2023年12月9日更新

2.5次元舞台・ミュージカルとは?普通の舞台との違いや代表作・有名俳優について紹介

このページにはプロモーションが含まれています

様々なアニメ・漫画・ゲームなどを原作としている「2.5次元舞台・ミュージカル」。 この記事では今大きな注目を集める2.5次元の作品について徹底解説!基本的な情報や代表作はもちろん、2.5次元舞台・ミュージカルにおける人気俳優たちについてもしっかりとご紹介。2次元でも3次元でもない、唯一無二の世界を構築するその魅力に深く迫っていきます。

AD

そもそも「2.5次元」って何?

ミュージカル テニスの王子様 テニミュ

「2.5次元」とは漫画・アニメ・ゲームなどの「2次元作品」を原作に作られた「3次元」の舞台やミュージカルのことを指しています。つまり2.5次元とは「2次元と3次元のあいだ」、「想像と現実のあいだ」を意味しているのです。 近年上演数も激増しその人気が過熱している2.5次元舞台・ミュージカルですが、そのパイオニアと呼ばれているのがミュージカル『テニスの王子様』、通称テニミュです。この作品の大ブレイクにより少しずつ2.5次元は世間に浸透。今や数えきれないほどの作品が生み出される、一大分野に育っていったのです。

吹き出し アイコン

テニミュに初めて出会ったときは感動しました!大好きな作品が現実になったような、不思議な感覚に襲われます。

「2.5次元舞台・ミュージカル」とは?普通の舞台との違いは?

2.5次元舞台・ミュージカルの特徴として、まず「原作が漫画・アニメ・ゲームなどの2次元作品である」という点が挙げられます。また「出演キャストに若手俳優が多い」という点も外せないポイント。これにより2.5次元作品は女性ファンの大きな支持を得ることになったのです。 一般的な舞台とは違った魅力を持つ2.5次元作品は、有名俳優や脚本家の名に頼らず、原作の知名度による集客に成功。さらに「キャラ=キャスト」のイメージがつきやすいため、無名俳優がファンを獲得する登竜門のような意味合いも強くなっています。

吹き出し アイコン

2.5次元のミュージカルで初めて舞台を観に行ったのですが、そこで推し俳優を見つけることができました。

AD

2.5次元舞台・ミュージカルの魅力を解説!ズバリ“生”感と“原作リスペクト”が肝?

キャラクターがステージ上に生きている

2.5次元作品に出演する俳優陣は、単にキャラクターのコスプレをしているわけではありません。そのキャラクターとして舞台上に存在するために、多くの俳優が熱心な原作研究をしています。 オリジナル作品と違って、すでに多くのファンがそのキャラクターや作品にはついているのです。そのため、彼らはファンが納得するだけのキャラクター像を、見た目だけでなく演技でみせる必要があります。原作という制限がある分、綿密なキャラクターの作り込みが必要となるのです。 そうやって出来上がったキャラクター達をステージで観ると、観客はキャラクターがそこに“存在”している感覚に陥ります。これこそ、2.5次元作品の醍醐味なのです。

2次元とは違う生の質感

原作の2次元と大きく違う点は、俳優たちが目の前で演じているという点です。例えば漫画では1コマで表現されるシーンも、実際に人間が動きをつけるとそこに大きなドラマが生まれることがあります。生身の俳優が演じているからこそ感じられる、感情や表現があるのです。 舞台では息遣いひとつですら、舞台装置として観客の感情を揺さぶります。激しいアクションシーンやダンスを終えたあと、滝のように滴り落ちる汗。そういったものを観ていると、原作では気づけなかったキャラクターたちの新たな側面に出会うこともできるのです。 2次元キャラクターが実際に生きていたら?そのような“if(もしも)”を全身で楽しめるのが、2.5次元作品なのです。

AD

原作リスペクトの姿勢

実写化という括りでは、舞台化も映画化やドラマ化と同じ括りに入ます。なかでも、舞台化・ミュージカル化作品は、大前提として原作へのリスペクトが見て取れるのが魅力のひとつです。 まずキャラクタービジュアルを徹底的に原作に寄せるところから始まります。そのキャラクターに相応しいかどうかが重視されるため、無名の新人がメインキャラクターに抜擢されることも。ビジュアルの完成度がとても重要視されているのです。 また、ストーリーは原作をなぞる場合とそうでない場合がありますが、いわゆる設定の改悪はほとんどおこなわれません。大前提として原作があり、そのうえで舞台化ならではの表現を加えていくという手法がとられています。原作ファンが納得するほどの“原作愛”が、2.5次元作品の基礎にはあるのです。

「2.5次元舞台」の代表的な作品を紹介!

これまでに数多くの名作を生み出してきた2.5次元舞台。 ここからはそのなかでも特に有名な代表的作品を一挙紹介!なかにはあなたを夢中にさせる作品があるかもしれません。気になった舞台は配信などを活用しながら是非チェックしてみてください!

刀剣乱舞

刀剣を育て戦うゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』を原作に、2015年にミュージカル化された作品がミュージカル『刀剣乱舞』、通称「刀ミュ」です。本作はゲーム同様、様々な刀剣男士が歴史のとある時代に出陣し、歴史修正主義者などと戦いながら本来の歴史を守ろうとするストーリーが描かれています。 2023年までに10本以上の作品が上演されるなど、ロングヒットを続けている一大コンテンツ。また2018年には『紅白歌合戦』にも出演するなど、2.5次元舞台の「格」を大きく上げた作品となっています。

吹き出し アイコン

この作品で日本刀を見ることにもハマりました!私の人生を大きく変えた作品です。

AD

舞台『刀剣乱舞』

2016年に上演がスタートした舞台『刀剣乱舞』は、「刀ミュ」とは別制作の作品です。通称「刀ステ」。 2019年にはこの「刀ステ」で三日月宗近役を演じる鈴木拡樹が主演を務めた実写映画『映画刀剣乱舞-継承-』が公開されました。鈴木以外にも「刀ステ」キャストが多く出演しており、特別出演刀剣男士として10振の刀剣男士が登場したことでファンの間では大きな話題に。 アニメ版にも「花丸」と「活劇」の2作品がありますが、2.5次元作品としても趣向が異なる「刀ミュ」と「刀ステ」があるのが、この『刀剣乱舞』メディアミックスの特徴。好みにあう作品を選んで楽しむことができます。

テニスの王子様

2003年から上演されているミュージカル『テニスの王子様』。現在の2.5次元作品の源流となっている作品で、「テニミュ」の愛称で多くのファンに愛されています。初演から2023年現在まで上演が続いており、なんと4thシーズンまで制作されている異例のロングラン作品です。 本作は通常のミュージカル公演の他に、年に1回ほどのペースで主演キャストによるコンサートも実施。劇中歌などを歌いファンサービスまでする姿はまるでアイドルのようで、その人気の高さを物語っています。

吹き出し アイコン

原作をきっかけに舞台を観に行ったんですが、その再現度の高さに驚き!舞台ならではの魅力もあって、今ではすっかり2.5次元にハマっています。

AD

「テニミュ」出身俳優

15年以上にわたり上演されている「テニミュ」には、300人以上の歴代キャストが存在します。現在はテレビや映画で活躍している斎藤工や瀬戸康史、城田優、志尊淳らも、かつては「テニミュ」に出演していました。 現在2.5次元俳優として高い人気を誇っている荒牧慶彦や染谷俊之、黒羽麻璃央といった俳優陣も本作への出演経験があります。 また、宮野真守や豊永利行、増田俊樹、KENNといった人気声優も出演していました。「テニミュ」をきっかけにデビューして人気を得る俳優も多く、一時期は「若手俳優の登竜門」とも呼ばれていた作品です。

ヒプノシスマイク

『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1- ヒプステ
© 『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage製作委員会

人気声優たちによるキャラクターラッププロジェクト「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」。このプロジェクトはアニメや漫画など様々なメディアに展開しており、そのなかの1つとして2019年から舞台版の上演がスタート。 本作は一般的なミュージカルや舞台とはひと味違い、作中では各キャストが本格的なラップやダンスパフォーマンスを披露。それにより人間の精神に干渉する「ヒプノシスマイク」を使ったドラマをしっかりと再現しており、数多くのファンを獲得することに成功しています。

吹き出し アイコン

舞台で披露されるラップは超本格的!音楽ファンにも是非観て欲しい作品です。

AD

薄桜鬼

薄桜鬼 ミュージカル
©アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

人気乙女ゲームを原作にしたミュージカル『薄桜鬼』。2011年には早乙女太一を主演に迎えた舞台を上演しており、その翌年には若手俳優たちを起用したミュージカル版の上演が開始。2023年現在も制作は続けられており、計15作以上を上演しているロングラン作品となっています。 本作は幕末に活躍した新選組をモチーフとした作品となっており、ミュージカルのなかでも迫力満点な殺陣シーンが登場。歌・ダンス・アクションが融合したステージは、『刀剣乱舞』の舞台・ミュージカルにも少なからず影響を与えていると言われています。

吹き出し アイコン

昔から大好きなゲームですが、ミュージカルで新たな魅力を再発見!新作をいつも楽しみにしています。

弱虫ペダル

「ペダステ」こと舞台『弱虫ペダル』は2012年から上演されている人気シリーズです。演出家西田シャトナーが手掛けた「パズルライドシステム」という演出方法が有名。 この演出は、キャストが自転車のハンドル部分のみを持って、自転車に跨いでいるかのような前傾姿勢のままその場で足踏みをするというもの。足踏みのスピードを上げることで、ケイデンスを上げているようにみせることができます。 俳優陣は、レースシーンの間、ほぼ休み無しで高速で足を動かし続けるのです。「ペダステ」は、体力的に大変な作品としても有名で、レースの躍動感がダイレクトで客席に伝わってくる作品といえます。

AD

ドラマ版にも出演した「ペダステ」キャスト

「ペダステ」には鈴木拡樹や東啓介、小越勇輝らが出演していました。舞台版に出演した俳優がほぼそのままキャスティングされたテレビドラマ版も2016年に放送されています。 ドラマ版では、キャストたちが実際に自転車に乗ってレースシーンを展開。ハンドルのみで表現した舞台版とはまた違った味わいを楽しむことができます。 2023年からは新シリーズ『舞台「弱虫ペダル」THE DAY 1』が上演され、2024年には続編の上演も決定。アニメを視聴して気になった人は、ぜひ2024年の舞台最新作にも足を運んでみてはいかがでしょう。

おそ松さん

アニメ『おそ松さん』の大ヒットを受け、2016年から上演されているのが『おそ松さん on STAGE 〜SIX MEN'S SHOW TIME〜』です。通称「松ステ」。 原作アニメのショートアニメ構成を意識した作りとなっており、複数のショートエピソードが次々上演される、2.5次元作品としては珍しいスタイルの作品です。 アニメでときどき登場した乙女ゲーム風6つ子・F6は、6つ子とはまた別のキャストが起用されています。6つ子を演じる端整な顔立ちの俳優陣が、下ネタや変顔などに全力で挑む姿は新鮮。他の作品ではなかなか観られないシーンを多数目撃できる作品となっています。

AD

破壊力の強い12人の松野

6つ子を演じるのは、高崎翔太、柏木佑介、植田圭輔、北村諒、小澤廉、赤澤遼太郎の6人。2.5次元作品で高い人気を誇る俳優陣です。原作のシンプルなキャラクターデザインを、細かい表情や仕草で再現しています。 一方で、F6を演じるのは井澤勇貴、和田雅成、小野健斗、安里勇哉、和合真一、中山優貴の6人。スラリと長い手足で、その見た目はまさに乙女ゲーム風キャラクター。アクの強いイケメンたちをコミカルに熱演しています。 「松ステ」シリーズは、原作アニメのノリが好きなら楽しめる、2.5次元作品初心者でも親しみやすい作品です。

ハイキュー!!

『ハイキュー!!』の舞台化は、ハイパープロジェクション演劇 『ハイキュー!!』のタイトルで2015年から上演スタート。2021年まで新作が上演された人気シリーズで、通称は「ハイステ」です。 「ハイステ」の特徴は、舞台に傾斜のついた“八百屋舞台”と呼ばれるセットと、タイトルにもあるようにプロジェクションマッピングを駆使している演出。傾斜と映像の組み合わせにより、漫画のコマから飛び出てきたような見せ方が可能となっています。 アニメでは一瞬止まって見えるような空中でのシーンも見事に再現。滞空時間の一瞬に戦略が動くバレーボールの面白さを、俳優陣の体とセット・映像・音楽によって観客に届けてくれる作品です。

AD

元名子役がカンパニーを牽引

「ハイステ」初演は2人の主人公を須賀健太と木村達成が演じました。とくに日向翔陽を演じた須賀は、子役時代から培ってきた演技力と持ち前の統率力で、舞台経験の少なかった共演者たちを引っ張っていく存在でした。 その後2.5次元作品で人気沸騰した橋本祥平や猪野広樹、有澤樟太郎、近藤頌利らも「ハイステ」経験者です。2019年11月の「飛翔」から烏野高校キャストは一新され、新生烏野キャストに。キャストも新たに、「ハイステ」第2章のスタートを切っています。

「2.5次元俳優」有名どころを紹介!

2.5次元の世界で活躍している数多くの若手俳優たち。 ここからはそのなかでも、特に有名な俳優をピックアップしてご紹介!なかにはドラマや映画で頻繁に見かけることになる、未来の大スターがいるかもしれませんよ。

荒牧慶彦

荒牧慶彦

2012年にミュージカル『テニスの王子様』で甲斐裕次郎を演じ、本格的な舞台デビューを果たした荒牧慶彦。 このあとも舞台を中心に活躍を続けていく彼は、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズの沖田総司、舞台『刀剣乱舞』シリーズの山姥切国広など数多くの人気キャラを担当しています。

吹き出し アイコン

2.5次元好きなら誰もが知っている名俳優です!

植田圭輔

植田圭輔

2006年に第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選出された植田圭輔。 その後舞台を中心に活躍を続けていた彼は、2013年に舞台『弱虫ペダル』で真波山岳を演じ2.5次元の世界で一躍話題に。その後も数多くの2.5次元作品に出演を続けており、昨今では舞台『おそ松さん』シリーズのチョロ松を演じ大きな話題となりました。

吹き出し アイコン

舞台『鬼滅の刃』の我妻善逸もめちゃくちゃハマり役でした。

AD

鈴木拡樹

鈴木拡樹

デビュー間もない2008年に、人気漫画『最遊記』の舞台版で初主演を飾った鈴木拡樹。 その後も舞台『最遊記』シリーズでは主役の玄奘三蔵を演じ続け、昨今では舞台『刀剣乱舞』シリーズの三日月宗近や舞台『幽☆遊☆白書』シリーズの蔵馬を担当し大きな注目を集めました。

吹き出し アイコン

舞台だけじゃなく声優などの実績もあり、アニメ『どろろ』では百鬼丸を演じていました。

和田雅成

和田雅成

舞台を中心に活躍する俳優の和田雅成。 2.5次元作品では『弱虫ペダル』や『刀剣乱舞』のほか、『おそ松さん』にも出演するなど有名作品を総なめ。また2018年にはミュージカル『薄桜鬼』シリーズで土方歳三を演じ、主演の座を掴んでいます。

吹き出し アイコン

最近は舞台だけでなく、映画やドラマで見ることも。さらなる活躍に期待です。

高野洸

高野洸

人気テレビ番組『天才てれびくんMAX』のオーディションをきっかけに芸能界入りした高野洸ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズの膝丸、舞台『ヒプノシスマイク』シリーズの山田一郎など数々の人気キャラを演じ、2.5次元界隈にその名を轟かせています。

吹き出し アイコン

もともとは『ようかい体操第一』をヒットさせたDream5の1人!意外な経歴に驚きです。

2.5次元舞台版を観ると原作がもっと好きになるキッカケにも!ぜひ一度、ご鑑賞あれ

もちろん舞台版そのものが、ライブ感あふれるひとつの作品として完成されています。それに加えて、原作愛に溢れた2.5次元作品を観劇すると、原作アニメや漫画・ゲームの新たな魅力を発見できることも。 舞台やミュージカルは、チケットを買って劇場に足を運ばなくてはならないため、他のメディアミックス作品よりもハードルが高い気がしてしまいますよね。しかし、同じ空間だからこそ味わえる醍醐味がそこにはあるのです。 様々なメディアで表現される作品にふれることで、原作をもっと好きになるキッカケにもなってくれるはず。食わず嫌いすることなく、ぜひ一度足を運んでみてください。