実は放送禁止？大人の事情で再放送できないと噂されているドラマ14選！ 理由や視聴方法も解説

海上保安庁の潜水士たちは命がけで命を守る

2004年から2012年にかけてドラマ1クール全11話と、映画4作が公開された大人気シリーズ「海猿」。

しかし2012年に、原作者の佐藤秀峰はTwitterで、フジテレビによる自身の事務所への突撃取材をや、「海猿」の関連書籍が許可なく販売されていたことなどを理由に、フジテレビとの新規取引停止と続編制作を許可しないことを発表しました。

その後、2015年に当時のフジテレビ報道局長から謝罪文を受け取ったことなどを理由に和解。しかし2017年11月には、同年末で本作の実写版のすべての契約が終了し「今後テレビやインターネットで放送・配信されることは永久に無い」と自身のTwitterでコメントしています。

あらすじ食品会社のトップ営業マンだった仙崎大輔は、「海が好き」という理由だけで海上保安庁に転職。しかし地上や船上での勤務を退屈に感じた彼は、エリート集団である潜水士を目指し、海上保安大学の潜水士課程に入学します。

そこで仙崎は「海猿」と呼ばれる若き潜水士候補生たちと友情を育み、恋や挫折、試練に立ち向かいながら成長していくのでした。

「届け屋」として奔走する記憶喪失の青年

1998年に発生した栃木女性教師殺人事件で、逮捕された犯人の少年が、本作で主人公がバタフライナイフを器用に振り回しているのを見て「かっこよさ」を感じたと供述。各マスコミは「少年がドラマの影響で殺人事件を起こした」と報道し、当時再放送していたテレビ局では、即座に放送を中止しました。

そのほかにも、数件の少年犯罪に影響を与えたと言われており、当時発売予定だったVHSも発売中止に。その後、2019年1月にDVDとBlu-rayが発売されました。

あらすじ横領した15億円とともに姿を消した代議士の岸和田。共謀者だった腰越奈緒美は、岸和田の部屋のクローゼットから血まみれで記憶を失った青年を発見します。

「早坂由紀夫」と名付けられた彼は、奈緒子のもとで「届け屋」として様々な「ギフト」の配達を請け負うようになりました。「届け屋」として働くなかで、様々な人と出会った由紀夫は徐々に記憶を取り戻していきます。

堺雅人のぶっ飛んだ演技に注目！

『リーガル・ハイ』がテレビでの再放送およびネット配信できない理由は、出演者の不祥事のためです。ストーリー上重要な役を演じていた俳優が、2019年に大麻取締法違反の疑いで逮捕されました。

裁判の結果、懲役6ヶ月・執行猶予2年の判決が下されました。刑期を終え、現在はミュージシャンやプロ雀士として活動しています。

あらすじ弱者救済の使命に燃える新人弁護士・黛真知子は、殺人の嫌疑をかけられた青年の弁護を担当していましたが、敗訴。あきらめきれない彼女は、連戦連勝だという弁護士に助けを求めることにします。

しかしそこで彼女が出会ったのは、「正義は金で買える！」と豪語する変人・古美門研介でした。正義感の強い真知子と自己中心的で悪知恵が働き、偏屈で毒舌の古美門は、まったくかみ合わないながらも、いくつもの裁判をともに乗り越えていきます。

主人公の決め台詞「俺の胃袋は宇宙だ」が大流行

本作は、2つの理由で再放送・配信が困難になりました。

1つ目は、ドラマに影響を受けたと思われる事件が発生したこと。2002年に愛知県の中学校で、本作のフードファイトを真似て給食を早食いした生徒が、パンをのどに詰まらせ意識不明の重体になり、その3ヶ月後に死亡してしまいました。

もう1つは、出演者2人の不祥事です。そのうち1人は2001年に禁止薬物所持の疑いで逮捕。さらに不倫報道で活動自粛となりました。もう1人は、2007年に未公開株を利用した恐喝未遂と詐欺事件を起こし、2013年に懲役6年の実刑判決となり服役しました。

あらすじ宮園総合食品で清掃員として働く井原満には、もう1つの顔がありました。それは、宮園総合食品の会長が闇で主催する大食い賭博大会「フードファイト」のファイター。彼は大会で獲得した賞金を、自身が育った孤児院・つくし園に匿名で寄付していました。そんなある日、満は主催者から八百長を命じられ……。

CDデビュー前のKinKi Kids初共演で知名度が急上昇

本作は陰湿ないじめや体罰、児童虐待や自殺、そして子どもが自殺した親の復讐などが描かれた暗いトーンの作品です。いじめなどの内容も過激で生々しいのも特徴。放送当時、いじめを苦にした男子中学生が遺書を残して自殺する事件も起きており、本作も注目を集めました。こうした描写がいじめを誘発するとして、今では放送できない理由かもしれません。

一方で、2008年に出演者の1人が覚醒剤取締法と大麻取締法違反で現行犯逮捕されたことも関係していると考えられます。

あらすじ息子の誠を東京の進学校に進学させるため、神戸から引っ越してきた大場家。しかし誠が通うことになった中学校では、陰湿ないじめが起こっていました。正義感の強い誠は、ホームルームでいじめを問題として発言したことで、逆にいじめの標的となってしまいます。

どんなイジメにも屈しない！単なる悲劇のヒロインではない主人公

陰湿ないじめとそれに屈しない主人公、そしてクラスの複雑な人間関係を描いた本作。しかし過激な暴力描写が多く、フジテレビには放送当時「いじめを助長する」「子どもが観るには不適切」といった苦情が2000件以上殺到しました。放送倫理・番組向上機構(BPO)にも同様の批判や抗議が約55件寄せられ、今では再放送が難しい作品となっています。

あらすじ自分だけが志望高校に合格したことから、親友の夕子との友情が壊れてしまった歩。それをきっかけに内向的な性格になってしまった彼女でしたが、新たに愛海と親友になります。しかし愛海は元カレの佐古に歩が言い寄っていると勘違いし、クラス全体で歩をいじめはじめます。

実際の事件をモチーフにした「TBS野島伸司シリーズ」第4弾

1996年に発覚した知的障がい者に対する暴行・強姦事件「水戸事件」をモチーフにした本作は、暴力シーンやレイプシーンが多くあり、視聴者から苦情が殺到。そのためスポンサーの三共(現・第一三共ヘルスケア)が提供を降板したり、おなじくスポンサーのトヨタ自動車も提供クレジットの表示を自粛するなど、物議を醸しました。

また2001年には主演俳優が薬物所持容疑で逮捕され、もう1人のメインキャストも2009年に覚醒剤の所持・使用が警察に発覚すると逃亡を図り、その後覚醒剤取締法違反で逮捕。懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決を受けました。

あらすじ知的障がいを持つ町田永遠は、母が再婚したことから知的障がい者を多く雇う工場で住み込みで働くことになります。しかし従業員たちはひどい扱いを受けており、暴力に晒され給料もほとんどもらえていませんでした。

そんな彼らの楽しみは、近くの学校の音楽教師・葉川ももから楽器を教わり、演奏することだけ。そんななか、永遠はふとしたことから高校生のありすと知り合います。

玉の輿を狙うCAと平凡な魚屋の恋

最高視聴率30％を超える大ヒットとなった『やまとなでしこ』が、今は放送禁止になっている理由は、出演者の不祥事のためです。

本作で重要な役どころを演じた俳優が、2009年に合成麻薬MDMAを使用。さらに、一緒に麻薬を使用した女性の容態が急変したにも関わらず、保身のために救急車を呼ばなかったために女性は死亡してしまいました。このため麻薬取締法違反と保護責任者遺棄致死罪で逮捕。

証拠隠滅を図ったり、死亡した女性に罪をなすりつけようとするなど悪質性が見られたため、懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けました。

あらすじ美人で気配り上手の客室乗務員・神野桜子は、貧しい家庭で育ったことから玉の輿を狙い、合コンに勤しむ女性。ある日彼女は、医者との合コンで自称・外科医の中原欧介に出会います。しかし実は欧介は医者ではなく、小さな魚屋を営んでいました。

桜子に一目惚れした欧介は金持ちだと偽って彼女を付き合うことになりますが、やがて真実がバレてしまいました。しかし欧介の人柄に触れた桜子の心は揺れはじめます。

教師と生徒の禁断の愛

『高校教師』は大ヒットを記録した一方で、放送当時から教師と生徒の恋愛という主題にしていることで、子どもを持つ保護者たちから苦情が相次いでいました。さらに強姦、近親相姦、自殺など、当時すでに問題となっていた社会的タブーを真正面から描いたことで、敬遠する視聴者も多かったようです。

現在もそうした要素のため、テレビでの再放送は難しい状況となっています。

あらすじ大学の研究室で助手をしていた羽村隆夫は、教授の勧めで短期間、女子校の生物学教員として臨時講師として勤めることになります。勤務初日、彼は駅でキセル容疑をかけられている女子高生・二宮繭と出会います。自分が教師であることを証明し、繭を助けた隆夫。そこから2人の禁断の恋がはじまっていくのでした。

恐怖で生徒たちを支配する教師を天海祐希が怪演

天海祐希演じる鬼教師が生徒たちに過酷な試練を科す『女王の教室』は、放送開始当初からその過激さからクレームが殺到。そこでスポンサー各社は、提供クレジットの表示を自粛しました。現在再放送が困難となっている理由はその過激な表現が原因とも、女性蔑視的なセリフがあるからとも言われていますが、真相は不明です。

一方で、ドラマの内容が日本社会の歪んだ構造をあまりにも的確に指摘しているからとも言われています。

あらすじ小学6年生になった神田和美は、小学校最後の年で楽しい思い出をたくさん作ろうとはりきっていました。しかし彼女のクラスの担任になったのは、悪魔のような教師と評判の阿久津真矢。入学式を「時間の無駄」と欠席した彼女は、強権的な態度で生徒たちに恐怖を与え、支配していきます。しかし和美は彼女の本当の目的に気づき……。

生き別れになっていた7人きょうだいの共同生活

放送当時、人気絶頂だった江口洋介を筆頭に、若手人気俳優を多数起用して大ヒットとなった『ひとつ屋根の下』。人々に愛された本作が今では放送禁止になっているのは、やはり出演者の不祥事のためです。

ストーリーの中心となる柏木家の長女役と三男役の俳優が、それぞれ薬物関係の事件で逮捕されました。彼らはすでに紹介した、『聖者の行進』と同じキャストです。

あらすじかつて実業団のマラソン選手として活躍した柏木達也は、アキレス腱の故障のため引退。自身の婚約を機に、7年前、両親の交通事故以来生き別れになっていた兄弟姉妹を探し、やがて一緒に暮らすようになります。ケンカが絶えないながらも、絆を築いていきます。

思春期の苦悩と葛藤を生々しく描く群像劇

「TBS野島伸司三部作」の1つ。最高視聴率は23.2％を記録した大ヒット作ですが、こちらも出演者の不祥事で今は再放送が難しい状況となっています。

主演俳優はすでに紹介した『聖者の行進』、『ひとつ屋根の下』にも出演しており、彼の薬物関係のスキャンダルが影響しています。また、もう1人、別のキャストは酒気帯び運転の疑いで逮捕され、その後芸能活動を自粛しています。

あらすじ将来の夢もなく、やる気のない日々を過ごしていた高校3年生の博人。彼はある日、バイト先のライブ会場で大学2年生の萌香と出会います。博人は彼女に惹かれていきますが、萌香は彼がコンプレックスを抱いている兄の元恋人でした。

同じころ、知的障がい者のデクと行動をともにするようになった博人は、中学の同級生・五郎と再会。そこに有名進学校に通う勤と博人の親友・順平も加わり、5人の間に友情が芽生えます

IQ220の天才が超常現象に挑む

堂本光一の初主演作『銀狼怪奇ファイル』。放送当時、平均視聴率20％を誇った人気作ですが、現在再放送が難しい理由は2つあります。

1つ目は事件のトリックがショッキングなものが多いこと。「首なしライダー」のエピソードや手首をカマで切り落としたり、目にハサミを刺すような猟奇的な描写は、90年代に比べで規制が厳しくなった現在では放送することができないようです。

もう1つは再放送の許可が取りにくい出演者がいることです。ドラマの再放送は、原作者や脚本家、出演者などから二次利用許可を得なければいけません。1人でも許可しない人がいれば、再放送はできないのですが、すでに芸能界を引退していたり、亡くなった人がいる場合は、許可をとるのが困難になります。

あらすじ普通の高校生・不破耕助は、あるとき殺人事件に巻き込まれ、命の危機に晒されます。それ以降、「銀狼」と名乗る冷酷な別の人格が現れるようになりました。やがて耕助の通う高校で次々と奇妙な殺人事件が起こるように。IQ220の天才である銀狼は、一見超常現象としか思えない事件を科学的に解明していきます。

「同情するなら金をくれ！」流行語に

当時天才子役と呼ばれた安達祐実が、不遇な環境のなかでも強く行きていく少女を描いた感動作。しかし貧しい家庭に生まれ、家庭内での暴力や学校でいじめを受けるシーンが生々しく、現在では過激すぎると考えられています。また、貧困家庭への差別を助長する可能性も懸念されており、現在再放送は困難となっています。

あらすじ実母が病弱で、酒浸りで暴力的な養父と暮らす相沢すずは、貧しい家庭を理由に同級生から冷たい視線を浴びせられていました。彼女は歩み寄ろうとする担任教師にも反発し、同時に母の入院費を稼ぐために盗みなどをはたらくようになります。

ある日、一時帰宅した母に暴力を振るった養父を殺害しようと、自宅アパートに放火。それ以降、彼女は波乱な道のりを歩んでいくことになります。