2023年7月30日更新

【74巻分】BLEACHの巻頭ポエム一覧!人気ランキングも紹介(画像&解説付)

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BLEACH 千年血戦篇 ブリーチ

『BLEACH』と聞いて皆さん何を思い浮かべますか?オシャレな技名?秀逸な卍解のデザイン?きっと「ポエム」を思い浮かべてくれた方も多いでしょう。 そう本記事では巻頭に飾られた、オサレな『BLEACH』を更にオサレにしてくれるポエムに触れていきます。 今回はなんと全74巻分のポエムの考察と、口コミを集めました! ※この記事は『BLEACH』のネタバレを含みます。

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タップできる目次

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『BLEACH(ブリーチ)』のポエム人気ランキングTOP5

全ポエム紹介前にまずは筆者が選んだ、「人気ランキング」を発表したいと思います。選定の基準は知名度、オサレ度、物語との繋がり、そして筆者の趣味です。(ここ大事) 勿論久保帯人氏のポエムは、どれも「何を食べてたらこんなの思いつくんだ?」と思える秀逸なものばかりなので、このランキングはあくまでもこの後紹介するポエムの頭出しです。 また次の見出しからは全ポエムを巻数順に紹介していきます。その中であなたなりのベストポエムも探してみてください!

【1巻】黒崎一護

THE DEATH AND THE STRAWBERRY

我等は 姿無き故に それを畏れ

記念すべき1巻目のポエムです。「姿無き」という単語から、一般人には見えない死神の物語がこれから始まる!という、ワクワク感をもたらしてくれます。 また「畏れ」は近寄り難い存在に対する「尊敬の念」が込められた単語なので、人知れず人々を虚から守る死神への敬意が表れていますね。 ただの高校生だった一護が「姿無きもの」である死神を知り、その姿無き者として「畏れられる存在」となっていく、BLEACHの始まりに相応しいポエムでしょう。

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物語の始まりを感じさせてくれるファーストポエムです!「姿なき」の一言で死神を表しているのが既にオサレです。

【2巻】朽木ルキア

GOODBYE PARAKEET, GOODNITE MY SISTA

人が希望を持ちえるのは 死が目に見えぬものであるからだ

死のような日常を壊す恐怖は目に見えないからこそ、「明日も同じような日が来るはず」とつい安心してしまいますよね。人は恐怖に脅かされず、安寧を享受していると希望を求めないものだと言われているように感じます。 しかし筆者にはこの「死」は死神のことを指しているようにも思えます。 もし人に死神や虚が見えていたなら、人は彼らを「自分達を異形から守ってくれる希望」とするはずでしょう。しかし死神は人には見えません。だから人は死神を希望とはしないのです。

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『BLEACH』のポエムはオサレなだけじゃなく、人生における哲学も教えてくれます。「希望」と「生と死」で、人と死神の関係を表現しているのが最高です!

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【3巻】井上織姫

memories in the rain

もし わたしが雨だったなら それが永遠に交わることのない 空と大地を繋ぎ留めるように 誰かの心を繋ぎ留めることができただろうか

本作のヒロインである織姫のポエムです。織姫は本編開始前に事故で唯一の肉親だった兄を亡くし、その兄は虚になってしまっています。ですのでこのポエムには、織姫の無念が込められているようだと筆者は感じます。 虚は体に空いた孔のように、その体から心を失い本能のまま生きる存在です。なので「心を繋ぎ止めることができただろうか」は、心を無くして虚になってしまった兄の心に対しての言葉として受け取れます。 「兄の心をもし私が繋ぎ止められていたなら」という、織姫の後悔の念が詰まった、切ないポエムです。

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織姫の身の上を考えるだけで、胸がギュッとなるポエムです。「心を繋ぎ止めることができただろうか」に織姫の後悔が詰まっているようです……。

【4巻】石田雨竜

QUINCY ARCHER HATES YOU

ぼくたちは ひかれあう 水滴のように 惑星のように ぼくたちは 反発しあう 磁石のように 肌の色のように

惑星や水滴のように、引かれ合うように出会った2人。そして滅却師と死神という立場上、反発し合うのもまた定めと言わんばかりの一節です。 しかし筆者はこの詩には、可能性も予感させる要素が盛り込まれていると感じます。 ご存知の通り雨竜と一護は、作中で滅却師と死神の壁を超え無二の親友となりましたよね。 磁石はSとMなら引き合うように、肌の色が違っても分かり合える人がいるように、これから変わっていく2人の関係を予感させるようなものになっていて、とてもオサレだと言えるでしょう。

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これからの一護と石田の関係性を考えると、ニヤニヤが止まりません。反発し合うと言いながら、死神と滅却師の垣根を越える友人になるのが最高です!

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【5巻】茶渡泰虎

RIGHTARM OF THE GIANT

剣を握らなければ おまえを守れない 剣を握ったままでは おまえを抱き締められない

ランキングでも選ばさせていただいたこのポエムが、1番好きだという方も多いのではないでしょうか? 「剣」を茶渡の「力」と置き換えて読むと、発現したばかりの力に戸惑う茶渡の心境が伺えます。 この力があれば大切な人を守ることができる、けどこの力を使えば大切な人と同じ存在ではいられないかもしれない。悪魔のような異形の力を使うことで、今までの自分から乖離してしまうことへの恐れが込められているとも感じられますね。

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『BLEACH』の中で1番好きなポエムです!力を振るうことに対する葛藤を、こんな風に表現できることに惚れました。

【6巻】浦原喜助

THE DEATH TRILOGY OVERTUNE

そう、我々に運命などない 無知と恐怖にのまれ 足を踏み外したものたちだけが 運命と呼ばれる濁流の中へと 堕ちてゆくのだ

「恐怖と無知に飲まれ」の箇所に関しては、「死なないために死ぬほど準備する」という哲学を持つ、浦原らしい一節ですね。 運命なんてものがあったとしても、死ぬほどの準備で跳ね返すそんな気概が感じられます。 また浦原といえば「死ににいく理由に他人を使うなよ。」という有名なセリフがありますよね。自分が決めたこと、「運命」のように自分以外の要素によって決められた道を行くものは、足を踏み外すという捉え方も出来ます。 名台詞に上手くリンクさせた名ポエムです。

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あらゆる研究で相手を攻略する浦原さんらしさ満載で最高です!これが最終章での浦原さんの「死ぬほど準備する」に繋がるとも感じられますね!

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【7巻】朽木白哉

THE BROKEN CODA

我々は涙を流すべきではない それは心に対する肉体の敗北であり 我々が心というものを 持て余す存在であるということの 証明にほかならないから だ

BLEACH序盤の一護が超える壁として立ち塞がる白哉のポエムです。白哉といえば他人にも、そして自身にも厳しい姿ですよね。 自身の情に流されず、朽木家の当主の身として「全死神の規範」であろうとする厳しさを自身に課しています。その為掟を守るべく妹のルキアの処刑さえ受け入れる姿は、この一説に表れていると言えるでしょう。

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朽木家の当主として、自身にも他人にも厳しい白哉君らしいポエムです。その為に妹のルキアの死も受け入れようとする、そんな苦悩も感じられて泣いてしまいます。

【8巻】斬月

THE BLADE AND ME

錆びつけば 二度と突き立てられず 掴み損なえば 我が身を裂く そう 誇りとは 刃に似ている

こちらも有名なポエムですね!ランキングには入れませんでしたが、筆者も『BLEACH』のポエムの中では指折りに好きなポエムです。 「誇り」とは作中通して戦う理由として扱われるシーンが多く見られます。つまり死神たちにとっては力を、刃を振るう理由ですよね。 誇りが錆び付いてしまえば、刃も同じく錆びつき振るえなくなる。誇りとの向き合い方を間違えば、自身や周りも苦しめる凶器にもなる。 たったこの一節で、死神の力と誇りを絡めて表現している、まさしくオサレな一節です。

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個人的No.1ポエムです。誇りと刃に共通項を見出せる久保先生の、非凡じゃない才能が伺えます!

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【9巻】志波空鶴

FOURTEEN DAYS FOR CONSPIRACY

ああ おれたちは皆 眼をあけたまま 空を飛ぶ夢を見てるんだ

空鶴は「花鶴射法」という志波家独自の霊術を持っており、巨大な砲台と鬼道のような術式と詠唱を用い、砲弾を打ち上げます。これを零番隊の隊士は、自身たちの隊舎である霊王宮への移動手段として利用しています。 死神たちの霊王宮への移動手段として「花鶴射法」を発射する、つまり死神を空へと飛ばす役割をになっています。しかし空鶴は飛ばす側であるため、自身が空を飛ぶことは叶いません。 空へと飛ばした死神の姿を見ながら、自身も空を夢見ているのでは?と感じられる一節となっています。

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羽を持っていない僕らからすると、空を飛ぶ夢を常に見ていることに共感しかないポエムです。

【10巻】志波岩鷲

TATTOO ON THE SKY

俺達は 手を伸ばす 雲を払い 空を貫き 月と火星は掴めても 真実には まだ届かない

志波海燕の死についてルキアが語らなかったため、真実を知ることがなく死神を憎んでいた岩鷲を端的に表しているポエムですね。 そして現実の私たちにとっても、心当たりがある一節になっているのではないでしょうか?科学の進歩によって、私たちは月にも火星にも手が届きました。 しかし未だに何人も、「真実」を知り切ることは決してありません。それほど真実とは遠い物なのだと、私たちに訴えかけてくるポエムですね。

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岩鷲が海燕の死の真実を知らずに生き続けたことが感じられるポエムです。僕らも『BLEACH』の真実を知るのに、長いことかかったこととも重なりますね!

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【11巻】阿散井恋次

A STAR AND A STRAY DOG

届かぬ牙に 火を灯す あの星を見ずに済むように この吭を裂いてしまわぬように

ルキアを救いたいという思い、それが出来ない自分の不甲斐なさを一護にぶつけた恋次の心模様が表れていますね。 恋次の「ルキアを救う」という願いは、星のように手の届かない願いとして表現しているのでしょう 「届かぬ牙に火を灯す」は、自分ではどうやっても勝てない白哉という牙に、火を灯して崇めることで自身のルキアを救いたいと言う気持ちから、目を背けようとしていると解釈できます。 。 目を背けなければやってられない、「この喉を裂いてしまいそう」そんな恋次の自分への怒りも込められた素晴らしい一節です。

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恋次のルキアを助けられない、自身への憤りが溢れていて胸が苦しくなります。「喉を裂いてしまわぬ」の一言に、特に悔しさが滲み出ています。

【12巻】藍染惣右介

FLOWER ON THE PRECIPICE

我々が岩壁の花を美しく思うのは 我々が岩壁に足を止めてしまうからだ 悚れ無き その花のように 空へと踏み出せずにいるからだ

本作を名言で締め括った藍染の初ポエムです。誰も成さないことをして、自らが天に立とうとした藍染らしい一節です。 また藍染の名台詞で「憧れは理解から最も遠い感情」というものがありますが、この詩はそれともリンクしていると感じられます。 岩壁に咲く花を美しいと思う、つまり憧れているのは「自分はそうなれない」と諦めてしまっているからです。 しかし憧れとはその者が成した結果だけを見て、その過程にある覚悟や葛藤を無視しているとも言えます。それをしれば、そこにある花をただ美しいとは思えないでしょう。 つまり花のように、空へと踏み出すのに必要だった覚悟も知らないから、人は岩壁に咲く花を美しいと思っている。一歩を踏み出せない人へ向けた、藍染なりの皮肉をこれほどオサレに出来るのはやはり天才としか言いようがありません。

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ヨン様時代の藍染のオサレポエム最高です。「憧れは理解から最も遠い感情」をこんなオサレポエムにできるなんてセンスしかないです。

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【13巻】更木剣八

THE UNDEAD

誇りを一つ捨てるたび 我等は獣に一歩近づく 心を一つ殺すたび 我等は獣から一歩遠退く

更木が表紙のポエムなので、更木だけに視点を向けたポエムかとも思いますが、筆者としては白哉のことも含んだポエムのようにも感じました。 まず「誇り」は白哉が作中何度も口にする、彼の戦える理由そのものです。つまり誇りを失って戦うのはもはや獣なのだという、白哉の哲学のように感じます。 逆に更木は心を殺すことで、獣から遠ざかると語っています。戦いに本能のまま身を任せていくことは、先ほどの一節を踏まえると、獣に近づくということです。 ですが更木にとって、心のまま戦うことこそが生きる理由であり、むしろ獣から遠ざかることを恐れているとも捉えられます。

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更木のことも白夜のことも感じられるオサレポエムですよね!やっぱり『BLEACH』と言えば誇り!

【14巻】山田花太郎

WHITE TOWER ROCKS

軋む軋む 浄罪の塔 光のごとくに 世界を貫く 揺れる揺れる 背骨の塔 堕ちてゆくのは ぼくらか 空か

ルキアの処刑、攻め込んできた一護達、そして暗躍する藍染など、尸魂界を取り巻く事態と、それに対する死神の心情を述べたポエムですね。 「揺れる揺れる 背骨の塔」は、自身の今後の立ち振る舞いに戸惑っている死神達を、背骨の動きで表現するというオサレ技法が盛り込まれています。 また後に空に孔が開いて藍染達が昇っていくことを考えると、ぼくらや空が堕ちたのではなく、藍染が上昇しているのだと感じられますね。

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『BLEACH』の尸魂篇の緊張感が込められていて、巻頭から盛り上げてくれる最高のポエムです!

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【15巻】吉良イヅル

BEGINNING OF THE DEATH OF TOMORROW

ぼくは ただ きみに さよならを言う練習をする

このポエムが1番好き!という方も多いのではないでしょうか?簡潔ですが、この一言で別れを予感させ、これを詠む者の切なさも伝えてくる秀逸すぎるポエムですね。 また「練習」という単語のチョイスも憎い演出です。あくまで練習であって、本当に別れがやってくるとは限らないんです。 でも、来るかも分からない別れのため予行練習をしておくというのが、いつか終わりが来ることを決められている私達人間らしい一節だと感じられます。

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大好きです。私的1番オサレなポエムです。「練習」という言葉のチョイスに久保先生のセンスが溢れています。

【16巻】日番谷冬獅郎

NIGHT OF WIJINRUIT

降り頻る太陽の鬣が 薄氷に残る足跡を消してゆく 欺かれるを恐れるな 世界は既に欺きの上にある

1人市丸ギンの動向に疑惑の目を向けて、ルキア処刑の裏で真実を探っていた日番谷視点のポエムですね。 彼が真実を知ろうと探らなければ、雛森は助からなかったかもしれないので、「欺かれるを恐れるな」はそんな日番谷の勇気を見事に表しています。 また「世界はすでに欺きの上にある」は、死神達全員ここ100年近く、藍染に騙されて生活してきたという事実を、この一言で暗に示していますね。

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冬獅郎君の表紙が最高です!1人ルキアの処刑に疑問を抱き、真実を追い求めた姿が目に浮かびます!

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【17巻】四楓院夜一

ROSA RUBICCUNDIOR, LILIO CANDIDIOR

血のように赤く 骨のように白く 孤独のように赤く 沈黙のように白く 獣の神経のように赤く 神の心臓のように白く 溶け出す憎悪のよう に赤く いてつく傷歎のように白く 夜を食む影のように赤く 月を射抜く吐息のように 白く輝き 赤く散る

こちらは久保帯人氏オリジナルのポエムではなく、ドイツの作曲家・オルフの詩「カルミナ・ブラーナ20番」からの抜粋らしいです。 『BLEACH』は久保帯人氏の趣味と思われますが、サブタイトルなどにも「カルミナ・ブラーナ」の一節が用いられてます。文学的視点からも、この作品を読み解くのも面白いですね。

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有名な詩からの引用だと知ると、『BLEACH』はそのオサレが久保先生の文学的な部分からきているのだとわかりますね!

【18巻】砕蜂

THE DEATHBERRY RETURNS

あなたの影は 密やかに 行くあての無い 毒針のように 私の歩みを縫いつける あなたの光は しなやかに 給水塔を打つ 落雷のように 私の命の源を断つ

夜一に憧れ、夜一への想いが憎しみに変わりながらも、その想いを捨てられず抱き続けた砕蜂の心情が表れた一節ですね。 夜一の影を追いかけながら隊長になったため、彼女の歩みはまさしく夜一によって「縫い付けられた」ものであると表現しているのがまず1オサレポイントです。 また給水塔という人の命の源である水を、夜一の雷のような輝きで断たれてしまうという、夜一への心酔っぷりがこの一節に詰まっていますね。

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憧れの存在に対する、自分を置いていった憎しみと、消せない憧れでぐちゃぐちゃになっている感じが最高です!

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【19巻】黒崎一護

THE BLACK MOON RISING

そう、何ものも わたしの世界を 変えられはしない

何者にも止められない一護の歩みと、何物にも染まらない一護の信念の強さが簡潔に表現されたポエムですね。 後述しますが、一護は本編中何があっても揺らぐことはありませんでした。どれほど強大な壁であっても、絶望があっても、彼が心に1度誓ったことを曲げることはなかったのです。 そんな王道ジャンプ系主人公を表現した、これほど簡潔なポエムがあるでしょうか?

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どんな強敵だろうと、どんな困難な状況だろうと揺らがずに立ち向かう、一護らしさが詰まっている最高のポエムです。

【20巻】市丸ギン

end of hypnosis

美しきを愛に譬ふのは 愛の姿を知らぬ者 醜きを愛に譬ふのは 愛を知ったと驕る者

後に明かされるギンの乱菊に対する想いを考えると、物語序盤からポエムで伏線を張っていたのか?と久保帯人氏のオサレ度には感服させられます。 この一節を筆者は「愛」の2面性を表しているのだと考えています。愛が美しいと語る者も、醜いと語るも者どちらも「愛を知らない」とこの詩は表現しています。 つまり愛は決してどちらか片方だけの要素を含んだものではないのです。綺麗であり醜くもある、それこそが愛なのだと語る久保帯人氏の哲学が見え隠れしており、とても興味深いポエムです。

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藍染に付き従いながら、乱菊への想いのためだけに生き続けた、ギンの想いが隠れていて切ないです……。

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【21巻】平子真子

BE MY FAMILY OR NOT

この世のすべては あなたを追いつめる為にある

藍染によって虚の力を入れられ、隊長の座から追放されてしまった平子 達「仮面の軍勢」の心情が表れていると感じます。 また平子の卍解の能力を知ると、このポエムは見方が変わります。彼の卍解は「逆様邪八宝塞」といい、敵と味方の認識を逆転させるという恐ろしい能力です。 味方だったものは敵に見えて、味方に見えるものは敵という、まさしく「この世の全てが自分を追い詰める」と感じさせる能力でしょう。

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溢れ出る胡散臭さに惚れ惚れとしていたら、重い過去が明かされ、ポエムの意味を知った時の衝撃を思い出します!

【22巻】ウルキオラ・シファー

CONQUISTADORES

我等の世界に意味などなく そこに生きる我等にも 意味などない 無意味な我等は 世界を想う そこに意味は無いと知ることにすら 意味など無いとい うのに

「眼に映るものに意味あるものなどひとつもなく、眼に映らないものは存在すらしていない。」という持論を持つ、ウルキオラを表現したポエムです。 「意味は無いと知ることにすら 意味など無い」という一節が筆者は非常に気に入っており、ある意味哲学に対するカウンターにも思えます。 我々は生きる意味を求め、そしてある時「意味はない」という答えに1度は辿り着くと思います。 その過程に意味があるとは思いますが、ウルキオラからすれば「それがなんだというんだ」と吐き捨てるような、そんな虚無が感じられる一文です。

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このオサレポエムが浪川さんの低音ボイスで再生されるのを想像するとキュンが止まりません……。

【23巻】斑目一角

MARA SUERTE!

俺たちは滝の中の魚 俺たちは籠の中の虫 俺たちは波濤の残骸 髑髏の錫杖 力の奔流 それを呑む鯨 俺たちは五本角の雄牛 俺たちは火を吹く怪物 泣き叫ぶ子供 ああ 俺たちは 月光に毒されている

この世にある戦いや争いを表現した、更木を隊長に据える11番隊らしい詩になっていると感じます。 筆者は「月光に毒されている」という一節を気に入っており、この月光は「戦い」を表していると感じます。 月光に照らされると狼に変わる狼男のように、戦いに身を置くことで野蛮な本能が剥き出しになる、彼ららしい一節ではないでしょうか?

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護廷十三隊1番の脳筋集団らしいポエムです。表紙の一角も世界で1番かっこいいハゲです。

【24巻】グリムジョー・ジャガージャック

IMMANENT GOD BLUES

どいつもこいつも、 ぶっ壊れちまえ

一護達だけでなく、十刃の仲間も、藍染すらも超えて、自分が頂点でなければ気が済まないグリムジョーをたった一言で表したポエムです。 この一節を見るだけで「グリムジョーだ!」と分かる秀逸さもさることながら、彼の上昇志向と鬱憤が感じられる点が非常に良いです。 グリムジョーは頂きを目指すため、立ちはだかる者を全て倒して進みたいのに、今は藍染に勝てないため傘下に加わっているわけです。そんなどうにもならない相手に対する苛立ちも、この一節には込められていると筆者は感じます。

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一発でグリムジョーだと分かるこの秀逸さに惚れ惚れさせられます。

【25巻】白一護

NO SHAKING THRONE

我々は皆 生きながらにして死んでいる 終焉は常に 始まりの前から そこに在るのだ 生きることが 何かを知り続けることならば 我々が最後に知るものこそが終焉であり 終焉をついに見出し 完全に知ることこそが 即ち死なのだ 我々は何かを知ろうとしてはならない 死を超越できぬ者は 何ものも知ろうとしてはならないのだ

『BLEACH』のポエムの中でもかなり長い部類のポエムですが、その分「死」についてこれほど向き合っているポエムもないでしょう。 特に「死を超越できぬ者は 何ものも知ろうとしてはならない」の一節は、心に残っている方も多いのではないでしょうか? 我々は生きていく中で最後に死があることを知るわけです。しかし死を超越できなければ、一生死がやってくることに怯えながら生きていかなければいけない訳です。 ならば何も知らない方が、きっと楽観的に生きていけるでしょう。

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『BLEACH』の中でも長い部類のポエムですが、この長さでもオサレさが消えない所が才能が溢れています。

【26巻】ルピ・アンテノール

THE MASCARON DRIVE

私の胸に深く突き刺さるその声は 鳴り止まぬ歓声に似ている

グリムジョーが十刃落ちした為、十刃入りすることが叶ったルピの歓喜が詰まった一節ですね。 気分が有頂天ゆえに、どんな言葉であっても歓声に聞こえるという、自尊心の塊であるルピを的確に表しています。 また十刃落ちしたグリムジョーの悔しい声が、ルピにとっては歓声として突き刺さっているとも捉えられます。

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ルピのクソガキっぽさをこれほどオサレに出来るのは、久保先生のセンスが溢れ出ていて好きです。

【27巻】井上織姫

goodbye,halcyon days.

私達 一つとして 混じりあうものはない 二つとして 同じ貌をしていない 三つ目の 瞳を持たぬばかりに 四つ目の 方角に希望はない 五つ目は 心臓の場所にある

虚圏へと連れ去られた織姫の、破面達に対する心情にも思えるポエムとなっています。 混ざり合うものもなく、同じ貌もしていないというのは、まさしく破面と人間の違いのように思えます。 また「瞳を持たぬばかりに方角に希望はない」というのは、暗闇の世界に生きる虚たちの、行き着く先のない絶望を表しているようにも感じる、考察のしがいがあるポエムとなっています。

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虚園に連れ去られ、破面達の世界を見つめる織姫の心象が感じられて素敵です!

【28巻】ドルトーニ・アレッサンドロ・デル・ソカッチオ

BARON'S LECTURE FULL-COURSE

主よ、我々は 孔雀を見るような目つきで あなたを見る それは期待と、渇仰と 恐怖に似た底知れぬものに 縁取られているのだ

藍染に付き従う、破面たちの心情を表現したポエムですね。 無法者たちであるはずの破面たちが、藍染になぜ従っているのか?がこの一文から読み取れます。それは期待であり、渇仰であり、そしてなにより恐怖で動いているのだと伝わってきます。 ここから藍染が持つ圧倒的な力を想像させられますね。 この3つの要素を、「孔雀を見るような目つき」と表現する、久保帯人氏のセンスが光っているポエムです。

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藍染に対する恐怖であり、憧れでありを、「孔雀を見流ような目つき」と世界で最初に表現したのは久保先生でしょう。

【29巻】チルッチ・サンダーウィッチ

THE SLASHING OPERA

ただ執拗に 飾り立てる 切り落とされると知りながら ただ執拗に 磨き上げる 切り落とされると知りながら 恐ろしいのだ 恐ろしいのだ 切り落とされる その時が 切り落とされた その髪は 死んだあなたに 似てしまう 髪も爪も みな宝物のように 美しく飾り立てるのに なぜ自らの体から切り離されただけで 汚く不気味なものとなってしまうのだろう 答えは 簡単 それらは全て 自らの死した姿に ほかならないからだ

『BLEACH』の作中で披露されたポエムの中では、最も長いポエムとなっています。いつか藍染に使い捨てられるであろうと、心のどこかで感じているチルッチの想いを、これでもかと詰め込んだポエムとなっていますね。 切り落とされた髪や爪を、藍染に切り捨てられた自分と見立てているという、その秀逸さに初めて見た時は震えました。 いつか切り捨てられるとわかっているのに、その時が来る時を恐れてしまう、破面の救いようのなさが詰まっています。

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『BLEACH』最長のポエムです。自分は捨て駒とわかっているチルッチのどうしようもない心模様を感じられて切ないです。

【30巻】志波海燕

THERE IS NO HEART WITHOUT YOU

その疵深し、海淵の如し その罪赤し、死して色無し

海燕の死に対して、深く悩み続けているルキアの心の傷の深さが表現されています。 傷の深さを海淵のごとしと詠むことで、海燕とかけてくるのはあまりにもオサレ度が高いです。 筆者的には「如し」と「色なし」で韻を踏んでいるのが非常に気に入っていて、詠んでいてもテンポがよく、小気味いいのもポイントだと感じられます。久保帯人氏のセンスだけでなく、技術も垣間見える詩です。

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久保先生が言葉選びだけでなく、詩作りに関しても才能に溢れているのが感じられるポエムです!

【31巻】ザエルアポロ・グランツ

DON'T KILL MY VOLUPTURE

世界一嫌いだと言ってくれ

これも非常に有名なポエムなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか?ザエルアポロの天才さと、変態性をこの一言で表現し切っているのは、見事の一言に尽きます。 これはメジャーリーグで活躍したイチロー氏も言っていたことなのですが、他人に理解されないような境地に至ったものは、嫌われることを「嬉しい」と感じるようです。 他人に嫌われるほど突き抜けた存在にしか分からない境地が、この一言から感じられます。

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嫌われることに対して、むしろ快感すら覚える変態性にザエルアポロの本質を感じます。

【32巻】グリムジョー・ジャガージャック

HOWLING

王は駆ける 影を振り切り 鎧を鳴らし 骨を蹴散らし 血肉を啜り 軋みを上げる 心を潰し 独り踏み入る 遙か彼方へ

先程紹介したポエム同様、ひたすら強さを追求して、遥か彼方を目指してる姿が、グリムジョーのポエムからは感じられます。 「どいつもこいつもぶっ壊れろ」からは、まだ敵わない藍染という強大な敵に対する鬱憤も感じられました。 しかしこのポエムからは、そんな藍染すら超えて「王」として君臨するという、グリムジョーの気概が感じられます。

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グリムジョーの藍染すらも超えて王になるという、上昇志向が感じられて最高です!

【33巻】ノイトラ・ジルガ

THE BAD JOKE

俺達は虫 不揮発性の 悪意の下で 這い回る蠕虫 首をもたげる 月より高く 憐れなお前等が 見えなくなるまで

破滅的思考の持ち主で、戦いの中で死ぬことを望むノイトラらしいポエムです。 虚や破面は、戦いで死ぬか藍染に殺されるしかなく、まさしく「救われない存在」です。そうした絶望をノイトラはどこかで感じており、そのため戦いの中で倒れる事を美学としていると考えられます。 また「憐れなお前等が見えなくなるまで」の一節は、ネリエルに下に見られることを嫌っていたノイトラらしい強がりにも見えるのが、筆者のお気に入りポイントです。

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ノイトラが抱えているネリエルに対するコンプレックスや、自身の未来に対する絶望が篭っていて好きです。

【34巻】ネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク

KING OF THE KILL

私に翼をくれるなら 私はあなたのために飛ぼう たとえば この 大地のすべてが 水に沈んでしまうとしても 私に剣をくれるなら 私はあなたのために立ち向かおう たとえば この 空のすべてが あなたを光で射抜くとしても

元十刃ながら、戦うことを望まない平和思考のネリエルらしい、「戦う理由」が込められたポエムです。 きっとネリエルは翼も、剣も望みはしないでしょう。しかし一護や織姫達が望んでくれるのならば、それらを用いて強大な敵に立ち向かうという、ネリエルの強さが伺えます。 また「この空のすべてが あなたを光で射抜くとしても」の一文からは、例え大切な人が世界に嫌われてもその人の味方でいるという、彼女の優しさも感じられます。

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自身を助けてくれた一護達のために、世界すら敵に回すネリエルの覚悟が感じられてグッときます。

【35巻】涅マユリ

HIGHER THAN THE MOON

産まれ堕ちれば、 死んだも同然

非常に簡潔で、ただ事実だけを述べているのが、マユリ らしい一節だとも言えます。 人は産まれた瞬間から死へと向かっている、つまり「死という結果」が付き纏い続ける存在なのです。産まれなければ死にはしませんが、産まれた瞬間から僕らは死を迎えることが決まっています。 そんな当たり前だけど、考え難い事実をただ淡々と、たった一言で纏めていることにセンスが光りますね。

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個人的には1番だと思うポエムです!残酷な事実ですが、それ故に僕自身この言葉に救われました。

【36巻】平子真子

TURN BACK THE PENDULUM

信じるのは、まだ早い

藍染のことを当初から怪しいと睨み、心を開くことがなかった平子の心情が一言で表されています。 しかし実際の所、信用しなかったが為にその隙を平子は突かれてしまうので、何とも皮肉な一文にもなっています。 またこれは平子の藍染に対する心境だけでなく、登場当初に読者が平子に対して思っていたこととも重なっていると、筆者は考えています。 ポエムを通して読者の心を見透かしてきているような感覚に、どこか清々しさすら感じますね。

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藍染のことを誰よりも疑っていた平子らしいポエムです。ですがその信用しなさが裏目に……。

【37巻】綾瀬川弓親

BEAUTY IS SO SOLITARY

人を美しいとは思わないけれど 花を美しいとは思う 人の姿が花に似るのは ただ斬り裂かれて倒れる時だ

人に美しさを感じるのは「死」の瞬間だけだと言う、弓親の過激すぎる思想が表現されたポエムです。 しかしこのポエムこそ、筆者は弓親が戦闘狂の集いである11番隊に所属している理由だと感じられます。 弓親のような美形男子は、あのような汗臭い11番隊に所属しているのか?それは戦いの中で斬られ、死ぬ瞬間に自身の美は完成すると考えているからなのでは?とも考察出来ます。 弓親に対する理解が深められる素晴らしい一節ですね。

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弓親君の美に対する哲学にはびっくりさせられます。私も死の瞬間が1番綺麗でありたい……。

【38巻】檜佐木修兵

FEAR FOR FIGHT

恐れることは ただ一つ 恐れを知らぬ 戦士と為ること

「戦士にとって必要なのは、戦いを怖れる心だ」とかつて東仙が教えてくれた言葉を胸に、戦い続ける檜佐木を表したポエムです。 東仙はかつて「戦いを怖れる」という心を忘れないからこそ、戦いを怖れるもの達の為に剣を握ることが出来ると説きました。 また檜佐木にとって怖れを忘れると言うことは、東仙の教えを忘れるということに繋がるのです。檜佐木が尊敬する隊長の教えに背くことを怖れている事も、このポエムに込められています。

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檜佐木が東仙から学んだ「戦士」としての矜持が詰まっていて最高にオサレです。

【39巻】アヨン

EL VERDUGO

愆つは、人 殺すは、魔

ただ殺戮を行うだけの存在である、アヨンの在り方を簡潔に伝えてくれています。 「愆つ」はあるべき様から外れて、失敗する様なことを指しています。つまり殺戮を行うのはアヨンのような鬼であるが、その鬼を生み出したのは人なのだということでしょう。 これは核兵器など、人を殺す兵器を生み出し続ける現実の私達にも向けた、アンチテーゼとも受け取れるポエムだと筆者は考えています。

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ただ全てを破壊するために生まれた、アヨンの兵器らしさが感じられてゾクゾクします。

【40巻】ウルキオラ・シファー

THE LUST

心在るが故に妬み 心在るが故に喰らい 心在るが故に奪い 心在るが故に傲り 心在るが故に惰り 心在るが故に怒り 心在るが故に お前のすべてを欲する

「これが そうか この掌にあるものが 心か」 の名台詞のように、心がなんたるかを知りたがっていた、ウルキオラらしいポエムですね。 この一節では「心があるから苦しむのだ」とも捉えられるように、ネガティブなイメージがある単語を選んで羅列しているようにも感じられます。 しかし最後に「お前の全てを欲する」と締めることで、心があるから人は人と繋がれるのだと、我々に気づきを与えてくれるポエムに仕上がっています。

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この一文でウルキオラの「心か」を、更に深く噛み締めることができるようになります。久保先生の粋すぎる計らいを感じます。

【41巻】ヤミー・リヤルゴ

HEART

失くしたものを 奪い取る 血と肉と骨と あとひとつ

十刃最強の0であり、怒るほど強くなるヤミーらしいポエムとなっています。 「あとひとつ」という一文から、1をなくすことで0番の十刃となる、ヤミーの特性が表現されているように思えます。 またウルキオラとヤミーは、十刃の中で軽口を叩き合える仲の良さであったとされています。 その為「無くしたものを奪い取る」というのが、ウルキオラを殺された腹いせに、一護達の命を奪い取ろうとしている様とも捉えられます。

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実は大の仲良しのヤミーとウルキオラ!大切な友人を無くしたヤミーの怒りと悲しさを感じます。

【42巻】ティア・ハリベル

SHOCK OF THE QUEEN

犠牲無き世界など ありはしない 気付かないのか 我々は 血の海に 灰を浮かべた地獄の名を 仮に世界と 呼んでいるのだ

時々グサっと我々に現実を突きつけてくれるような詩も、『BLEACH』のポエムの魅力ですよね。 かつて破面になる前のハリベルは、誰かを殺して力を得ることを良しとせず、大人数で行動することによってその命を繋いでいました。彼女は「犠牲」の上に成り立つ力を忌避していたのです。 しかしある時己の力不足を痛感し、その考えでは仲間も自身の命すら守れないことを知ります。そんな現実を思い知らされたハリベルの経験が、このポエムに詰まっていますね。

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本当は心優しいけれど、犠牲なしでは守れないと現実を知った、ハリベルの言葉は重みが違いますね。

【43巻】バラガン・ルイゼンバーン

KINGDOM OF HOLLOWS

腐敗は我が友 夜は我が僕 鴉にこの身を啄ませながら 楡の館でお前を待つ

「老い」を司る能力を持つ、バラガンを表現したポエムです。 「腐敗は我が友」と言えてしまうのが、老いを自由自在に操り腐らせるバラガンの特権と言えますね。しかし改めてバラガンの能力の恐ろしさは、破面の中でも屈指だと筆者は感じます。 また「お前を待つ」というのは、王の座から引きずり下ろした藍染の首を、未だ狙っているということを暗に表しているように感じます。

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バラガンの能力の恐ろしさを見事に表現しきっている、名ポエムだと思います。「腐敗は我が友」の一言に格の違いを感じました。

【44巻】東仙要

VICE IT

人は皆すべからく悪であり 自らを正義であると錯覚する為には 己以外の何者かを 己以上の悪であると 錯覚するより 他にないのだ 確信した正義とは、悪である 正義が正義たり得る為には 常に自らの正義を疑い続けなければならない

「正義とはなにか?」それに向き合い続け、ついには死神を裏切った東仙の哲学が詰まったポエムです。 前半部分からは「正義の反対は悪ではなく、別の正義なのだ」と、藍染側についても尚正義を行っていた東仙を表しています。 後半部はいわば一護と、一護を応援する読者たちに「一護たちは正義なのか?」と問いかけてくるものとなっています。 『BLEACH』は勧善懲悪ものではないのだと、久保帯人氏から暗に告げられているように感じる、突き刺さるポエムです。

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正義とは何か、悪とは何か、まっすぐな東仙が向き合うにはこの世界は残酷すぎると感じさせられます。

【45巻】山本元柳斎重國

THE BURNOUT INFERNO

伏して生きるな、 立ちて死すべし

護廷十三隊の総隊長として、戦いの中で死ぬのだと言う威厳が感じられるポエムです。 そしてこのポエムの通りの死に様を、作中で見せることになります。元柳斎はユーハバッハに敗北後胴体を真っ二つにされますが、泣き別れした下半身は立ったままでした。 死に際まで部下に示した生き様、自身の信念を貫いた姿は、やはり筆者の記憶に焼き付いて離れませんね。

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元柳斎が自身と護廷十三隊の生き様に関して、端的に述べている最高のポエムです。

【46巻】松本乱菊

BACK FROM BLINDE

不幸を知ることは 怖ろしくはない 怖ろしいのは 過ぎ去った幸福が 戻らぬと知ること

乱菊の人生を表したようなポエムですね。辛い境遇で生きてきた故に、今更不幸を知ることは怖くないでしょう。 けれど大切な存在であるギンと過ごした日々が、2度と戻らないこと、幸福が戻らないことを知るのは怖い、そんな乱菊の心境が伺えます。 そしてこれは僕らの人生にも当てはまりますよね。不幸があるということは生まれた時から決まっているのだから、それを知ることに対しての覚悟は多少なりとも出来るはずです。 ですが1度知った家族や、大切な人たちとの時間が失われることは、きっと耐えられる人は少ないでしょう。

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サッパリした女の子に見えて、ギンに対するクソ重い感情を抱えている乱菊らしくて大好きです!

【47巻】市丸ギン

END OF THE CHRYSALIS AGE

君が明日 蛇となり 人を喰らい 始めるとして 人を喰らった その口で 僕を愛すと 咆えたとして 僕は果して 今日と同じに 君を愛すと 言えるだろうか

本記事で堂々の1位とした、市丸ギンのポエムです。そしてこのポエムの特筆すべきところは、「ギンが乱菊の立場に立って考えている」という所です。 心を殺し藍染の側について汚いことをしていたのは、全て乱菊という大切な存在のためだったギン。しかしもし、乱菊が自分のように藍染の側につきながら自分を愛してくれたとしても、自分はその愛に応えるだろうか? きっとギンにはそうなった乱菊を「愛す」とは言えない、だから自分は乱菊に愛していると伝える資格はないという、ギンの心模様を完璧に表側しています。

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乱菊を大切に思うが故に、自分の気持ちを告げられず最後まで真意を隠し通した、ギンの切ない想いが伝わってきて涙が止まりません。

【48巻】藍染惣右介

GOD IS DEAD

人は皆、猿のまがいもの 神は皆、人のまがいもの

霊王の存在に疑問を抱き、自身が成り代わって天に立とうとした藍染らしいポエムとなっていますね。 一見人を猿とし、神を人とすることで、それらの存在を卑下しているように見えます。しかし筆者はここにこそ、藍染の哲学があると感じています。 まず「神は皆、人の紛い物」としてしまうことで、神は人と同等の存在と定義しています。 つまり「なら人の自分が天に立たないわけがない」という、藍染の超ポジティブ思考の現れとも捉えられるのではないでしょうか?

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藍染の世界のいく先を憂いたが故に、神に成り代わろうとした気概が感じられます!藍染は超ポジティブ思考ですね!

【49巻】黒崎一護

The Lost Agent

僕は、ついてゆけるだろうか 君のいない世界のスピードに

恐らく最も知名度のあるポエムで、『BLEACH』といえばこのポエムを挙げる人も少なくないでしょう。 死神代行としての力を失い、ルキア達死神も虚の姿も見えなくなっていく一護の不安や葛藤を、たったこの一節で表現しています。 長々と一護の心情を話すのでなく、このたった一節で伝えてくる久保帯人氏のセンスが光りまくったポエムです。

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これが最高のポエムだと言っても過言ではないでしょう!カッコ良すぎて日常で使いたいです!

【50巻】銀城空吾

The Six Fullbringers

時は常に背後から迫り 唸りを上げて眼前に流れ去る 踏み止まれ 時がお前を 美しい世界へ押し流そうと どれほど牙を剥こうとも 前を見るな お前の希望は 背後に迫る 冥冥たる濁流の中にしかない

かつて死神に裏切られ、仲間たちを殺された銀城の復讐心を端的に表したポエムだと感じられます。 「時がお前を 美しい世界へ押し流そうと」は、過去を忘れて未来へと進むことを表していると考えられます。そして「牙を剥こうとも」は、復讐に生きる辛さを表現していると捉えられます。 しかし「踏み止まれ」の一言に、銀城の覚悟が見られます。 「お前の希望は 背後に迫る」の一文からも、未来ではなく過去の復讐に拘ることが、銀城の生き甲斐となっているのが伝わります。

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後に一護から力を奪う銀城ですが、序盤のポエムから不穏さがハンパないですね。既に裏切りそうな雰囲気しかしません。

【51巻】毒ヶ峰リルカ

Love me Bitterly Loth me Sweetly

あたしの心に 指を入れないで

好きな人を完現術で閉じ込めてしまうほど、人を好きになってしまうと重い女のリルカにピッタリなポエムですね。 人は恋をすると時にその人の事ばかり考えて、振り回されることになりますよね。つまり心に指を突っ込まれて掻き乱されるわけです。 勿論自分でどうにか出来るなら問題ないですが、恋をしたら自分で自分をどうにもできなくなってしまうこともあります。そんなリルカのどうしようもない心を、相手側に「心に指を入れてこないで」と、訴えかけるようなポエムで表現しているのが、非常にオサレですね。

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『BLEACH』史上最もアダルトなポエムでしょう。表紙のリルカの雰囲気ともぴったりすぎてドキドキが止まりません。

【52巻】月島秀九郎

End of Bond

一緒に数えてくれるかい 君についた 僕の歯型を

月島の他人の過去に介入し、改竄する能力を「歯型」と表現したオサレポエムとなっています。 筆者的にはこのポエムが最も、やはりオサレとキモさは紙一重なのだなと感じさせてくれるものだと感じます。 「君についた僕の歯型」というゾッとする表現すらも、月島の能力を知っていればオサレに見える。そんな『BLEACH』のポエムの真髄があるようにも感じられます。(でもやっぱりキモい……?)

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月島さんになら歯型をつけられてもいいです!ポエムがオサレなのも月島さんのお陰なんです!!

【53巻】雪緒

The Deathberry Returns2

僕が こんなにも若く こんなにも未熟であるということが 老いさらばえ 完全無欠である大人達には どうにも許し難いことのようなのだ

自尊心の塊で、幼さが抜けきらない雪緒らしいポエムとなっています。 自身の幼さ、未熟さを「大人たちの嫉妬」として解釈することで、自己を正当化しようとしていることが読み取れます。 この一文で雪緒の鼻につく感じすら表現してしまえる辺りが、やはり『BLEACH』のポエムの秀逸さを加速させています。

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自分の幼さを「大人の嫉妬」と捉える、雪緒のクソガキっぽさがたまりません!表紙の上目遣いも最高です!

【54巻】朽木ルキア

Goodbye to Our Xcution

変わらぬものは 心だと 言えるのならば それが強さ

死神代行消失篇の一護を象徴するポエムでしょう。この章で初めて一護は「死神代行」という役割の真実を知ることになります。 浮竹に騙されていたこと、死神代行証は持ち主を監視するためのアイテムだったこと、それらの真実を銀城から聞かされても一護はブレなかったのです。 事実を知っても揺らぐことのない決意を示した一護への、ルキアの一護に対する信頼や、尊敬の念がこの一節に込められています。

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一護の変わらない信念と、そんな一護へルキアが向ける変わらない信頼が感じられて、グッとくるポエムです。

【55巻】ユーハバッハ

THE BLOOD WARFARE

一歩踏み出す 二度と戻れぬ 三千世界の 血の海へ

最終章である「千年血戦篇」の始まりとして、これ以上ないポエムでしょう。 一から始まって血で終わるのは、一護から始まった物語が最終章である「千年血戦篇」にたどり着いたのだなと感じさせてくれます。 一、二、三、千、そして血と数字を用いて、最終章が始まる緊張感をこれほど表現してくれているのは、見事としか言いようがありません。

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千の後で血で続けて「千年血戦篇」になるのがオサレすぎて最高です!表紙のユーハバッハのラスボス感も強くて鳥肌です!

【56巻】キルゲ・オピー

MARCH OF THE STARCROSS

軍勢ゆきゆきて喇叭を吹く 耳鳴り止まず星屑のごとく 軍靴の轟き雷鳴のごとく

滅却師による虚圏の侵攻と、それを指揮したキルゲーを表現したポエムですね。 キルゲーは狩猟部隊の統括狩猟隊長であり、また破面回収部隊の総指揮も任されている身です。ユーハバッハ以外で、作中で明確に指揮権を委ねられている彼にこそ、「軍勢」という言葉は相応しいでしょう。

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虚圏と尸魂界を進行する滅却師たちの軍勢が目に浮かびます!白と青の印象がある滅却師には珍しい赤色の表紙も特徴です!

【57巻】朽木白哉

OUT OF BLOOM

散りて二度とは咲かずとも 炎のごとくに散るぞ美し

桜は「散り際が美しい」と言う人も多いですが、そんな桜を刃として振るう白哉らしいポエムとなっています。 ただ筆者としては、珍しく物語とリンクしていないポエムだと感じます。ご存知の通り白哉はエス・ノトに敗北し生死を彷徨いますが、後に復活しています。 散ってはいないため「散り際の美しさ」を語る理由や、二度と咲かないという単語を選んだ理由も謎です。やはり当初はエス・ノト戦で、白哉は退場させるつもりだったのでしょうか?

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当時は白哉が死んでしまったと思ったので、このポエムを読んで悲しくなってしまいました。自身の力を奪われ、桜の中散る白夜の姿が目に浮かびます。

【58巻】山本元柳斎重

THE FIRE

魂燃え立つ 天の降るとも

ユーハバッハ対元柳斎の戦いが、この一文で思い浮かべることが出来る秀逸なポエムだと感じられます。 「魂燃え立つ」で、死してユーハバッハに粉々にされた元柳斎の姿が思い起こされます。そして「天の降るとも」で、悲しげに振りしきり、終焉を思わせる雨が目に浮かびませんか? アニメで映像を見た後だからこそ、余計に刺さるポエムとなっていると感じられます。

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最強の死神だった元柳斎がユーハバッハに一刀両断された衝撃が蘇ります。雨に打たれる元柳斎の遺体が切ないです。

【59巻】卯ノ花八千流

THE BATTLE

戦いこそすべて

ここまで久保帯人氏のポエムのオサレさを味わってきたからこそ、このシンプルなポエムが余計刺さりますね。なんてことない一文なのに、オサレに見えるのは久保帯人氏のセンス故でしょうか? これは永遠に戦いを楽しむために、自身を癒す術として回道を会得した、卯ノ花を端的に表したポエムですね。 また戦いを楽しむために、自身の力を封じ込めた更木にも当てはまるため、2人の戦闘狂のためのポエムと言えるでしょう。

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卯ノ花さんと更木の戦いがどうしようもなく好きなこと。根っからの戦闘狂であることが分かる最高の一言です!

【60巻】黒崎真咲

EVERYTHING BUT THE RAIN

罪無きあなたは 太陽のよう 罪深きあなたも 太陽のよう

一護の母である真咲のポエムですね。太陽のような存在である真咲のことを指しているようですが、真咲から見たら一護のことのようにも感じます。 勿論誰だって産まれた瞬間は無垢な赤ん坊です、しかし大きくなるに連れ綺麗なだけではいられなくなり、時に罪深くもなっていきます。 そうなったとしても、我が子は太陽のようなのだと愛する、母としての情がこのポエムに詰まっています。例え咲かない花だとしても、水を与え続けるのが親なのです。

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一心の真咲への愛。真咲から一護への愛がこのポエムに詰まっていて涙が出ます。虚の力を取り込んだとしても、大切な存在であるということは変わりません。

【61巻】斬月

THE LAST 9 DAYS

私が 世界は危険に満ちていると信じ その危険からお前を護りたいと願うのは 私の中にその危険と同質の 衝動があるからに ほかならない

長年隠され続けていた伏線だった、斬月はユーハバッハの若い頃の姿だったという事実を、このポエムだけで表現し切っています。 ユーハバッハを世界の危険として表現し、その危険が自身の中にもあると続けることで、容易く斬月=ユーハバッハと繋がる技には感服させられます。 長年温めた伏線をポエムで回収する時も、とびきりのオサレを持ってくるあたりが、久保帯人氏の魅力と言えるでしょう。

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斬月が一護を守りたかったのは、いずれ一護の敵として自分が立ち塞がることを分かっていたからなのだと伝わってきてグッときます。

【62巻】狛村左陣

HEART OF WOLF

己の生に 抗い続ける 己の心に 牙ある限り

元柳斎の仇を討つために、心臓を捧げ不死身となる術を身につけた、狛村の覚悟を表したポエムになっています。 「生に抗う」という一文から、いくつか考察の余地が生まれると筆者は考えています。 ひとつは犬の姿という生を捨て、人間として生きること。もうひとつは心臓を奪われた狛村は、ほとんど死人と言えるという点です。 殆ど死に体となっても、復讐のため、それでも生に争い戦い続けようとする、狛村の怒りがそのまま具現化したようなポエムと感じられます。

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元柳斎の復讐を果たすため、自分の命すら捨てた狛村の覚悟が伝わってきます。その後ただの犬に成り果てる姿に胸が苦しくなります。

【63巻】エス・ノト

HEAR, FEAR, HERE

生きることと 生かされることに 違いは無い 死ぬことと 殺されることに 違いが無いように

元は死を待つだけの患者でしたが、ユーハバッハの手によって生き永えることができた過去を持ちます。その為ユーハバッハに「生かされている」身であり、いつでも切り捨てられてしまうような身でもあります。 そんな生死を他人に握られている、エス・ノトらしいポエムです。 死を待つだけだった身が、ユーハバッハに殺されるかどうかの身になっただけであり、そこに大した違いはないというのは、彼らしい感性だと言えますね。

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他人を恐怖で支配する技を駆使するエス・ノトが、誰よりもユーハバッハに恐怖していた事がわかります。やはりユーハバッハは恐ろしいです。

【64巻】グレミィ・トゥミュー

DEATH IN VISION

美しさとは、 そこに何もないこと

想像すれば何でも生み出せる、グレミィの哲学が詰まったポエムになっています。 なんでも想像して実現してしまえるが故に、グレミィには「手に入らない」という概念がないと考えられます。故にグレミィにとって想像し得るもの、つまりこの世に存在し得るものは美しくはないのでしょう。 彼の想像を超えるものはこの世に存在しないもの、つまり「何もない」ということが、彼の目指す完成系なのかもしれません。

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想像で全てを生み出せるグレミィ君らしいポエムです!弓親君の「斬り捨てられる瞬間が1番美しい」にも通ずるものを感じます。

【65巻】ジゼル・ジュエル

MARCHING OUT THE ZOMBIESE

すきだよ しぬほど

死神も滅却師もゾンビへと変えてしまえるジゼルらしいポエムですね。他の人物が言えばロマンチックに聞こえるはずですが、ジゼルが言うと恐怖しかないのは何故でしょう? 筆者はこのポエムはそれ単体だけで成立するものではなく、キャラクターを知っていて初めてオサレに見えると考えています。 好きな相手を死人であるゾンビに変えて愛する、ジゼルの愛の異常性があってこそ、真価を発揮するのです。

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ロマンティックなセリフなはずなのに、なぜかジゼルちゃんがいうと恐怖しかないですね……。言葉は誰が言っているのかが大事とはよく言いましたね。

【66巻】二枚屋王悦

SORRY I AM STRONG

断ち斬るものは 命だけかい

斬魄刀を生み出した王悦を表すのに、これ以上ないポエムでしょう。 言うまでもなく刀は相手の命を断ち切るものです。しかし命を断ち切ることによって、相手が持っていた人間関係や、信念など、様々なものを断ち切ることに繋がります。 戦いで失われるのは命だけではないと、暗に訴えかけてくるようなオサレポエムです。

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斬魄刀を生み出した王悦だからこその、刀に対する哲学が篭っていて最高です。「刀」のあり方について、色々考えさせられます。

【67巻】兵主部一兵衛

BLACK

御先 真黒 真逆様

墨を用いて、相手の名前を塗りつぶして戦う、和尚らしいポエムとなっています。 真逆というのは、名前を塗りつぶして書き換えることで、全く違う存在へと変える「しら筆一文字」のことでしょう。 これからの滅却師たちとの戦いを、和尚の能力と絡めて表現していると考えられますね。

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ポエムの簡潔さと表紙の邪悪さも相まって、和尚が黒幕に見えて仕方ないです。実際黒幕のようなものでしたが。

【68巻】アスキン・ナックルヴァール

THE ORDINARY PEACH

毒々しくって、 眩々するだろ?

毒という普通なら忌避する物質すら、自身の能力で致死量を自由自在に操れる、アスキン らしいオシャレなポエムです。 アスキンは「余裕」を重要視しており、このポエムにもその余裕を保とうとするアスキンの内面が出ていると筆者は感じます。 このポエムはアスキンにとっては、毒すら自身の裁量次第でどうにでも変えられます。それを眩々と表現することで、「毒も俺にとってはなんてことない」と余裕アピールしてきているのでしょう。

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オシャレを重視するアスキンらしいポエムです!「女は顔じゃないオシャレかどうかだ」の一言は、全国の男性に見てもらいたい格言!

【69巻】バザード・ブラック

AGAINST THE JUDGEMENT

銃弾、鉤爪、軍旗、刀剣、 五本指折り お前を待つ

バズビーの能力と、ハッシュヴァルトに対する想いが詰まったポエムとなっています。 「五本指」は本数によって威力が上がる、バズビーの「バーナーフィンガー」のことを指していると考えられます。 そしてその指を折ることで、お前=ハッシュヴァルトを待っているのでしょう。 ここで「指を折る」と表現することで、友人と会える待ち遠しさと、バズビーなりの戦闘準備の仕方を表現しているのが余りにもオサレです。

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自分との友情ではなく、ユーハバッハへの忠誠心を取ったハッシュを想う、バズビーの意地らしさが感じられて涙が止まりません。

【70巻】ユーグラム・ハッシュヴァルト

FRIEND

痛みはない その天秤から 目を逸らせぬ事以外に

天秤とは、「自身に降りかかる不幸を他人に押し付ける」というハッシュヴァルトの能力「世界調和」のことを指していると考えられます。 自身に不幸が降りかからないわけですから、当然ハッシュヴァルトには痛みなど伴うはずがありません。ですが、その不幸を押し付けるという事実から目を逸らせないことは、痛みを感じるのです。 これは彼は心の中で、誰かに不幸を押し付けることを心苦しく思っていること。その後ろめたさを「目を逸らさない苦しみ」で表現しているのでは?と筆者は考えています。

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ハッシュバルトの自身の能力で他人に不幸を押し付けること、それに対する葛藤を知って驚いた記憶があります。

【71巻】涅ネム

BABY HOLD YOUR HAND

吾子の手かわいや さまよう手 吾をもとめて 流離うて 寄らば離れる 手をとって 引きて歩もう 沙汰の果て

部下を何とも思っていないようなマユリの、心の裏にあるネムヘの想いが込められているようなポエムです。 吾とはマユリで、吾子とはネムの事を表していると考えられます。自分から近づけば、ネムは離れてしまうかもしれないという恐怖心。 そんなネムの手を強引に引いて進もうとするのは、普段からネムに厳しく当たるマユリの姿は、彼の恐怖からきているのでは?と考えさせられていしまいます。

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普段から実験体のようにしか扱っていないのに、その裏にはちゃんとマユリなりのネムへの想いがあることを感じられて感動します。

【72巻】石田雨竜

MY LAST WORDS

言葉に姿があったなら 暗闇に立つきみに届きはしないだろう

かつては「分かり合えない」と言わんばかりのポエムを残していた石田が、一護を友として認めているのだなと感じられる一節になっています。 ユーハバッハ側につき裏切ったと思えた石田ですが、その実は自身を犠牲にしてもユーハバッハを倒そうとしていました。 ユーハバッハ側という光の側に立っている自分の言葉は、暗闇側である死神の一護には届けられない、そんな葛藤が込められているように感じます。

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一護達を裏切ったかのように見えて、ユーハバッハを倒すために動いてた雨竜!やはり素直じゃないメガネイケメンは最高です!

【73巻】阿散井恋次

BATTLE FIELD BURNING

牙より滴る火は消えず 刃立つ野を焼き払い 友の姿を炙り出す

11巻の恋次のポエムと繋がっていて、最初から読んでいた方にとっては伏線回収とも呼べるポエムではないでしょうか? かつては星を見ないために灯した火で、友である一護が行く道を切り開くその姿に、恋次の成長を感じずにはいられません。 最終章で卍解の本来の姿を手に入れて、頼もしい姿を見せてくれた恋次を、ポエムからも感じられる秀逸なポエムです。

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11巻のポエムに見られた、ただ自分の不甲斐なさに負けていた姿。あの時の恋次からは信じられないほどの成長を感じます。

【74巻】黒崎一護・朽木ルキア

THE DEATH AND THE STRAWBERRY

我等は 姿無くとも 歩みは止めず

ここまで73個もポエムを紹介してきましたが、これにて堂々の完結です。 最後のポエムはこの『BLEACH』を締めくくるに相応しく、一巻のポエムとの繋がりを感じさせてくれるものです。 「我等姿無く」という表側からも、死神代行として姿が見えない側になった一護の視点の一節になっていると感じられます。 そしてこれからも死神代行として生きていく、一護達の人知れない戦いはこれからも続いていくということが感じられる、最高にオサレな締めくくりになっています。

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『BLEACH』のラストポエム!一巻のポエムを思わせる原点回帰が堪らないです!それと同時に「終わってしまうんだな」という悲しさも……。

『BLEACH(ブリーチ)』のポエム一覧を見てオサレな気分になろう

BLEACH
(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ 

いかがでしたか?流石に74巻分のポエムが並ぶと壮観ですね!この中から皆さんのベストポエムは見つかりましたか? 『BLEACH』のポエムは物語と非常にリンクしており、本編だけでは汲み取れない感情も読み取ることができます。 ぜひこのポエムを何度も読み直すことで、永遠に『BLEACH』を楽しみ続けてくださいね!