんとなく「見える」気配を漂わせたり。 さらには飛んできた鉄の看板をガッシリ受け止めるといった原作シーンを彷彿とさせる離れ業まで見せてくれたことは行幸!ということで、90点! とはいえ、「巨人の右腕(ブラソ・デレチャ・デ・ヒガンデ」が見たかった……。

第4位「朽木ルキア / 演:杉咲花」

マッチ度:90点【芸術点:45点+演技点:45点】

体つきはとて華奢なのに、背筋を伸ばした立ち姿に凛とした気品……養女とは言え、尸魂界有数の名家で育てられた朽木ルキアには、死神の装束をまとってなお隠しきれない高貴な存在感が漂います。杉咲花は、そんなルキア像を実に生き生きと演じてくれました。 芸術点が5点マイナスなのはやはり髪型。映画の公式ツイッターでは短めの髪型も見せていますが、これがかなりお似合いです。そっちなら満点だったかも。 演技点マイナス5点は、コメディエンヌとしての一面がやや薄めに思えたところでしょうか。とは言え、一護との愛情とも友情ともとれる深い絆が生まれていく姿に共感した人も多数。なので90点!

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第2位「黒崎一護 / 演:福士蒼汰」

マッチ度:95点【芸術点:50点+演技点:45点】

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(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会

福士蒼汰は『仮面ライダー フォーゼ』では、時代錯誤なリーゼント頭でしたが、正直あまり似合ってなかったような記憶が。それに対して黒崎一護のボサボサ系オレンジ頭は、ビックリするほど似合っています。ちょっと尖った風貌といい、鋭い眼差しといい、シルエットになっても立派な一護だと、絶賛されています。芸術点は50点! そういえば心なしか、アニメ版の声優、森田成一と声質が似ているような気もします。それとも演技として意識的に似せているのでしょうか。 演技点マイナス5点は、ルキアと同じくコメディパートの少なさ。あえて言うなら、コンですね。コン不在が効いています。ドン・観音寺はまあ「割愛」でも順当ですが。95点で第2位。

第2位「阿散井恋次 / 演:早乙女太一」

マッチ度:95点【芸術点:45点+演技点:50点】

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(C)久保帯人/集英社 (C)2018 映画「BLEACH」製作委員会

「キャラ立ち」という意味では、本作の登場人物のなかでもっともアクの強いキャラクターが、阿散井恋次でしょう。漫画版の「尸魂界篇」あたりからは、ルキアに対する想いを隠した複雑な人物として成長していきますが、「死神代行篇」ではまだかなりシンプルに粗野でヤンチャな存在です。 そんな恋次を、「流し目王子」こと早乙女太一が驚くべきマッチ感で、熱演を超えた爆演ぶりを見せています。さすが大衆演劇出身というべきでしょうか。見栄の張り方などが、ひと味もふた味も違います。女形としても有名でしたから漫画版恋次と比べれば少し柔らかな顔立ちですが、それでも芸術点45点は堅いです。 そしてなによりクライマックスの対一護戦。映画史に残るダイナミックな殺陣を見せてくれました。瞬歩を会得しているのでは?と思わせるほど、素早い動きには驚かされます。 ちなみに解放されて伸び伸びしている時の愛刀「蛇尾丸」は、握りの部分以外はフルCG。それをとても自然かつ豪快に振りまわしているところも、お見事!で、演技点は満点。同率2位!

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第1位「浦原喜助 / 演:田辺誠一」

マッチ度:99点【芸術点:50点+演技点:49点】

初めは完全に「コスチューム勝ち」と思えました。ある意味、恋次以上に濃いめのキャラは、衣裳次第で作りやすそう。けれど、衣装だけでなくすべてが原作キャラまんま。浦原喜助こと田辺誠一は、背格好から立ち居振舞い、喋りの口調までリアルな存在感を醸し出しています。もはやその実体感は、2.5次元を超越してます。 演技面での「らしさ」も秀逸。一見いい人に見えて、実は腹にいちもつ抱えていそうなところが、いかにも浦原。なるほどこの人なら、ルキアの魂に崩玉を隠して知らんぷりしていそうです。 演技点のマイナス1点は、田辺誠一自身の問題ではありません。浦原商店が漫画版に比べて立派過ぎる上に、「人手不足」でにぎやかさに欠けているため。せめて、雨(ウルル)くらいは雇っておいて欲しいかった……。ということで、99点。堂々の第1位でした。

なんだかんだ言いつつ、いい配役、いい演出だったのでは?

近年の実写映画ではマッチ度はそうとうハイレベルでした

概ね、作品としての評判は上々な様子。原作ファンからは、想像以上にしっかり108分という枠の中でまとめきっていたことを評価する声が多いようです。原作を知らない人はちょっと世界観がわかりづらい面もあったようですが、エンターテインメント作品としての評価は、やはり高めです。 キャスティングに関しては制作発表の段階から、海外の熱狂的ファンも含めてなんだかんだと話題を呼びました。が、蓋を開けてみれば本作『BLEACH 死神代行篇』の原作マッチ度は、そうとうハイレベル。原作未読の人は、映画を観て面白いと思ったならぜひ全74巻に挑戦してください。 アニメのテレビシリーズも、実はオススメ。ただしこちらも、オリジナルエピソードを散りばめた全366話という超大作ですが……劇場版もありますよ!