2020年12月2日更新

『魔王城でおやすみ』の魅力をネタバレありで解説!快眠の為に突き進むマイペースな姫が超かわいい

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魔王城でおやすみ
(C)熊之股鍵次・小学館/魔王城睡眠促進委員会

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『魔王城でおやすみ』の魅力を紹介!囚われのお姫様は「快眠」したい【ネタバレ注意】

『魔王城でおやすみ』は熊之股鍵次(くまのまたかぎじ)が週刊少年サンデーで2016年から連載しているファンタジーショートコメディ。2020年10月からアニメもスタートし、ますます注目を集めている作品です。 王道RPGのファンタジーな世界観の中、繰り広げられるのは人間と魔族の種族生き残りを賭けた戦い……ではなく、魔王に囚われた人間の姫が安眠を求めて騒動を繰り広げる様子が描かれます。 斬新な切り口が面白く、なにより自分の睡眠の質を向上させるために自由奔放に突き進む姫がとても可愛いのです。この記事では『魔王城でおやすみ』のあらすじをネタバレありで紹介すると共に、作品の魅力についても考察します。

『魔王城でおやすみ』のあらすじ【姫の暴走に目が離せない!】

人類統一国家カイミーンの王女、オーロラ・栖夜(すや)・リース・カイミーン姫は、ある夜寝ているところを魔王タソガレに誘拐されてしまいます。魔王城で幽閉されることになったスヤリス姫は、眠ること以外することが無いことに気づくのです。 姫はそれならば、と唯一出来ることである睡眠の質をとことん良くしようと思い立ちます。まずは自分に合った枕を作ろうと、ふわふわの毛を持つでびあくまを手なづけ、毛と鍵を入手。脱獄した姫は魔王城を我が物顔で闊歩し素材をゲット。ついに枕を完成させます。 こうして危機感ゼロのスヤリス姫は、魔王や魔物たちを困惑させながら、あの手この手で「安眠」を目指し始めるのでした。

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『魔王城でおやすみ』の魅力① 登場キャラクターが個性的でかわいすぎる!

『魔王城でおやすみ』はスヤリス姫を筆頭に、登場キャラクターがとにかく魅力的。どのキャラも憎めない性格をしており、そんな彼らのちょっとトボけたやりとりが作品のシュールな雰囲気を生み出しています。

スヤリス姫/水瀬いのり

スヤリス姫は人類統一国家カイミーンの王女。瞳の中の星マークは王家の証です。王女として温室育ちのため、人類と敵対する魔王に幽閉されているという危機的状況にも危機感を一切感じていません。 勝手に牢を出入りしたり、自らの死を顧みず安眠のための素材を入手しようとしたり、とにかく奔放でマイペースな主人公です。

魔王タソガレ/松岡禎丞(まつおかよしつぐ)

魔王タソガレはスヤリス姫を誘拐した張本人で、魔王城の主です。魔王という立場にふさわしい力を持っているものの、人と魔族とのパワーバランスの調整に心血を注いでいます。彼はヘタレな一面があり姫の起こす騒動に巻き込まれたり、部下に振り回されたりと心労が絶えません。

あくましゅうどうし/石川界人(いしかわかいと)

あくましゅうどうしは悪魔族の魔物で「悪魔教会」のボス。見た目は20代と若々しいものの、かなりの年月を生きている人物です。魔王城内の死者の蘇生を一手に担うヒーラーですが姫が来てからというもの、姫の蘇生も含め死者が急増。疲労困憊の日々を過ごしています。

さっきゅん/小澤亜李(おざわあり)

さっきゅんは姫と瓜二つの見た目をしている淫魔の少女です。キャラ紹介で「おばか」と明記されるほど、頭脳の方は残念な子。淫魔なのにモテないことに悩み、人にも魔族にも人気の姫に接触します。彼女は姫に弟子入りを希望していましたが、最終的に姫の影武者という立場に落ち着きました。

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『魔王城でおやすみ』の魅力② スヤリス姫のやりたい放題っぷりがスゴイ

囚われの身なのに自由にお城を徘徊

読んでいて思わず「囚われの身とは?」と首を傾げてしまうほど、スヤリス姫は我が物顔で魔王城内を闊歩しています。当初は姫の脱獄にうろたえていた城内の魔物たちも、次第に慣れていき姫のリクエストに応える始末。 牢はもちろん施錠されていますが姫がふわふわの毛を持つ下級魔物のでびあくまをブラッシングで手懐け、以降は姫がブラシで檻を叩くと彼らが牢の鍵を持って現れるようになりました。 牢を出た姫はやりたい放題。貴重な宝具を叩き壊したり、マグマに落ちて命を落としたり、「禁断の魔導書」の封印を解いたり。姫はただ安眠を追求しているだけなのですがそれが毎回大きな騒動へと転がっていく様子が、本作の大きな魅力のひとつです。

寝具を作る為に魔物を襲撃!?

より良い睡眠を求めて探究心が尽きることのないスヤリス姫。自身の城に用意されていた最高級品質の寝具によってもたらされた上質な睡眠を再現すべく、牢を脱出し奔走していきます。 序盤で姫はシザーマジシャンに王冠を預け、代わりに彼が持っていた大小様々なハサミを貰い受けることに。中には姫の身体ほどの大きさのハサミもあり、これはもっぱら魔物襲撃の武器として使用されています。 ハサミの被害によく遭っているのはおばけふろしきです。上質な生地のおばけで、仲間ともども何度も姫に切り刻まれシーツや蚊帳の材料にされています。 囚われの身として怯えて過ごすどころか、逆に魔族を襲って寝具を作り出すスヤリス姫。そんな姫に対して魔王が「さらってくる姫を間違えたか」とボヤくのも当然といえば当然なのかもしれません。

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『魔王城でおやすみ』の魅力③ 1話完結で読みやすい

『魔王城でおやすみ』はショートコメディです。1話完結でさくさくと読めるため、難しいことを考えずに楽しめます。とにかく可愛い姫やモフモフのでびあくまに癒されたい、という人におすすめ。ここではおすすめの3つのエピソードを紹介します。

おすすめエピソード:1話「眠れぬ城の姫」

作品全体の導入にもなる1話は登場キャラクターのそれぞれの性格が見て取れます。魔王城にさらわれてきたスヤリス姫は寝る以外することがないのに、肝心の眠りの質が悪いことに気付き早速行動開始。 でびあくまの毛とはりとげマジロの背中の針、変装して手に入れた3色のハーブで染めたカーテン。これらを使って使い心地も良くて見た目も可愛い枕を作り出します。 自由奔放な姫と意外と優しい魔族たちの「快眠」をめぐる攻防戦がここから幕を開けることに。姫は次になにをしでかすのか、続きが気になるエピソードです。

おすすめエピソード:3話「死という甘い眠り」

3話で姫は死亡してしまいます。このときの姫の悩み事は魔族のうるさいイビキ。その対策を考えながら城内を歩いていたところ、うっかり足を滑らせマグマの海に落ちてしまったのです。 城内の死者はあくましゅうどうしが蘇生してくれます。姫もあくましゅうどうしに蘇生してもらうことに。死を体験したのにも関わらず、姫の頭の中はいつものように安眠のことでいっぱいです。 あくましゅうどうしとの記念すべき初対面が描かれたエピソードとなっています。

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おすすめエピソード:174話「でびあくま世界一かわいい」

ふわふわの毛と可愛い目をしたでびあくまはすっかり姫の配下に。174話では姫がでびあくまの為の控え室を、牢内に作ってしまいます。 姫は「異空間ツクール」という盗んだアイテムを使用。牢の壁の中に異空間を生み出し、そこをでびあくま達のカジノにしたのです。でびあくまの可愛さには魔王タソガレもたじたじ。 でびあくまの遊ぶ姿は癒し効果絶大。読者にも可愛い癒しエピソードとして人気の回です。

『魔王城でおやすみ』の魅力④ あくましゅうどうしとの恋模様に胸キュン

姫の奔放な言動に面食らっていた魔族たちですが、次第に慣れるとともに姫のことを好意的に受け入れ始めます。その中でも姫に1番惚れ込んでいるのがあくましゅうどうしです。 魔王よりもかなり年長者であるあくましゅうどうしは、当初姫のことは孫娘のような気持ちで見ていました。 ところが蘇生のために何度も顔を合わせたり、うっかり姫の裸を見てしまったり……ということが続くうちに、彼は姫を異性として意識し始めます。その想いは次第に暴走し、周りの魔族が引くほどです。 姫は言葉足らずなところがあり、周りを誤解させる発言をすることもしばしば。あくましゅうどうしも何気ない姫の発言や、深い意味があるのかないのか判断がつかない言葉に、しょっちゅう振り回されています。 彼女が自分を気にかけてくれていると分かると死を覚悟するほど昇天し、一方で姫が魔王に気があると取れるような発言をしていると嫉妬で呪詛を吐いてしまいます。 あくましゅうどうしの一方的な片想いのようでいて、意外と姫も彼を気にかけているような描写も話が進むごとに増えてきました。 恋愛に無頓着そうな姫と、姫に暑苦しいほどの愛を抱くあくましゅうどうし。この2人の恋模様も本作の大きな魅力です。

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【6巻ネタバレ】あくましゅうどうしが嫉妬!?誤解している姿がかわいい

女子魔族のハーピィからパジャマパーティーに誘われたスヤリス姫ですが、パジャマパーティーがどういうものがいまいち分かりません。そこでパジャマパーティーの練習をしようと、就寝前の魔王タソガレの部屋に向かいます。 パジャマパーティーでは恋バナをするとタソガレが姫に説明すると、姫は「人間と魔物って恋愛とかしても良いの?」と質問。そこにタイミング悪く現れたあくましゅうどうしは2人の関係を勘違いして放心状態に。 異性の寝室に軽々しく行ってはいけないとあくましゅうどうしが説教するものの、姫は「ヤダ。だって君の寝室はいい匂いするし、何しても全然起きないからすごくいいんだよ?」と返します。 誤解して慌てたり、姫からの思わぬカウンターに心臓を持っていかれたりと、振り回されるあくましゅうどうしが可愛い回です。

【7巻ネタバレ】「私のこと、避けてるでしょ」発言に動揺

姫が好き過ぎるあまりうっかり暴走して姫の前で醜態をさらしてしまうあくましゅうどうし。これ以上醜態をさらさないためにも、姫と距離を取ることを決意します。しかしなぜかこのタイミングで姫は何度も死んで蘇生のためにやってくるのです。 なぜ何度もやって来るのか問うと、姫は「私を避けてるでしょ」と核心を突きます。周りに無関心に見える姫が自分のことを気にかけてくれていると分かって、あくましゅうどうしは理解が追いついていない様子。 なんとか姫を避けていることを否定すると、姫は「なら、いいよ」と立ち去っていきます。このとき姫は少しだけ頬を赤らめ、満足そうな表情を浮かべていました。 せっかく暴走しないようにと距離を置いたものの、ここでも姫のカウンターを受けあくましゅうどうしは「死ぬ」とさらに想いを募らせたのです。

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『魔王城でおやすみ』にドラえもんが友情出演!?

188話には本編にドラえもんが登場します。これは『ドラえもん』50周年記念の企画で「週刊少年サンデー」の各作品にドラえもんが登場するというもの。 いつものようにアイテム庫を漁ろうと思っていた姫の前に突然どこでもドアが現れ、中からドラえもんとのび太が現れます。かわいい青タヌキが使っていた「袋」が気になった姫はそれを奪取。こうして姫は四次元ポケットを手に入れるのでした。 ほんやくコンニャクやタイムふろしきなど、おなじみのアイテムを取り出すものの、どれも安眠には使えそうになく姫は不満顔。そうこうしているうちにうっかりポケットの中に入ってしまい、姫がたどり着いたのは暗くて狭くて布団が敷いてある空間でした。 そこはドラえもんが使っていた押入れ。姫は『ドラえもん』の世界でもちゃっかりと安眠を手に入れていました。

可愛い『魔王城でおやすみ』でたくさん笑っていい夢を見よう

安眠のために暴走するスヤリス姫が可愛い『魔王城でおやすみ』を紹介しました。姫が可愛いのはもちろん、登場する魔王も魔物もみんな癒し系。なんだかんだいいながら姫に翻弄されていく姿に思わずニヤニヤしてしまう作品です。 ショートコメディなのでテンポよく読めるのも本作の魅力。睡眠前に読んでたくさん笑ったら、その後いい夢が見られるかも!?2020年10月からはアニメもスタートしています。動くスヤリス姫も可愛いので漫画を読んで気になった人はぜひアニメも楽しんでみてください。