【ネタバレ】『天空の城ラピュタ』都市伝説や元ネタを考察!幻のエンディングやその後は?
1986年に公開された宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』。本作はシータとパズーが、天空に浮かぶ城・ラピュタを探す冒険物語です。 この記事では、今も愛され続けるジブリ作品『天空の城ラピュタ』の都市伝説やトリビアを解説しながら、本作の魅力について考察していきます! ※ここからは『天空の城ラピュタ』について詳しい情報を紹介していきます。ネタバレも含まれるので、未鑑賞の場合は注意してください。
タップできる目次
- 【概要】映画『天空の城ラピュタ』どんな話?
- 【ネタバレ】『天空の城ラピュタ』最後まであらすじ解説
- 【原作】小説版に描かれたパズーとシータのその後
- 【都市伝説】幻のエンディングは存在する?
- 【考察】ラピュタ王国の謎を解説!人がいないのはなぜ?
- 【制作秘話】『ガリバー旅行記』だけじゃない元ネタや時代背景を解説
- 【考察】『天空の城ラピュタ』が本当に伝えたかったこと
- 【トリビア】他のアニメとのつながりを解説
- 【トリビア】キャラクターに関する裏話を解説
- 【主題歌】『君をのせて』の歌詞に隠されたメッセージ
- 【見どころ】なぜ『天空の城ラピュタ』は愛され続けるのか
- 『天空の城ラピュタ』ネタバレ考察や都市伝説を知るともっと面白い
【概要】映画『天空の城ラピュタ』どんな話?
| タイトル | 『天空の城ラピュタ』 |
|---|---|
| 上映時間 | 124分 |
| 公開年 | 1986年8月2日 |
| 主題歌 | 井上あずみ「君をのせて」 |
| 監督・脚本 | 宮崎駿 |
| 主要声優 | 田中真弓 , 横沢啓子 , 初井言榮 , 寺田農 |
ジブリ1作目といえば1979年の『ルパン三世 カリオストロの城』や1984年『風の谷のナウシカ』かと思われがちですが、スタジオジブリ設立は1985年なので、実は本作が長編アニメ映画1作目にあたります。つまり、宮崎駿監督作『天空の城ラピュタ』は、スタジオジブリ設立のきっかけともなったとも言えるのです。 当初は子ども向けの冒険活劇として制作されましたが、結果的に大人が観ても十分楽しめる全年齢向けのアニメとして評価されています。
わかりやすく『天空の城ラピュタ』あらすじを解説
鉱山で働く少年パズーは、ある日空からゆっくりと浮遊しながら落ちてくる少女シータを助けます。シータは浮遊力を持つ不思議な石「飛行石」を持っており、それを狙ってムスカ大佐率いる政府機関やドーラ率いる空中海賊に追われていました。 パズーは父が一度だけ見たという「天空の城ラピュタ」を探しており、そこへ行くことが夢だとシータに語ります。しかしシータは実はラピュタ王族の末裔で、ムスカはそれを知っていてシータを狙っていたのです。
【ネタバレ】『天空の城ラピュタ』最後まであらすじ解説
空から降ってきた女の子

舞台は19世紀後半、産業革命期のヨーロッパ。少女シータは政府の特務機関によって、飛行船の中に閉じ込められていました。 特務機関の狙いはシータが親から受け継いだ青い石。そこへ同じく石を狙う海賊ドーラ一家が襲撃してきます。襲撃の混乱の中、騒ぎに紛れて逃亡を図ろうとしたシータは飛行船から落ちてしまいました。 しかしつけていた石(飛行石)の力でシータはゆっくりと落ちていき、鉱山で働く少年パズーに助けられます。石は、昔ラピュタというところで作られた「飛行石」だったのです。
青い石とラピュタの秘密
シータとパズーはドーラ一家に狙われ、逃げた先で特務機構に捕まってしまいます。そしてシータは、特務機関を指揮するムスカ大佐から青い石とラピュタの秘密を聞かされました。ラピュタは空に浮かぶ伝説の城で、高度な科学技術を誇っていたが遠い昔に滅びたというのです。 シータが持っている青い石「飛行石」は、ラピュタへ帰るための道しるべとして王族が受け継ぐものでした。ムスカは、シータがラピュタ王の末裔であることを明かし、シータに協力を乞います。シータは、パズーを解放することを条件にムスカに協力すると答えます。 解放されたパズーはドーラ一家と組みシータを連れ戻そうと画策します。 そのころシータは祖母に教わった「困ったときのおまじない」を唱えていました。すると飛行石が光を放ってラピュタの位置を示し、さらにラピュタから落ちてきたロボット兵を目覚めさせます。おまじないは、ラピュタの封印を解く言葉だったのです。
ついに見つけた伝説の城ラピュタ【ネタバレ注意】

ロボット兵が暴れだしたため要塞は破壊され、再びパニックに陥ります。この騒ぎでシータは助け出されましたが、飛行石をムスカのもとに落としてしまい、彼は軍とともにラピュタに向かいました。 それを追う形でドーラ一家とともにシータとパズーもラピュタへ。 途中で軍に攻撃されドーラ一家とシータ達ははぐれてしまいますが、なんとか2人はラピュタへたどり着きます。 しかしパズーが軍に捕まったドーラ一家を助けている間にシータが捕まってしまいました。
ムスカの本当の狙い【ネタバレ注意】

ムスカの本当の狙いは、ラピュタにある巨大な飛行石と高度な科学技術を手に入れて、世界を支配することでした。なんとムスカ自身もラピュタ王の末裔であり、飛行石で城の力を操って軍の兵隊を皆殺しにしてしまいます。 これを見たシータは、ムスカから飛行石を奪って逃げ、祖母から教わった滅びの言葉“バルス”をパズーとともに唱えます。すると飛行石が光りだし、城は崩壊。ムスカは瓦礫とともに落ちていき死んでしまいます。 パズーとシータはドーラ一家に救出され無事城から脱出。ラピュタは天高くのぼっていくのでした。
【原作】小説版に描かれたパズーとシータのその後
宮崎駿監督による絵も挿入されている小説版の『天空の城ラピュタ』が前後篇の2冊で刊行されています。最後には映画のその後について少し触れられており、シータが故郷に戻っている様子が描かれていました。 ゴンドアの谷で元の生活に戻ったシータは、ある日パズーからの手紙を受け取ります。その手紙にはドーラたちや政府の話、そして作りかけだったオーニソプターがもうすぐ完成しそうなので、「会いに行くよ」と書かれていました。
【都市伝説】幻のエンディングは存在する?
幻のエンディングは存在しない!公式も否定
『天空の城ラピュタ』には、本編とは異なるエンディングが存在するという都市伝説があります。しかし結論から言うと、別の結末を描いたストーリーは存在しません。 この都市伝説の発端は、『天空の城ラピュタ』がテレビ放送された際、映画とは別バージョンのエンディング(スタッフロール)が流れたこと。 「パズーとシータが抱き合う」「シータと水牛」「凧に乗るパズーとシータ」「飛行機に乗ってシータに会いに行くパズー」という4つの場面が描かれました。 どれも2人の後日譚のように捉えられる内容だったため、このエンディングを観て映画本編のあとに2人が幸せに暮らしたと解釈した人がいても不思議ではありません。 しかしこれらのシーンは映画本編に描かれている場面と、ジブリの関連資料集に掲載されたイラストをつなぎ合わせたものでした。そのため、パズーとシータのその後を描いた別ストーリーというわけではないのです。 小説版には少し2人のその後にも触れていますが、あくまでもイラストを補完したものであり、公式には「幻のエンディング」の存在は否定されています。
「パズーの悲劇」は本当?

一方で、『天空の城ラピュタ』には、パズーとシータが残酷な運命をたどる別の「バッドエンド」があると言われています。 しかしこれは全く根も葉もない噂で、都市伝説としてもマイナーなもの。ではなぜそんな噂がされるようになったのでしょうか。 ジブリ作品には都市伝説がつきものですが、そのなかには死後の世界や死亡説などの恐ろしくなるようなものが多くあります。 しかし「ラピュタ」にはそうした怪談めいた都市伝説はありませんでした。そこで誰かが「もう1つのエンディング」として、このような話をでっちあげたと思われます。
【考察】ラピュタ王国の謎を解説!人がいないのはなぜ?
そもそも「ラピュタ」っていったい何?

そもそも映画のタイトルにもなっている「ラピュタ」とは、いったいどんなものなのでしょう。 空に浮かぶ島・ラピュタは、もともとラピュタ帝国という古代国家でした。この帝国は超科学技術を持っていましたが、その技術を持ってしても克服できない疫病が流行したことで滅亡してしまいます。 劇中に登場する空中都市は、帝国が滅亡した後、宮殿や神殿がある中枢部分だけが残って浮遊していたもの。内部には巨大な飛行石があり、その力によって空中に浮かんでいます。 作中で敵役として登場するムスカは帝国王家の末裔であり、再びラピュタを支配しようと企んでいました。
ラピュタはなぜ滅亡した?
作中では、シータやムスカがラピュタの民の末裔であることが明かされています。彼らの先祖はラピュタで生活していたはずですが、故郷を捨てて地上に降り立ったようです。はたしてそこにはどんな理由があったのでしょうか。 実はラピュタに暮らしていた人々は、飛行石の力を活用しできる高い技術を持っていました。しかし帝国で原因不明の疫病が流行ったことをきっかけに、ゴンドアの谷のような場所に移り住んだのだとか。 疫病は実は「ささいな病」であったにもかかわらず、高度な科学技術が逆に人々の免疫力を育んでおらず、一気に病が蔓延してしまったのかもしれません。そうしてなす術もなく、突然蔓延した疫病に蝕まれた結果、ラピュタは滅びてしまったようです。
ラピュタに人がいない理由は?
また作中のシータのセリフから、彼らがラピュタに戻らなかった理由も想像できます。 ゴンドアの谷の歌には「土に根をおろし、風とともに生きよう。種とともに冬を越え、鳥とともに春を歌おう」という歌詞が。天空に浮かぶラピュタで生きてきた人々は、大地の偉大さに気づいたのではないでしょうか。 シータの言うとおり、彼らは「土から離れては生きられない」ようになったのです。
お墓とロボットの正体は何?

ラピュタを守っているロボット兵。シータとパズーがラピュタに到着すると、キツネリスらとともに庭園にやさしく佇んでいました。 彼らの役割は、庭園にあるお墓を守ること。墓守として、今は亡き主人・ラピュタの民の遺体をずっと守り続けていたようです。 ジブリ作品の『風の谷のナウシカ』に出てくる巨神兵と見た目が似ていて混同されがちですが、基本的に別物。巨神兵は山々を超えるほど巨大で、体も肉で出来ていますがロボット兵は人の2~3倍程度の大きさで、体はセラミックで出来ているのです。
【制作秘話】『ガリバー旅行記』だけじゃない元ネタや時代背景を解説
『ガリバー旅行記』の「ラピュータ」が元ネタ
「ラピュタ」という名前の由来となった小説は、アイルランドの作家・ジョナサン・スイフトによる『ガリバー旅行記』第3編です。この小説には、「ラピュータ」という天空の島が登場します。 ラピュータは、数学者や天文学者などの学者たちが治めている浮島で、地上の島を知性によって支配していました。この国の人々は進歩を重視した結果、言葉を省略して単語だけで会話するようになります。 『天空の城ラピュタ』の企画原案には、確かに「ガリバー旅行記第三部に描かれた、空中の浮島ラピュタ」と書かれているため、この小説がモデルであると見て間違いありません。(参考:『出発点 1979~1996』宮崎駿) 『ガリバー旅行記』は産業革命の時代よりも100年以上前の作品ですが、『天空の城ラピュタ』の世界観とうまく融合して、架空の地域ながらもリアリティある設定が作られました。
滅びの呪文「バルス」は漫画「マッドメン」から?
「目が、目がぁ……」#ムスカ #ラピュタ #天空の城ラピュタ #パズー #シータ #ドーラ#目が #目がぁ pic.twitter.com/AmLcWoAir6
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『天空の城ラピュタ』のラストで唱えられる滅びの呪文「バルス」。地上波で本作が放送されるたびに、SNSでお祭り騒ぎになることでもおなじみですね。ちなみに「バルス」はラピュタ語で「閉じよ」という意味です。 この呪文がなぜ「バルス」という言葉になったのかは、制作側からは明らかにされていません。最も有力な説は、諸星大二郎の漫画『マッドメン』からの引用である、というもの。 宮崎駿は「ナウシカ」の絵を描いてほしかったと公言するほど彼のファンです。そんな諸星が描いた『マッドメン』の中には、「バルス」という「楽園崩壊」の意味を持つ言葉が登場します。 もう1つの説としては、「平和」を意味するトルコ語の「bans(バルシュ)」がもとになっているのではないかというものがあります。 いずれにしても「バルス」はたった3文字でありながら、観客に大きなインパクトを与える呪文です。ラピュタ崩壊の呪文となれば普通はものものしい呪文を設定しそうですが、センスが光ったセリフとなりました。
飛行石はラピスラズリがモデル

神秘的な青色に輝く、美しい飛行石。宝石のような見た目がファンの心をつかみ、ジブリショップなどではグッズとしても好評です。 ショップでは品名として「ラピスラズリ」の名前が書かれており、この鉱石がモデルと考えて間違いなさそうです。ラピスラズリは日本では瑠璃(るり)とも呼ばれています。
また飛行石のモデルとなったのは、宮崎駿の少年時代に人気を博した、福島鉄次による絵物語『沙漠の魔王』なのだそうです。 『砂漠の魔王』は、イスラム世界の説話集である『千夜一夜物語』に登場する、有名な『アラジンと魔法のランプ』をもとにした物語。作中には、飛行石を使用して空を飛び、呼び出した者の命令にしたがう大きな魔人が登場します。 「ラピュタ」に登場する飛行石の力はこれとよく似ていて、ロボット兵を操ったり、ラピュタ王家の血を引く者が特定の呪文を口にすることで、さまざまな現象を起こしたりすることが可能です。
ロボットは「ルパン三世」に登場していた

ラピュタを守っていたロボット兵は、実は宮崎駿監督が手がけたテレビアニメ『ルパン三世』第2シリーズの最終回「さらば愛しきルパンよ」にもすでに登場していました。 宮崎駿監督はこのロボット兵を気に入っていたようで、元々のロボット兵のデザインをテレビでは活かしきれなかったことが心残りだったため、ラピュタで使うことにしたそうです。
風景はイギリス・ウェールズがモデル

ノスタルジックな街並みや、ラピュタ帝国のミステリアスな外観など、『天空の城ラピュタ』には印象的な風景がたくさん登場します。 そんな本作のモデルといわれている場所は、世界各地に点在。ペルーにある世界遺産マチュピチュや巨大な熱帯樹林に覆われたカンボジアのベンメリア遺跡、フランスにあるモンサンミッシェルなど、どれも美しい神秘的な場所ばかりです。 また宮崎駿が作品制作前に訪れていたイギリスのウェールズは、パズーとシータが出会った街のモデルとなっています。 ウェールズは作中の街と同じく、炭鉱が盛んな地域です。親方とシャルルが街を巻き込んでケンカするシーンは、ウェールズを訪れたことがきっかけで挿入されました。(参考:『出発点 1979~1996』宮崎駿)
「ラピュタ」の時代背景は?

『天空の城ラピュタ』はいつの時代の物語なのか、作中では具体的に語られることはありません。 しかしながら、パズーの父親が撮ったラピュタの写真には「1868.7」と明記されているので、19世紀後半が舞台であると考えられます。 宮崎駿はインタビューで「産業革命のころを背景にしている」と述べていたので、その時期とちょうど一致しますね。(参考:『出発点 1979~1996』宮崎駿) また本作の主な舞台となっているのは、産業革命において重要な地であるイギリスです。作中に登場する銃火器なども、イギリスのものをモチーフにしているんだとか。
【考察】『天空の城ラピュタ』が本当に伝えたかったこと
「土に根をおろし、風とともに生きよう。」に込められた意味

宮崎駿は多くの作品を通して、自然や地球環境の大切さを訴えています。彼の作品には、技術の発達によって自然を破壊した人間が、その反動で大変な目にあうストーリーのものが少なくありません。 「ラピュタ」もまた、自然に反する方法で栄え贅沢な暮らしを送っていたラピュタ人たちが、疫病という自然からの反撃にあい、その地を追われたという経緯が描かれています。そしてゴンドアの谷に移り住んだ人々は自然の恵みによって生かされ、“人は土から離れては生きていけない”ということを知ったのです。 それでも技術による進歩を追求した一族の末裔であるムスカは、かつて人々を滅ぼしたラピュタの技術を再び手に入れようとした結果、自滅の道をたどりました。 自然と共生することが、人間にとって正しい生き方なのだと伝えたいのではないでしょうか。
「力」よりも「愛と勇気」という選択
シータと同じくラピュタの末裔だったムスカですが、過去の栄光に執着した結果、その力で世界を支配しようとしてしまいました。最終的には、自らが操作していた光に焼かれて自滅しています。 滅びの呪文「バルス」はラピュタを破壊しましたが、単に破壊するための呪文ではなく、「力や支配からの解放」も意味していました。パズーとシータのような何も持たない子どもたちが、自分の意志で「力」を放棄し、手を取り合って「愛と勇気」によってムスカに勝ったのです。
「過去の遺産」を終わらせる自立の物語
「ラピュタ」はパズーとシータにとって「過去の遺産」を終わらせて、自立するための物語でした。パズーには父の汚名を晴らすこと、シータにはラピュタの末裔としてラピュタを壊すこと。 それぞれに親の夢と先祖の遺産に縛られていましたが、それを象徴するラピュタ自体を破壊したことで、地上での新しい未来へ歩みだすことができたのです。つまりこの物語は冒険譚でありつつも、彼らの自立を描いた成長物語だったのです。
【トリビア】他のアニメとのつながりを解説
すでに紹介したとおり「ルパン三世」シリーズにロボット兵が登場している以外にも、『天空の城ラピュタ』には、他のジブリ作品やアニメ作品とのつながりがあります。 宮崎駿による意図的なつながりから、当時のスタッフや出演声優にまつわる偶然のつながりまで、紹介していきましょう。
『風の谷のナウシカ』

宮崎駿監督によるもう1つの名作ジブリ映画『風の谷のナウシカ』は、『天空の城ラピュタ』と同じ世界が舞台なのではないかと言われています。 その根拠となっているのが、ラピュタに住むキツネリス。ロボット兵の肩に乗っていたり、何匹かで遊んだりしていたこの生き物は、『風の谷のナウシカ』にも登場しています。テトと名付けられ、ナウシカと行動をともにしていましたね。 また2つの作品には“高度に発達した古代文明が崩壊した後の物語”という共通点があります。直接的なつながりはないようですが、よく似た舞台設定となっているのは確かです。
『シュナの旅』
1986年に徳間書店から出版された『シュナの旅』は、宮崎駿による絵物語です。これは、チベット民話『犬になった王子』をもとにしていますが、実は宮崎の脚色で『天空の城ラピュタ』と『風の谷のナウシカ』の間をつなぐ物語になっているとか。 穀物の育たない貧しい国の王子シュナが、麦を求めて旅をするというストーリーの本作。崩壊し地上に落ちたラピュタの残骸と思われるものが描かれていたり、その後のジブリ作品にも登場するヤックルやミノノハシが登場していたりします。
『未来少年コナン』
シータの持つ飛行石を狙って、彼女を拉致したムスカ。 実はムスカの子孫が、宮崎駿監督のアニメ『未来少年コナン』(1978年)に登場しているのです。この作品のレプカというキャラクターは、ムスカの子孫にあたります。 この設定は公式から紹介されており、『天空の城ラピュタ』は時系列上『未来少年コナン』よりも昔の話であることも明かされているのです。 宮崎駿作品のつながりを知ることで、より物語の想像が膨らんでいきますね。
庵野秀明監督『ふしぎの海のナディア』
実は『天空の城ラピュタ』と、庵野秀明監督によるアニメ『ふしぎの海のナディア』(1990〜1991年)には深い関係があります。 庵野秀明のコメントによると『未来少年コナン』の続編にあたる『未来少年コナン2』の企画案から、『天空の城ラピュタ』と『ふしぎの海のナディア』の2作品が生まれたのだとか。 その企画案の内容は、少年と少女が不思議なペンダントを探して潜水艦で旅をする道中、ペンダントを付けねらう悪党に遭遇するという物語。確かにそれぞれの作品に通ずるものがありますね。
パズーが「海賊王」になるその後

『天空の城ラピュタ』でパズーの声を担当したのは、アニメ「ワンピース」(1999年〜)でルフィの声優として知られる田中真弓です。 『天空の城ラピュタ』の劇中で、シータに「私のためにパズーを海賊にしたくない」と言われたパズーは、笑いながら「僕は海賊にはならないよ」と爽やかに宣言しています。 その数年後、アニメ「ワンピース」にて田中真弓演じるルフィは「海賊王に、俺はなる!」と高らかに宣言! 直接的なつながりはないものの、同じ声で真逆のことを言っており、今になって聞くとクスッと笑えるエピソードになっています。
林原めぐみの出演
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズの綾波レイ役や、『名探偵コナン』(1999年〜)の灰原哀役で知られる声優・林原めぐみ。 実は彼女は、『天空の城ラピュタ』で多数のキャラクターの声を担当しています。しかし彼女が担当した役どころは、青い服の婦人やロボット兵が落ちてくる回想シーンの老婦など、名もない人物ばかり。 ベテラン声優となった今では信じがたいですが、『天空の城ラピュタ』は彼女が新人の頃の作品なので、いわゆるモブキャラクターを多数演じていたのですね。
【トリビア】キャラクターに関する裏話を解説
シータとムスカの名前に隠された王位継承権
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シータには、ラピュタ王国を受け継ぐ者としてもう1つの名前がありました。それはリュシータ・トエル・ウル・ラピュタ。 ウルはラピュタ語で「王」、トエルは「真の」を意味しており、この名前は彼女がラピュタの正統な王位継承者であることを示しています。 一方ムスカの本名は、ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。 彼の名前にもシータと同じように、「王」を表すウルが入っています。彼の一族もかつてのラピュタ帝国でシータの一族と同じく王家の1つですが、「パロ」は「偽の」という意味なので、王位継承順位はシータの方が上です。 ムスカの目的は、ラピュタの王に君臨し、全世界を支配すること。そのためには、彼の一族が代々受け継いできた古文書とは別に、シータの一族に引き継がれていた飛行石が不可欠だったのです。
当初シータはドーラの娘だった?

空中海賊の女ボス・ドーラは、はじめこそシータから飛行石を奪おうとする敵だったものの、パズーを思いやる彼女の健気な姿勢に心を打たれていきます。しまいには、シータに対して「アタシの若い頃にそっくりだよ」などと話していました。 実は当初、シータはドーラの娘という設定だったのです。シータにシンパシーを感じるドーラの姿が見受けられるのは、この設定があったからかもしれません。 また宮崎駿の著書『出発点 1979~1996』の中では、パズーの設定について「ドーラが母親で、あちこちに出てくるじいさんがみんな父親」と説明しています。 パズーとシータという2人の子供が繰り広げる活劇に、親役を登場させる必要があったということでしょうか。作品を通してドーラは、2人の母親的な存在を担っているのです。
パズーの父の死因は?
強烈な雷⚡️の向こうに、まるで2人を誘導するように浮かぶ飛行船。☁️現れたのはパズーのお父さんだったのでしょうか…。#ラピュタ #天空の城ラピュタ #パズー #シータ pic.twitter.com/3WlpB5otse
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ラピュタを発見し、証拠写真も撮っていたパズーの父。しかし彼の主張は誰にも受け入れられることがないまま、帰らぬ人となってしまいました。彼の死因はいったいなんだったのでしょうか。 1986年に発行された小説版では、その経緯が以下のように書かれています。 「スラッグ渓谷に母親と一緒に来る前、パズーが住んでいた町で、冒険家の父親は、新飛行船建造のためのスポンサー探しに出かけた時、不慮の事故で死んだ。」 パズーがラピュタを探すことにこだわったのは、事故死した父の無念を晴らすためだったのですね。
ドーラの正体は宮崎駿監督の母

空中海賊のドーラは、実は宮崎駿監督の母親がモデルであるという逸話があります。「ジブリの教科書」では自身の母親について、「ドーラを連想してくれるといい」と語っており、実際の母親は病気がちだったものの、「精神的迫力」はドーラに通じるものがあったといいます。
ムスカ大佐がサングラスをかけている理由

ムスカ大佐は元々視力が低く、日光にも弱かったためいつもサングラスをかけていたという裏設定があったようです。目の虹彩が金色であり、紫外線から目を守るメラニン色素が薄いことがその原因だったよう。 そんな光に弱いムスカ大佐でしたが、滅びの呪文「バルス」によって、強烈な光にさらされて最期を迎えたのも実に皮肉です。
【主題歌】『君をのせて』の歌詞に隠されたメッセージ

『天空の城ラピュタ』の主題歌は久石譲が作曲した『君をのせて』で、井上あずみが歌唱しています。 「父さんが残した熱い想い」という歌詞には、パズーの父が残したものが写真だけでなく、困難に立ち向かう「勇気」そのものだったという思いが込められているようです。 また「地球はまわる 君をのせて」というフレーズには、ラピュタが滅びてもパズーもシータも地球の土の上で生きていくというテーマが内包されていました。そして「いつかきっと出会う ぼくらをのせて」と締めくくられ、2人がいつか“きっと出会う”ことも想像させてくれます。
【見どころ】なぜ『天空の城ラピュタ』は愛され続けるのか

ここまで見てきた都市伝説やトリビアから、『天空の城ラピュタ』の面白さの正体が見えてきます。それは、何度観ても観客の想像力をかき立てる、作り込まれた世界観です。 特に注目すべきポイントは、現実と架空世界の融合が、とてもバランスの良いものであるということ。実在するマチュピチュなどを思わせる幻想的な空中都市の存在、そしてイギリスのウェールズに訪れた実体験から生まれた炭鉱の町。 これらの風景は、色彩豊かなアニメーションで生き生きと描かれ、すべての人にとって入り込みやすい場所でありながら、どこか異空間のような雰囲気も両立しているのです。 また登場人物の裏設定なども、作品をより楽しませてくれる要素の1つ。女海賊ドーラの母親的な役割によって子供たちが支えられ、子ども2人による壮大な冒険活劇ながらも、綺麗にまとまっています。 さらには産業革命の時代がテーマというしっかりとしたコンセプトに、『ガリバー旅行記』や『砂漠の魔王』といった複数作品のエッセンスが調和し、『天空の城ラピュタ』という1つの世界観を作っているのです。 この世界観にはこれら多数の要素が盛り込まれていながら、作中ではそのすべてを語ることはしません。だからこそ観る人は、そこから自由に想像を膨らませ、何度でも楽しむことができるのではないでしょうか。 そうして結果的に『天空の城ラピュタ』は、30年以上経っても愛され続ける不朽の名作となっているのです。
『天空の城ラピュタ』ネタバレ考察や都市伝説を知るともっと面白い

この記事では『天空の城ラピュタ』について都市伝説やトリビアを解説しながら、作品の魅力をひも解いてきました。 本作の魅力をひとことで言い表すとすれば、多くの要素が絡み合って生まれた壮大な世界観です。宮崎駿作品すべてにいえることかもしれませんが、彼は自らの経験を作品に落とし込み、魅力あふれるものに仕上げています。 そして観客は世界観に含まれる多様な要素から、想像力をかき立てられることでしょう。宮崎駿監督のジブリ作品に都市伝説が多いのは、観た人が想像を膨らませて、物語をのその先を想像したくなるからではないでしょうか。
















