『スパイダーマン:ホームカミング』知れば楽しさ倍増のトリビア集 「スパイダーバース」との意外な関連性も紹介
タップできる目次
- 『スパイダーマン:ホームカミング』のトリビアを紹介【ネタバレ注意!】
- “親愛なる隣人” スパイディに関するトリビア
- ピーター・パーカー関連のトリビアを紹介
- トム・ホランドに関するトリビア
- ヴィラン、ヴァルチャーに関するトリビア
- トニー・スタークの顔から時系列がはっきりわかる!
- ピーターの親友ネッドに注目
- ミシェルはMJなのか?
- ヒロイン・リズはスパイダーマン史上最初期のキャラクター!?
- コミックのメイおばさんの年齢にショックを受けたマリッサ・トメイ
- マーベル映画の恒例スタン・リーのカメオ出演シーン
- ほかにもマーベルキャラが多数カメオ出演!?
- ジョン・ワッツ監督は自身の高校時代とは真逆の価値観を取り入れていた!?
- 懐かしの音楽を現代風にアレンジ!
- アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』とのつながりが!
- 「ホムカミ」はTシャツに注目すると面白い?
- 次作以降のヴィランが登場?
- 「ホムカミ」のポストクレジットシーンは?
- 『スパイダーマン:ホームカミング』に隠されたトリビアを知って最大限作品を楽しもう
『スパイダーマン:ホームカミング』のトリビアを紹介【ネタバレ注意!】
“親愛なる隣人”スパイダーマンが、MCUに本格参入した『スパイダーマン:ホームカミング』。主演は、2016年公開の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でもスパイダーマンを演じたイギリス人俳優トム・ホランドです。ロバート・ダウニー・Jr演じるアイアンマンも登場し、その後のMCUの広がりを感じさせる作品になりました。 今回は知れば、面白さ倍増の『スパイダーマン:ホームカミング』のトリビアを紹介します。 ※本記事には、作品に関する重大なネタバレが含まれている可能性があります。未鑑賞の方はご注意ください。
『スパイダーマン:ホームカミング』本編はこちらからチェック【無料あり】
“親愛なる隣人” スパイディに関するトリビア
スパイディのお食事シーン
本作のスパイダーマンは喋ったり食事をするときは、マスクを半分ズリ上げて口元を出します。これは本作以前の映画の中では見られなかった貴重なシーンですが、コミック版ではスパイダーマンがこうやって食事をするのはお約束なのです。 本作がコミック版のスパイダーマンのイメージに忠実に作られたことがわかりますね。
スパイダーマンスーツのあの機能は80年代名作映画にも登場!?
ピーターがスパイダーマンスーツに着替えるシーンにご注目ください。着ていた服を脱いで、スーツに着替えるもののなんだか少しサイズが大きいようですが…胸元の蜘蛛のマークのボタンを押せば大丈夫、着る人の体に瞬時にフィットしてくれます。 このスーツどこかで見たことある…と感じた人もいませんか? そう『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)でマーティが着ていたサイズ自動調整ジャケットと同じ技術が使われたものですね。
「カレン」の声を演じた女優は……
トニー・スタークから贈られたスパイダーマンスーツには、アイアンマンのアーマーと同じくAIが搭載されていました。ピーターはこの声の主をカレンと名付けたようですが、演じるのは『フェノミナ』(1984)や『ビューティフル・マインド』(2001)で知られる女優ジェニファー・コネリーです。 彼女の夫、ポール・ベタニーはかつてアイアンマンのスーツのAI、J.A.R.V.I.S.(ジャービス)の声を務め、後にヴィジョンを演じています。夫婦ともにスーパーヒーローのスーツのAIを演じたことになりますね。
コミックではおなじみの装備が映画初登場
「ホームカミング」のスパイダーマンスーツが今までの映画版と大きく違うところは、それをトニー・スタークが開発した、ということです。様々なハイテク機能が搭載されており、コミックではおなじみの機能が初めて映画版のスーツに実装されていました。 それは、滑空用のウェブ・ウィング。この機能は原作コミックでは1962年からの数年や、90年代にトッド・マクファーレンが関わったシリーズなどで、お馴染みとなっていました。
ピーター・パーカー関連のトリビアを紹介
ピーター・パーカーはニューヨーク・メッツのファン
ピーターの部屋に飾られたペナントには殿堂入りを果たしたニューヨーク・メッツの名捕手マイク・ピアッツァの文字が。ピーターの地元愛を感じる設定ですね。 実はコミック版のピーターも熱狂的なメッツファンという設定です。コスチューム姿のままキャップをかぶって野球観戦に行ってしまうおちゃめなシーンは必見です。
「スター・ウォーズ」大好きなピーター
同じくピーターの部屋には「スターウォーズ」シリーズに登場するC-3POやX-Wingのフィギュアが確認できます。 2016年公開の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の中では、スパイダーマンが『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)の話をするシーンもありましたよね。また、ネッドとレゴのデス・スターを組み立てたりと、どうやらピーターはかなりのスター・ウォーズファンのようです。
トム・ホランドに関するトリビア
トム・ホランドのスパイダーマン役はネタバレ?それとも夢が叶った?
秘密厳守のMCUのなかで「ネタバレ魔」として常にマークされているトム・ホランド。 実は彼、2013年に出演した映画『わたしは生きていける』のプロモーション時のインタビューで、今後出演してみたい作品は?と質問され「アクションシーンとユーモアのある作品に興味がある」と答えていました。また、「もしスーパーヒーローを演じるなら?」という質問には「スパイダーマンかな、10年ぶりにリブートのリブートがもし製作されるなら」とも。 「シビル・ウォー」が2016年、「ホームカミング」の公開が2017年であることを考えると、このときすでにホランドがスパイダーマンを演じることは決定していたのでは……?
ヴィラン、ヴァルチャーに関するトリビア
【ネタバレ】ヴァルチャーのコミックとのちがい
ヴァルチャーはハゲワシという意味。コミック版のヴァルチャーはその名の通り禿頭の老人で、トニー・スタークの元ビジネスパートナーという設定でした。また腕が緑色の羽毛で覆われたスーツを纏った鳥人間という点も、映画版との違いです。 しかし本作内でもヴァルチャーことエイドリアン・トゥームスは羽毛のジャケットを着ています。これはコミック版のイメージを大切にした衣装設定のようです。 さらに、ヴァルチャーに高校生の娘がいるという設定も、映画版オリジナルの設定。 エイドリアン・トゥームスを演じたマイケル・キートンは、ティム・バートン監督の『バットマン』(1989)『バットマン リターンズ』(1989)でのバットマンことブルース・ウェイン役が有名です。 DCコミックスのヒーローを演じた俳優がマーベルコミックのヴィランを演じるという意外性のあるキャスティングが話題になりました。
見覚えのある武器を再利用するヴァルチャー
本作はアベンジャーズの戦いのあと、アベンジャーズタワーの前で廃品回収業者が後片付けをしているシーンからはじまります。 本作のヴィランであるヴァルチャーは、ニューヨークでヒーローたちが戦いの際に破壊した場所を片付ける会社を経営しているという設定。つまり彼は、かつてのヴィランたちが使い捨てた武器の残骸を手に入れることができるのです。 たとえばヴァルチャーの一味がATMを持ち上げるためビームが出るマシーンを使うシーンがあるのですが、このマシーンは『アベンジャーズ』(2012)でロキが美術館に登場した際に持っていた武器とよく似ています。 事実はわかりませんが、ロキがあのまま置いていったのかもしれません。
トニー・スタークの顔から時系列がはっきりわかる!
本作の序盤、「シビル・ウォー」でデビュー戦を果たしたピーターをトニー・スタークがリムジンで家まで送り届けるシーンがあります。そこでトニーの顔を見てみると、アザがあるのがはっきりわかります。これは彼が「シビル・ウォー」でウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズと戦ったときにつけられたものです。 「シビル・ウォー」から「ホームカミング」のこのシーンまで、トニーの傷が治るほどの時間もなかったことがわかりますね。
ピーターの親友ネッドに注目
本作からの新キャラクターとして注目されているのが、ピーターの親友ネッド。ピーターの秘密を唯一知る友人であり、彼をサポートします。演じるのは1996年生まれハワイ出身の若手俳優、ジェイコブ・バタロンです。 60年代のコミックでは、デイリー・ビューグルでのピーターの同僚兼友人として登場したネッド。彼の名前で、2011年から二代目スパイダーマンとして活躍するマイルズ・モラレスの友人ガンク・リーのキャラクターを実写化したのが、「ホームカミング」のネッドであると見られます。ネッドもガンクも常に動物がプリントされたTシャツを着ているのが特徴。作中にコミカルな雰囲気を加えてくれます。
ミシェルはMJなのか?
本作のキャスティングが発表されたときからファンの間で話題となっていたのが、「スパイダーマン」の有名ヒロイン、MJことメアリー・ジェーンが登場しないということでした。かわりにゼンデイヤ演じるの的に。
本作ではまだピーターとミシェルのロマンスを感じさせる直接的な描写はないのですが、ラストで彼女はフルネームがミシェル・ジョーンズであることを明かし、友達からは「MJ」と呼ばれていると言います。次作以降、彼女とピーターの関係がどう変化していくか目が離せません。
ミシェルが読む本に注目!
ミステリアスで若干ナード気味なミシェルは貪るように本を読んでいますが、一体何を読んでいるのでしょうか?
『人間の絆』ウィリアム・サマセット・モーム
最初に彼女が読んでいるとわかるのはイギリスの作家ウィリアム・サマセット・モームの「人間の絆」。主人公が両親を早くに亡くし叔父と叔母に育てられるなど、『スパイダーマン』と設定やテーマが共通している点も多い、モームの自伝的作品です。
『斬首への招待』ウラジミール・ナボコフ
その後で彼女が読んでいるのは、独房でたった一匹のクモとともに処刑を待つ死刑囚の物語。ロシアの作家ウラジミール・ナボコフの『斬首への招待』です。
ヒロイン・リズはスパイダーマン史上最初期のキャラクター!?
スパイダーマンの単独映画といえば、これまでMJ・ワトソンやグウェン・ステイシーなどのヒロインとの恋愛模様が中心に描かれてきました。「ホームカミング」でこの役割を担ったリズ・アレンは、実はスパイダーマンのコミックの歴史のなかでは最初期に登場したキャラクターです。 リズはスパイダーマンが1961年に『Amazing Fantasy #15』でデビューした翌年からコミックに登場し、ピーター・パーカーやフラッシュ・トンプソン、そしてスパイダーマンの間で揺れ動く役割を演じました。その後はピーターの親友ハリー・オズボーンと結婚し息子ノーミーを出産するなど、重要なキャラクターとなっていきました。
コミックのメイおばさんの年齢にショックを受けたマリッサ・トメイ
これまでの映画版では原作コミックのとおり、メイおばさんはむしろ「おばあちゃん」と呼ぶほうがあっているのでは?と思える年齢でした。しかし、今回はマリッサ・トメイがメイおばさん役にキャスティングされ、若くセクシーなおばさんにイメージが一変しましたね。 メイおばさんを演じたトメイ自身も、原作の彼女の年齢にはショックを受けたとか。しかし、マーベルの大ファンである兄からピーターとメイは血のつながらない親戚(夫のベンがピーターの父の兄弟)であると説明され、「彼女の年齢はベンと何歳のときに結婚したかによって変わり、メイは大人であれば何歳でもありえる」と考えるようになったそうです。
マーベル映画の恒例スタン・リーのカメオ出演シーン
『スパイダーマン』『アイアンマン』『アベンジャーズ』などの原作者であり、マーベル・メディアの名誉会長スタン・リーはまさにアメコミ界のレジェンドと言うべき存在。 彼はマーベル・コミック原作映画にほぼ必ずカメオ出演することで知られていますが、本作にもやはり登場していました。
ピーターが自動車泥棒を発見した(と勘違いした)シーンで、鳴り止まない自動車の防犯アラーム音にイラつきスパイダーマンを叱りつけるキャップとサングラスの老人が、スタン・リーです。
スタン・リーは本作が公開された翌年の2018年12月、偉大な功績を残して95歳でこの世を去りました。
ほかにもマーベルキャラが多数カメオ出演!?
教室内の肖像画にブルース・バナーが!
ピーター・パーカーの通うミッドタウン科学技術高校の化学の教室には、エジソンやアインシュタインなどその分野の偉人の肖像画が並べて飾られているのですが、よく見ると一番右端にハルクことブルース・バナー(マーク・ラファロ)の肖像画もあります。
学校中に潜むマーベルキャラクター
ほかにもミッドタウン科学技術高校には、いたるところにマーベルキャラクターが潜んでいます。 廊下にはさまざまな人物画が描かれていますが、よく見ると『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)に登場したエイブラハム・アースキン博士とトニー・スタークの父ハワード・スタークも紛れています。 またキャプテン・アメリカも体育の授業のVTRの中に登場、歴史の時間ではソコヴィア協定に関する授業が......。 マーベルファンには羨ましい高校ですね。
ジョン・ワッツ監督は自身の高校時代とは真逆の価値観を取り入れていた!?
『スパイダーマン:ホームカミング』は学園ドラマの要素を色濃く持っています。監督のジョン・ワッツは今の高校生たちのリアルな姿をリサーチするため、とある高校へ取材に訪れていました。 そこで監督は自分の高校時代とは真逆の価値観を持つ生徒たちにとても驚いたと言います。監督の高校時代は、勉強をしないことがクールだという考えの生徒が多かったのに対し、実際取材に訪れた高校生たちは、宿題を忘れる生徒がいるとがっかりするなど、基本的に勉強ができることがクールだという考えを持つ生徒が多かったそうです。 この取材での出来事が映画にしっかりと生かされていました。本作に登場するピーター・パーカーは、ヒーローとして活動をしながらも、決して学業を軽んじない今時のクールなキャラクターとして描かれていたのです。
懐かしの音楽を現代風にアレンジ!
本作の音楽は『スター・トレック』(2009)や『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)をはじめ数々の映画やドラマの音楽を担当し、『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)ではアカデミー作曲賞を受賞した作曲家のマイケル・ジアッチーノが担当しました。 印象的なメインテーマは、1960年代に放映されたテレビアニメ版スパイダーマンのテーマを現代風にアレンジしオーケストラバージョンにしたものです。
アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』とのつながりが!
本作でドナルド・グローヴァーはアーロン・デイビスというキャラクターを演じています。この名前を聞いてピンと来た人は筋金入りマーベルファンのはず。 アーロン・デイビスといえば、コミック『アルティメット・スパイダーマン』ユニバースでヴィランのプラウラーとしても知られる存在。ドナルド・グローヴァーは、同テレビシリーズでデイビスの甥で二代目スパイダーマンとなるマイルス・モラレスの声優を務めています。 グローヴァーが『スパイダーマン:ホームカミング』でアーロン役としてキャスティングされたのは偶然ではなく、製作陣からファンへのサプライズとして提案されたものだったそうです。さらに彼は劇中で「甥」についても言及しています。 また、2018年公開のアニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の主人公はこのマイルスくん。この作品にもアーロン・デイビスはばっちり登場しています。 今後マイルス・モラレスがMCUに登場するのか、注目ですね。
「ホムカミ」はTシャツに注目すると面白い?
劇中ワシントンモニュメントに行くシーンで、ミシェルは白地に女性の姿がプリントされたTシャツを着ています。この女性は、ピュリツァー賞詩人のシルヴィア・プラス。プラスは『蜘蛛』という詩を書いており、他の多くの作品にもクモのイメージが登場します。30歳の若さで自殺したその悲劇の半生は、2003年にMCUではペッパー・ポッツ役を務めるグウィネス・パルトロウ主演で『シルヴィア』として映画化されました。 また別のシーンでは、ピーターが日本でも人気のドラマシリーズ『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』のセリフをプリントしたTシャツを着ているのが確認できます。 また『アイアンマン』(2008)でトニー・スタークの秘書/恋人ペッパー・ポッツが着ていたものと同じTシャツを本作ではピーターが着ていました。
次作以降のヴィランが登場?
MCUではおなじみのエンドロール中のシーンは次のようなものでした。
刑務所でスパイダーマンへの復讐を誓ったヴァルチャーに再会した武器商人のマック・ガーガン。彼の正体は、サソリを模した強力なスーツを纏ったヴィラン、スコーピオンです。彼は今後ヴィランとして登場するのでしょうか。今から楽しみですね。 またコミックではヴァルチャーとスコーピオンはシニスター・シックスというヴィランチームのメンバーであることから、映画でもシニスター・シックスのような組織が登場するのでは?という噂されています。
「ホムカミ」のポストクレジットシーンは?
「ホムカミ」にももちろんお約束のエンドロール後のシーンがあります。
長い長いエンドロールが終わるまで、最後まで忍耐強く待っていた人だけが、キャプテン・アメリカのありがたいお話が聞くことができます。 彼が言うには「忍耐が無駄になることもあります」とのこと。がっかりですね。
『スパイダーマン:ホームカミング』に隠されたトリビアを知って最大限作品を楽しもう
『スパイダーマン:ホームカミング』には、一度鑑賞しただけでは気づかないトリビアや設定が山程隠されていました。このトリビアを知った上で「ホムカミ」を復習して、2019年6月公開の新作『スパイダーマン:ファー・フロムホーム』に備えてみてはいかがでしょうか?