『借りぐらしのアリエッティ』の結末や都市伝説をネタバレ解説!小人たちの正体やメッセージを徹底考察
タップできる目次
- 『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ【ネタバレなし】
- 『借りぐらしのアリエッティ』を結末までネタバレ解説!
- 【解説①】モデルはイギリスの小説に?物語の舞台も解説
- 【解説②】小人たちの正体とは?掟にも迫る
- 【解説③】翔の言葉の真意や2通目の手紙の内容を考察!
- 【解説④】なぜ家政婦のハルさんは小人を追いかけ回すのか?
- 【解説⑤】描きたかったのは抗えない運命?「借りぐらし」の意味は
- 【都市伝説①】考察の飛び交うアリエッティたちのその後とは?
- 【都市伝説②】アリエッティの正体や先祖に関する噂に迫る
- 米林宏昌監督のエピソードも解説!あのキャラのモデルだった?
- 不思議な魅力を持つ主題歌「Arrietty's Song」
- 『借りぐらしのアリエッティ』感想や評判は?
- 小人たちの正体や都市伝説も興味深い『借りぐらしのアリエッティ』
『借りぐらしのアリエッティ』あらすじ【ネタバレなし】

父ポッド、母ホミリーと家族3人で古い屋敷の床下に暮らしている小人のアリエッティ。初めての「借り」に出かけた夜、この屋敷に療養に来ていた少年・翔に姿を見られてしまいます。翔は友好的に接してきますが、「人間に見られたら引っ越さなければならない」という小人の掟がアリエッティを悩ませます。 さらに以前小人を見たことを誰にも信じられず、その存在を証明しようとしていた家政婦のハルが、ホミリーを発見して瓶に閉じ込めてしまい……。
『借りぐらしのアリエッティ』を結末までネタバレ解説!
翔とアリエッティの運命的な出会い

小人のアリエッティは先祖代々とある郊外の家に暮らしていました。彼らは人間世界から、生活に必要な物資を借りて暮らす「借りぐらし」の種族です。 アリエッティが暮らす家に、病気の療養のため翔という少年がやってきます。彼は心臓に疾患を抱えていました。もともと人間が住んでいた家でしたが、子どもが加わった事でアリエッティの家族は警戒心を高めます。 とある晩、アリエッティは父親で一緒に「借り」に行くことに。狩りとは、人間の住処から物を借りてくることです。初めての「借り」に胸を踊らせていたアリエッティでしたが、なんとその最中に彼女は翔に見つかってしまいます。
借りぐらしと翔との心の距離

翔自身は彼の母親から「この家で小人を見たことがある」と聞いていたので、驚くことはありませんでした。しかしアリエッティは彼に姿を見られてしまったこと、さらにそのショックで狩りの獲物であった角砂糖を落としたことにひどく落ち込みます。 次の日翔は、アリエッティが住んでいる軒下に落としていった角砂糖を届けてあげます。人間と接触してはいけないアリエッティは、彼に自分とこれ以上関わってはいけないと警告しにいくことを決意。 しかし翔は、彼女のことをもっと知りたがっていました。彼は両親が離婚しており、父親とあまり会えず、母親も仕事で海外出張に行っていて、孤独を抱えていたからです。
家政婦ハルに見つかった小人一家

そんな彼に対して、複雑な感情を抱くようになるアリエッティ。一方で、その家の家政婦であるハルは小人の存在に気づきはじめ、ネズミ駆除会社に連絡をとろうとしていました。 その頃、翔は大叔母の貞子から曾祖父のドールハウスを見せられ、それが小人たちへの贈り物であることを知ります。ポッドは引っ越し先を探しに出かけていましたが、小人の仲間スピラーの助けもあって引っ越し先のアテを見つけ、他の場所にも小人たちが住んでいることがわかりました。 翔がドールハウスのキッチンをアリエッティの家に設置したことで、引っ越しすることが決定的に。しかしそんな時、ハルがキッチンにいるホミリーを発見してしまい、彼女を瓶に詰めて監禁してしまいます。
アリエッティ一家の旅立ち

ハルは翔も部屋に閉じ込めますが、そこにアリエッティが現れ、一緒にホミリーを探すことに。部屋から脱出した翔はアリエッティと一緒に無事にホミリーを救出することに成功します。 その晩、アリエッティたちは引っ越しするため、スピラーの待つ川へ向かいました。明け方近く、飼い猫ニーヤに導かれ、アリエッティたちがいる川に向かった翔。アリエッティは翔に別れを告げ、船代わりのやかんに乗ってスピラーと両親とともに川を下っていくのでした。
【解説①】モデルはイギリスの小説に?物語の舞台も解説
『借りぐらしのアリエッティ』の原作小説は、イギリスの作家メアリー・ノートンが1952年に発表した児童文学「小人の冒険」シリーズです。原題は『The Borrowers(ボロワーズ)』で、邦題は『床下の小人たち』。イギリスで最も権威ある児童文学賞「カーネギー賞」を受賞しています。 ジブリ映画は第1巻『床下の小人たち』をベースにしていますが、原作は全5巻。床下を追われた後、アリエッティ一家が野原で暮らしたり、川を旅したり、空を飛んだりする冒険へとスケールが広がっていきます。 原作の舞台はイギリスの田舎にある古い大屋敷の床下。ジブリ映画では舞台を日本に変え、屋敷は青森県平川市にある国指定名勝の盛美園を参考にしたとされています。
【解説②】小人たちの正体とは?掟にも迫る
そもそもアリエッティってどんな小人?

アリエッティたちは「床下の小人たち」と呼ばれ、人間の世界から少しずつ物を借りて暮らしている小人です。彼らは決して人間にみつかってはならないという掟を守りながら、ひっそりと暮らしていました。 小人の少女・アリエッティは、明るく好奇心旺盛な14歳の女の子。人間や猫、虫に対しても物怖じしない性格で、よく床下から外に出て遊んでいるようです。 ある日アリエッティは、母の誕生日のために花やハーブを採取しようと外に出ていたところを、人間の少年・翔に目撃されてしまいます。
アリエッティたち小人の暮らしを紹介

アリエッティたち小人は、自分たちが送る生活のことを「借りぐらし」と呼んでいます。それは彼女たちが人間の家や物を借りて生きているからです。 また「借り」と「狩り」をかけており、準備を整えた上で人間のものを借りにいきます。あくまでも「借りる」のであり「盗む」のではありません。 アリエッティたち小人には、「人間に見られてはいけない」という掟があります。そのためもし人間に見つかってしまった場合は、すぐにその住処から引っ越さなければいけません。
小人たちは外国出身?

前述の通り、原作小説がイギリスを舞台にした作品であり、ジブリ映画は日本に舞台を移してはいますが、主人公アリエッティとその家族の名前は原作のまま使用されています。アリエッティたちが日本人とは違う容姿で描かれているのは、原作に沿ったキャラクター設定といえるでしょう。 翔はもともと原作には登場しないキャラクターで、日本人の設定。小人たちを原作のままの設定にしたのは、翔や屋敷の人々とは違う世界の住人であることをより強調するためでしょうか。彼らが外国出身であることが、ラストで旅立った先も異国かも?と想像がふくらみます。
【解説③】翔の言葉の真意や2通目の手紙の内容を考察!
翔がアリエッティに発した冷たい言葉の意味って?

翔がアリエッティの存在を初めて知ったのは、彼女が猫のニーヤに絡まれかけているところを目撃した時でした。その後放った「君たちは滅びゆく種族なんだよ」という言葉は一見突き放すようにも聞こえますが、直前に「美しい」と口にしていたことから、その裏には別の感情が隠れていたと考えられます。 心臓の手術を控え生きることに悲観的だった翔は、自分自身の運命とアリエッティたち小人族の運命を重ね合わせていたのかもしれません。人間も小人族も等しく「美しいものはいずれ滅びる」という達観した歴史観の中で捉えていたとすれば、あの発言は冷酷さというより諦観の表れだったとも読み取れます。 ただ12歳の少年である翔には、その言葉がアリエッティをどれほど傷つけるかまでは想像が及ばなかったようで、のちに謝罪し借りぐらしへの協力を申し出る展開へとつながっていきます。
2通目の手紙に書かれていた内容は?

謝罪をきっかけに歩み寄りを見せた翔は、その後ホミリーがハルに捕らわれた際にはアリエッティと共に救出に協力するなど、着実に距離を縮めていきます。作中では2通目の手紙の中身は明かされませんが、そうした関係の変化と前後の描写から翔の意図をある程度読み解くことができそうです。 1通目では角砂糖に「わすれもの」と添えるだけだった翔ですが、大叔母の貞子から曽祖父がイギリスの職人に作らせたドールハウスの由来を聞いたあと、花を添えて2通目の手紙をアリエッティの通り道に残しています。 この流れと、その後強引ともいえる形でホミリーの台所をドールハウスの台所に挿げ替えている行動を踏まえると、手紙にはドールハウスを自由に使ってほしいという願いが綴られていたのではないかと考えられます。曽祖父もまた小人の存在を信じていたというエピソードは、翔の行動が単なる思いつきではなく家族の歴史にも通じるものだった可能性を示唆しています。
【解説④】なぜ家政婦のハルさんは小人を追いかけ回すのか?

本作において唯一の悪役のような存在である、家政婦のハルさん。彼女は翔の様子から何かを察し、以前見たことがある小人が家にいるのではないかと勘ぐり始めます。 しかしハルさんの行動は少し度が過ぎており、部屋に鍵をかけて翔を閉じ込めてまで、ネズミ駆除業者を呼び小人を捕獲しようとするのです。 なぜハルさんはそこまで小人に固執しているのでしょうか?駆除業者には「捕獲」するよう強調しており、自分でもホミリーを捕まえた時は瓶に入れて閉じ込めていることから、駆除することを目的とはしていないようです。 おそらく彼女は、以前小人を見たことがあるものの誰にも信じてもらえなかった過去があるため、小人を捕まえてその存在を証明したいという欲があったのではないでしょうか。
【解説⑤】描きたかったのは抗えない運命?「借りぐらし」の意味は

本作の根底には「抗えない運命とどう向き合って生きるか」という問いが流れているように感じられます。滅びゆく運命を背負った小人族のアリエッティと、病によって死を意識せざるを得ない翔。立場も種族も異なる二人ですが、逃れられない現実を前にしながらも、それぞれのやり方で生きる意味を見出そうとする姿が丁寧に描かれています。翔がアリエッティとの出会いを通して少しずつ前を向いていく過程は、その象徴と言えるでしょう。 戦争や災害、犯罪が絶えない今の世界で、私たちは本当に安全で平和な日常を生きていると言い切れるのでしょうか。もしある日突然、抗いようのない状況に立たされたとき、目の前の現実から目をそらさずに向き合えるのか。自分の運命をどう受け止め、どう生きていくのか。『借りぐらしのアリエッティ』は、そんな根源的な問いを、小さな種族の物語を通して静かに突きつけてくる作品なのかもしれません。
「借りぐらし」は地球と人間の関係を見つめ直すきっかけに

宮崎駿監督は、小人たちの慎ましくも自立した「借りぐらし」の暮らしを描くことに現代的な意味があると語っています。必要なものだけを借りて生きる彼らの姿は、大量に消費し続ける私たちの生活と対照的であり、静かな問いを投げかけてきます。
【都市伝説①】考察の飛び交うアリエッティたちのその後とは?
アリエッティと翔の気になるその後

『借りぐらしのアリエッティ』では、その後の展開は語られていません。そのため、アリエッティと翔がどのような結末を迎えたのか、ファンの間ではさまざまな考察が飛び交っています。 翔は生まれつき心臓に病を抱えており、物語当時は手術を控えている身でした。作中で「死ぬのは僕の方だ」と弱気な発言をしていたことから、手術がうまくいかず命を落としてしまったのではという考察があります。また、手術自体は無事に終わったものの、アリエッティとは二度と再会できなかったという見方をする人もいます。 一方、引っ越し先の屋根裏で暮らし始めたアリエッティたち一家についても、心配する声は少なくありません。人間に見つかって捕まってしまった、あるいは猫や犬などに襲われてしまったのではないかという噂も囁かれています。 いずれも後味の悪い結末を想像したものばかりですが、小人族という設定を考えると、人間と共存しながら生き延び続けるのは簡単ではないというのが実情なのかもしれません。
スピラーと結婚したという説も

アリエッティの父親を助け、一家の引越しを手伝うことになるスピラー。野生児の彼ですが、アリエッティが翔との別れを惜しんでいる間、1度は翔に弓を引いて警戒するものの、すぐに察して邪魔せずに見守っています。 その後も傷心のアリエッティに、さりげなくラズベリーを差し出す優しさも持ち合わせており、アリエッティとスピラーが良い雰囲気になりそうな予感も。そのためか、アリエッティはその後スピラーと結婚したという説も上がっています。 実はそれも根拠のない噂というわけでもなく、原作ではアリエッティがスピラーとの結婚を宣言するようなくだりもあるようです。 ジブリ作品には続編がないのでアリエッティとスピラーのその後は想像しかできませんが、原作では小人たちのさらなる冒険が描かれています。
【都市伝説②】アリエッティの正体や先祖に関する噂に迫る
主人公はゴキブリ!?アリエッティの正体とは

まさかあの可愛らしい姿のアリエッティが、と思われる方がいるかもしれませんが、実はアリエッティがゴキブリだという都市伝説が存在しているのです。 原作となった『床下の小人たち』の舞台であるイギリスでは、実際にゴキブリをジャムにして食べていたという驚きの事実が存在します。栄養素がかなり高い上に、様々な病気の治療薬として役に立つらしいのです。 また作中に登場する小人たちは全長10センチ程度で、その家の食料をもらいながら、屋根裏や床下で人目を避けて借りぐらしをしています。こういった設定がゴキブリを想起させるのでしょうか? この都市伝説に関しては、アリエッティのイメージが崩壊しかねないので、あまり追求しすぎない方がいいのかもしれません。
アリエッティはナウシカの先祖ってホント!?

1984年に公開された、宮崎駿監督による長編ジブリアニメ映画『風の谷のナウシカ』。この作品では文明が崩壊してしまった終末の世界を舞台に、王蟲や大王ヤンマといった大型生物たちとの共存を模索する少女・ナウシカの姿が描かれています。 本作とは全く異なる世界観の作品がどう繋がっているのでしょうか? 『風の谷のナウシカ』を観た人たちの間では、「大型生物たちが、あのサイズで物理的に飛行できるわけがない」と議論されていました。そのため全体のスケールの捉え方を変え、ナウシカたちが小人であるとすれば、大型生物たちとの対比も納得できると言われるようになったのです。 また時系列で考えてみると、『借りぐらしのアリエッティ』の原作である『床下の小人たち』の出版は1952年で、『風の谷のナウシカ』の公開日は1984年。前もって参考にしていたということも考えられます。 さらに宮崎駿と高畑勲の両者が言うことには、『借りぐらしのアリエッティ』の企画自体は映画化される40年前、つまり1970年頃から考えられていたそうです。
米林宏昌監督のエピソードも解説!あのキャラのモデルだった?

新人歓迎会の際、女性社員に「お前は麻呂だ!」と言われて以来、スタジオジブリで麻呂と呼ばれている米林監督。そんなあだ名がつくほどおっとりした見た目の米林監督ですが、ジブリに登場するあるキャラクターのモデルだと言われています。 そのキャラクターがなんと『千と千尋の神隠し』に登場するカオナシだというのです。『千と千尋の神隠し』の制作時、米林監督はちょうどカオナシの作画をしていたのですが、その画を見た鈴木敏夫が「麻呂にそっくり!」と言い放ったことがきっかけだとか。 カオナシというと、全身真っ黒な体に白いお面のようなものを着けている、不気味な姿が浮かびますよね。「何を考えているかわからない」「金で何でも手に入ると思っている」「コミュニケーションが苦手」という印象があります。 そんなカオナシのモデルと言われてることは、米林監督にとっては決して嬉しいものではないかもしれません……。 そんな米林監督が手がけた初の長編アニメ作品が、この記事で紹介した『借りぐらしのアリエッティ』です。ここで紹介した都市伝説や考察を踏まえて、ぜひ本作をもう1度見返してみてくださいね。
不思議な魅力を持つ主題歌「Arrietty's Song」

スタジオジブリ作品は新作が公開されるたびに、世界観にマッチした主題歌が注目を集めます。 『借りぐらしのアリエッティ』の主題歌「Arrietty's Song」を手がけたのは、フランス人歌手のセシル・コルベル。実はジブリ作品の主題歌を外国人アーティストが担当するのは、これが初めてでした。 米林監督から、アリエッティや翔をはじめとする登場人物の心情を伝えられた彼女は、それをもとに歌詞を制作。その後、提供された日本語歌詞を耳で覚え、あくまでサウンドとして落とし込んでいったようです。彼女はハープ奏者としても活躍していて、作曲にも携わっています。 これにより、不思議な空気を持つ心地良いサウンドに、アリエッティの想いをのせた歌詞が美しい曲が完成しました。
『借りぐらしのアリエッティ』感想や評判は?

『借りぐらしのアリエッティ』の感想で多かったのは、洗濯バサミやまち針を使った小人の世界がかわいらしくて素敵!というものです。子どもの頃に人形遊びをした記憶が蘇ってきたという人も多く、その世界観が高く評価されていました。 はっきりした結末を明示しないエンディングには謎が残りますが、考察や想像を膨らませる楽しみがあり、ファンタジー作品にはぴったりといえるでしょう。 また翔を演じた神木隆之介の演技を評価する声が多く集まりました。本作では、のちに『君の名は。』(20 16年)で大絶賛を受ける彼の、声優としての素晴らしい演技を見ることができます。
小人たちの正体や都市伝説も興味深い『借りぐらしのアリエッティ』

小人たちの意外な正体考察や都市伝説など、どこを深掘りしても興味深い『借りぐらしのアリエッティ』。もしかしたら本当に居るかもしれない小人族に思いを馳せて、違う視点からまた鑑賞してみても面白いかもしれませんね。





