ロン・ウィーズリーのヘタレだけど愛おしい魅力 「ハリー・ポッター」では描かれなかったその後とは?
映画「ハリー・ポッター」シリーズに登場し、主人公ハリーやハーマイオニーの親友として活躍するロン・ウィーズリー。 3人のムード―メーカー的存在でありながら、自分に自信を持てずどこか放っておけない魅力があるロン。この記事では彼の生い立ちや性格などを紐解き、その魅力に迫っていきます!
ロン・ウィーズリーはこんなキャラクター
本名 | ロナルド・ビリウス・ウィーズリー |
---|---|
家族 | アーサー・ウィーズリー(父) モリー・ウィーズリー(母) ビル・ウィーズリー (兄) チャーリー・ウィーズリー(兄) パーシー・ウィーズリー(兄) フレッド・ウィーズリー(兄) ジョージ・ウィーズリー(兄) ジニー・ウィーズリー(妹) |
俳優 | ルパート・グリント |
「ハリー・ポッター」シリーズで、ハーマイオニーと共にハリーの親友として物語の主要人物だったロン・ウィーズリー。1980年3月にウィーズリー家の6男として生まれました。 燃えるような赤毛に顔のそばかすは、ウィーズリー一家全員に共通する特徴。古くから続く純血の魔法族一家ですが、マグル(人間)に寛容な姿勢を見せます。ロン自身も、半純血のハリーやマグル出身のハーマイオニーと仲良くなっていきました。
ロンはヘタレだけど勇敢?親しみが沸く性格を深掘り
皮肉屋で少し臆病なムードメイカー
ロンはハリーとハーマイオニーといるときは常にムードメーカー。母親からの吠えメールが大広間に響き渡って全校生徒に聞かれたり、公衆の面前でフラー・デラクールにダンスパートナーの申込みをして断られたりと、要所要所で笑わせてくれる3枚目キャラでもあります。 しかし明るい性格でありながら、ロンはときに皮肉めいた冗談や言い回しをして斜に構えているように見えることもあります。 それは彼の臆病な性格の裏返しなのかもしれません。ロンはかつてフレッドにテディ・ベアを蜘蛛に変えられるイタズラをされ、その時のあまりの恐怖から蜘蛛が大の苦手になってしまいました。まね妖精もロンの前では蜘蛛に変わってしまうなど、そのトラウマは今でも拭いきれないよう。 彼は臆病な自分を守るために、時に明るく、時に皮肉に人々と接しているのかもしれません。
友人のために身体を張れる勇敢さ
シリーズ1作目の『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年)では、賢者の石を目指すため巨大なチェスで勝たねばならない場面があり、普段は臆病なロンが勇気を出してこのチェスへ挑みました。 自分に自信がなく弱々しいロンですが、いざというときには友人のために身体を張ることができる勇敢さも持ち合わせています。
周囲と比べて劣等感を抱く一面も
ロンの魅力はなんといっても親近感を感じさせるそのキャラクター。特別な存在ハリーや優等生ハーマイオニーとは異なりとても平凡な少年だからこそ、読者が共感出来る部分が多いのではないでしょうか。 例えば、優秀な兄弟に対して抱く劣等感。『ハリー・ポッターと賢者の石』でみぞの鏡を発見した時に、彼が見たものは首席でクィディッチのキャプテンとなった自分の姿でした。大家族の中に埋もれない自分を夢見ていたのです。 一方で家族への愛情も持ち合わせているロン。どんなに自分の服がお下がりであろうと、双子にバカにされようと、彼は自分の家族を愛しています。ヒーローらしくないロンのキャラクターが親近感を抱かせ、彼が人気のキャラクターとなった理由なのでしょう。
「ハリー・ポッター」の後ロンはどうなった?
優秀な闇祓いから悪戯専門店の経営者に
ヴォルデモートとの戦いが終結したあと、ロンはハリーやネビルとともに魔法省に入省。そこで優秀な闇祓いとして活動を続けていました。 ですがそののち、ロンは兄であるジョージ・ウィーズリーが開業した悪戯道具専門店「WWW(ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ)」の経営に携わり、そこそこ大きな資産を手にしたようです。
満を持してハーマイオニーと結婚!2人の子供は?
親友から恋人となり親密な関係を築いていったロンとハーマイオニー。 彼らは映画の後日譚を描いた舞台『ハリーポッターと呪いの子』(2016年)で結婚した様子が描かれており、2人のあいだには長女のローズ・グレンジャー=ウィーズリーと長男ヒューゴ・グレンジャー=ウィーズリーが生まれていました。 仲睦まじく暮らしているロンたち。しかし作者のJ.K.ローリングは将来この2人が離婚することをほのめかしています。今後「ハリー・ポッター」シリーズの続編が公開されれば、その様子が描かれることがあるかもしれません。
「ハリー・ポッター」シリーズでのロンを振り返る
1年目:『ハリー・ポッターと賢者の石』
ロンは11歳のときホグワーツ魔法魔術学校へ入学しグリフィンドールへ組み分けされます。学校生活のなかでハリーやハーマイオニーと出会い仲を深めていくロン。 ハリーと協力し、学校に侵入したトロールからハーマイオニーを救い出したことをきっかけに、3人は無二の親友となりました。 そして3人は賢者の石を巡る争いに巻き込まれることに。賢者の石を探すなか、ロンはチェスの試練を勇気と知恵で乗り越え、賢者の石を巡るトラブル解決に大きく貢献しました。
2年目:『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
夏休み中連絡の取れなかったハリーをロンは空飛ぶ車で救出。新学年の始まりを迎える2人ですが、ホグワーツ特急に乗り遅れ空飛ぶ車で何とかホグワーツへ。なんとも不安な新学年が始まってしまいました。 その年は秘密の部屋に眠る怪物が解放される事件が発生。マルフォイが犯人と疑うロンはクラッブに変身してマルフォイの行動を調べ始めます。しかし調べるうちに、マルフォイは犯人ではないと発覚。犯人を捜すため禁じられた森へ行き、ロンたちはアラゴグから犯人の手がかりを得ることに成功します。 ロンとハリーはロックハート教授と共に秘密の部屋を訪れ、部屋を閉鎖。この功績をたたえられ、ロンたちはホグワーツ特別功労賞を授与されました。
3年目:『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
家族とエジプトへ旅行し夏休みを満喫したロン。楽しみな新学年を迎えますが、学校生活ではロンの使い魔スキャバーズをハーマイオニーの使い魔クルックシャンクスが追い回したことで2人の仲は急激に悪化。そのうえアズカバンの脱獄囚シリウスがロンの部屋に侵入する事件も発生します。 シリウスとの遭遇により一躍有名になるロン。しかしハーマイオニーとの不仲をハグリッドに咎められ、ロンは現実に引き戻されます。そしてハーマイオニーとの不仲は解消され、ロンたちは彼女が携わるバッグビークの弁護を手伝い始めました。 そしてその一方でシリウスの事件にも進展が。実はロンの使い魔スキャバーズはかつてシリウスに罪を着せたペティグリューが変身した姿だったのです。様々なトラブルに見舞われボロボロになったロン。しかし最後にはシリウスからフクロウを贈られ、新たな生活に身を投じていくのでした。
4年目:『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
ロンはハリーらと共にクィディッチ・ワールドカップを観戦。試合を楽しむ彼らでしたが、その夜アズカバン収監を逃れた死喰い人たちがロンたちの宿泊するキャンプ場を襲撃します。ロンたちは森の奥へ逃げ事なきを得ましたが、新たなトラブルを予感していました。 新しい学年が始まり、ダンブルドアはホグワーツ主催で三大魔法学校対抗試合の開催を発表。ロンは自分が代表に選ばれることを期待しますが、ハリーが選出されてしまい2人の仲は険悪に。 しかしその後、2人はお互いの気持ちを確かめ仲直り。一件落着と思われましたが、次はロンがハーマイオニーをダンスパーティで誘わず口論に。口論のなかで2人は互いが抱く想いを知ることになります。 様々なトラブルにより改めて自分たちの仲を確かめ合った3人。彼らの絆はトラブルを乗り越え、改めて強くなることになりました。
5年目:『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
優秀な生徒が選ばれる監督生の役職に選ばれたロン。さらにはクィディッチのキーパーに就任するなど、大活躍の年を迎えます。 その年、ロンはハリーやハーマイオニーとともにホグワーツ魔法魔術学校の生徒へ正しい闇の魔術に対する防衛術を教示する組織、ダンブルドア軍団を発足するなど奔走。 そして最後には魔法省でのヴォルデモートとの戦闘にも参加し、ヴォルデモート撃退に貢献します。
6年目:『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
ヴォルデモートは死喰い人を使ってマグルでも魔法界でも勢力を広げ、人々を恐怖に陥れていました。一方ホグワーツでは、ロンがグリフィンドールのクィディッチメンバー選抜試験を突破し、キーパーの座を勝ち取ることに。 ハリーらの助けもあり大活躍したロンはハーマイオニーのルームメイト・ラベンダーからアタックを受け付き合うことになり、ハーマイオニーはこのことに大きなショックを受けてしまいます。 揺らぎかけた2人の関係ですが、ロンとラベンダーが破局したことでその関係も少しずつ修復。そしてダンブルドアの意志を継ぎ分霊箱を探す旅に出ることを決意したハリーに、ロンとハーマイオニーは同行することを伝えます。
7年目:「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1&2」
ハリーらと共にヴォルデモートの魂が閉じ込められた分霊箱を探す旅に出たロン。心身に多くの傷を負いながらも分霊箱を手に入れますが、その影響でロンはハリーたちの前から姿を消してしまいます。 しかしハリーの窮地に再び現れ、分霊箱の破壊に貢献するロン。その深い絆で様々な困難を乗り越え、彼らはついに分霊箱のすべてを破壊することに成功します。平和は取り戻され、ロンとハリーたちはそれぞれの未来へ歩き出すのでした。
ロン・ウィーズリーの兄弟・交友関係
異色の純血一族!ウィーズリー家
ロンの生まれたウィーズリー家は最も古い純血の魔法族でありながら、マグル(人間)に対して否定的ではない他の一族とは違った価値観を持っています。 ロンには5人の優秀な兄と可愛がられ育てられている妹がおり、そのなかでいつもお下がりの服を着させられる自分に劣等感を持って育ってきたようです。しかしながら彼は家族のことを愛しており、家族を守るために勇気を持った行動をとるシーンも見受けられます。
ハリーとは幾多の危機を乗り越え親友に
周囲から異質の存在として扱われるハリーを最初から受け入れていたロン。彼はハリーを実家に何度も呼び、家族のように迎え入れています。 しかし自分に自信のないロンは、一時ハリーの才能や実力に嫉妬するなど険悪な仲に。衝突しながらも2人は何度も仲直りをし、そのたびに絆は強くなっていきました。2人はホグワーツきっての名コンビとして、様々な事件の解決に貢献していきます。
ハーマイオニーとの凸凹な恋愛模様
才気あふれる強気なハーマイオニーと、劣等感を抱える臆病なロン。正反対の2人は仲良くなれないと思われましたが、ハリーと3人で過ごすうちに無二の親友となりました。 そして親愛の情は成長と共に恋愛感情へ変わっていきます。しかし、女性の気持ちに鈍感で気の利かないロンは、別の女の子と付き合うなどハーマイオニーをないがしろに扱ってしまい険悪になることも。 何度も衝突する2人ですが、だからこそ他にはない強い絆で結ばれることに。やがて2人は恋人関係となり、映画「ハリー・ポッター」シリーズの後日譚を描いた舞台では結婚した2人の様子が描かれました。
実は優秀?ロンの能力・強さ
一見臆病で弱そうに見えてしまうロン。ですが彼には隠された才能がいくつもあります。 彼はシリーズ1作目で賢者の石を目指す途中に現れた、マクゴナガル先生の巨大魔法チェスに挑戦し勝利するなど秘めたチェスの才能を発揮。ここからはロンの地頭のよさや、洞察力の高さが伺えます。 さらにロンは成績も「優」はないもののほとんどの科目に合格し、多少ムラはありますがクィディッチの試合でも活躍。自分に自信のないロンですが、実は文武共に活躍できる非常に優秀な人物のようです。
ロン・ウィーズリーがもっと好きになるトリビア
ロンの本名・あだ名
ロンの本名はロナルド・ビリウス・ウィーズリーです。ロナルドはアーサー王の槍ロンゴミニアドから、ビリウスは亡くなった叔父の名前が由来と言われています。 友人などからは親しみを込めてロンと呼ばれていますが、兄のフレッドやジョージはからかうようにロニー坊やと呼んでいるようです。
ロンの杖は3回も変わっていた
ロンの最初の杖は兄のお下がり。しかしボロボロだったため使用しているうちに折れてしまい、2本目の杖は父に新品を買ってもらいました。 そして3本目の杖は自分を捕縛した人さらいから奪ったもの。この杖は自身の杖を折ってしまったハリーに渡しましたが、持ち主をロンと認識していたためハリーには使いこなせませんでした。 ロンが最後に持った杖は自身の使い魔に化けていた過去を持つ魔法使い、ピーター・ペティグリューから奪った杖。ロンは様々な試練を乗り越えるため、多くの杖と共に戦ってきたようです。
灯消しライターをダンブルドアから譲り受ける
シリーズ1作目でダンブルドアが所持していた魔法道具灯消しライター。ダンブルドアは死後、この道具をロンに遺贈。 本来周囲の光を吸収して消し、その光を解き放つ能力を持った灯消しライターですが、この道具には所有者が行きたいと願う場所へ案内してくれる隠れた能力を持っていました。ロンはこの力を使い、喧嘩別れしてしまったハーマイオニーたちのもとへ戻っています。
念願?カエルチョコレートのカードに選ばれる
魔法使いの描かれたカードがおまけについているカエルチョコレート。ロンはこのカードのコレクターでなんと500枚以上のカードを持っていました。 そして彼が大人になったとき、憧れのカエルチョコレートカードに自身が採用されることに!カードの大ファンだったロンは大いに喜んだことでしょう。
実は食いしん坊
「ハリー・ポッター」シリーズの中でも、トップレベルの食いしん坊でもあるロン。ブラック・プディングやローストポテト、ソーセージからジャムドーナツに蛙チョコまで何でも食べてしまいます。食べ物を口いっぱいに詰め込んだまま話そうとするシーンも。
ペットのネズミ、スキャバーズとの友情
兄からのお下がりばかりのロンですが、ペットまでも兄パーシーからのお下がりでした。そのネズミのスキャバーズは寝ているだけで何もしませんが、ロンはペットとして大切に思っています。 スキャバーズが行方不明になった時は、ハーマイオニーの猫クルックシャンクスが食べたとカンカンに怒ったこともありました。 ところが、スキャバーズはヴォルデモートの手下、ピーター・ペティグリューの化けた姿だったことが判明します。その後ロンの前から姿を消したペティグリューですが、最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝』ではロンと闘うことに。 勝負に勝利したロンですが、彼に止めを刺すことはできませんでした。スキャバーズ時代の友情が胸をよぎったのかもしれませんね。
ロンの魅力が詰まった名言(迷言)を紹介
ここからは、劇中で登場したロンの名言(迷言?)をチェックしてみましょう。
蜘蛛が大嫌い!思わず出た一言
「Why spiders? Why couldn't it be “follow the butterflies”?(なんで蜘蛛なんだよ?どうして「チョウチョを追え」じゃないんだよ?)」 蜘蛛が大嫌いなロンが、やむを得ず蜘蛛を追いかけなければならない時に発した一言です。
本当に効くの?本人は真剣です
「Sunshine, daisies, butter mellow, turn this stupid fat rat yellow!(お日様、雛菊、とろけたバター。このデブねずみを黄色に変えよ)」 ねずみのスキャバーズへ呪文をかけようとした時の一言。本人はいたって大真面目なところがまた笑いを誘います。
女の子に失礼!ハーマイオニーも怒った?
「Well, Hermione, you're a girl.(そうだった、ハーマイオニー、君は女の子だね)」 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、ダンスパーティーのパートナーを探すロンが、ハーマイオニーの目の前でパートナー候補がいないと嘆くシーン。ようやく彼女がパートナーになれると気付いても、時すでに遅し。ハーマイオニーには丁重に断られてしまいました。
ロンといえばこれ!?定番の一言
"These girls…they're gonna kill me!" - Ron
— Harry Potter Film (@HarryPotterFilm) February 14, 2015
Watch out for those pesky love potions today! Happy Valentine's Day! pic.twitter.com/YqCwaT1ybf
「Blimey(おっどろきー)」 「ハリーポッター」シリーズを通してロンがよく口にするこのセリフ。ロンらしい一言ですよね。
ロンを演じた俳優はルパート・グリント
シリーズを通してロンを演じたのはルパート・グリントです。 彼はもともと「ハリー・ポッター」の原作小説の大ファンであり、ロン役を演じるためにオーディションに参加。俳優経験がなかったものの見事この役を射止め、華々しいスクリーンデビューを果たしました。 ルパートは「ハリー・ポッター」シリーズへの出演により、幼いながらも高額ギャランティを手にした俳優として様々なランキングに入賞。現在も俳優として活動し、精力的に映画出演を続けています。
ロン・ウィーズリーはお茶目だけど芯があるハリーの親友!
ハリーの親友として共に壮大な冒険を続けて来たロン・ウィーズリー。 皮肉屋で臆病だけど憎めないお茶目な部分もありながら、いざというときには驚くほどの勇気を見せる魅力的な人物。「ハリー・ポッター」シリーズを改めて見直して、是非彼の活躍を再確認してみましょう!