2019年11月29日更新

歴代の昭和ライダーを一覧形式で紹介!魅力あふれる改造ヒーロー

ムック本『昭和仮面ライダー列伝』

「昭和ライダー」と「平成ライダー」に区分けされる仮面ライダーシリーズ。ここでは、その「昭和ライダー」について一覧形式で紹介します。昭和ならではの魅力にあふれる改造ヒーローたちを、今こそ大解剖!

目次

昭和ライダーとは!?長きにわたって子供たちの心を掴んできたヒーロー、その原点

放送時期によってそう呼ばれる?

「仮面ライダーシリーズ」は1971年からはじまり、時代を越えて大きな人気があります。TVのレギュラー放送をはじめ、スペシャルや劇場版、OVAなど数多くの作品が誕生。それら多くの作品群を分かりやすく区分けするために、2000年に放送が開始された『仮面ライダークウガ』以降、元号で表現するようになりました。 レギュラーTV放送された作品でいえば、1971年の『仮面ライダー』から1988年の『仮面ライダーBKACK RX』までを「昭和ライダー」と呼びます。そして「平成ライダー」は、2000年の『仮面ライダークウガ』から2018年の『仮面ライダージオウ』まで。また、原作者の石ノ森章太郎が実際に関わっているかどうかの区分けともいわれています。 今回は、そのなかの「昭和ライダー」について解説していきます。

昭和ライダーの魅力はズバリ、悲哀を背負って戦う正義のヒーロー像!

「昭和ライダー」は、主人公の仮面ライダーが総じて「改造人間」だという設定です。人間としての身体のどこか一部を機械化したり、強化生体へと置換させたり。そこには、人間であって人間ではない、元の姿にはもう二度と戻れない、そうした悲哀があふれています。 「昭和ライダー」の主人公たちは、みな何らかの悲しい事情をもとに改造人間となり、その過酷な運命を背負って悪と戦っていきます。そうした十字架を背負いつつも、全力で平和のために戦っていく姿。そこにカッコ良さがあり、憧れのヒーロー像があります。

『仮面ライダー』(1971年)

ここがすべての原点!人間の自由のために戦う改造人間

『仮面ライダー』は、シリーズすべての原点です。変身ベルト、痛快なバイクアクション、華麗な必殺技など、固定されたフォーマットもすべてここから。元々は「怪奇アクションドラマ」として制作されましたが、2号ライダーの登場などヒーローアクションものに転化し、大人気作となりました。 優秀な科学者でオートレーサーでもある本郷猛(ほんごうたけし)は、ある日ショッカーという悪の秘密結社に捕らわれ改造人間にされてしまいます。しかし、脳改造寸前のところで本郷は脱出。仮面ライダーとして、ショッカーの怪人と戦っていきます。 その後、新たに一文字隼人(いちもんじはやと)が変身する2号ライダーも登場。ダブルライダーが、人間の自由のためにショッカーの野望を打ち砕いていきます。

伝説のダブルライダー俳優

1号ライダー・本郷猛を演じたのは藤岡弘(後に藤岡弘、)。SANKIワールドワイド所属の俳優です。日本人としてはじめて全米映画俳優組合のメンバーとなったほか、川口浩の後を受けた「探検隊シリーズ」隊長としても有名。2016年には、新作映画の『仮面ライダー1号』で主演もしています。 2号ライダー・一文字隼人を演じたのは佐々木剛。『仮面ライダー』への出演前後から人気俳優の仲間入りをしましたが、1982年に自宅の火災で顔に大やけどを負ってしまいます。その後は俳優業をリタイヤし、居酒屋経営へと転身。

2号ライダー誕生の真相とは?

1号と2号のダブルライダーが『仮面ライダー』の大きな特徴ですが、これは当初予定にはないものでした。あるとき、本郷猛役の藤岡弘が撮影中にバイク事故を起こして緊急入院。そこで急遽代役として佐々木剛が選ばれ、2号ライダーが生まれました。 それを機に、女性レギュラー増加、ヒーロー性重視、怪人のキャラクター性強化など、作品のテコ入れも行われました。そして、「変身ポーズ」をここではじめて導入。以後、変身ヒーローには不可欠のアクションがここで生まれたわけです。

『仮面ライダーV3』(1973年)

変身ヒーローブームの立役者

『仮面ライダーV3』は前作『仮面ライダー』の続編として制作され、当時の変身ヒーローブームの牽引役となりました。主人公・V3の圧倒的なヒーロー性、少年仮面ライダー隊の存在などが子供たちの人気を不動のものとし、昭和ライダーでは最高の視聴率。特徴的な怪人たちも大きな話題でした。 1号&2号のダブルライダーによってゲルショッカーは壊滅。しかし、生きていた悪の首領は新組織・デストロンを結成し、再び世界征服を企みます。そこで、ダブルライダーに改造された新たなライダー・V3が誕生。デストロンとの壮絶な戦いがはじまります。

文字どおり大爆発した作品

『仮面ライダーV3』は、撮影時の火薬の量がハンパではなかったと伝えられています。あまりの爆煙でV3の姿が見えなくなってしまうハプニングも。また、観光協会からは「爆発で島にヒビが入った」、漁業組合からは「爆発で魚がいなくなる」などという苦情もあったそうです。

ヒーローを愛し続ける俳優・宮内洋

ライダーV3・風見志郎を演じたのは宮内洋。当時大人気のヒーロー俳優で、『秘密戦隊ゴレンジャー』『快傑ズバット』『ジャッカー電撃隊』など、二枚目ヒーロー役を立て続けに演じました。「特撮ヒーロー番組とは、子供たちに正義の心を教える教育番組」というポリシーがあり、強いヒーロー哲学を持ち続けています。

『仮面ライダーX』(1974年)

武器を持つライダーが初登場!GODの陰謀に立ち向かう

『仮面ライダーX』は、新機軸のライダーとして制作され、はじめて武器を持つライダーとなりました。今でこそ剣や銃を仮面ライダーは当たり前のように使いますが、当初は肉弾戦オンリー。ライドルという武器の装備は画期的でした。そして、敵側にアポロガイストという本格的なライバルも登場。魅力的な悪役キャラも誕生しました。 あるとき、海洋学者の神啓太郎がGODという日本全滅を企む組織への加入を迫られます。啓太郎がこれを拒否するやGODは啓太郎を襲い、息子の啓介を殺害。 啓太郎は、瀕死の重傷を負いながらも啓介を改造して仮面ライダーXとして蘇らせました。啓介はGODと戦う決意を固め、協力者・立花藤兵衛とともにXライダーとしてGODに立ち向かっていきます。

中盤からは路線変更?

大人向けのストーリー、神話をモチーフにした怪人など、『仮面ライダーX』はそれまでとは違う路線でスタートしました。 しかし、視聴率の低迷や子供には分かりにくいなどの理由から路線変更。後半は従来のヒーローアクション中心となりましたが、その当時話題を呼んだオカルト風味などは継続して取り入れられました。

アダルト路線に似合う速水亮が主演

Xライダー・神啓介を演じたのは速水亮。オールアウト所属の俳優です。1969年に大映ニューエースとして俳優デビューし、以後数多くの映画やドラマに出演。『仮面ライダーX』で共演した美山尚子と結婚し、長男の香坂優介も俳優として活動しています。

『仮面ライダーアマゾン』(1974年)

野性味あふれる異色ライダー!ギギの腕輪を巡って野生児アマゾンが駆ける!

『仮面ライダーアマゾン』は、はじめて「原点回帰」という試みがなされた作品です。それは『仮面ライダー』第1話をさらに遡り、「野獣性」に立ち戻った原始的なヒーローという意味合いでした。 主人公は南米アマゾンで育った野生児で、噛みつきや引っ掻きといった技が中心。必殺技が「大切断」というキック以外の技だったのも特徴的です。 生後間もなく南米アマゾンで遭難した山本大介は、自分が日本人ということも分からず野生児アマゾンとして育ちました。ある日、古代インカ帝国の秘宝・ギギの腕輪を狙うゲドンという組織が反乱。 その対抗手段として、インカ一族の長老バゴーはアマゾンを改造してギギの腕輪を守るよう催眠術をかけました。そして、アマゾンとゲドンの激しい戦いが繰り広げられていきます。

全24話という短さは打ち切り?

『仮面ライダーアマゾン』は、仮面ライダーシリーズ最短の全24話という放送回数です。その短さゆえに「打ち切り」のようなイメージですが、これは放送局のネットチェンジによるもので当初からの予定どおり。ただ、視聴率は低迷していました。平成以後は、逆にその斬新な設定が再評価されています。

アマゾンを演じた岡崎徹は引退

アマゾンを演じたのは岡崎徹。『仮面ライダーアマゾン』出演後も俳優として活躍していましたが、ドラマの撮影中にオートバイの転倒で重傷を負いました。結局、そのまま芸能界を引退し、故郷の長崎に戻ってスナックなどを経営。近年では、歴代仮面ライダー俳優として特番などにも出演しています。

『仮面ライダーストロンガー』(1975年)

自ら改造手術を受けた電気人間

『仮面ライダーストロンガー』は、第1期昭和ライダーシリーズの最終作という位置づけ。「単純明快」「痛快明朗」というテーマで、ヒーローものの王道といった趣です。 また、「女の子も仮面ライダーごっこがしたい」という意見を受け、電波人間タックルというシリーズ初の女性変身ヒロインも登場。バラエティーに富んだ作品となっています。 主人公の城茂は、あるとき悪の組織ブラックサタンに友人を殺されます。その仇を討つため、茂は自らブラックサタンに乗り込んで改造手術を受けて脱出。ともに脱出した岬ユリ子とともに、電気人間・仮面ライダーストロンガーとしてブラックサタンと戦っていきます。

主演の荒木茂はフォー・セインツのメンバー

ストロンガー・城茂を演じたのは荒木茂(後に荒木しげる)。特撮ヒーロー番組以外でも、『特捜最前線』や『暴れん坊将軍』など多くのドラマや映画に出演し、人気を博しました。フォー・セインツというフォークグループのメンバーでもあります。2012年4月に、肺炎のため63歳で死去。

7人ライダーが勢揃い!

『仮面ライダーストロンガー』は、当初全52話の予定でしたが、視聴率低迷のため全39話で終了となりました。テコ入れの意味もあり、後半では過去の先輩ライダーが次々とゲスト出演。最終話では、7人ライダーが全員勢揃いし、有終の美を飾りました。その際、各俳優のスケジュール調整は相当無理があったといわれています。

『仮面ライダー(スカイライダー)』(1979年)

空飛ぶ仮面ライダー!ネオショッカーと戦う新ヒーロー

仮面ライダーシリーズは、前作『仮面ライダーストロンガー』で一旦完結しました。その4年後、リバイバルブームが起こるなかで本作品『仮面ライダー(スカイライダー)』が誕生。名前のとおり「空を飛べる仮面ライダー」というのが大きな特徴で、バイク攻撃による必殺技も新要素でした。 7人ライダーによって滅ぼされた秘密結社・ショッカー。数年後、その名を受け継ぐネオショッカーという悪の組織が誕生し、人間改造工学者の志度博士を襲います。 その志度博士を主人公の筑波洋が助けますが、逆に怪人によって瀕死の状態に。そこで志度博士は洋を改造し、仮面ライダーとして蘇らせました。そこから、スカイライダーとネオショッカーの戦いがはじまっていきます。

主演オーディションで選ばれたのは村上弘明

スカイライダー・筑波洋を演じたのは村上弘明。主演オーディションで3,786人のなかから選ばれ、俳優デビューしました。その後、『必殺仕事人V』で花屋の政を演じてブレイク。ほかにも数多くのドラマや映画に出演しています。1987年には、日本アカデミー賞助演男優賞も受賞。

第1作への原点回帰は空振りに

『仮面ライダー(スカイライダー)』は二度目の「原点回帰」として、1971年の第1作を意識した設定でスタートしました。しかし、地味なストーリーとライダーデザインなどが裏目に出て視聴率は低迷。後半はレギュラーキャラを一新するなど明るさを前面に出し、歴代7人ライダーも順次ゲスト出演しました。

『仮面ライダースーパー1』(1980年)

火を噴くライダー拳が大人気!惑星開発改造人間・スーパー1

『仮面ライダースーパー1』は、「宇宙」と「拳法」をテーマに盛り込んだ新要素の濃い作品です。コスチューム・デザインも評価が高く、子供たちにも大人気。ファイブハンドを駆使するパンチ技、多彩なバリエーションを持つキック技も分かりやすく、久々のヒット作となりました。 アメリカの国際宇宙開発研究所。そこでは惑星開発用プロジェクトが進められており、沖一也は自ら志願して改造手術を受け、惑星開発改造人間・スーパー1となりました。 それを知った暗黒国家ドグマは、スーパー1のいる研究所を全滅させます。なんとか生還した一也は、さらに赤心少林拳の奥義を会得。仮面ライダースーパー1として、ドグマと戦っていきます。

主演の高杉俊介は元陸上自衛隊員

スーパー1・沖一也を演じたのは高杉俊介。元陸上自衛隊員ということもあり、『仮面ライダースーパー1』では、危険なアクションシーンもほぼノースタントで演じました。その後も、俳優、歌手、そしてミリタリースーパーバイザーとして活動しています。

人気作だったのに打ち切り?

『仮面ライダースーパー1』は作品人気がとても高く、キャラクターショーの集客も抜群でした。ところが、キー局・TBSの都合で第24話から放送枠が移動。 関西圏と関東圏で放送時間が変わり、地方によっては打ち切りになるところもありました。そのため、全48話の人気作だったと知らない地方のファンもいたようです。

『仮面ライダー BLACK』(1987年)

親友を助けるために戦う正義の戦士

『仮面ライダーBLACK』は、6年ぶりに復活した仮面ライダーのTVシリーズ。三度目の「原点回帰」として、「悪の組織から脱出」「バイクアクション」「バッタ」など初期の設定を活かしつつ、最新技術でリメイクという形がとられました。親友と戦うという「主人公の悲哀」もうまく表現。後年でも高評価の大人気作となりました。 主人公・南光太郎は、19歳の誕生日に親友・秋月信彦とともに暗黒結社ゴルゴムに拉致されます。そして、次期創世王候補として改造されますが、脳改造寸前に脱出。光太郎は黒いバッタ男と化しましたが、信彦の救出、そしてゴルゴム壊滅のために、仮面ライダーBLACKとして敢然と戦っていきます。

主演の倉田てつをは主題歌も歌った!

ライダーBLACK・南光太郎を演じたのは倉田てつを。『仮面ライダーBLACK』の主役公募オーディションに合格し、俳優デビューしました。本作品では主題歌も歌い、一躍人気者に。その後もドラマや映画、舞台などで活躍を続けています。

ライダーバトルの原点がここにあった!

『仮面ライダーBLACK』は「原点回帰」のコンセプトが大成功。そして、親友同士が敵同士となり、戦わざるを得なくなった主人公の悲哀とハードなドラマ性も高評価となりました。 その親友・信彦は、仮面ライダー的な造形であるシャドームーンという敵キャラとなり、BLACKと対立。これは平成で頻発する「仮面ライダー対仮面ライダー」という構図の先駆けでした。

『仮面ライダー BLACK RX』(1988年)

唯一の続編ライダーは新機軸の戦闘ヒーロー!南光太郎の新たなる戦い

『仮面ライダーBLACK RX』は、昭和ライダー最後の作品。前作『仮面ライダーBLACK』の続編という位置づけですが、同じ主人公の南光太郎が新たな敵と戦うまったく別の物語です。前作とは真逆の明るい展開で、RXは剣や銃など武器を駆使して戦う新機軸のライダーとなりました。 ライダーBLACKがゴルゴムを滅ぼしてから半年。光太郎は平和な日々を過ごしていましたが、ある日クライシス帝国に拉致されます。 光太郎は変身機能を破壊されて宇宙空間へ放り出されますが、キングストーンの力で仮面ライダーBLACK RXに転生。クライシス帝国との戦いがはじまるのです――。

主人公は倉田てつをが続投!

BLACK RX・南光太郎を演じたのは倉田てつを。前作『仮面ライダーBLACK』に続いての主演でした。しかし、南光太郎のイメージが強すぎたため、俳優・倉田てつをとして見られない日々に苦悩。それでも、時代を経てそうした感情も薄れ、後には「自分にとって大きな経験、宝物」だと語っています。

昭和最後のライダーは、平成への架け橋でもあった!

『仮面ライダーBLACK RX』は、それまでのライダーとは違い、キックではなく剣や銃を必殺技として使いました。これはまさに平成ライダーにおける戦い方の先駆け。 さらにロボライダー、バイオライダーと姿を変えて戦いました。これは、もちろんフォームチェンジの元祖。昭和最後のライダー・RXは、こうした部分で自然と平成ライダーに繋がっているのです。

伝説の「昭和ライダー」を今こそ楽しもう!現代だからこそ新たな発見があるかも?

以上、昭和ライダー9作品の解説でした。長きに渡る「仮面ライダー」シリーズの原点がここにあり、そこには昭和はらではの語りつくせない魅力が盛り沢山。 平成から仮面ライダーに触れた人も、きっと新しい発見があります。伝説の「昭和ライダー」シリーズを、ぜひご覧になってみてください!