2026年1月31日更新

【かんたん解説】渚カヲルの正体は使徒?「シンエヴァ」での渚司令の目的とは?【エヴァンゲリオン】

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「エヴァンゲリオン」渚カヲルのプロフィール

新世紀エヴァンゲリオン 渚カヲル
©カラー
名前 渚カヲル
生年月日 2000年9月13日
年齢 15歳
性別 男性
声優 石田彰

レイと同じ赤い瞳にアッシュグレイの髪と、ミステリアスな外見の美少年・渚カヲル。その美貌は公式に「ぞっとするような美貌の持ち主」とまで紹介されたほどです。 彼はアスカが戦闘不能となったため、その代わりのパイロット・フィフスチルドレンとして登場しました。身長は162cmで、誕生日はセカンドインパクトが発生した2000年9月13日です。 彼は、誕生日以外の過去の経歴は抹消されており、この他のプロフィールは不明とされている謎多い人物です。実はゼーレによって送り込まれており、男性の体に第1使徒・アダムの魂が宿った特別な存在です。

【正体】渚カヲルはアダムの分身であり第十七使徒・ダブリス

「渚カヲル」とい名前は脚本・薩川昭夫(さつかわあきお)によって命名されました。「渚」という漢字を左右に分けると「シ者」、「カヲル」を50音で1文字ずつ前にすると「オワリ」となります。つまり、最後の使徒であることを隠喩するという言葉遊びが隠されています。 渚カヲルの正体は第十七使徒ダブリスなのです。 第十七使徒ダブリスは全ての生命の源である第一使徒、アダムの魂を持っています。アダムには情報の引き継ぎ、共有への本能的欲求があり、そのために人という種を強く理解しようとしています。 作中での碇シンジへの情熱的なアプローチは、全て人類への愛情と呼ぶべき気持ちを理解したいという思いが働いたからだったのです。 渚カヲル、その正体は人間の敵である使徒。そして人間を理解しようとする隣人です。 キャラクターデザインを担当した貞本義行は、最後の使徒という設定に基づいて「使徒と接触した全ての人物の特徴を入れる」ことをコンセプトとしたそうです。実際に首の細さはシンジ、不敵な口元はアスカ、赤い瞳はレイを由来とした特徴です。 また、不完全な自分と完全な自分の2人をキャラクターとして出すという庵野らのアイデアにより「完璧なもう1人のシンジ」として設定されています。

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【目的】渚カヲルはなぜシンジに好意を寄せているのか

①アニメ版の目的は「リリンの心を知る」「自分(アダム)の身体」

最後の使者として登場する渚カヲルの目的は2つ。1つ目がシンジとの接触を通して「リリン(人)の心を知る」こと。 リリンを知ろうとしたのはカヲルが初めてではありません。その前の第15使徒アラエル、第16使徒アルミサエルもそれぞれのやり方で人の心に接近しました。ただカヲルは自身も人間としてシンジに接することで、目的を果たそうとしています。 そして2つ目の目的が、分離して離れてしまった「自分の本来の肉体=アダムの身体を取り戻す」こと。セントラルドグマにアダムがいると信じ込まされていたため、カヲルはアダムとの接触を試みました。

②新劇場版では碇シンジの望む世界を作ること

新劇場版でのカヲル(渚司令)の目的は、シンジの望む世界を作ること。「今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ」という言葉にある通り、カヲルは一貫してシンジの味方として行動し続けます。 作中の言動から察するに、彼はエヴァンゲリオンの世界を何度も繰り返していました。そして繰り返す世界を経験しながら、シンジが幸せに生きられる未来を選び取ろうとします。 なので、新劇場版で彼がNERVに所属していたのは、そうすればいずれシンジに会えるとわかっていたから。シンジを待っていたのです。

なぜシンジのことが好き?

端的にいえば魂が惹かれ合ったといえるでしょう。単一生物であるアダム(カヲル)は本来他者を必要としません。孤独を知らないからこそ、必ず他者を必要とするリリン、その中でもとりわけ繊細な心を持つシンジに惹かれるものがあったのでしょう。 シンエヴァではまた少し解釈が変わります。永遠に繰り返し使者の役目を担うカヲルにとって、その繰り返しを終わらせるために必要なのが真空崩壊を起こすことでした。それを起こすためにも、シンジの幸せが必要だったのです。なのでこちらではシンジへの思いはカヲルのエゴとして描かれています。

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【アニメ・旧劇場版】渚カヲルの行動と目的

カヲルの目的とは一体なんだったのか?ゼーレに騙されセントラルドグマへ

表向きにはパイロットとしてネルフに加わりましたが、真の目的はゼーレから託された「アダムの体と融合すること」でした。 彼には他の使徒のような戦闘能力はありませんが、アダムの魂をもつことでコアの変換なしにエヴァと自在にシンクロする、A.T.フィールドを展開するといった使徒ならではの能力を持っています。 アニメ第24話ではアダム由来のエヴァである弐号機を伴い、アダムの体が安置されているというネルフの深部・セントラルドグマに潜っていきました。 しかし、カヲルに託された願いはゼーレの真の目的ではありませんでした。人類補完計画を進めたいゼーレの思惑は「最後の使徒・カヲルが初号機によって殺されること」だったのです。

ゼーレの真意に気付き、シンジに未来を託して唯一の絶対的自由を得る

セントラルドグマに潜っていくカヲルが「パターン青」を示したことで、使徒であることが判明します。彼を止めに現れたのは、初号機とシンジでした。 弐号機に応戦させながら降下していき、セントラルドグマで使徒の肉体と対峙しましたが……それは目的とは違うリリスでした。同時に彼は、ゼーレの真意に気づきます。 弐号機を沈黙させた初号機は、リリスの前で止まったカヲルを掴みました。どうして、と尋ねるシンジに「生き続けることが運命」「自らの死が唯一の絶対的自由」だと語り、未来の為に自分を消すよう頼みます。 どうあっても死ぬことを悟った彼は、シンジ達人類に未来を託すことができたのです。

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【新劇場版・シンエヴァ】渚カヲル(渚司令)の行動と目的

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で再登場

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009)
©カラー

「シンジくん、今度こそきみだけは、幸せにしてみせるよ」。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のラストにてシンジが起こそうとしたサードインパクトを防いだ時のセリフです。 一見意味不明な発言ですが、碇ゲンドウと冬月コウゾウも『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』にて「次はシンジとレイをもっと早いうちから近づけよう」といった旨のことを話し合っていました。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』ではシンジの願いを叶えようと接触

碇シンジは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』において首に爆弾を仕掛けられています。これは彼が物語が始まる前に世界を滅ぼすニア・サードインパクトを起こしてしまったことが原因です。 これ以上危ない行動をとるならば殺してでも阻止する必要のあった人間=リリンは、シンジの首に首輪をつけました。 この首輪を渚カヲルはシンジから取り外して自らにつけます。渚カヲルは自分のした行いに絶望して塞ぎこんだシンジに世界をやり直す手段があると提案しました。 それにはシンジと渚カヲルの共同作業が鍵となっており、逆に言えばどちらかが欠ければ不測の事態が起こった時に世界再生を中断できるのです。 「リリンの呪いとエヴァの覚醒リスクは僕が引き受けるよ」と渚カヲルは動揺するシンジに告げて「元々は、僕を恐れたリリンが作った物だからね」と付け足しました。 このことから渚カヲルは元々人間=リリンに警戒されており、それと同時に直ちに殺そうとしなければならない存在と見なされてはいなかったことがわかります。

ゲンドウの策略によって最期を迎える

新劇場版「破」の終盤でニア・サードインパクトを止めたカヲル。「Q」では、ネルフのパイロットとして登場しました。 シンジが眠っていた14年間にあったことを知らせ、13号機と「ロンギヌスとカシウス」2本の槍があればやり直しができると希望を与えます。その後13号機に乗り、シンジのDSSチョーカーを自分に着けて共に2本の槍の目の前まで到達しますが……異変に気づきます。 カヲルはやめようと制止しましたが、逸るシンジは2本の槍を抜いてしまいました。それは2本ともロンギヌスで、カヲルを第1使徒から第13使徒に堕とすとともに13号機を覚醒させフォースインパクトが起きるよう仕組まれていたのです。 機体の覚醒でDSSチョーカーが作動し、爆発して死ぬ直前に「そんな顔をしないで。また会えるよ、シンジ君」と優しく告げて最期を迎えました。

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『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』にも登場?

シン・エヴァンゲリオン劇場版 ポスター
(C)カラー (C)カラー/Project Eva. (C)カラー/EVA製作委員会

予告映像では最新作の『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』にも復活が期待されていましたが、実際は復活していません。回想シーンとエンディングのみに登場しており、本編の物語そのものには絡んでいないのです。 しかし、レイと2人いるところやエヴァのない明るい未来を見ると、カヲルもまた報われたといえるでしょう。レイもカヲルも人工的に作られた使徒であり、自ら運命を変える力を持っていません。 だからこそ、そんな2人がシンジの望む「他者とつながり生きる世界」に居るのはこれ以上ない幸福のカタルシスです。

【クローン説・ループ説】「シンエヴァ」での渚カヲルの謎を考察

破ゲンドウのクローン説

2021年3月8日に公開された最新作「シン・エヴァ」では、カヲルが碇ゲンドウのクローンではないかと思わせる描写がありました。その大元になったのが「カヲルくんは父さんと似ているんだ」という台詞です。 その証拠にカヲルは「すまない、僕は君の幸せを誤解していたみたいだ」と口にします。彼はシンジを幸せにしたいと口にしながら、その実シンジの望まぬ幸福の形を押し付けていました。これは碇ゲンドウと同じ行動原理ではないでしょうか。 碇ゲンドウは表面上シンジに厳しい父を演じていましたが、実はただユイと会いたいだけです。シンジを幸せにするというのも口実でしかなく、その心は中学生のまま止まっています。渚カヲルとはそんなゲンドウの潜在意識を具象化した存在でしょう。 本編ではカヲルがゲンドウのクローンかどうかの説明はありませんが、その行動原理はとてもよく似ています。

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渚カヲル“ループ説”?

新世紀エヴァンゲリオン 渚カヲル

「シン・エヴァ」では渚カヲルはループを繰り返している思わせる台詞を口にしています。「僕は定められた円環の物語の中で演じることを永遠に繰り返さなければならなかった」という台詞です。意味深ですが、彼の正体には益々謎が深まります。 仮に渚カヲルのループが真実だとするならば、彼はテレビシリーズや漫画版と同一人物ということになります。つまり単なる第1使徒というだけではなく、本作の世界を俯瞰して見る狂言回しでもあるのです。作品の世界観が一気に拡張されました。 そう見ていくと、旧作と新作の違いの整合性を取ることができます。旧作の退廃的な世界は渚カヲルが望まなかった「バッドエンド」の世界なのでしょう。そしてループを繰り返す内に新作の「ハッピーエンド」の世界に辿り着いたのです。 過去をなかったことにするのではなく、事実として受け止めて最善の世界を目指したということでしょう。その為にはカヲルが最後のピースとして必要だったのです。

【名場面】渚カヲルの名言を2つ紹介!優しくも儚いセリフが心に残る

「僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない」

第24話で登場し、カヲルはシンジと初対面ながら興味津々で行動を共にし、急速に親密になりました。その接近っぷりは出会って間もないのにシャワーに一緒に入り、寂しさについて語ったのちに好意をはっきり伝えたほど。 心の距離が近づいた結果、なんとシンジはカヲルの部屋に泊まることに。カヲルは「何を話したいんだい?」と聞き役に回ります。 シンジが胸の内を語り終えたところで、微笑みながらカヲルが発したのがこのセリフ。どこか、シンジの人一倍繊細な心に寄り添えた嬉しさが出たように思われます。

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「ありがとう 君に会えて 嬉しかったよ」

自分でも疑問に思うほど、心を開いた相手は使徒だった……。第24話の終盤、使徒としての力を使って使命を果たそうとするカヲルを「裏切ったな」と責めつつも止めようとするシンジ。 しかし、最深部に到達してしまった彼を初号機で掴みます。カヲルは弐号機を止めたことに感謝を述べ、自分の自由について語りました。 混乱するシンジに未来を選ばせるようなことをあえて告げ、最後にシンジと会えたことに感謝します。このセリフの後、カヲルの最期までにかかる時間からシンジの苦悩がよく分かるシーンです。

【声優】渚カヲルを演じるのは石田彰

石田彰

渚カヲルの声優を担当しているのは、石田彰(いしだあきら)です。声優としても長いキャリアを持ち、多数の作品に出演しています。 美少年を演じることも多く、『まじっく快斗』や『名探偵コナン』にも登場する二枚目探偵白馬探役や、矢沢あいの漫画『NANA』のシン役、『7SEEDS』の守宮ちまき役などを担当。 カヲル役ではその甘い声で特徴を捉え、どこかミステリアスな雰囲気を感じさせる様な演技を見せてくれました。途中からシンジではなく、自分に語りかけられていると錯覚してしまう程の名演技です。

謎多き渚カヲルはどの物語でもカギを握る魔性の美少年

今回は最新作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』も含めて渚カヲルの正体について考察してきました。旧作のみだと浮世離れして見えたカヲル君ですが、実はとても人間味のある人であることが伺えます。 レイと対をなす形で使徒として描かれながら、物語の狂言回しという重要な位置づけだったのです。ある意味では「エヴァ」という作品そのものを救ったといえるかもしれません。 気になる方は是非カヲルというキャラの視点で物語を見直してみてください。違った発見があることでしょう。