映画として高クオリティ!人気TVアニメの傑作劇場版12選

2018年2月11日更新

人気TVアニメの映画化は、ファンにとって見逃せないビッグイベント。シリーズの魅力を備えながら世界観やストーリー、作画と演出などすべてがハイクオリティな劇場版を厳選してご紹介します。

劇場版ならではの高いクオリティで魅了される12作品

テレビシリーズを通して人気となった名作アニメが映画化されるのは、今や常識と言っていいでしょう。 総集編だったり後日談だったり、あるいはスピンオフ系など、映画化されるスタイルはさまざま。ですが大画面で展開される作品だけに、世界観や物語性はよりスケールが大きく、映像美や演出の迫力といった映画としてのクオリティも高い傑作が数多く公開されています。 今回はそんな中からオススメの作品たちをご紹介。アニメファンでなくともきっと、その完成度の高さに驚いてもらえる12本です。

1.壮大なスペースオペラを思わせる歌と戦いのコラボレーション

1982年から1983年にかけて放送されたSFアニメ『超時空要塞マクロス』は、リアルなメカニック設定、ダイナミックな戦闘シーンの演出などで話題を呼びました。その劇場版が、1984年公開の「愛・おぼえていますか」。大スクリーン向けに制作された作品は、マクロスならではの魅力もまた大きくパワーアップしていました。 30年以上も前に作られたとは思えない映像の美しさと迫力たっぷりのバトルシーンは圧巻。ヒロイン、リン・ミンメイをはじめとするキャラクターたちの作画も緻密で、時に艶かしさすら感じさせる表情や動きを見せます。 宇宙戦争に明け暮れる異星人の争いに巻き込まれてしまった地球。巨大な宇宙戦艦で脱出した人々は、地球への帰還を願い決死の戦いに臨みます。若者たちの青春群像など、テレビシリーズのストーリーを基本にオリジナルの展開を加えた劇場版は、世界観でもさらなる広がりを見せています。 大きなテーマのひとつが、歌の力。ラスト約7分間、ミンメイを演じた人気歌手・飯島真里が熱唱する「愛、おぼえていますか」をBGMに繰り広げられる最終決戦は、まるで壮大なスペースオペラを見ているようです。

2.映像もドラマもクオリティアップした、のび太とリルルの大冒険

藤子・F・不二雄が生んだ国民的人気キャラクターたちが、大きなスクリーンで大活躍するのが映画「ドラえもん」シリーズ。世代的には2006年公開の『のび太の恐竜2006』を境に、第1期と第2期に分けられています。これは2005年に声優のキャスティングが大きく変更されたことによるものでした。 第2期では第1期の人気エピソードが、より高いクオリティでリメイクされてやはり人気を博しています。たとえば第2期としては6作目、通算31作目となる『新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ 天使たち〜』は、中でもリメイク版の評価が非常に高い作品です。 ひょんなことから正体不明の巨大戦闘ロボットを手にしたのび太と仲間たちが、ロボットの国から人間を捕獲しに来た鉄人兵団の野望に立ち向かう物語。敵である美少女ロボット・リルルとの出会いと融和、やがて切ないラストへ……。大人も子供もしっかり泣ける感動作です。

3.大人のノスタルジーを刺激する20世紀万博で、野原家が大暴れ

『クレヨンしんちゃん』アニメは、1992年から現在まで放送され続けている人気の長寿シリーズ。1993年以来年に一本のペースで、劇場版が制作されています。中でも完成度がとても高いと言われているのが、2001年の9作目『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』です。 しんちゃんら野原家が活躍する舞台は、昭和30〜40年代の庶民の生活を再現した「20世紀博」。そこを訪れた大人たちの精神がお子様化し、ついには子供たちを残して姿を消してしまいます。万博に秘められた野望を阻止するために、野原家やかすかべ防衛隊の面々が奮闘します。 大人でも楽しめるポイントのひとつが、舞台設定の妙。お子様化のカギを握る黒幕・ケンとチャコが抱く「過去に対する憧れ」には、多くの大人たちが共感を覚えそう。また、家族で力を合わせて奮闘する野原家の姿には、理想の家族の姿が重なります。かなりお下品ながらキレのいいギャグも含めて、劇場版「クレヨンしんちゃん」ならではの魅力が溢れた作品です。

4.『ちびまる子ちゃん』の世界で楽しく踊る、名曲の数々

『ちびまる子ちゃん』のアニメ第1期が始まったのが、1991年のこと。1995年からは第2期シリーズがスタートし、2018年現在も続いています。立派なご長寿番組ですが、劇場版は3本制作されたのみ。それでも25周年記念の3作目「イタリアから来た少年」は、大人も感動できるアニメ映画として定評があります。 今回ご紹介する「わたしの好きな歌」は劇場版第2作。中身はさながら「まる子」版『イエローサブマリン』といった趣きです。原作者のさくらももこ自らが脚本を担当するなど、こだわりが詰まっています。 物語の中心は、まる子と似顔絵描きのお姉さんの交流。そこに音楽を使ったミュージカルパートが絡んで、ドラマティックにストーリーが展開していきます。選曲がまた秀逸。大瀧詠一の「1969年のドラッグレース」を始めレゲエ調、ブギ、細野晴臣の「はらいそ」まで、多彩な音楽が「ちびまる子ちゃん」のキュートでシュールな世界をさらに盛り上げてくれます。

5.人気ミステリー作家が脚本を担当。VR世界で命がけの謎解きに挑む

青山剛昌の人気漫画『名探偵コナン』がテレビアニメ化されたのは、1996年から。悪の秘密結社によって小学生にされてしまった高校生名探偵。彼は江戸川コナンと名乗り、さまざまな難事件を見事に解決していきます。劇場版アニメは1997年の第1作を皮切りに年に1本のペースで新作が公開され、いずれもヒットを飛ばしています。 そんな中でも評価が高い作品が、2002年に公開された「ベイカー街の亡霊」です。それまでテレビシリーズと同じ脚本家・古内一成が執筆していましたが、この第6作目はミステリー小説の名手・野沢尚が担当して当時話題となりました。 なんといっても物語の舞台がユニーク。コナンと仲間たちは、バーチャルリアリティを使ったゲームの世界に閉じ込められ、命をかけた謎解きに挑みます。さらにリアル世界では、コナンこと工藤新一の父が連続殺人の謎に挑むという凝った仕掛け。ふたつの事件がやがてひとつの結末へと収束していきます。 稀代のストーリーテラーとして知られる野沢尚らしい、本格ミステリーの味わいがたっぷり。AIやVRゲーム、さらには格差拡大といった現代社会が抱える問題に至るまで、時代を先取りしたかのような設定もまた興味深く楽しめるポイントです。

6.脚本やゲスト、主題歌まで劇場版ならではのビッグスケール

1999年にテレビ放送が始まった『ワンピース』は、2000年から東映アニメフェアの作品のひとつとして映画化がスタートしました。4作目で初めての長編作品として独立。10作目では原作者の尾田栄一郎自らが製作総指揮を担当するなど、ますます話題性が高まるとともに大作化が進んでいる印象です。 『ONE PIECE FILM Z』は、そんな名作揃いの劇場版シリーズの中でもっとも人気を博した作品のひとつ。68.7億円という、驚異的な興行収入を挙げました。 ストーリーは、元海軍大将ゼットの「全海賊殲滅」という冷酷な野望に、ルフィ以下麦わらの一味が決死の戦いを挑むもの。人気脚本家、鈴木おさむがライティングを担当したほか、ゲスト俳優として篠原涼子や香川照之が参加したことでも、話題を呼びました。 主題歌はなんと、カナダの人気歌姫アヴリル・ラヴィーン。さまざまな意味で、スケールが違います。

7.新たな冒険の舞台はリアルワールド。演出も物語もしっかり進化!

劇場版『ワンピース』の第1作とともに、2000年の東映アニメフェアで放映されたのが『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』です。テレビシリーズは、デジタル世界で生まれたモンスターとリアルワールドに住む子供たちが、世界の危機を救うために戦う冒険物語。CGを使った演出やドラマティックなストーリーなど、大人にもウケる要素が満載でした。 劇場版としては2作目となる「ぼくらのウォーゲーム」は、そんな大人ウケが最高潮に達した作品です。新たな強敵は、現実の世界で猛威を奮う新種のデジモン。作画、演出の高いクオリティとともに、ストーリーもまたテレビ版を凌ぐスケールで「大作感」をアピールしていました。 制作スタッフの中でもとくにこだわりを見せたのが、細田守監督です。デジモン映画の第1作はまさに彼の出世作となりましたが、この第2作でもさらに高い完成度を見せつけてファン層を拡大しました。 6年後に『時をかける少女』を完成させる細田監督ですが、この時代からすでに、人並み外れた才能を発揮していたことがあらためてわかります。

8.ナルト世代の戦いと青春の日々に、幸せなピリオドが訪れる

ライバルや強敵との戦いを通して、人として忍者として成長していく少年・うずまきナルトと仲間たちの姿を描いた『NARUTO −ナルト−』は、全72巻で完結した超人気漫画です。それを原作としたアニメシリーズもまた、時にオリジナルストーリーを織り交ぜながら2002年から約15年にわたって人気を博しました。 その劇場版第10作が『THE LAST −NARUTO THE MOVIE−』。タイトルどおり、ナルトを主人公とする最後の映画であり、ナルト世代の忍者たちの青春時代にひとつのピリオドが打たれることになります。大きな戦いを経て成長したナルトが、自分を本当に愛してくれる人の想いを知り、彼女を助けるために新たな強敵と対峙します。 テレビ版のヒロインはナルトが片思いを続けていた春野サクラでしたが、本作では日向ヒナタが可憐に熱演。美しく成長した少女が、自らの命を賭けて人類滅亡の危機を回避しようとします。ナルトの恋の行方は、ファンにとっても長年気になるところでしたが、ついにそれが決着。 長年にわたって応援してきたキャラクターたちの成長にグっとくる、まさに集大成と呼ぶにふさわしい「THE LAST」なのです。

9.今度の敵は異星人。宇宙スケールで繰り広げられる激闘と恋模様

SF漫画の大家、石ノ森章太郎の代表作『サイボーグ009』を原作とするアニメーションは、まず1960年代に劇場版として公開されました。テレビシリーズが始まったのは1979年から。約1年で全50話が放送されています。そして1980年年末に封切られたのが、十数年ぶりの劇場作品となる『超銀河伝説』でした。 劇場用映画らしく、テレビを超えたスケール感が最大の魅力。世界を股にかけて悪の結社と死闘を繰り広げてきたサイボーグ戦士たちが、ついに宇宙へと羽ばたくことになります。対するのは圧倒的な武力と冷酷さで世界を支配しようともくろむ、異星人の軍隊。かつてないほどの強敵を前にしても、サイボーグ戦士たちはひるみません。 お約束の恋愛エピソードももちろんパワーアップ。009ことジョーは003ことフランソワーズとの関係が深まっていきますが、そこに異星の姫君タマラが登場して、宇宙スケールの三角関係が展開されそうになります。演出やセリフ回し、音楽などすべてが懐かしさに溢れた、昭和アニメの王道をゆく味わい深い作品です。 なおNETFLIXでは、最新作『Cyborg 009:Call of Justice』が独占公開されています。

10.冒険ファンタジーの傑作が、ビッグスクリーンでさらにスケールアップ

VRゲームの世界を舞台に、プレイヤーたちの冒険を描いて大人気となったファンタジー小説が『ソードアート・オンライン』です。2012年と2014年にそれぞれ全24〜25話でテレビアニメ化され、同じく大ヒットしました。 ファン待望の映画化が実現したのは、2017年のこと。原作者の川原礫が書き下ろした新作をもとに、主人公キリトとヒロイン・アスナの新たな冒険が幕を開けました。今度のステージは、現実世界。AR(拡張現実)技術を使ったゲームに秘められた謎の事件に巻き込まれてしまいます。 美しい作画とダイナミックな動きは、圧倒的完成度。ゲスト声優として謎をとく鍵を握るユナ役を演じた神田沙也加が5曲もの挿入歌を熱唱するなど、劇場版ならではの贅沢な時間を満喫することができます。

11.魔法少女が活躍するダークファンタジーが、ついに迎えた結末とは

2011年1月から深夜帯に放送され、アニメ好きの度肝を抜いたのが『魔法少女まどか☆マギカ』でした。ジャンルとしては、セーラームーンやプリキュアのように戦闘アリのいわゆる「魔法少女モノ」ですが、ダークファンタジーとしての要素が圧倒的に濃厚なことが特徴です。 コスプレ系変身キャラクターは、魔法少女の王道。一方でハードボイルドな物語展開、独特の不気味感漂う作画など、従来のものとは一線を画した「暗さ」と「澱み」が常に漂っています。とくに第3話で、重要な役割を担うと思われたキャラクターが惨殺されたことが、コアなアニメファンの心をつかむきっかけになりました。 劇場版第1部が放映されたのは、2012年10月から。全三部作のうち『【前編】始まりの物語』と『【後編】永遠の物語』は、テレビ版から再編集された総集編です。 完全新作となる『【新編】叛逆の物語』では、視点を変えて物語世界の真実を改めて解明しました。テレビシリーズでも映画に匹敵する映像美に魅了されましたが、劇場版はさらにその密度がアップした印象があります。 少女たちが背負う過酷な運命の行方はいかに。最後の最後まで、衝撃的な展開から目が離せません。