『おもひでぽろぽろ』のラストの表情の意味は?

2017年6月16日更新 6608view

ジブリ映画『おもひでぽろぽろ』のラストシーン、小学5年生のタエ子が大人のタエ子を見送る時の表情について検証しました。結婚を決めて明るい未来へ進んで行こうとするタエ子を、笑顔でなくどこか寂しげな表情で見送る子供のタエ子...。そこには、どんな意味があるのでしょうか?

『おもひでぽろぽろ』主人公タエ子は、等身大の大人の女性の姿

【あらすじ】

おもひでぽろぽろ_4

出典: www.film4.com

東京に東京で育ったタエ子は休暇を利用して姉の住む山形の田舎・高瀬に行く事に。田舎に向かう途中で昔の思い出を振り返るタエ子は、小学生5年生の自分を連れたまま高瀬に到着してしまった。

おもひでぽろぽろ

出典: pds.exblog.jp

着くと親戚であり3つ下の青年トシオが迎えにきており、それからもなにかとタエ子の田舎での生活を支えてくれた。

おもひでぽろぽろ

そして東京に帰る前日の夜、祖母からもちかけられたトシオとの結婚の話。おもわずその場を飛び出すタエ子。そして翌日、東京に戻る電車に乗るも、列車の中で答えを出したタエ子は、高瀬に引き返す。迎えにきたトシオと共に子供たちに見送られながらも仲良く二人で進んで行くのだった。

子供にはつまらない、大人のための映画

淡々と話が進んで行く故に「子供の頃はつまらないと思った」という感想を持たれる映画ですが、大人になってから見た時の衝撃と感動故に、ファンタジーではないジブリ映画として高評価を得ています。

おもひでぽろぽろ

ラストシーンの表情の意味

しかし最後のシーン、決意を固め、未来に向かって行くタエ子を見送る小学生たちの表情はどことなく寂しく、悲しそうですら見えます。

本来であれば笑顔で祝福すべきこのシーン。一体何故、子どもたちは寂しげな表情をしているのでしょうか。

おもひでぽろぽろ

おもひでぽろぽろ

おもひでぽろぽろ_6

『おもひでぽろぽろ』は、タエ子が過去の思い出を振り、そして現在自分に置かれた状況を見つめ直し、それを乗り越えて幸せに向かう映画でもあります。

都会に、社会の波に揉まれて生きてきたタエ子が高瀬に小学校5年生の自分を連れてきてしまったのも、そんな現在の状況から逃避したいという思いが少なからずあったのでしょう。

そして、決意を固めて自分なりに未来を切り開いていこうとするタエ子。そこに過去の自分はいません。

この場面は、そんな過去に取り付かれ、公開を克服したタエ子が小学5年生の自分に別れを告げ、前に進む場面でもあるのです。

だから、子どもたちはみな、悲しい表情をしています。

ポジティブでありながらもさみしく切ない『おもひでぽろぽろ』のラストシーン。二人のタエ子に注目しながら、もう一度見てみてはいかがでしょうか。