2022年8月1日更新

「ラピュタ」ムスカ大佐は嫌いですか?こじらせ名セリフや声優・最期も見たまえ【目がぁぁぁ】

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天空の城ラピュタ

1986年公開のジブリアニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する悪役ムスカ。数々の名(迷?)言を残しSNSや二次創作の界隈から愛され続ける、ジブリ屈指の名悪役です。 敵役だけど実はいい人という設定が多いジブリ作品において、徹底的に悪を貫くキャラクター性は時代を超えた今も愛され続けています。 今回はそんなムスカ大佐の魅力や正体、名言を徹底解説していきましょう!

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ムスカの基本プロフィール

天空の城ラピュタ
本名 ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ
年齢 28歳(32歳説もあり)
職業・階級 政府の特務機関員・大佐
正体(血筋) ラピュタ王族・パロ家の末裔
声優 寺田農

ムスカは空中要塞ラピュタの調査を行う政府の特務機関の所属で、階級は大佐。表面上は慇懃な紳士ですが、その本性は冷酷で、自らの野望のためには手段を選びません。 様々な教養と知識を身に付けており、旧約聖書やラーマーヤナなどの古典にも通じています。また射撃の腕にも長けているという大佐の地位も納得の万能っぷり。唯一の弱点は視力が弱いことで、度入りのサングラスをかけています。 それほどハイスペックなムスカの年齢はなんと28歳!資料によって32歳の説もあるものの、大佐は一般的に大卒の40~45歳程度の人間が就く地位のため、異例の大出世には違いありません。

ムスカの本名は?

ムスカの本名は、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタです。「ラピュタ」という単語が入っている通り、王族の血を継いでいます。

目をやられたのはなぜ?

ムスカはシータとパズーが滅びの呪文「バルス」を唱えたときに、石が発した光を直視してしまったために目が潰れてしまいました。

ムスカの正体・目的は?

正体

『天空の城ラピュタ』

ムスカの本名は、ロムスカ・パロ・ウル・“ラピュタ”。シータと同じ古代王家ラピュタの末裔でした。 シータの本名「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」のうちトエルは「真」を意味しますが、ムスカの本名にあるパロは「偽」を意味します。つまりシータが本家筋なのに対し、ムスカは分家の扱いなのです。 ムスカ側の先祖は本家とは別の道を選び、産業革命とともにゴンドアの谷を出て天空の城への帰還を望んでいました。その悲願を継いだムスカは、分家に伝わる古文書をもとに、存在すらも怪しいラピュタを探し続けていたのです。

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目的

ムスカの目的とは、かつて全地上を支配したラピュタの王家の復権と「ラピュタ」の強大な力を利用して世界を征服すること。そのために真の王家であるシータと結婚することで、ラピュタ帝国の正当な王になろうとしていました。 最初は紳士風を装って優しくシータに近づくムスカでしたが、彼女が懐柔できないとわかると徐々に強引な手段に出ます。さらにラピュタに到着してからはもとの仲間を突き落として、シータを強引に抱き込み帝国を復活させようとしました。

ムスカの結末・死亡説を検証!

『天空の城ラピュタ』の終盤、ムスカはラピュタの機能を掌握して自らの正体を明かします。ラピュタの復活と王の即位を宣言するも、最期はあっけないものでした。 シータとパズーを捕まえたムスカは最後、2人に3分間の猶予を与えました。その詰めの甘さによって滅びの呪文「バルス!」を唱えさせてしまうのです。 光を直に目に浴びたムスカは、「目が、目が〜!」と悲鳴をあげながらロボットや城のがれきと共に落ちていくのでした。 ラピュタ崩壊のとき、一瞬ではありますが映像中央に描かれた建物の右上あたりにムスカの姿が描かれています。この高度では助かることはないでしょうから、死亡したと考えられるのが妥当でしょう。 ラピュタの存在を信じ続け、一族の悲願ために生涯を捧げたムスカ。夢のために生き続けてきた男は、償うことも許されずあっけない最期を迎えました。

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ムスカには息子がいた?

ムスカはラピュタの崩壊とともに命を落としましたが、彼の血筋は絶えなかったようです。 2001年に出版された『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』によると、テレビアニメ『未来少年コナン』に登場したレプカは、ムスカの子孫とのこと。科学都市インダストリアの行政局長であるレプカは、太陽エネルギーシステムを再起動して世界征服を目論んでいました。 冷酷な野心家で知性も高い人物であるレプカは、ムスカとよく似ていますね。

なぜ子どもができたのか

死んだはずのムスカがなぜ子孫を残せたのでしょうか。ラピュタの最後でムスカが命を落としたと考えると、ムスカは物語の前の段階で子どもを作っていたことになります。 都市伝説に「ムスカは既婚者だった」という話があります。シータを見つける前ムスカは既に結婚しており子どももいました。家族はムスカが国を裏切ったあと、裏切り者の一族として国から処刑されそうになりますが抵抗します。そしてムスカの妻は最後、子どもだけをなんとか逃しました。 生き残ったムスカの息子はその後、平和な暮らしを送るパズーとシータに近づき……。 この話は公式設定に関係のない都市伝説ですが、ムスカに家族がいるところまではあながち間違いでもないかもしれません。

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モールス信号の意味は?

劇中でムスカがモールス信号を発信するシーンは4回あります。1回目は序盤の飛行船のなかでのシーン。売っているモールス信号は「VVV」で、これは試験信号として通信が届いているか確認するためのもの。意味としては「本日は晴天なり」といったところです。 2回目から4回目の通信はドーラが傍受していました。内容は2回目が「fidelity(忠実)」、3回目が「manufacture(手作り)」、4回目が「studio(スタジオ)」。つなげると「手作りに忠実なスタジオ」といった意味になり、スタジオジブリのことを表しています。 ストーリーとは全く関係ないモールス信号を発信しているのは、製作者の遊び心といえますね。

ムスカの名言・名シーン10選

①見ろ!人がゴミのようだ!!

ロボット兵の総攻撃で空中戦艦「ゴリアテ」を撃沈した際、味方だった将軍や部下たちが次々と落下するのを見て、興奮気味に言った名言。 ゲームに熱中する子どものように笑い、「素晴らしい!最高のショーだと思わんかね」とも叫んでおり、命を命と思わない冷酷非情さが全面に出ていました。このすぐ後に、平然と裏切り嘲笑ったかつての味方たちと同じ運命を辿るとも知らずに……。

②はやりの服はキライですか

シータを捕まえたムスカ大佐は、はじめは紳士的に振る舞うことでシータの機嫌をとろうとします。このあとどんどん尖っていくムスカですが、ここではあくまで平和的に望みを叶えようとしているのです。正当な王族であるシータに敬意を払っているのかもしれません。 しかしまったく見向きもしないシータ。ムスカ大佐の涙ぐましい気遣いは打ち砕かれてしまいました……。

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③来たまえ、ぜひ見てもらいたいものがあるんだ

2回目にシータを拘束したシーンで、彼女にラピュタから落下してきた壊れたロボット兵を見せ、帝国の真実を語ろうとする際の名言。 「~たまえ」と紳士的な口調ではあるものの、まるで宝物を見せびらかそうとする子どものようで、残忍なイメージとのギャップを感じます。研究者気質というか、これまで得てきた知識を他人に自慢気に話してしまう、オタクっぽい一面もあるのかもしれません。

④手荒なことはしたくないが、あの少年の運命は君が握っているんだよ

ラピュタ探索の指揮官であるモウロ将軍が、シータを拷問にかけようとしたのに対し、紳士的に暗号を聞き出そうとした時の名言。 「手荒なことは~」には同じ王家の末裔に向けた情や、後のために生かしておかなければならないという打算もあったのかもしれませんが、端的に言えば脅しです。手段を選ばない狡かつさが透けて見えます。

⑤読める、読めるぞ!

古文書の伝承にあった「黒い石」に刻まれたラピュタ語を、自身の手帳と照らし合わせながら読んでいき、解読できた時のムスカの名言。 ムスカが愛され悪役となった魅力のひとつが、この子どもっぽさ。残酷で冷淡なキャラクターではあるものの、小さい頃から探し続けてきたラピュタに関わる事実を前にすると、童心に返ったかのようにテンションが上がってしまうのです。 上ずったような声も印象的で、ムスカがどれだけ興奮しているかが伝わってきます。

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⑥君のアホ面には、心底うんざりさせられる

古代ラピュタ文字を解読したムスカは急に態度を覆し、上司である将軍に向かってこの言葉を放ちました。 彼は自分の目的を達成するために、政府に協力するふりをしていたわけですが、行動をともにしていた軍人たちのことはずっと見下していたことがわかります。

⑦どこへ行こうというのかね?

ラピュタにたどり着き自分の素性を明かしたムスカが、逃げようとするシータに発したのがこのセリフ。 決して乱暴な言葉ではありませんが、有無を言わさぬ威圧感がありますね。

⑧ラピュタは滅びぬ! 何度でもよみがえるさ!

ラピュタが滅亡した理由について、「今なら分かる。人間は土から離れては生きていけない」と言ったシータ。これに怒ったのか、ムスカは彼女の髪の毛を撃ち落とし、この言葉を返しました。 その後には「ラピュタの力こそ人類の夢だからだ!」とも言っており、ラピュタが彼にとってはすべてであることを物語っています。

⑨3分間待ってやる

「バルス!」直前、パズーがシータの元に駆けつけた際に、「シータと2人きりで話がしたい」と言ったパズーに向けて放った名言。 このシーンについて、2001年に発売された絵コンテ集の注釈には「ムスカ、このスキ装弾する。実はもう弾丸がなかったのです」とあります。ムスカが突然優しくなったのではなく、不利な状況をスマートに切り抜けようとする、一種の駆け引きだったのです。 実戦経験の豊富さが伺えますし、どこまでも紳士然としたムスカを象徴していますね。

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⑩あぁぁ、目がぁ、目がぁぁぁぁぁぁ

シータとパズーが「バルス!」を唱え、飛行石のペンダントから発せられた光で目を潰されたムスカが叫んだ言葉。ムスカとしては劇中最後の台詞でもある名言です。 これまで余裕に溢れていたムスカが、最後の最後というところで余裕がなくなって、かなりオーバー気味のリアクションもとっていました。愛すべき悪役の断末魔です。 なぜか笑ってしまうという声も多く、バルスとセットでよくネタに使われるシーンとなりました。

声優・寺田農(てらだみのる)

ジブリの愛されキャラ・ムスカの声を演じたのは、俳優、声優の寺田農(てらだみのる)。1961年、文学座研究所に一期生として入所し、舞台や映画などで活躍してきました。 その傍らナレーター業にも携わり始め、『天空の城ラピュタ』のムスカ大佐役の声優として一躍有名になるとともに、寺田最大の当たり役に。特撮作品にも縁が深く、「ウルトラマン」シリーズ、「仮面ライダー」シリーズにも出演しています。 渋みと威厳のある声質は、普段は紳士的なムスカにぴったり!名言でも触れましたが、声が上ずったり、裏返ったりする演技からラピュタに対する興奮が伝わり、子どものように夢中で夢を追いかける人間味が感じられました。

ムスカが愛される理由は「ラピュタ」という夢を追い続けた男の悲哀

『天空の城ラピュタ』ムスカ

ジブリ作品において、改心することなく徹底的に悪を貫いたキャラクターである一方、時代を超えて愛され続けるムスカ大佐。 彼が愛され続ける理由は、ラピュタを探し出して王になる「夢」に生涯を捧げながら、あまりに切なすぎる最期を迎えた哀れさだと思います。 シータやパズーらの視点で見るとムスカは悪ですが、彼は滅んだ帝国と王家の復活を願い、先祖の悲願を遂げるためにたった1人で夢を追いかけたなのです。 真剣さと純粋さが裏目に出たり、大事なところでツメが甘かったりと、憎めない“人間臭さ”があるのも視聴者の心を掴む理由かもしれません。 そして、もはやネタ扱いされている彼の印象的な最期。悪役として、もっと華々しい最期を与えられていたら、こんなにも心に残るキャラになったでしょうか?自業自得とは言え、夢を追い続けた男があっけなく死んでいく姿は、切なすぎるものがありました。