「ドクター・ストレンジ2」のネタバレあらすじ解説!エンドクレジットの考察も【マルチバース・オブ・マッドネス】
タップできる目次
- 「ドクター・ストレンジ2/マルチバース・オブ・マッドネス」概要
- 「ドクター・ストレンジ2」の全編あらすじ【ネタバレ】
- 「ドクター・ストレンジ2」のラスト・結末
- 「ドクター・ストレンジ2」の6つの重要ポイント
- 「イルミナティ」を解説
- ラストシーンを解説!ミッドクレジットで登場したクレアとは?
- エンドクレジット解説!ピザボール屋の店主は名作ホラーオマージュ?
- 考察①ワンダは死亡したのか?
- 考察②「ドクター・ストレンジ3」の展開はどうなる
- 「ドクター・ストレンジ2」の登場人物・キャスト
- 「ドクター・ストレンジ2」の監督はサム・ライミ
- 「ドクター・ストレンジ2」の感想・評価
- 「ドクター・ストレンジ2」と関連がある作品まとめ
- 1作目『ドクター・ストレンジ』(2016年)のあらすじをおさらい
- 「ドクター・ストレンジ2」で広がったMCUの無限の可能性
「ドクター・ストレンジ2/マルチバース・オブ・マッドネス」概要
ネタバレなしあらすじ
元天才外科医にして、最高の魔術師であるドクター・ストレンジ。あるとき時間と空間を自由自在に操る彼の呪文のなかでも、もっとも危険とされる禁断の呪文によって 「マルチバース」と呼ばれる謎に満ちた空間への扉が開かれます。 なにもかもが変わりつつある世界をもとに戻すため、彼はかつてアベンジャーズを凌ぐ力を見せたワンダ・マキシモフに助けを求めることに。しかしもはや彼らの力ではどうすることもできない脅威が、人類そして全宇宙に迫っていました。 さらに驚くべきことに、その「宇宙最大の脅威」はドクター・ストレンジと全く同じ姿をしており……。 はたしてストレンジたちは、力を合わせて世界を混乱から救うことができるのでしょうか。
イルミナティとは?
イルミナティは原作コミックにおいて、宇宙人同士の戦争に巻き込まれて、地球が甚大な被害を受けたことをきっかけに結成された最強のヒーローチームであり秘密結社です。
メンバーは各組織のリーダーで構成されており、コミックではアベンジャーズの代表であるアイアンマンや魔術師の代表ドクター・ストレンジらが参加しています。
ストレンジはなぜスパイダーマンを覚えていた?
「スパイダーマンの1件で知った」と語っています。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で、ストレンジによってスパイダーマンの存在は人々の記憶から消されたのではなかったのでしょうか。
しかし実際に消されたのは「スパイダーマンの正体はピーター・パーカー」という記憶と、ピーターの存在についての記憶だけ。ヒーローのスパイダーマンの存在と彼にまつわる記憶は残っているのです。
「ドクター・ストレンジ2」の全編あらすじ【ネタバレ】
①:NYにガルガントスが出現!謎の少女アメリカ・チャベス
ドクター・ストレンジはあるとき、見知らぬ少女と不思議な場所で敵から逃げている夢を見ます。夢の中で彼は敵を倒すために少女から力を奪うことを決意しますが、途中でうなされて目覚めました。 その後、彼は元恋人クリスティーンの結婚式の最中、外の騒ぎに気が付きます。路上では巨大なタコのような怪物が暴れまわり、ストレンジの夢に出てきた少女を追いかけていました。彼はウォンとともに彼女を救い出し、事情を聞くことにします。 アメリカ・チャベスと名乗るその少女が言うには、彼女は別のユニバースからやってきたとのこと。そして夢は別のユニバースで実際に起きたことであり、彼女と一緒にいたストレンジは最終的に彼女の力を奪おうとしたと言うのです。その証拠として、アメリカはストレンジたちに彼女とともに別のユニバースからやってきたストレンジの死体を見せました。 70以上ものユニバースを渡り歩いてきたアメリカは、彼女の時空間移動の能力を狙う者たちから逃げていたのです。ストレンジは、マルチバースについてなにか知っているのでは、とワンダ・マキシモフを訪ねることにします。
②:マルチ・バースを熟知するワンダの狙いとは?
ストレンジはワンダに事情を話しますが、実は彼女もマルチバースを渡る方法を探っていました。かつて自ら現実を改変した彼女は、そのときに授かった双子の息子ビリーとトミーにもう1度会いたい、一緒に暮らしたいと願い、ユニバースを渡り歩く力を持つアメリカを狙っていたのです。 危険を感じたストレンジはアメリカをカマー・タージに匿いますが、そこへワンダが襲いかかります。彼女の強力な魔法の前に、多くの魔術師が犠牲となり、カマー・タージは崩壊寸前に。防戦一方のストレンジたちでしたが、絶体絶命というところでアメリカの能力を発動し、いくつものユニバースを経由してある場所にたどり着きます。 その世界では、ストレンジは自分の命と引き換えにサノスを打ち破った英雄として扱われていました。この世界でもマルチバースの秘密を探るため、彼はアメリカとともにある人物のもとを訪れます。
③:もう1人のストレンジを探し、別の宇宙へ
この世界のサンクタム・サンクトラムで彼らを迎えたのは、ストレンジの兄弟子モルドでした。彼はストレンジたちを歓迎しますが、振る舞われたお茶には薬が混ぜられており、2人は気を失っている間にマルチバースを研究する施設に連れて行かれてしまいます。そこではクリスティーンも研究者として働いていました。 ストレンジは各界のリーダーが集まる「イルミナティ」の会議に呼び出され、マルチバースを開いた罪に問われます。実はこの世界のストレンジは、サノスとの戦いをよそに自身の利益のためにマルチバースを利用していました。サノスを倒したイルミナティのメンバーは、このストレンジを誰もいないユニバースに送っていたのです。 「どの世界のストレンジも同じように傲慢だ」と判断し、彼の処分を協議しはじめたイルミナティのメンバーたち。しかしそこへ「ドリームウォーク」で操られたこのユニバースのワンダが襲いかかり、モルドを除いて彼らを皆殺しにしてしまいます。 ストレンジはモルドと格闘しながら、ワンダが持っている禁断の書「ダークホールド」と対をなす「ヴィシャンティの書」のもとへ。しかしワンダはヴィシャンティの書を燃やし、アメリカを連れ去りました。 そしてストレンジとクリスティーンは、別のユニバースへと飛ばされてしまいます。
④:闇堕ちストレンジ登場!決着はどうなる?!
ストレンジとクリスティーンがたどり着いたのは、誰もいない荒廃した世界。そこには半壊したサンクタム・サンクトラムだけが佇んでおり、彼らはここにイルミナティが送ったストレンジがいると考えます。 ストレンジは予想通りシニスター・ストレンジと対面し、彼が持っているダークホールドをかけて戦闘。なんとかシニスター・ストレンジを倒した彼は、アメリカの力を奪って別のユニバースへ移動しようとしているワンダを止めるため、「ドリームウォーク」で彼女たちのもとに向かうことに。 しかしワンダたちのいるユニバースにストレンジは存在しません。そこで彼は、アメリカが連れてきたディフェンダー・ストレンジの死体を操ってワンダゴア山にいるワンダのもとにたどり着きました。 ストレンジとウォンはワンダを追い込みますが、彼女はアメリカの能力を吸収しようとします。しかしアメリカはストレンジの言葉で能力を覚醒させ、ワンダが望む世界へのポータルを開きました。 しかしワンダを目にした息子たちは怯え、彼らの「ママ」である別の世界のワンダをかばいます。泣き崩れるワンダの前にその世界の彼女が進み出て自分が子どもたちを愛すると言うと、アメリカはポータルを閉じました。 どんなに望んでも願いは叶わないことを知ったワンダは、自分で事態を収集することに。彼女は同じ過ちが2度と起きないよう、ワンダゴア山を崩壊させます。「ドリームウォーク」から戻ったストレンジとクリスティーンのもとには、アメリカが迎えにやってきました。 その後、アメリカはカマー・タージで修行を積むことに。ストレンジはニューヨークのサンクタムにもどります。しかしあるとき彼が散歩中に激しい痛みを感じて倒れ込むと、額にシニスター・ストレンジと同じ第3の目が開いていました。
「ドクター・ストレンジ2」のラスト・結末
ドクター・ストレンジの変化
どのユニバースのドクター・ストレンジも、その独りよがりな性格で周囲の和を乱していました。MCUのこれまでのユニバース(アース616)のストレンジも、サノスとの最終決戦では人類の勝利のためにトニー・スタークの犠牲が必要だと判断し、その作戦を誰にも言わずに実行しています。これまでの彼には、“誰かと協力する”ということができなかったのです。 しかし今回、彼はシニスター・ストレンジとの戦いや「ドリームウォーク」の場面でクリスティーンと協力し、彼女に頼ることができました。 またワンダを追い詰めた際、ウォンとアメリカ・チャベスはストレンジに彼女の力を吸収してワンダを倒すように促しましたが、彼はアメリカ自身に力を使うよう励まします。
これまで彼の考え方の中心にあったのは、「大義のためなら多少の犠牲は仕方がない」というものでした。そのためにトニー・スタークも、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でのピーター・パーカーも犠牲になったのです。 しかし本作では、誰もがこれしか選択肢はないと思ったところで、ストレンジは別の道を示しました。これは彼にとって大きな、そして良い変化だと言えるでしょう。 ラストシーンでストレンジは、クリスティーンからもらって壊れたままになっていた時計を修理しました。これは彼が過去に折り合いをつけ、それを捨てることはないものの、新しい人生を歩んでいくことを決意したことを表しています。
報われないワンダ
今回のワンダの目的は、ドラマ『ワンダヴィジョン』の結末からつながっています。 これまでワンダの人生は、悲しい出来事ばかりでした。幼いころに紛争で両親を亡くし、弟とともにヒドラで人体実験を受けてスーパーパワーを得た彼女。その後、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では愛するヴィジョンを亡くし、『ワンダヴィジョン』で束の間の、そして偽りの幸せを手に入れるも、現実を突きつけられて自らそれを手放しました。 そんな彼女がスカーレット・ウィッチとして最強の魔力を得て、どうしてもやりたいと思ったことが「自分の子どもたちと幸せに暮らす」というささやかな願いを叶えることだったのです。そのために使った方法は世界を崩壊させる危険がありましたが、ワンダの人生はあまりにも報われません。 本作でワンダは最後に自分を封印したように見えましたが、彼女の物語は本当にこれで終わってしまったのでしょうか。配信時期は未定ですが、『ワンダヴィジョン』に登場した魔女アガサ・ハークネスが主人公のドラマ『アガサ:ハウス・オブ・ハークネス(原題)』でワンダが再登場するのを期待したいですね。
アメリカ・チャベスの気になる活躍
本作で初登場したアメリカ・チャベス。彼女はラストで自身の力をコントロールできるようになりました。カマー・タージでの修行には苦戦しているようですが、今後ヒーローとしての活躍が描かれることは間違いないでしょう。 彼女はニューヨークに戻るストレンジに「あなたがいるユニバースに落ちてきてよかった」と言い、ストレンジは「私もだ」と答えました。 2人の出会いは、お互いにとって良い変化をもたらすものだったのです。
「ドクター・ストレンジ2」の6つの重要ポイント
ここからは本作を十分に理解するための6つの重要なポイントを解説していきます。 映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の内容・結末のネタバレを含みますので、映画鑑賞前の人は注意してください!
①:ワンダとストレンジが使った「ドリームウォーク」とは?
本作のポイントの1つである「ドリームウォーク」。これは別のユニバースにいる別の自分の身体に入り込んで、そこの景色を見たり、動きを操ったりする魔術です。夢の世界は別のユニバースとつながっているため、このように呼ばれているのでしょう。 ワンダはドリームウォークを使って、子どもたちと幸せに暮らせるユニバースを探していました。 一方ストレンジはワンダとの最終決戦に臨むため、彼女がいるユニバースにある自分の死体に乗り移ります。
②:ダークホールドとヴィシャンティの書とは?
ドラマ『ワンダヴィジョン』で初登場し、本作の大きなカギとなったダークホールド。これは「禁断の書」と呼ばれ、人が知るべきではない危険な知識や呪文が記されている、とされています。またこの書のうちの1章には、無から有を生み出せる「カオス・マジック」や至高の魔術師をも超える力を持つスカーレット・ウィッチについて書かれているとか。 しかしこの魔術書に触れると心が闇に侵され狂気に陥ってしまう危険性があり、「呪われた書」とも言われています。 一方で当初ストレンジたちが手に入れようとしていたヴィシャンティの書は、ダークホールドとは対極にある魔術書です。どんな敵でも倒せる方法が記されていると言われていますが、その詳しい内容はわかっていません。イルミナティがいた世界のサノスは、このヴィシャンティの書の力で倒されました。
③:ドクター・ストレンジが3人登場?
「マルチバース・オブ・マッドネス」には、3人のドクター・ストレンジが登場しました。1人はこれまでもMCUに登場してきたおなじみのドクター・ストレンジ。 もう1人は異次元でアメリカ・チャベスと行動をともにしてきた「ディフェンダー・ストレンジ」で、彼は冒頭でドクター・ストレンジが見ていた夢に現れました。そして彼がアメリカと出会ったことで、ディフェンダー・ストレンジが実在していたことがわかります。 そしてもう1人重要なのは、マルチバースの狂気を目にし、闇堕ちしてしまった「シニスター・ストレンジ」。荒廃した世界にある「シニスター・サンクトラム」という場所にたった1人で住んでいます。 ディフェンダー・ストレンジは、アメリカとともにストレンジたちのいるユニバースへやってきたときに死んでしまいました。一方シニスター・ストレンジは、彼のユニバースに飛ばされてきたストレンジとダークホールドをかけて戦います。
④ : 13個のマルチバース
本作は「マルチバース」が展開された物語となっており、作中ではドクター・ストレンジとアメリカ・チャベスが、イルミナティが存在する「アース838」に到着する前にいくつかの世界を横切っています。その際に訪れた13のマルチバースが判明しました。 スターク社が作ったドローンが飛び交うパイプまみれの世界や、二次元であるコミックの世界などユニークなマルチバースが多く登場します。しかし中にはMCUファンを震撼させたマルチバースも。 1つはニューヨーク決戦でアベンジャーズが敗北した世界。そしてもう1つは、ヒドラに支配された世界です。いわゆるバッドエンドの世界線ということで、後々「ホワット・イフ……?」で舞台になるかもしれませんね!
⑤:『ワンダ・ヴィジョン』との気になる繋がり
本作でのワンダの狙いは、ドラマ『ワンダヴィジョン』の結末からつながっています。 ドラマで彼女は、ある町を巻き込んで「ヘックス」と呼ばれる現実とは違う世界を作り出し、そこで今は亡きヴィジョンと双子の息子トミーとビリーと4人で幸せに暮らしていました。 最終的に彼女はそれが現実でないことを認め、自らの魔力で作り出した現実には存在しないヴィジョンと、息子たちを手放すことにします。しかしその町でワンダの力を狙っていた魔女から禁断の書「ダークホールド」を奪っていました。 このダークホールドに記された禁断の魔術が、本作で鍵を握っています。
⑥:アメリカを襲う怪物・ガルガントス(シュマゴラス)
物語冒頭、NYでアメリカ・チャベスを追いかけていた奇妙な怪物ガルガントス。権利の都合上、原作の「シュマゴラス」という名前から変更されています。 シュマゴラスはコミックでは非常にマイナーなキャラクターですが、1990年代から2000年代にかけて展開された格闘ゲームシリーズ「MARVEL VS. CAPCOM」に初期から登場。1995年の『マーヴル・スーパーヒーローズ』で人気と知名度を獲得しました。 日本語版では「でしゅましゅ調」で話し、「シュマちゃん」の愛称でマーベルファンのみならず、格闘ゲームファンからも親しまれています。
「イルミナティ」を解説
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マットネス』には、「イルミナティ」のメンバーがカメオ出演しました。 イルミナティとは、マーベルコミックに登場する各界のリーダー達による秘密組織。本作に登場したイルミナティのメンバーはコミックとは違っていますので、簡単に紹介しましょう。
プロフェッサーX
本名チャールズ・エグゼビア。ミュータントの組織X-MENのリーダーです。並外れた知性と、テレパシーや心理操作など強力なサイキック能力の持ち主。人間とミュータントの共生を目指し、ミュータントの子どもたちの教育のため「恵まれし子らの学園」を運営しています。 2000年から2019年にかけて20世紀FOXが制作した「X-MEN」シリーズと同じ、パトリック・スチュワートが演じています。
キャプテン・カーター
本名ペギー・カーター。MCUアニメーションシリーズ『ホワット・イフ…?』で初登場した彼女。これまでのMCU映画とは別のユニバースで、スティーブ・ロジャースに代わって超人血清の投与を受け、最初のアベンジャーとなった人物です。 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011年)と同じく、ヘイリー・アトウェルが演じています。
ブラックボルト
ブラックボルトはインヒューマンズと呼ばれる種族の王で、小声でささやくだけでも都市を破壊する威力がある「声」の持ち主。MCUには初登場となりました。 2017年に放送されたドラマ『インヒューマンズ』と同じく、アンソン・マウントが演じています。
キャプテン・マーベル(マリア・ランボー)
これまでMCUに登場したキャプテン・マーベルの本名はキャロル・ダンバースで、ブリー・ラーソンが演じていました。 しかし本作では『キャプテン・マーベル』でキャロルの親友マリア・ランボーを演じたラシャーナ・リンチがキャプテン・マーベルとして登場。このユニバースでは彼女がキャプテン・マーベルになったようですが、その経緯は不明です。
リード・リチャーズ
「ファンタスティック・フォー」というヒーローチームのリーダー、ミスター・ファンタスティックことリード・リチャーズ。自家製ロケットによる宇宙飛行中に未知の宇宙線を浴び、全身をゴムのように伸縮させる能力を得ました。 本作では、これまでのシリーズ作品とは異なるジョン・クラシンスキーが彼を演じています。「ファンタスティック・フォー」は2023年以降に単独映画が制作されることがわかっていますので、キャストが続投となるのか気になりますね。
モルド
モルドはカマー・タージで修行していたときのストレンジの兄弟子です。前作で「自然の摂理に反する魔術師を減らす」と誓った彼は、続編でヴィランとして登場するのではと推測されていました。 演じるのは前作と同じくキウェテル・イジョフォーです。
ラストシーンを解説!ミッドクレジットで登場したクレアとは?
ラストシーンでは、ドクター・ストレンジに驚くべき変化が起こりました。彼にはシニスター・ストレンジと同じく額に第三の目が現れましたが、彼もまた闇堕ちしてしまうのでしょうか。もしかすると、禁止されている死体でドリームウォークをした影響で、このような変化が起こったのかもしれません。 またイルミナティのシーンでは、ユニバース同士が衝突して片方あるいは両方が消滅する「インカージョン」についても触れられていました。
ミッドクレジットシーンで、ストレンジはある女性に声をかけられ「インカージョンを防いでほしい」と頼まれます。このとき彼は驚くわけでもなく、すんなりと女性の頼みを聞き、彼女が通ってきた扉の向こうへと消えていきました。 この女性は、原作コミックでストレンジの新たなパートナーとなっているクレアだと思われます。 今後、ドクター・ストレンジはマルチバースを完全に把握し、全宇宙を救うような力を持つようになるのかもしれません。 ちなみにクレアは、シャーリーズ・セロンが演じています。キャストからいって、この1回限りの登場とは考えにくいでしょう。
エンドクレジット解説!ピザボール屋の店主は名作ホラーオマージュ?
ブルース・キャンベル
本作にはなんとブルース・キャンベルがカメオ出演しています!彼はサム・ライミ監督作品「死霊のはらわた」シリーズで主演を務め、その後もサムライミ版「スパイダーマン」3部作にカメオ出演するなど、彼の作品には欠かせない存在。 キャンベルが演じたのは、あるユニバースのピザボール屋台の店主です。 彼はストレンジにある魔術をかけられ、ひどい目にあいますが、これはライミが監督した彼の代表作『死霊のはらわたⅡ』で彼の手が乗っ取られることのオマージュではないかと言われています。 また、ポストクレジットで魔術が解けた彼が「終わった!(It’s over!)」と喜ぶシーンも、映画『デッドプール』(2016年)のオマージュでした。
考察①ワンダは死亡したのか?
最終的にワンダは自分の子どもたちを手に入れることをあきらめ、ワンダゴア山を崩壊させることで世界を守りました。そのとき彼女自身も巻き込まれて、命を落としたように見えます。しかしワンダは本当に死んだのでしょうか。 ワンダゴア山が崩れるシーンをよく見てみると、一瞬赤い光が放たれる場面があります。もしかするとワンダはこのとき、自身に覆いかぶさる岩を破壊して逃げたのかもしれません。 本作でのワンダはイルミナティをほぼ全滅させるほどの力を見せていたので、ワンダゴア山の崩壊に巻き込まれたくらいで命を落とすとも考えにくいのではないでしょうか。 もしワンダが生きているとすれば、製作が予定されているドラマ『アガサ:ハウス・オブ・ハークネス(原題)』に再登場する可能性が高いかもしれません。
考察②「ドクター・ストレンジ3」の展開はどうなる
「ドクター・ストレンジ」3作目の製作はまだ発表されていません。しかしこれまで、MCUのヒーローたちの多くが単独3作目まで製作されてきたことを考えると、「ドクター・ストレンジ3」の製作もほぼ間違いなくあると考えられます。 ストレンジは、原作コミックではソーサラー・スプリームになっていますので、3作目が製作されるとすれば、彼が魔術師のトップに登りつめるまでの物語が展開されるかもしれません。 また「MoM」のミッドクレジットシーンでは、彼はクレアという女性とともにダークディメンションに旅立ちました。クレアはストレンジの単独1作目のヴィラン、ドルマムゥの姪であり、のちに彼の妻となる女性。ダークディメンションのソーサラー・スプリームでもあります。 3作目では、彼女との冒険や魔術師としての成長が描かれるかもしれませんね。
「ドクター・ストレンジ2」の登場人物・キャスト
ドクター・ストレンジ(スティーブン・ストレンジ)役/ベネディクト・カンバーバッチ
スティーブン・ストレンジはアメリカでも屈指の神経外科医でしたが、傲慢な性格で周囲の反感を買っていました。しかしある日、彼は交通事故により両手の機能を失ってしまいます。わらにもすがる思いでエンシェント・ワンに弟子入りしたストレンジは、魔術を会得し正義を貫くと決意するまでに、人として成長しました。 英BBCのTVシリーズ『SHERLOCK シャーロック』で世界的に人気俳優となったベネディクト・カンバーバッチがドクター・ストレンジを演じています。当初カンバーバッチは主演舞台『ハムレット』との兼ね合いで出演を断念せざるを得ない状況だったとか。 しかし製作側はさまざまな他の俳優の起用を検討した結果、やはりどうしてもカンバーバッチをキャスティングしたいと撮影スケジュールを延期したそうです。
ウォン役/ベネディクト・ウォン
カマー・タージの図書館の守護者ウォン。その膨大な蔵書に記された魔術の真理や禁断の秘術が地球の平和を脅かす者の手に渡らないよう、命がけで守っています。ストレンジがマスターとなり、ニューヨークのサンクタム・サンクトラムを任せられたあとは、彼の相棒としてともに行動することが増えました。 ウォンを演じるベネディクト・ウォンは、Netflixオリジナル作品「マルコ・ポーロ」シリーズでモンゴル帝国の初代皇帝クビライ・カーンを演じて知名度を上げました。
ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)役/エリザベス・オルセン
本作には、エリザベス・オルセン演じるスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフが登場することが明らかになっています。 故郷ソコヴィアへの爆撃によって両親を失ったワンダは、双子のピエトロとともにヒドラに捕らえられ、人体実験によってテレキネシスなどの超能力者を持ったヒーロー。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』からアベンジャーズに参加しています。 本作のストーリーがドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』からつながっているということもあり、彼女とストレンジがどのように関係してくるのか注目が集まります。
モルド役/キウェテル・イジョフォー
ストレンジの兄弟子であるモルド。エンシェント・ワンとストレンジを引き合わせ、師匠亡き後はストレンジとともに魔物ドルマムゥと戦います。 しかし、エンシェント・ワンが闇の魔術によって長寿を実現させていたことに反発し、ストレンジをはじめとするカマー・タージの魔術たちと袂を分かちました。その後は「世界には魔術師が多すぎる」として自然の均衡を取り戻すことを目指しています。 モルドを演じるキウェテル・イジョフォーは、イギリス出身の俳優。2013年の『それでも夜は明ける』では、アカデミー主演男優賞にノミネートされました。実は空手黒帯五段の腕前のイジョフォーは、戦闘シーンの動きを自然に行うことができたそうです。
アメリカ・チャベス役/ソーチー・ゴメス
本作で初登場となるアメリカ・チャベスは、「ミズ・アメリカ」とも呼ばれる新たなヒーローです。 「ユートピア・パラレル」という異次元出身の彼女は、飛行能力と超人的な怪力、さらに時空間移動能力の持ち主。また彼女はレズビアンであり、LGBTQのヒーローの1人としても知られています。 ユートピア・パラレルには女性しか存在せず、彼女は2人の母の間に誕生。あるとき故郷が崩壊の危機にさらされ、彼女の母親たちは身を挺して世界を守りました。その英雄的行動に感銘を受けた彼女は、ヒーローになることを決意。故郷を離れて地球に住むことを決め、ある女性カップルの養子になります。 そんなアメリカ・チャベスを演じるソーチー・ゴメスは、2006年生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。2016年ごろから芸能活動をはじめ、2020年にはNetflixオリジナルシリーズ『ベビー・シッターズ・クラブ』に出演し、注目を集めました。またZ世代の俳優として、TikTokでも人気を獲得しています。
「ドクター・ストレンジ2」の監督はサム・ライミ
「ドクター・ストレンジ2」は前作のスコット・デリクソン監督に代わり、「スパイダーマン」シリーズ3部作(2002年〜2007年)などで知られるサム・ライミが監督を務めています。同シリーズで「アメコミ映画は成功しない」というジンクスを覆した彼の起用に、驚き、よろこんだ人も多いでしょう。 「死霊のはらわた」シリーズなどでホラー映画の巨匠としても知られる彼は、当初から予告されていたとおり、「ドクター・ストレンジ2」にホラー要素をふんだんに取り入れているとのこと。 マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは本作を“サム・ライミ映画”としたうえで「『死霊のはらわたⅡ』(1987年)のファンがよろこぶ作品になるでしょう」と語っています。
スコット・デリクソンが続投しなかった理由は?
前作の監督スコット・デリクソンは本作では監督から降板し、製作総指揮として残留することになりました。彼は当初監督を続投する予定でしたが、マーベルとの「クリエイティブな面での意見の違い」のために降板したと言われています。 またデリクソンは「ドクター・ストレンジ2」と同時期に別の映画を製作することを希望しており、最終的にそちらを選んだのだとか。 しかしマーベルとの関係は良好なようで、2021年には自身のTwitterでファンからの「(ドクター・ストレンジの)3作目があったら復帰する?」という質問に、「マーベルとの仕事は大好きなので、また絶対にやりたい」と答えています。
「ドクター・ストレンジ2」の感想・評価
ストレンジの話というよりワンダの物語を決着させた感じ。この子は初登場以降ほんと報われなさすぎて、悲しいけどそこが良い。ワンダヴィジョンで幸せな夢を見ちゃってそれを取り戻したいって思うだけで、なんか純粋に悪い奴じゃないのが見てて辛かった、、、
あとはマルチバースなんでもありすぎて興奮。ペギーがキャプテンなのも、ファンタスティックフォー出てくるのも、あと個人的にテリジェンクリスタル絡みでエージェントオブシールド見ててよかった!ってなった。もちろん1番はプロフェッサーXがMCUにいる世界線が見られて鳥肌!
ドラマまで全部追っているわけじゃないけど十分に楽しめた!なんといってもサム・ライミの演出がすごい。ホラー映画だった。ワンダとの攻防シーンはいちいちビビって心臓にきました。
そして今回の新キャラアメリカ・チャベスが個人的に超お気に入り!だんだんストレンジに懐いていくアメリカちゃん可愛い~~!スパイダーマンに引き続き、ティーンのヒーローと大人のヒーローの絡みが今後も見られるのかな~。楽しみだな。
「ドクター・ストレンジ2」と関連がある作品まとめ
ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021年)
本作のキーパーソンの1人となることが予想されているワンダ・マキシモフ。予告編で彼女は、これまでの映画シリーズでは見せなかったヒーロー然としたコスチュームを着ています。実はこれはディズニープラスのオリジナルドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』での出来事を踏まえたもの。 ドラマでワンダは、郊外の街でヴィジョンとともにしあわせな新婚生活を送っていましたが、そこには驚くべき秘密が……。 ワンダを演じるエリザベス・オルセンは「ドクター・ストレンジの続編は『ワンダヴィジョン』を観ていないと、よくわからないと思う。ストーリーのなかでワンダの立ち位置はドラマとつながっているから」と2021年のTHE WRAPのインタビューで語っています。
映画『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』(2021年)
2022年1月に公開された『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、本作と同じくマルチバースを描いた作品です。 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年)での出来事を受けて、世界中にその正体が知られてしまったスパイダーマンことピーター・パーカー。彼はドクター・ストレンジに、魔術で人々からスパイダーマンの正体についての記憶を消すように頼みます。しかしそれは非常に危険な呪文でした。 ストレンジはピーターの願いをしぶしぶ了承しますが、呪文は失敗。別のユニバースからスパイダーマンの宿敵たちが現れ、絶体絶命のピンチに陥ってしまいます。 このときの出来事が、「ドクター・ストレンジ2」につながっているのです。
アニメ『ホワット・イフ…?』(2021年)
ディズニープラスのオリジナルアニメシリーズ『ホワット・イフ…?』では、これまで映画シリーズで描かれてきたものとは違う「もしも」のストーリーがくり広げられます。 第4話「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」では、映画とは違うドクター・ストレンジの物語が描かれました。 恋人のクリスティン・パーマーとともにパーティに向かったストレンジは、その途中で交通事故に遭います。彼は無事だったものの、クリスティンは命を落としてしまいました。悲しみに打ちひしがれた彼は、救いを求めてカマー・タージで修行に励み魔術師に。しかしストレンジはクリスティンのことをあきらめきれず、アガモットの目を使って過去を変えようとし……。 このエピソードに登場する“邪悪な”ドクター・ストレンジが「マルチバース・オブ・マッドネス」にも登場しました。
1作目『ドクター・ストレンジ』(2016年)のあらすじをおさらい
傲慢な天才外科医スティーブン・ストレンジは、数々の困難な手術を成功させ名声を欲しいままにしていました。しかしあるとき、彼は交通事故で両手の機能を失ってしまいます。外科医としての復帰が絶望的となったストレンジは最後の望みをかけてチベットにあるカマー・タージという場所を訪れます。 そこは、至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)エンシェント・ワンが率いる魔術師の修行場でした。最初は半信半疑だったストレンジですが、彼女のもとで修行を積むにしたがって、めきめきと力をつけていきます。 しかしそこへエンシェント・ワンの元弟子であるカエシリウスが現れ、闇の魔術で世界を破滅へ導こうと企てます。新米魔術師ストレンジは闇の魔術に対抗できるのでしょうか――?
その後MCUでの活躍は?
単独1作目以降ドクター・ストレンジは、ポストクレジットシーンを除いて4作のMCU映画に登場しています。 『マイティー・ソー バトルロイヤル』(2017年)では、行方不明になった父オーディンを探してソーとロキが彼のもとを訪れました。 2018年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、サノスを倒すため土星の衛星タイタンでアイアンマンやスパイダーマン、スターロードらと共闘。このとき彼は「アベンジャーズがサノスに勝つ確率は1400万605分の1」と予言し、アイアンマンに未来を託すことに。 その後『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)でアイアンマンたちの作戦が成功し、ほかのヒーローたちとともにストレンジも復活。魔術師軍団を率いてサノス軍と戦いつつ、アイアンマンに逆転のチャンスを伝えました。 そして2022年の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも重要な役割を担いました。
「ドクター・ストレンジ2」で広がったMCUの無限の可能性
MCUフェーズ4の映画作品5作目となる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』。マルチバースの可能性を無限に広げた本作は、マーベルファンの熱気をさらに高めています。 本作での驚きのコラボを踏まえると、今後はスタジオの垣根を超えて、いよいよマーベルの世界が統合されるのではないでしょうか。ストレンジや本作で初登場となったアメリカ・チャベスの今後の活躍も楽しみですね。続編に期待しましょう!