2019年12月3日更新

2.5次元舞台・ミュージカルとは?人気作品をピックアップして魅力を解説!

 ミュージカル『テニスの王子様』15周年記念コンサート Dream Live

漫画やアニメ・ゲームを原作として舞台・ミュージカル化された演劇の新ジャンル「2.5次元作品」。ここでは2.5次元舞台・ミュージカルの魅力や、とくに人気の作品を厳選して紹介。2.5次元初心者にも分かりやすく解説していきます。

目次

2.5次元舞台・ミュージカルとは?2次元でも3次元でもない、だからこそ美しい!

2.5次元作品とは、アニメや漫画といった原作をもとに舞台化・ミュージカル化された作品を指す言葉です。昔から漫画を原作とした舞台作品はありますが、「2.5次元舞台・ミュージカル」という場合、近年は2000年代以降の作品群を指すことがほとんど。 少年漫画や女性向けゲームといった、個性豊かな男性キャラクターが多数登場する作品が原作になることが多いのが特徴です。そういったキャラクターをいわゆるイケメン俳優たちが演じます。 本来2次元にしか存在しないはずの彼らを、3次元という“ステージ”で表現する。文字通り“2.5次元”を体感できるジャンルとして、女性を中心に2.5次元作品は大きな支持を得ています。

2.5次元舞台・ミュージカルの魅力を解説!ズバリ“生”感と“原作リスペクト”が肝?

キャラクターがステージ上に生きている

2.5次元作品に出演する俳優陣は、単にキャラクターのコスプレをしているわけではありません。そのキャラクターとして舞台上に存在するために、多くの俳優が熱心な原作研究をしています。 オリジナル作品と違って、すでに多くのファンがそのキャラクターや作品にはついているのです。そのため、彼らはファンが納得するだけのキャラクター像を、見た目だけでなく演技でみせる必要があります。原作という制限がある分、綿密なキャラクターの作り込みが必要となるのです。 そうやって出来上がったキャラクター達をステージで観ると、観客はキャラクターがそこに“存在”している感覚に陥ります。これこそ、2.5次元作品の醍醐味なのです。

2次元とは違う生の質感

原作の2次元と大きく違う点は、俳優たちが目の前で演じているという点です。例えば漫画では1コマで表現されるシーンも、実際に人間が動きをつけるとそこに大きなドラマが生まれることがあります。生身の俳優が演じているからこそ感じられる、感情や表現があるのです。 舞台では息遣いひとつですら、舞台装置として観客の感情を揺さぶります。激しいアクションシーンやダンスを終えたあと、滝のように滴り落ちる汗。そういったものを観ていると、原作では気づけなかったキャラクターたちの新たな側面に出会うこともできるのです。 2次元キャラクターが実際に生きていたら?そのような“if(もしも)”を全身で楽しめるのが、2.5次元作品なのです。

原作リスペクトの姿勢

実写化という括りでは、舞台化も映画化やドラマ化と同じ括りに入ます。なかでも、舞台化・ミュージカル化作品は、大前提として原作へのリスペクトが見て取れるのが魅力のひとつです。 まずキャラクタービジュアルを徹底的に原作に寄せるところから始まります。そのキャラクターに相応しいかどうかが重視されるため、無名の新人がメインキャラクターに抜擢されることも。ビジュアルの完成度がとても重要視されているのです。 また、ストーリーは原作をなぞる場合とそうでない場合がありますが、いわゆる設定の改悪はほとんどおこなわれません。大前提として原作があり、そのうえで舞台化ならではの表現を加えていくという手法がとられています。原作ファンが納得するほどの“原作愛”が、2.5次元作品の基礎にはあるのです。

『テニスの王子様』

2003年から上演されているミュージカル『テニスの王子様』。現在の2.5次元作品の源流となっている作品で、「テニミュ」の愛称で多くのファンに愛されています。初演から2019年現在まで上演が続いており、2.5次元作品でも異例のロングラン作品です。 原作を順次舞台化、2019年現時点では原作ストーリー3周目に入っています。ステージ上にテニスボールは登場せず、ピンスポットと効果音でラリーを再現。一度観てみると、次第にボールが見える気がしてくるという不思議な感覚に陥ります。 原作に登場するライバル校の特色を音楽やダンスで表現。主人校だけでなくライバルたちも高い人気を集めています。

「テニミュ」出身俳優

15年以上にわたり上演されている「テニミュ」には、300人以上の歴代キャストが存在します。現在はテレビや映画で活躍している斎藤工や瀬戸康史、城田優、志尊淳らも、かつては「テニミュ」に出演していました。 現在2.5次元俳優として高い人気を誇っている荒牧慶彦や染谷俊之、黒羽麻璃央といった俳優陣も本作への出演経験があります。 また、宮野真守や豊永利行、増田俊樹、KENNといった人気声優も出演していました。「テニミュ」をきっかけにデビューして人気を得る俳優も多く、一時期は「若手俳優の登竜門」とも呼ばれていた作品です。

『弱虫ペダル』

「ペダステ」こと舞台『弱虫ペダル』は2012年から上演されている人気シリーズです。演出家西田シャトナーが手掛けた「パズルライドシステム」という演出方法が有名。 この演出は、キャストが自転車のハンドル部分のみを持って、自転車に跨いでいるかのような前傾姿勢のままその場で足踏みをするというもの。足踏みのスピードを上げることで、ケイデンスを上げているようにみせることができます。 俳優陣は、レースシーンの間、ほぼ休み無しで高速で足を動かし続けるのです。「ペダステ」は、体力的に大変な作品としても有名で、レースの躍動感がダイレクトで客席に伝わってくる作品といえます。

ドラマ版にも出演した「ペダステ」キャスト

「ペダステ」には鈴木拡樹や東啓介、小越勇輝らが出演していました。舞台版に出演した俳優がほぼそのままキャスティングされたテレビドラマ版も2016年に放送されています。 ドラマ版では、キャストたちが実際に自転車に乗ってレースシーンを展開。ハンドルのみで表現した舞台版とはまた違った味わいを楽しむことができます。 2020年に上演される最新作で、アニメ4期で放送された新インターハイ篇の最終リザルトまでが描かれるとのこと。アニメを視聴して気になった人は、ぜひ2020年の舞台最新作にも足を運んでみてはいかがでしょう。

『刀剣乱舞』

ミュージカル『刀剣乱舞』

刀剣を育て戦うゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』を原作に2015年にミュージカル化された作品が、ミュージカル『刀剣乱舞』です。通称「刀ミュ」。 ゲームと同様に6振の刀剣男士が歴史のとある時代に出陣し、歴史修正主義者や検非違使(けびいし)と戦いながら本来の歴史を守ろうとするストーリーが描かれます。1幕は本編、そして2幕では「現代の戦い方」としてライブパートが披露されるのが特徴です。 2018年には「紅白歌合戦」にも“出陣”。黒羽麻璃央や佐藤流司、崎山つばさ、阪本奨悟、荒木宏文らが刀剣男士として出演しました。

舞台『刀剣乱舞』

2016年に上演がスタートした舞台『刀剣乱舞』は、「刀ミュ」とは別制作の作品です。通称「刀ステ」。 2019年にはこの「刀ステ」で三日月宗近役を演じる鈴木拡樹が主演を務めた実写映画『映画刀剣乱舞-継承-』が公開されました。鈴木以外にも「刀ステ」キャストが多く出演しており、特別出演刀剣男士として10振の刀剣男士が登場したことでファンの間では大きな話題に。 アニメ版にも「花丸」と「活劇」の2作品がありますが、2.5次元作品としても趣向が異なる「刀ミュ」と「刀ステ」があるのが、この『刀剣乱舞』メディアミックスの特徴。好みにあう作品を選んで楽しむことができます。

『ハイキュー!!』

『ハイキュー!!』の舞台化は、ハイパープロジェクション演劇 『ハイキュー!!』のタイトルで2015年から上演スタート。2019年現在も新作が上演されている人気シリーズで、通称は「ハイステ」です。 「ハイステ」の特徴は、舞台に傾斜のついた“八百屋舞台”と呼ばれるセットと、タイトルにもあるようにプロジェクションマッピングを駆使している演出。傾斜と映像の組み合わせにより、漫画のコマから飛び出てきたような見せ方が可能となっています。 アニメでは一瞬止まって見えるような空中でのシーンも見事に再現。滞空時間の一瞬に戦略が動くバレーボールの面白さを、俳優陣の体とセット・映像・音楽によって観客に届けてくれる作品です。

元名子役がカンパニーを牽引

「ハイステ」初演は2人の主人公を須賀健太と木村達成が演じました。とくに日向翔陽を演じた須賀は、子役時代から培ってきた演技力と持ち前の統率力で、舞台経験の少なかった共演者たちを引っ張っていく存在でした。 その後2.5次元作品で人気沸騰した橋本祥平や猪野広樹、有澤樟太郎、近藤頌利らも「ハイステ」経験者です。2019年11月の「飛翔」から烏野高校キャストは一新され、新生烏野キャストに。キャストも新たに、「ハイステ」第2章のスタートを切っています。

『おそ松さん』

アニメ『おそ松さん』の大ヒットを受け、2016年から上演されているのが『おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN'S SHOW TIME〜』です。通称「松ステ」。 原作アニメのショートアニメ構成を意識した作りとなっており、複数のショートエピソードが次々上演される、2.5次元作品としては珍しいスタイルの作品です。 アニメでときどき登場した乙女ゲーム風6つ子・F6は、6つ子とはまた別のキャストが起用されています。6つ子を演じる端整な顔立ちの俳優陣が、下ネタや変顔などに全力で挑む姿は新鮮。他の作品ではなかなか観られないシーンを多数目撃できる作品となっています。

破壊力の強い12人の松野

6つ子を演じるのは、高崎翔太、柏木佑介、植田圭輔、北村諒、小澤廉、赤澤遼太郎の6人。2.5次元作品で高い人気を誇る俳優陣です。原作のシンプルなキャラクターデザインを、細かい表情や仕草で再現しています。 一方で、F6を演じるのは井澤勇貴、和田雅成、小野健斗、安里勇哉、和合真一、中山優貴の6人。スラリと長い手足で、その見た目はまさに乙女ゲーム風キャラクター。アクの強いイケメンたちをコミカルに熱演しています。 「松ステ」シリーズは、原作アニメのノリが好きなら楽しめる、2.5次元作品初心者でも親しみやすい作品です。

2.5次元舞台版を観ると原作がもっと好きになるキッカケにも!ぜひ一度、ご鑑賞あれ

もちろん舞台版そのものが、ライブ感あふれるひとつの作品として完成されています。それに加えて、原作愛に溢れた2.5次元作品を観劇すると、原作アニメや漫画・ゲームの新たな魅力を発見できることも。 舞台やミュージカルは、チケットを買って劇場に足を運ばなくてはならないため、他のメディアミックス作品よりもハードルが高い気がしてしまいますよね。しかし、同じ空間だからこそ味わえる醍醐味がそこにはあるのです。 様々なメディアで表現される作品にふれることで、原作をもっと好きになるキッカケにもなってくれるはず。食わず嫌いすることなく、ぜひ一度足を運んでみてください。