​ 姑息、卑劣、極悪、邪道......だけど憎みきれない悪役ランキング

2017年8月21日更新

娯楽映画に必要不可欠な悪役という存在。ずる賢くて、凶悪な人、邪悪な感情を抱く者、非情な犯罪者など色々なタイプの悪役がいます。そんな邪悪な存在ではあるけれど、どこか憎めない魅力的なヴィランをランキング形式で紹介します。

どこか憎めない魅力的な悪役をランキング形式で!

娯楽映画には大抵、ヴィランつまり悪役が登場します。物語がカタルシスを得るためには、悪役の存在は必要不可欠です。 悪役が強ければ強いほど、悪ければ悪いほど、それを倒す主人公の強さが際立ち、観客の溜飲は下がります。また、それ故、魅力的な悪役は非常に多いのです。 つまり、映画における悪役の存在というのは、縁の下の力持ちにも等しいと言えます。主人公たちが輝かしい存在であるために活躍する彼らのうち、卑劣で極悪だけれど、どこか憎めない悪役たちをランキング形式で紹介します。

​ 12位:マッチョで乱暴な巨漢の兄弟、コールとバート

本作は賞金詐欺の葉書を真に受けて、100万ドルを受け取りにはるばる旅する老いたウディ(ブルース・ダーン)と、心配して同行する息子デヴィッド(ウィル・フォーテ)のロード・ムービーです。 本作における悪役はウディを嘲笑する旧友エド(ステイシー・キーチ)かと思いきや、ウディの甥にあたるコール(デヴィン・ラトレイ)とバート(ティム・ドリスコール)の兄弟。2人とも福々しい巨漢で、やたらマッチョ発言をしてデヴィッドを困惑させます。 どうやら前科者らしく、最後には強盗のフリをしてウディの当選葉書を奪ってしまうのです。しかし、覆面は被っているものの、体格によってコールとバートであることがバレバレなマヌケぶりが笑えます。

​ 11位:イケメンで自信家の復員兵、ガストン

ガストンはディズニー版の『美女と野獣』で作り出されたオリジナル・キャラクター、所謂ディズニー・ヴィランです。ルーク・エヴァンズが演じる、2017年実写版では、元軍人で人気者、村人から慕われている人物として描かれています。 ベルに対して一方的に横恋慕したり、村人を扇動して野獣を亡き者にしようとするのです。実際、ガストンは野獣を追い詰めて、しかも不意打ちによって致命傷を与えるのですが、橋の崩落に巻き込まれてあっけなく死亡します。 野獣と対称的に、自分の容貌に絶大の自信を持っていて、ベルを一途に手に入れようとするのですが、その何ともおマヌケな死に様と、その徹底的なクズぶりにむしろ愛嬌さえ感じてしまいます。

​10位:ギャングのボスの息子で偽ヒーロー、レッド・ミスト

レッド・ミストことクリス(クリストファー・ミンツ=プラッセ)の父親は、麻薬売買を生業とするギャング、フランク・ダミーコ(マーク・ストロング)でした。フランクは、「キック・アス」と名乗るスーパーヒーローの少年(アーロン・ジョンソン)を倒すために、息子であるクリスを利用します。 クリスはレッド・ミストというヒーローに扮して、キック・アスをおびき寄せ、仲間になる振りをして彼を殺そうというのです。実際、キック・アスとビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)は捕らえられて、絶体絶命の危機に陥ります。 しかし演じているのが、あの『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007)でボンクラな「マクラビン」役、どこか憎めないクリストファー・ミンツ=プラッセなので、むしろ親近感がわきます。

​9位:理不尽な異形のクイーン、赤の女王

本作がルイス・キャロルの有名な小説を原作としているのは、言うまでもありません。ただ、白の女王(アン・ハサウェイ)と赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)が登場するプロットは、『不思議の国のアリス』と言うよりも、続編である『鏡の国のアリス』に近いようです。 白と赤の女王とはチェスのメタファーであり、アリス(ミア・ワシコウスカ)が白の歩(ポーン)として赤の女王と対決するという図式になっています。赤の女王は頭が巨大な異形の姿をしていて、マッドハッター(ジョニー・デップ)を処刑しようとするのです。 しかしながら、小柄な体の上に強大な頭が乗った姿はコミカルでとてもチャーミングです。

8位:元相棒は洗脳された暗殺者、ウィンター・ソルジャー

ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)は、スティーブ・ロジャースことキャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)の親友バッキーでした。第二次世界大戦の戦闘中に戦死したと思われていたのですが、実はナチスの流れを汲む組織ヒドラに保護されて洗脳されていたのです。 失った左腕の代わりに、ハイテク義手を付けられ、記憶を消され、超人的な暗殺者と化し、キャプテン・アメリカおよびS.H.I.E.L.D.を襲います。 キャプテン・アメリカは、ウィンター・ソルジャーがバッキーであることに気づき、何とか殺さずに記憶を取り戻させようとするのです。ウィンター・ソルジャーの出自を思えば無理もありません。

​7位:「人間追い出し屋」はスケベ親爺、ビートルジュース

主人公は新米幽霊の夫婦(アレック・ボールドウィンとジーナ・デイヴィス)です。幽霊になったばかりの2人は勝手が分からずに、オロオロするばかり。 一番の懸案事項は、彼らの家に移り住んできた人間たちをどうやって追い出すかなのです。そこで夫婦は“バイオ・エクソシスト”、つまり人間を追い出す霊、ビートルジュース(マイケル・キートン)に頼みます。 ところが、このビートルジュースはいい加減で、スケベなだけのオジサンだったので、事態は混乱の一途を辿るのみでした。しかし、本人に悪気がないだけに、憎むことができません。 ちなみに吹き替え版の声を、お笑い芸人の西川のりおが担当し、かなり笑わせてくれます。

6位:ニヒルな笑みが印象的なヴィラン、ロキ

『マイティー・ソー』(2011)は北欧神話を基にしています。“ソー”とは英語のThursdayの語源となった雷神なのです。 ロキ(トム・ヒドルストン)は、最高神オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子にして、ソー(クリス・ヘムズワース)の弟なのですが、実は敵対するラウフェイの息子という設定。幼いときからソーを妬み、歪んだ感情を抱いていました。 そして自分の出自を知ると、オーディンを殺そうとするのです。 まごう事なきヴィランなのですが、演じているのがトム・ヒドルストンであるせいか、魅力的でむしろ母性本能をくすぐられるファンが続出。また、北欧神話でも悪役というよりは、トリックスター的に描かれています。

5位:流血が怖いエコロジスト、リッチモンド・ヴァレンタイン

サミュエル・L・ジャクソン演じるリッチモンド・ヴァレンタインは、世界的なIT富豪で、血を見ると吐いてしまうほど気が弱い人物です。環境問題に関心を寄せていて、自然環境を守るためには人類を減らす必要があると強く信じてしまいます。 そのために全地球的なテロを仕掛けるのです。しかも極めてIT長者らしい方法で……。 人類を大規模に殺戮しようとしたり、登場人物の1人を射殺したり、悪役であることは間違いがないのですが、演じるサミュエル・L・ジャクソンや、あの何とも気弱な感じが憎めないのです。

4位:世紀末のカルト教祖、イモータン・ジョー

『マッド・マックス』シリーズの世界は、核戦争によって文明が崩壊してしまっています。水や石油などの資源も枯渇して、大地は砂漠化してしまっているのです。 そんな中、ある砦を支配する武装集団のリーダーで、カルト宗教的に崇拝されている人物がイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)。アーマーを身に着け、髑髏を象ったマスクを被っています。 信者にして兵隊であるウォー・ボーイズを従え、妻とは名ばかりの女たちを、子を産む道具として幽閉しているのです。本作の物語は、イモータン・ジョーの大隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が彼を裏切り、妻たちを奪って逃走したことから始まります。 イモータン・ジョーは見るからに凶悪ですが、人を導くリーダーシップやカリスマ性を備えています。実際ウォー・ボーイズは、崇拝の対象であるV8カーのハンドルを掲げながら、命を捨てていくのです。

3位:スマートな女殺し屋、アレス

アレス(ルビー・ローズ)は、イタリアの犯罪組織の幹部、サンティーノのボディーガードです。唖者ですが、殺し屋としてのスキルは折り紙付きです。 イタリアでもニューヨークでも、執拗にジョン・ウィックをつけ狙い、互角に渡り合うのです。無論、勝負はジョン・ウィックが制するものの、この女殺し屋のスマートさは忘れられません。 殺しが禁じられているコンチネンタル・ホテルで、アレスがジョン・ウィックに向かって、「また、会おう。」と手話で合図する仕草は粋すぎます。 演じているルビー・ローズは、オーストラリア出身のモデル、ミュージシャン、そして新進気鋭の女優でもあります。

2位:呪われたカスピ海の海賊長、ヘクター・バルボッサ

ヘクター・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)は、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズにおいて、ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の最大のライバルです。9人いる「伝説の海賊」の1人で、カスピ海の海賊長でした。 かつては、ブラック・パール号の一等航海士でしたが、陰謀により船を制圧し、ジャック・スパロウを追い出して、自身が船長に取って代わりました。 しかし、彼はジャック・スパロウを死者の国から救い出したり、国王ジョージ2世に忠誠を誓って公賊に転身したりと、人間的な側面も持っているのです。 そして、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』ではある人物を救うため、まるで英雄的な行動をとるのでした。