2018年10月9日更新

「逃げ恥」脚本家の野木亜紀子が、ドラマをヒットに導くワケを考察!【『獣になれない私たち』】

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『逃げるは恥だが役に立つ』

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脚本家・野木亜紀子が評価される理由を考察!

新水10ドラマ『獣になれない私たち』で、新垣結衣と4度目のタッグ!

脚本家の野木亜紀子は、今や映像関連業界には欠かせない存在となりつつあるヒットメーカーです。 主な作品としては『ラッキーセブン』や「図書館戦争」シリーズ、『逃げるは恥だが役に立つ』、『アンナチュラル』など。手掛けた作品のほとんどが話題になり高評価を得ています。 何故、野木が脚本を書くとたちまちヒットするのか?その理由をドラマ作品と絡めながら徹底考察していきます!

主人公変更にエピソード追加など、野木要素の多かったドラマ『空飛ぶ広報室』

2013年に放送された新垣結衣主演のドラマ『空飛ぶ広報室』は、瞬間最高視聴率18.3%を記録し、後に野木作品の常連となった新垣との初タッグ作品です。『阪急電車』や『フリーター、家を買う。』などで有名な有川浩の、同名小説の実写ドラマの脚本に野木が抜擢されました。 原作では綾野剛が演じた空幕広報室の空井大祐が主人公ですが、ドラマ版は新垣結衣が演じたテレビ局ディレクターの稲葉リカに変更。さらにドラマオリジナルのエピソードやキャラクターも追加されており、野木要素がふんだんに付け加えられています。 しかしそのどれを取っても全く違和感がなく、むしろ原作の魅力はそのままに、どうすればドラマとして面白くなるかが手に取るように解っているような出来上がりに。原作者である有川もその手腕を認め、原作を正しく読み解ききちんと取捨選択をやってくれた、とべた褒めしています。

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『重版出来!』は原作ファンも大満足の仕上がりに!

2016年に放送された『重版出来!』は、漫画編集部を舞台にした黒木華のテレビドラマ初主演作品です。原作は松田奈緒子による同名漫画で、数々の賞を受賞した評判の良い原作なだけに、野木がどう料理するのか大きく注目されていました。 結果として視聴率は1桁台推移と振るわなかったものの、東京ドラマアウォード2016の脚本賞、コンフィデンスアワード・ドラマ賞年間大賞など多くの賞を受賞。黒木演じる主人公や、漫画家たちそれぞれのキャラクター全員が主役にみえる構成が高く評価され、近年稀に見る良質なドラマと称されました。 今回の原作では、漫画のコマ割りの間に読み手の主観が入っていきますがその表現の仕方も見事で、変に説明しすぎず絶妙な塩梅で視聴者を誘っています。漫画の実写化は常に原作ファンからの非難が付き物ですが、今作は原作ファンからの否定的意見は少なく、視聴率以上の満足感を視聴者に与えたのです。

大ヒットドラマ「逃げ恥」で浮き彫りになった野木亜紀子の手腕

契約結婚をテーマにした、海野つなみの同名漫画の実写化作品『逃げるは恥だが役に立つ』。本作の脚本も野木亜紀子が務めており、新垣主演のドラマの脚本を手掛けるのは『空飛ぶ広報室』、『掟上今日子の備忘録』に続いてこれが3作目となりました。 本作の視聴率は毎話ごとにぐんぐん伸び、最高視聴率は最終話の20.8%を記録。原作、配役、脚本など全てにおいて評価され、年末の賞レースを総なめにした挙句、星野源が歌う主題歌の『恋』と合わせて社会現象とまで称された作品です。 ここまでのヒットとなった理由の1つに、野木の脚本は外せません。野木は、石田ゆり子演じる叔母の仕事ぶりにフォーカスする回を作ったり、大谷亮平演じる風見の、元カノとのエピソードを津崎が聞いているという設定にするなど、些細な変化を実に多く施しています。 仕事ぶりが分かった叔母の人生の話は視聴者の心にも届き、風見の元カノの話は津崎の心に響いた事で関係を発展させていくきっかけとなりました。一見細かいようなその変化が、その後の展開に説得力を持たせているのです。このように野木は1つのテーマを際立たせる為、他のエピソードの話を持ってきたり繋ぎ合わせるなどの作業が得意なのだと言えます。

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終始ムダの無い緻密に練られた展開が素晴らしい『アンナチュラル』

2018年1月期に放送されたドラマ『アンナチュラル』は、不自然死究明研究所という架空の研究施設を舞台に、不自然な死を遂げた遺体を解剖し謎や事件を解決していく、野木亜紀子のオリジナルストーリー連続ドラマです。 石原さとみ主演で注目された今作は、最終話には本作最高視聴率の13.3%を記録。さらには作品や脚本が、ギャラクシー賞や放送文化基金賞などの賞も受賞するなど多くの脚光を浴びた作品となりました。 オリジナルな作品なだけに、先が読めないスピーディーな展開が多くの視聴者を惹きつけた『アンナチュラル』。評価されたのは、至る所に散りばめられた数々の伏線と回収、さらに殺人や復讐など重いテーマを抱えながらもテンポ良く運ばれた会話や雰囲気でした。 第1話から登場していた、アメリカは土葬されているという何気ないセリフが最後の謎を解くヒントになっていたり、8話のビル火災の事件からラストの犯人へと繋がっていく展開は正に圧巻の一言。登場人物たちのラフな会話も楽しく、シリアスなテーマながらもコミカルに仕上げた無駄の無い野木の脚本が、視聴者の満足度へと繋がったのでしょう。

脚本家・野木亜紀子のヒットの秘訣は挫折にアリ!?

人気脚本家・野木亜紀子は1974年、東京都に生まれました。学生時代から演劇を始め、後に映画監督を目指し日本映画学校に進学した野木。しかし自分は現場には向かないと脚本家を志すようになります。 結果として現在ではその手腕が認められ、今の脚本家としての地位を築く事となりましたが、元々役者、映画監督志望だったという野木は多くの挫折をし、長い視聴者時代を経験してきました。 彼女はその経験の中で、「原作はトレースするのではなく、作品のファンになり哲学を理解することが重要だと考えている」と、インタビューで語っています。数々の挫折を経験し視聴者目線が染みついていることが、野木がドラマをヒット作へと導く人気脚本家たる所以なのかもしれません。

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ガッキー×野木亜紀子!黄金コンビの新作が10月よりスタート!

遂に4度目となった新垣結衣主演×野木亜紀子脚本の新ドラマ『獣になれない私たち』が、2018年10月よりスタートします! 映画『恋するマドリ』以来、11年ぶりに共演する松田龍平とのW主演となる本作は、本能の赴くまま自由に生きられない大人の為のラブコメディです。現代に生きる人々をリアルに描いた、笑えて切ない物語となっています。 野木との再タッグは「なんとも言えない安心感と同時にプレッシャーもある」と、コメントする新垣。「逃げ恥」のあれだけの大ヒットに、視聴者の期待も当然高まります! 注目の新ドラマ『獣になれない私たち』は、2018年10月10日水曜22時から、日本テレビ系列にて放送開始です!