いまさら聞けないSF用語をわかりやすく解説!【ポストアポカリプスって何?】

2017年8月10日更新

意外と知らないSF用語25種類を作品とともに一挙に解説します。70年代はSFブームと言われたほど人気ジャンルだったSFは、科学の発展とともに人気を失った冬の時代を経て、再び注目されつつあります。そんなSFの各用語をしっかりとおさらいしましょう。

よく目にするけど、そもそもSFとは?

「SF」という言葉はよく目にするけれど、意外と何のことか知らない人も多いのではないでしょうか。SFはサイエンス・フィクションの略で、科学(サイエンス)を取り扱った創作(フィクション)を指します。ですが、厳密に科学である必要はなく、例えばSF映画に類する『スターウォーズ』シリーズや『マトリックス』を科学的だと思う人は少ないでしょう。 定義としては非常にあいまいですが、現在では「科学っぽい」題材を扱う作品をSFと呼んでいます。SF作家の大家アイザック・アシモフこの曖昧さを「センスオブワンダー」という言葉で表現しました。現在の価値観を覆す驚きのある何かがあれば、SFたりうると定義しています。 では、そんなSF作品によく登場する用語を作品とともに紹介していきます。

◎世界観・設定に関する用語◎

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まずは、作品の方向性を大きく決める世界そのものや、扱うテーマに関する用語をご紹介していきます。SFというジャンルの中にあるサブジャンルとして使われることも多い用語です。

ハードSF

曖昧なSFの定義の中で特に「科学(サイエンス)」を重視した作品はハードSFと呼ばれます。科学としての整合性と飛躍のないアイデアが求められます。一方で、ドラマ性や人間描写の比重は軽くなりがちです。 1940年代に生まれたハードSFのジャンルには、アーサー・C・クラークやアイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインラインといったSFファンの間ではお馴染みの有名作家たちの作品が名を連ねています。 このジャンルの映画としては、ウィル・スミス主演の『アイ・ロボット』や、キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』が有名で、それぞれアシモフ、クラークの小説を原作としています。

スペースオペラ

スペースオペラはアメリカで1920年代に生まれた、宇宙を舞台とした冒険活劇SFのことです。ヒーローや海賊などが活躍するこのジャンルは科学よりも娯楽性を重視する点で、上述のハードSFとは対照的です。 この言葉が生まれた当初は、アメリカにおいてはいい意味では使われていなかったのですが、日本では1977年の『スター・ウォーズ』以降、エンターテインメントの人気ジャンルとして定着します。今では『銀河英雄伝説』のような壮大な宇宙戦争ものが主にスペースオペラと呼ばれます。

サイバーパンク・スチームパンク

サイバーパンク

1980年代に流行したサイバーパンクはウィリアム・ギブスンの小説『ニューロマンサー』に端を発したジャンルです。特徴としては高度に情報化が進み、人々がネットワークと接続された退廃的な社会が描かれます。また、そうした社会・政治に対する反発(パンク)を軸に物語が展開していくジャンルです。 サイバーパンクの映画ではフィリップス・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を題材にしたリドリー・スコット監督の映画『ブレードランナー』があまりにも有名。その影響力は絶大で『ブレードランナー』っぽいイメージを持つものをサイバーパンクとみなすこともあります。

スチームパンク

サイバーパンクと混同しそうなジャンルとしてスチームパンクがあります。それもそのはず、語源としてはサイバーパンクをもじって1980年代ごろに派生したジャンルです。スチームパンクでは蒸気機関によって発展した「if」の世界が描かれています。 特にビジュアルは重要視され、19世紀英国のヴィクトリア朝やエドワード朝を思わせる文化・服装が登場します。場合によってはスチーム(蒸気機関)が登場しなくても、このころをモチーフにした技術社会を描くものをスチームパンクと呼ぶ場合もあります。 このジャンルの映像作品はあまり多くありませんが、日本のものでいうと『スチームボーイ』、またジブリの『天空の城ラピュタ』もスチームパンク的な世界観です。

ディストピア・ユートピア

「ユートピア」とは現実には存在しない理想的な社会の事であり、イギリスの思想家トマス・モアが1516年に出版した著作『ユートピア』を語源としています。ただしモアの定義したユートピアは現代人が想像する「理想郷」とはかけ離れており、共産主義的な管理社会を指しています。 しかし、19世紀に資本主義が勃興し、社会主義国家が失敗に終わったことで、アンチユートピアな世界観を強調した「ディストピア」(逆ユートピア)と呼ばれるジャンルが生まれました。 ディストピアの特徴としては、恐怖を伴った徹底的な管理社会、制限された自由が描かれます。ディストピアを扱った作品は数も多く、最近の映画を挙げると『リベリオン』や『マイノリティ・リポート』がこのジャンルにあたります。

ハルマゲドン(黙示録)

新約聖書の「ヨハネの黙示録」に登場するハルマゲドンは人類の最終戦争を意味しています。北欧神話における神々の最後の戦い「ラグナロク」も非常に近い意味を持っています。こうした神話の時代から存在する、終末論に基づいた人類の最後の戦争がハルマゲドンであり、SFでも扱われるモチーフです。 ハルマゲドンを扱った映画としては『インディペンデンス・デイ』や『宇宙戦争』などが該当すると言えるでしょう。映画における人類の最終戦争の相手は、圧倒的な力で侵略してくる宇宙人である作品が多数存在しています。

ポストアポカリプス

前述のハルマゲドンと非常に近いところにポストアポカリプスと呼ばれるジャンルがあります。アポカリプスとは「ヨハネの黙示録」のことであり、つまり終末論に基づく最終戦争や大規模な災害で滅んだ後(ポスト)の世界を描くジャンルです。 滅んだ後の世界という自由度の高さのためか、このジャンルの作品は多く、特にアニメ・ゲームでは様々な作品で描かれています。2017年にアニメが放送され話題になった『けものフレンズ』やベセスダの人気ゲーム「FallOut」シリーズ、映画でいうと『マッドマックス』などがポストアポカリプスの作品です。

◎SFに登場する科学技術・用語◎

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ここからはサブジャンルになるほど大きい設定ではないものの、SF作品によく登場する科学技術や用語を説明していきます。

アンドロイド・サイボーグ

アンドロイドとサイボーグはSF作品にしばしば登場する用語で、混同しがちですが語源からして全く違います。アンドロイドはギリシア語の「人間(アンドロ)」と「似たもの(オイド)」を組み合わせた造語で、人間を模した人工生命体のことを指します。 一方、サイボーグはサイバネティクス(人工頭脳学)と呼ばれる学問のジャンルとオーガニズム(有機体)という英語を組み合わせた造語で、人間の身体を機械化したものを指します。 世界一有名なアンドロイドはおそらくターミネーターでしょう。一方で、ロボコップや士郎正宗の漫画を原作とする『攻殻機動隊』の主人公草薙素子はサイボーグです。

クローン

こちらもよく登場するクローンは同じ遺伝情報を持った生物のことです。作品に登場する際には、人間の存在価値やアイデンティティに絡ませてドラマを展開することが多いです。クローンを扱った映画としては、マイケル・ベイ監督の『アイランド』、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『シックス・デイ』などがあります。

ミュータント

ミュータントは英語で突然変異体を意味する言葉で、SFの世界においては科学技術によって人類を超越する能力を手にした存在や、環境的な要因でモンスター化した動物を指します。設定によってはあくまでイレギュラーなものであり、人為的なものはミュータントに含まない場合もあります。 ミュータントを扱った映画としてはやはり、ミュータント側の葛藤や人間社会での差別なども描いた『X-MEN』が挙げられます。その他にもMARVEL関連作品には数多くのミュータントが登場します。