劇場版コナン「14番目の標的(ターゲット)」犯人・あらすじをネタバレ解説!小五郎は英理をなぜ撃った?
劇場版コナン第2作「14番目の標的(ターゲット)」あらすじ概要

「14番目の標的(ターゲット)」は1998年公開の劇場版2作目にあたる作品です。キャッチコピーは「次に狙われるのはだれだ!?」。毛利小五郎がメインキャラクターとして活躍します。 目暮警部がボウガンで襲撃された事件をきっかけに、小五郎の妻・妃英理が毒入りチョコレートを贈られ、阿笠博士が狙われるという事件が立て続けに発生。 コナンは一連の事件の被害者の共通点から、小五郎に恨みを持つ人物が小五郎の関係者を狙っていると推理します。さらに、犯人が現場に残した遺留品から、犯人はトランプの札になぞらえて順に襲撃していることが判明。 コナンたちは警察時代の小五郎と因縁があり、仮出所したばかりの村上丈をマークしますが……。
【ネタバレ①】容疑者は警察時代の小五郎を恨んでいる?

目暮警部は下の名前が十三で13、妃英理は妃=クイーンで12、阿笠博士は下の名前の士の字が11となっています。この共通点から、コナンと小五郎たちは、小五郎の関係者で名前に数字が入る人物が危険だと判断すると同時に、該当人物を絞り込んでいきました。 読み通り10がつく辻弘樹の乗るヘリコプターが墜落しかけますが、同乗していたコナンの活躍によってヘリコプターは不時着。幸いにも事故を防ぐことができました。 このとき犯人と目されていたのは村上丈です。彼は10年前、取調べ中偶然居合わせた英理を人質に逃走を試みていました。小五郎は犯人確保の際、英理の足をかすめて発砲しており、この発砲の件をきっかけに警察を辞めていたのです。 蘭はこの事実に大きなショックを受け新一に電話します。新一は「それが事実でも真実とは限らない」と伝えるのでした。
【ネタバレ②】船に浮かぶ「アクアクリスタル」に閉じ込められる
次の9に該当する人物に心当たりがないため、小五郎は8の可能性があるソムリエの沢木公平を訪ねることに。沢木が今度開業する海洋娯楽施設「アクアクリスタル」のオーナーが、偶然にも小五郎と面識があり名前に9が入っている旭勝義であることが判明。 そこで沢木の護衛も兼ねて、小五郎や蘭、コナン、白鳥刑事もアクアクリスタルへ同行します。そこには沢木の他に、小山内奈々(7)、仁科稔(2)、宍戸永明(6)、ピーター・フォード(4)が招待されていました。小五郎の5、白鳥任三郎の3、そしてその場にはいない新一の1で数字は完成します。 この場に数字を持つ人物が集まりコナンが嫌な予感を感じていると、沢木がワインセラーでボウガンに狙われる事件が発生。施設内に村上がいると考えた一行は、施設からの脱出を決意。ところが、外に通じる出入口はすべて塞がれていました。
【ネタバレ③】真犯人を突き止めるも蘭がピンチに

混乱の中、水中を漂う旭の死体が見つかります。さらに停電のすきに奈々が刺殺されました。彼女の刺し傷から、コナンは犯人は右利きだと推理。コナンが以前に目撃した阿笠博士を襲った犯人も右利きだったことから、左利きの村上は犯人でないと判断します。つまり密室状態の施設内に真犯人がいるのです。 コナンは停電前に床に缶ジュースを置いていました。奈々殺害後、缶が倒れていたことから、コナンは衣服の裾にジュースのシミがついている人物が犯人だと見破ります。さらにある細工をしたミネラルウォーターをみんなに配ることで、犯人の動機も突き止めるのでした。 ところが次の瞬間、アクアクリスタルが爆発。大量の海水が流れ込む中、爆破でできた穴から一行は脱出します。しかし蘭が浮上しません。コナンは空のペットボトルを手に、蘭のもとへ急ぎます。
【ネタバレ④】真犯人が蘭を人質に逃走を図る
コナンが蘭にペットボトルの空気を吸わせ助けるも、今度はコナンが足を挟まれ意識を失いかけます。すると蘭が口移しでコナンに空気を渡し、2人は無事脱出できました。 全員が脱出したところで、コナンは小五郎を眠らせ事の顛末を語ります。真犯人は沢木であること、沢木の真の狙いは奈々や辻、旭、仁科だったことを言い当てました。小五郎の関係者が狙われたのは、村上を犯人に仕立て上げるためのカモフラージュだったのです。 さらにコナンは、沢木の動機が味覚障害にあることも塩入りミネラルウォーターによって確かめていました。ポケットには証拠もあり沢木は犯行を認めますが、残っていた爆弾を起動して施設を全壊させようとします。 弱っている蘭を人質に、あらかじめ呼んでいたヘリコプターでの逃走を図る沢木。その後を、起きた小五郎、コナン、目暮、白鳥が追いかけます。
【ネタバレ⑤】人質・蘭を救うためにコナンが蘭を撃つ

沢木は白鳥の構えた拳銃を、コナンに持ってこさせるよう指示します。銃を手にしたコナンは、10年前に小五郎が英理にそうしたように、蘭の足をかすめるように発砲しました。 足を怪我した人質は犯人の足手まといとなるため、犯人は人質を解放する。コナンは小五郎と同じ立場になったことで、10年前の小五郎の真実に気づきました。 コナンの発砲後、ひるんだ沢木を小五郎が一本背負いで投げ飛ばします。建物が崩壊し、海に落ちそうになる沢木に手を差し出した小五郎は、死にたいと叫ぶ沢木を「死なしゃしねぇ!てめぇに自分の犯した罪の重さを分からせてやる!」と一喝。無事に沢木は拘束され、事件は閉幕します。 後日、蘭とコナンは英理が小五郎の発砲の真意を知っていたこと、別居の理由は英理の手料理を小五郎が酷評したことだと聞かされるのでした。
【解説①】犯人の動機・手口とは
犯人・沢木の動機はソムリエの命である味覚を失ったことに起因します。この直接的な原因を作ったのが奈々との交通事故です。事故の後遺症で味覚障害となった沢木は、事故現場から逃走した奈々への憎悪を募らせました。 また、医師から味覚障害の原因としてストレスを挙げられたため、ソムリエとして許せない言動をした辻、旭、仁科も殺害対象となったのです。 手口を考えているとき、沢木は偶然村上と出会いその過去を聞きます。自分の標的全員に数字が入っていたことからトランプになぞらえた犯行を思いつき、さらにそれを村上の犯行と見せかけるために小五郎の関係者を巻き込むことを思いついた沢木。 沢木はすでに村上を殺害しており、建物崩壊とともに遺体を沈める予定でした。奈々に関しては、夜光塗料入りのマニュキュアを目印に殺害しました。
【解説②】小五郎はなぜ英理を撃った?

小五郎が英理を撃ったのは、被害を最小限に留めて英理を救うためです。小五郎は警視庁内でもトップクラスの射撃の腕前を誇っています。その腕前があれば犯人だけ狙うこともできたでしょうが、撃たれた犯人が逆上した場合、人質に危害を加える可能性もありました。 人質の足を撃った場合、人質はその怪我のせいで動きが鈍くなります。犯人にとっては足手まといとなるため、人質を無理に連れていくよりもその場に置いていこうと考えるでしょう。人質は怪我を負ってしまいますが、逆上した犯人に攻撃されるよりもはるかに安全です。 これを実際に実行するのは至難の業。小五郎の射撃の腕前と、英理を助けたいという思いがあったからこそできた神業だといえます。
「14番目の標的(ターゲット)」の見どころ解説
小五郎の過去と家族の絆
今ではすっかりやるときはやる男という評価を得ている小五郎ですが、本作で初めて刑事時代のことが描かれます。それによって、おっちゃんが実はできる男だったというエピソードが次々と登場。 中でも小五郎の射撃の腕前や、英理との別居の理由などは、原作に先駆け本作で明かされています。他にも目暮警部や白鳥刑事の下の名前が本作で明らかとなり、原作派やTVアニメ派にとっても劇場版が重要な位置づけとなりました。 小五郎と英理の10年前の出来事を、今回の事件でコナンと蘭がなぞるというのもドラマチック。当事者となった2人が小五郎の真意に気づき、蘭がコナンに新一を重ねる姿にグッときます。
コナンと蘭の水中口づけにニヤニヤ

水中でのコナンと蘭の口づけは、やはり本作の見どころを挙げる際に欠かせない点でしょう。これはもちろん人命救助なのでキスにはカウントされないわけですが、コナンの中身を知っている視聴者からしたら、思わずニヤニヤしてしまうシーン! 実は事件が起きる序盤のシーンで、吉田歩美がコナンの恋を占っていました。そこで「A=キスの予感」という占い結果が出ているのもなんとも憎い演出です。 水中での空気の口移しは、後に「黒鉄の魚影(サブマリン)」でセルフオマージュされており、そういった意味でも抑えておきたい名シーンです。
「14番目の標的(ターゲット)」の評価・感想
事件自体は国家規模のデカさはありませんが、サスペンス要素が強く序盤から引き込まれます。次は誰が狙われるのか……といったスリルも楽しめますし、逃げ場のないアクアクリスタルでの攻防戦も見応えがありました。 コナンが推理した施設内での事件自体はやや地味なものの、そもそも一連の事件がカモフラージュだったという点がおもしろいところ。一方で、カモフラージュのために殺された村上をはじめ、数字集めのためだけに襲撃された無関係な人物も多く、後味としては爽快感に一歩欠けます。 真犯人に意外性があった点も本作の魅力でしょう。いきすぎたプロ意識からこれだけの事件を起こした犯人の異常性は、沢木を演じた中尾隆聖の怪演もあって、歴代犯人の中でも際立っています。
歴代の中でも上位に入る好きな作品!しっかりサスペンスしているし、ぶっ飛びすぎてないのがいい。いや、コナンくんのヘリ不時着とかはぶっ飛んでますが…。14番目の標的がコナンの狙う蘭、というタイトルでの伏線回収も見事です。
(30代女性)
配信で視聴。最近の劇場版から入ったので、どうしても古さが気になった。劇場版だからもっと派手にやってもいいのにと思ってしまったが、本来のコナンらしさという意味ではちょうどいい塩梅なのかもしれない。最後はコナンじゃなくておっちゃんに撃ってほしかったな~。
(20代男性)
小五郎ファン必見!意外な過去が明かされる「14番目の標的(ターゲット)」
劇場版2作目「14番目の標的(ターゲット)」の内容を紹介しました。小五郎のおっちゃんのかっこよさや、蘭とコナンの口づけなど見どころ満載の1作。ストーリーが進んだ今、改めて観てみると、また違った視点で楽しめるかもしれませんね。