2019年3月27日更新

『キングダム』王騎の最後が美しすぎる 秦国の怪鳥を深掘りしてみた ココココ!!

キングダム
(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

原泰久による漫画『キングダム』に登場する王騎。この記事では多くの人を惹きつけてやまない王騎の基本プロフィールから実在のモデル、感動的な最後に至るまで徹底紹介し、「秦国の怪鳥」の異名を持つ王騎の魅力を深掘りしています。

「秦国の怪鳥」王騎がとにかくかっこいい

原泰久が描く中国春秋戦国時代の壮大な歴史ファンタジー漫画『キングダム』。名だたる将軍がぶつかり合う群雄割拠の世で、ひときわ大きな存在感を放っている将軍が王騎(おうき)です。 主人公の信にも大きな影響を与えることになるこの王騎という人物を今回はピックアップして紹介します。 王騎のどこが、信や多くの読者たちを惹きつけてやまないのか。原作での彼の姿はもちろん、史実での人物像や実写映画の情報なども交えながら、圧倒的なカリスマ性と実力を兼ね備えた王騎の魅力を深掘りしてみましょう。

六大将軍時代の王騎には摎(きょう)という婚約者が

王騎はもともと昭王に使える将軍のうちの1人で、秦国六大将軍のなかでも最強と謳われる武人でした。 王騎には六大将軍の1人で摎(きょう)という婚約者がいましたが、彼女は実は昭王の娘。身を守るため王騎の家で養女としてかくまわれ、王騎のもとで強く育ったのです。 彼女は王騎を慕い、「100個の城をとったら妻にしてほしい」と伝えていましたが、ついに100個目の馬陽に攻め入った際に龐煖(ほうけん)によって殺されてしまいました。 以降、一線から退いていた王騎ですが、因縁の地・馬陽攻防戦で秦国総大将として復帰。そして摎の仇である龐煖との一騎討ちとなります。決着はつかず王騎は致命傷を負いますが、息を引き取る瞬間「摎も笑っています」と微笑んだ姿から彼女への深い思いが感じ取れますね。

王騎の実在のモデルはふたりいるかもしれない?

王騎のモデルは『史記』の「王齮」という将軍ではないかといわれています。しかし彼に関する記述はかなり少なく、「秦国の怪鳥」と畏怖されるほどの活躍は記されないまま紀元前246年に死去しています。 『史記』には王齮と同一人物説がある王齕(おうこつ)という将軍も登場します。漫画の王齕は大きな活躍をしていませんが、史実では昭王時代に起きた長平の戦いで白起と共に武勲をあげたと記されています。 一方、漫画では長平の戦いは王騎と白起の功績として描かれています。このことからも、王騎は王齮と王齕という2人の将軍がモデルになっていると考えられるのではないでしょうか。

実写映画『キングダム』で王騎を演じるのは大沢たかお

キングダム
(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会

2019年4月公開の実写映画『キングダム』で王騎を演じるのは大沢たかおです。王騎といえば分厚い唇が特徴的で、“おねぇ”っぽいクセのある喋り方をするキャラクター。クセが強烈なうえに、原作ファンに愛されている人物とあって大沢も演じるまで不安を感じていたそうです。 製作発表記者会見ではさらに、王騎の外見について人間じゃないと苦笑する場面も。かなり不安を感じていたことがうかがえますが、共演者からは大沢の王騎の姿に鳥肌が立ったとの声もありました。 見た目が原作の濃さに負けている印象もありますが、ベテランならではの演技役作りでカバーするのではないでしょうか。

王騎の声優は小川力也が担当

アニメ版で王騎の声を担当しているのは渋い声が魅力的なベテラン声優の小山力也です。代表作は『名探偵コナン』の2代目毛利小五郎役や、ジョージ・クルーニーの吹き替えなど。海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のジャック・バウアー役も有名ですね。 王騎の「ココココ」、「ォンフフフフ」といったインパクト大の台詞を見事に声で表現。原作でも十分に濃かった王騎のキャラクター性を声でさらに濃くしました。オカマ口調な丁寧語のなかにも圧倒的な力を感じる演技で、王騎のカリスマ性も表現しているのはさすがの技術です。

『キングダム』の主人公、信との師弟関係

魏での戦いで初めて王騎と信は出会います。その時から信は王騎に対して、底知れぬ強さを感じ取り警戒していました。王騎にからかわれ、躍起になる信ですが、王騎の力の前には役に立ちませんでした。 秦王・政を暗殺するために、王宮に刺客が送り込まれました。政を助けるために信も王宮へと向かいましたが、そこにいた刺客の中に、魏との戦いでともに戦った羌瘣の姿がありました。羌瘣に強さに圧倒され、自分の力不足を嘆いた信は、六大将軍、王騎将軍の元へ修行をさせて欲しいと申し出ることに。 しかし、王騎からかせられた課題は、争いの絶えない無国籍地帯の集落を平定させてみろ、と行って去ってしまうだけでした。王騎はそこで、信に率いる者の強さ、重要さを伝えたかったのでしょう。 師として振る舞う一方で、茶目っ気ある王騎はジョークを信に放つことも。入浴シーンでは「ココココ」と笑いながら自分に抱かれに来たのかと思ったという冗談で信に引かれており、まるで親子のような関係を築いていたのです。 王騎最後の戦いとなる対趙戦では信軍に「飛信隊」の名を与え、死に際には信に自らの矛を授けました。信は王騎からもらった飛信隊の名とともに、彼の教えを胸にその後大将軍への道を邁進しています。

絶大な信頼を寄せていた腹心、騰(とう)

王騎の副官である騰(とう)は初登場時から王騎のそばに控えていました。常にそばに控えている、それこそがこの2人の関係性をもっともよく表しているシーンでしょう。 王騎をもってして自分と見劣りしないと評される騰はかなりの実力者。王騎が死ぬ間際に、騰に全軍を任せたのも彼の武将としての実力を信頼していたからだといえます。 忠誠を尽くしてきた王騎の最期の言葉に騰は飄々としたいつもの表情で答えるものの、握った拳からは血が流れていました。誰よりも悔しさと悲しみを感じながらも、副官として最期まで傍らに控える姿からは、王騎への絶対の忠誠心がうかがえます。

天下の大将軍・王騎の最後が美しすぎる

王騎の最後の戦場となったのは対趙戦です。秦国総大将として前線に出る王騎を待っていたのは、9年前に妻となるはずだった摎を殺した龐煖でした。2人は一騎討ちで決着をつけようとします。王騎が優勢でしたが、李牧の策で生まれた一瞬の隙で致命傷を負ってしまうのです。 信に背負われながらなんとか逃げ切った王騎でしたが、自分の先が長くないことを察します。信や騰、蒙武に言葉を託し、政がこれから築くであろう新たな時代に思いを馳せながら静かにそして気高く息を引き取ったのです。 最期の瞬間まで大将軍であり続けた姿は、美しいとしか言いようがありません。

最後に王騎のしびれる名言を紹介

物語の序盤で死んでしまった王騎ですが、彼自身が他を寄せ付けないカリスマ性を放っていただけに、彼の言葉もまた名言ばかりです。 信に対して遠回りな指導や修行を課すことが多かった王騎が、唯一直接将軍のあるべき姿を言葉で伝えた"これが将軍の見る景色です"という台詞はかなりしびれますね。信にとってもこの言葉と目にした景色は一生忘れられないものだと思います。 また、龐煖の矛に身体を貫かれながらも堂々とした笑顔を浮かべ放つ"天下の大将軍ですよ"は、王騎のゾッとするほどの強さを感じる名言です。重傷を負っている人物とは思えないオーラに、敵だけでなく読者も気圧されたのではないでしょうか。

王騎の姿が力を与えてくれる

中華全土に名が轟く大将軍という存在が一体どんなものなのか。それを自身の生き様をもって見せてくれた王騎。オネエ口調という個性的なキャラクターだけでなく、その奥底に潜む圧倒的な強さが死んでもなお多くのファンを惹きつけているのでしょう。 心震えるような強さに触れたくなったときは、ぜひ『キングダム』の王騎の活躍を振り返ってみてください。本物の強さを感じられるはずです。 また、2019年4月19日公開の映画『キングダム』で大沢たかお演じる王騎の活躍にも大いに期待しましょう!